..盆踊り。 作者/桃花

□■ -最終話- 最後の盆踊り - ■□



「香奈枝ーーはよっ!この前はゴメンな・・・・」

香奈枝は笑顔で言った。

「ううん!わたしが悪いんだしさ・・・・。

あのさ?啓、今日の盆踊り一緒に行かない?」

啓はパニック状態。

「え・・・え・・・!?いいの!?身体は!?いいの!?本当に大丈夫!?」

「うん。」

香奈枝は表は笑顔だったけど内心はとても・・・

とても・・・とても・・・・・・さみしかった。

あの4人でいた楽しい日々を思い出していると泣けてくる。

もうわたしはこの中には居られなくなるんだ・・・・・と。




♪ららら~~らら~ ららららら~~~~ら~~♪

盆踊りの曲が大きな音で響く。

「啓まだかなぁ?」

車椅子で待つ香奈枝。今日だけはなぜか外出が許された日。

理由は分かってる。

「香奈枝ーー!!遅れてごめんな!!待った?」

そういいながら走ったきたのは啓。

そうとう走ってきたらしい。息がそうとう上がっている。

「大丈夫だよ!!」

啓が照れてる。

「今日だけはおめかししてんだな。・・・・・・。

その浴衣にあってる。」

「え?」

香奈枝はなにを言っているのか分からなかった。

「もう2度といわねぇ・・・!!!!」

私はプッと噴出してしまった。

「啓顔まっかっかだょ~~!!!」

「なっ!からかうからだ!!!」

「アハハハハハハハ!!!!」

二人で笑いあった。

射的をしたり、わなげをしたり、とにかく楽しかった。

そろそろ言わないと・・・逝ってしまう前に!!

「啓・・・まじめに聞いてね。これからいうことは本気だよ。」

「うん。」

「わたし・・・。啓のことが好き。」

「!!!」

あの時わたしはなんでこんなに素直にいえたんだろうか?

・・なぜか涙がこぼれた。

「おれもだよ!!香奈枝が好きだ!!」

「啓・・・・・大・・・・好・・きだ・・・よ・・・」

そういうと香奈枝は車椅子から崩れ落ちるように、

倒れた。

「香奈枝!?香奈枝!?香奈枝ーーー!!」



【もうダメです・・・今日が限界だったんですね・・・】

「そんな・・・そんな・・・香・・奈・・・・枝・・・・?

香・・・・奈枝・・・・?」

「香奈枝ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ

ぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」






【ぼく・わたし達の友情は絶対に離れません。

たとえ誰かが欠けてしまってもこの友情は永遠です。

ぼく達は永遠に別れることはありません――――】



          *第1部 おわり*