..盆踊り。 作者/桃花

*番外編* 満月の夜に -
「今日は満月かぁ・・・・・」
香奈枝は満月を見ながら昔のことを思い出していた。
「そうそうあの時だったよね・・・・」
少し話はさかのぼる―――
―――――― 3年前 ――――――
「啓ーーーーーーーー!!!」
「あ!!!香奈枝!!」
このころの香奈枝と啓は10歳だ。丁度5年生のころに、
あの事件は起こった―――
「今日は何して遊ぶ?啓はなにがいい?」
「なんでもいいよ!!」
フイッとそっぽを向いた啓。このころから香奈枝の
ことが好きだったんだ。
「じゃぁかくれんぼしよう!!啓が鬼ーーー」
「いいよ!!」
「じゃはじめよー!!」
香奈枝は走って、行ってしまった。
恐 怖 の か く れ ん ぼ
なんとなく啓は嫌な感じがしていた。
「いくよーーーーー」
啓は香奈枝をさがしたがみつからない。
そして1時間たったころ啓はおかしいと思いながらも家に帰った。
もしかしたら家に居るかもしれないから。
「ただいま――・・・」
『で、 大 丈 夫 な の ?
お 宅 の 香 奈 枝 ち ゃ ん は ?
今 行 方 不 明 な ん で しょ ?』
それは啓にとってもう死んでしまいそうな事実だっ
た。そう。この事故をもう少しくわしく説明する。
香奈枝は走って隠れに行った。
香奈枝は工事現場の下の隙間に隠れていた。
普通に見て分かる場所だ。
「へへっ!!見つけられるかなー?」
そのとき急に香奈枝は咳が出た。
「ゴホッ!ゲホッ!ゴホッ――――」
息が出来なくなった。
心臓の鼓動が弱くなったからだ。
今は診断していないが、心臓病だ。
すうっと香奈枝は倒れた。
工事現場で丁度トラックで石を運んでいた。
作りかけの家の真上から石落ちてきたため、香奈枝は石の下敷きなった。
足だけだったからまだよかったものだ。
そのまま香奈枝は誰にも気付かれていない。
夜がきた。
それは丁度満月の日。香奈枝はその満月を見ていた。
そのとき、誰かが来た。
夜の満月をバックに香奈枝を見つけたのは・・・・・
啓だ―――――
その後すぐに病院にいった。それから入院の日々だ。
(あの時は死ぬんだなとおもったっけ?)
あの時初めて...啓を心友だと思ったんだよね――――

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