..盆踊り。 作者/桃花

-第5話- 花畑の夢―
「ねぇ啓!!あのお花って何だろう?」
啓は振り向くと、答える。
「椿だよ。別名首切りだっけ・・・?」
葵はプッとわらいだす。
「なんで首切りなのーー!!違うって!!」
啓の顔が真っ赤になった。
「じゃあ何だよ!!いってみろよ!」
「えっ・・・・首落とし?」
今度は啓がわらいだした。
「同じ様なもんじゃねえか!!」
「もう!!」
「ハハハッ」
啓は笑った後に、すぐにジックリとハナミズキを
見つめだす。香奈枝がいっていた。
『私ね!!ハナミズキがだーいすきなんだ!!つぼみが
可愛いの!!!』
啓も香奈枝をおもいだしているのかな・・・
葵は啓をじっくりと見ていた。
ちょろちょろと表情を変える啓を見て、葵の胸が
トクン...トクン...となる。
「啓・・・私は・・・啓のことが・・好きです・・」
「!!」
葵は心で言おうと思っていたことが口に出てしまった
のだ。
「あ・・・いや・・・啓・・・これは・・・」
「本当なのか?」
啓は本気になっているらしい。
「・・・・・・うん・・・。」
このときうんと言ってしまったのは・・・・・
少し期待をしていたから。
「ごめん...
おれ・・・付き合ってるこがいるから・・・・。」
「!!・・・・誰・・・?」
啓はうつろな目をしていた。
「“凪”」
「へ・・・・・へぇ~~そうなんだ!!!!
お幸せに!!!!!!!!!!」
葵は泣きながら走っていく。
その姿を朔良はみていた。
でも、追いかける気はなかった。
今いってもきっと邪魔になるだけだから。
-第6話- 近く―
ドンッと誰かにぶつかった。
「うわっ!!!!いてて・・・・・・」
「って葵!?」
そのには学がいた。もう学は高校に入り、アニメ声は
だんだん消えていった。
「どうしたの!?」
「うっ……うえーーーーーーーーーーん!!」
「ん…?」
学はそっと葵を抱きしめた。
「俺がいるから大丈夫・・・・・
葵を守ってあげる。今だから言う。
葵・・・好きだよ」
葵は抱きしめられてるその暖かさをしる。
「学・…!!!!!」
葵は気付いた。
啓を好きだった好きと・・・学の好きはちがったことに
・・・・啓への愛は、家族への愛と似ていたと。
「葵・・・スキだよ・・・」
「…学…私もだよ・・・・」
2人はそっと唇を交わした。
そして葵は涙をぬぐった。
「えへへっ!!学だーいすきっ!!」
「俺もーー!!」
2人は愛し合った。いつまでも。
それからは付き合うことになり、
いつも一緒だった。

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