..盆踊り。 作者/桃花

-第7話- 許さない―



葵は目が覚めた。


「夕方・・・・?」


もう外がオレンジにそまっている。


「なにか・・・・」


何か嫌な予感がする・・・・。


今日の赤みたいなオレンジのソラ。


勢いよく、ドアが開けられる。


「みなも?」


「お嬢様!!こちらへ急いできてください!」


みなもは葵の手をとると、そのまま二人で駈けていった。


「ちょっと!!痛いじゃない!!!どうしたのよっ!」


「車の中でお話します!!!!!!」


そして車に、逃げ込むかのように、乗り込んだ。


「なによっ!!どうしたのっっ!!」


「・・・由希恵様がお亡くなりになられました。」


「・・・・お母さん・・・」


葵はかたまった。そのうち葵の目から大粒がポつポツ


とこぼれおちてきた。


「ふぇ・・・・お母さん・・・・ズズッ・・・・・


おかあさぁぁぁぁぁぁぁぁんんんん!!!!!!!


いっちゃぁやだよぉぉ!!!!!!!一人にしないでぇぇ!!


私から大切なものをもううばわないでぇぇぇぇぇ!!」


それをきいて、ミナモは泣きました。


葵と・・・二人でなきました。


香奈枝とお母さん。大切なものがどんどんと


葵の周りから消えてしまう。


もう・・・・・・


    ――― 死んでもいい ―――