..盆踊り。 作者/桃花

-番外編- 同窓会*前編*



   ―――今日は、高校の同窓会だ―――
「おっす!」
そういって、酒屋に私の次にやってきたのは、啓。
そう、“あの”川崎 啓が来たのだ。
「あ、啓!めっちゃくちゃお久しぶりじゃない!?」
私はとても久しぶりにあったので、とても浮かれていた。
「葵かぁー!お久しぶりだなv」
啓は昔と変わらない笑顔でいった。
今、皆二十歳。
葵と学が結婚してわずか1年たったのだ。
啓は私の隣に座りながら、いった。
「なぁ、学は?」
私は、みんなの分のお絞りと水をまわしながら答える。
「あぁ、子供を寝かしつけてから来るだって。」
啓はニヤァっとしていった。
「子供の名前って何?」
私は少しぽかんとして、ウインクをした。
「“榎納枝”と“彪”よ。」
そういって、紙に漢字で書いた。
「ん...読みかたわかんない。」
二十歳にもなって、漢字が分からないとは...
(フフッ・・・可愛い)
「あのね、“かなえ”と“あや”よ。彪は男の子。」
啓は「ふーん・・・いい名前だね」といって、うなずいてくれた。
「そういう啓の子供は?」
啓はうつむきながら喋った。
「・・・・・・・榎紗と美亜・・・・・」
私は「2人とも女の子かーいいかもv」といって、笑った。
そのとき、チーっす!などと聞きなれた声が続々に聞こえてきた。
「拓哉!凪!佳奈枝!皆!」
私ははしゃいだ。
「あ、あなたは・・・・・」
私には1人だれか分からない人がいた。
「ん...?葵ちゃん、私のこと忘れたの?酷いなーv」
私を葵ちゃんと呼んでいたのは...
「彩香!?」
彩香と思われるのそのこはうんをひとつうなずいた。
「め、めっちゃ美人になったじゃん!!!!」
その彩香は本当に美人になっていた。
髪の毛は風が吹くと靡く(なびく)さらさらヘア。
目は二重でぱっちりしてるし、スタイルもすらっとしている…
彩香がその辺を歩いていると、女の私もふりむいちゃいそう・・・・
ガラリとドアがあけられた。
「ん?今度は誰かな?」
「こんにちわー!コレットですよ!」
葵は驚いた。
「これっとぉぉぉ」
抱きついた。コレットは、私の幼なじみというか、
家は遠いが幼い頃から一緒だったから。
「零紋!!!!!!!!」
コレットと同じ、幼い頃の友人もきてくれた。
ふいに啓を振り向いた。
啓は私に向かってウインクをした。
(啓が呼んでくれたんだ・・・)
すぐに気付いた。
「初めまして、葵の古き友人、コレットというのです。よろしくお願いいたします。」
「礼儀ただしいんやなー」
拓哉はコレットに感心していた。
「・・・・・宜しく・・・」
そう小さくつぶやいた零紋はにぎやかな団体の少しはなれた席に座った。
「ヨシッ!全員そろったし、さぁ、乾杯ダァ!!」



-番外編- 同窓会*中編*



「ちょ、葵さぁ、まてや。学と水晶きてないやんか」
拓哉が葵にいう。
「ん...エッ! 水晶も来るの!?」
拓哉はたじたじしながらいった。
「え、聞いてなかったんか? 俺、水晶の幼なじみやで」
葵は声にならない声でさけんだ。
「ッ――…!!!!!!!!」
顔が、ひきつっている。
「拓哉が?」
「う、うん。せやけど…?」
「・・・。」
そのとき、ガラリとドアが開いた。
「お久しぶりです! 葵さん!」
そういって、水晶はユ、ユニコーンにのってきた。
水晶は美人で・・・
格好は派手なほう。
「うっわーめっちゃ可愛いやん!」
佳奈枝がさけんだ。
「えへへっ」
水晶は舌を出してわらった。



-番外編- 同窓会*後編*



「水晶ーーっ!」
私は泣いてすがった。
「あはははは~ あ、そだ! 学と秋姫もつれてきたよー」
よく見ると、ユニコーンのうしろに、馬がいた。
馬には秋姫と学がのっていた。
「そこらへんさー 2人ともふらふらあるいてたからつれてきた」
そういって、水晶はわらってる。
「ん...ここは?」
秋姫が眼をさました。
「あ、秋姫ぇぇ」
私はだきついた。
「?」
秋姫はよくみると、めがねを掛けていない。
「秋姫、眼鏡は?」
私が聞くと、「家においてきた。今日はコンタクトー」と笑って見せた。
水晶、コレット、秋姫、私でしゃべっていると、男の子達が
ざわめき始めた。
「美人4グループじゃん?」
「だよなー・・・葵は元気で美人だし、水晶さんは、クールだし、コレットさんは子供っぽくて、ラブリーだし、秋姫さんも、声がきれいで顔スジがすっととおってるし・・・」
「「モロ好み」」
そういって、わたし達は注目の的になった。
「じゃぁ、乾杯ダァ!」
皆でかんぱいした。
このクラスは、4グループにぴったりわかれた。
中心は、私、秋姫、水晶、コレットだ。
「私、王様ゲームなんてそんな幼児っぽいものなんてしませんから。」
水晶の声が聞こえた。
私は、フフッとわらって、「もりあげていくぞぉぉ」
といった。
―時間はまたたくまにすぎていった―――…
そして、それぞれは家に帰る。
「また、いつか会おうぜ!」
などど声を交わしながら。
私と学が家に帰る途中、私は学にはなしかけた。
「楽しかったね。」
「あぁ。」
私はそういって、学の腕を組んだ。
その腕は、温かな気持ちになれた――…
+ 終わり +