複雑・ファジー小説

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Quiet Down!!
日時: 2011/06/25 15:16
名前: 水瀬 うらら (ID: 5iKNjYYF)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=form

皆さん、こんにちは。私、水瀬うらら(みなせうらら)と申します。
本日から不定期に小説を書かせて頂こうと思います。
この物語を書くきっかけになったのは、ずばり、小説を書くことを趣味の一環としていた私に、友人がリクエストをしてくれたからです。
いつかこの小説が、彼女に届く日が来ることを願います。
また、読者様からの感想やアドバイスなど、心よりお待ちにしております!

はちゃめちゃだったり、ぶっとんだ面も多々あるかと存じますが、
何卒、宜しくお願い致します!

第二十五話『その柚子は、酸味が強すぎた』 ( No.105 )
日時: 2011/07/27 12:34
名前: 水瀬 うらら (ID: JNIclIHJ)

 時は中学生時代に遡る。仲の良い友達は、極一部だけど、いたかな。男子も女子も。
 何でそんなに少ないかって?
「ねぇ、水野さん」
 休み時間、ハイテンションで黒板に落書きをする男子達を、ぼけーっと頬杖をつきながら、眺めていたあたしに声がかかる。振り向くと、女の子がいた。腰まである長い髪。優しそうな面持ちな眼鏡少女。確か、名前は……。
「どうした?槻城つきしろさん、なにかあった?」
「いや……あ、ごめんなさい。その、何でもないです」
 槻城さんは俯きながら、必死にそう言葉を紡ぐと、足早に去っていった。
 何故ならば、あたしは、気が強すぎるから。
 だからきっと、クラスの連中には、あたしは上から目線なオトコオンナとして見られていること請け合いだろう。
 苦には、ならなかった。
 あたしにとって、『友達』はどうでもよかったから。

「ねーねーこのキーホルダー、どうよ!」
「うわ!マジ、かわいー!」
「きゃー!かわいー!あたしも欲しい!ちょうだーい!ちょうだーい!」

 遠くの席で、三人の女の子が大声でしゃべりあっている。
 『かわいー!』
 あの言葉は至るところで耳にする。そして、極めつけは、あの、造られた笑み。
 『友達』に合わせるように、偽る、あの姿。
「……滑稽だ」
 あたしは冷たく、吐き捨てた。

 嘘で塗り固められた、『友達』関係。
 有り触れた嘘。真実なんてどこにもありゃしない。
 そんな『友達』は…………要らないよ。

「柚子」

 不意に声をかけられ、肩をビクッとさせ、またもや振り返ると、そこには燈兎がいた。今日も機嫌が良さそうだ。
「どうしたの?そんなに冷めた顔しちゃって、柚子らしくないよ?」
 橙色のポニーテールが、揺れる。顔を覗き込む、ふんわりとした、笑顔。しっかりと目で話そうとする、その姿勢。
 あたしは、そんな燈兎が、他の『友達』とは違い、嫌いではなかった。
 隣のクラスになってしまったけど、関係は途絶えていない。
「あー今ね——」
 共に笑い合って、日々を過ごす。他愛もない話で、盛り上がりながら。
 そう、この、のんびりとした生活こそが、私の、学校での、日常だった。

Re: Quiet Down!! ( No.106 )
日時: 2011/07/28 11:11
名前: 藤宮 祐利 (ID: SnkfRJLh)

こんにちは〜!!



こんなカス野郎の小説に来て下さったので私も来てみました〜(前から読んでましたが)



個人的にはシノっちラブだお(←キャラ違くね?)




まあとにかく、頑張ってください!!

応援してます^^


お返事を書きました!→藤宮 祐利 ( No.107 )
日時: 2011/07/28 16:03
名前: 水瀬 うらら (ID: JNIclIHJ)

こんにちは!藤宮祐利様!読みにいらしてくださり、誠に有り難うございます。

いやいやいや!藤宮様の小説はカス小説ではありませんよ!断じて!
前から読んでくださっていたのですか!わぁ……感激です。

『個人的にはシノっちラブ』!?
きゃあ!凄く嬉しいです!やりました!
良ければ、No.7に載せられている、人気投票にご参加ください!
記入用紙に、自分の感想や意見などをご記入していただけると、有難いです!

藤宮様、良ければ、お時間の空いていらっしゃるときに、また、読みにいらしてください!
お待ちしております!

Re: Quiet Down!! ( No.108 )
日時: 2011/07/28 16:20
名前: 王翔 (ID: j5axgBAW)
参照: http://loda.jp/kakiko/?id

はい、王翔です。
更新されてますね。
今回も素晴らしい文章力です^^
何と!これからシリアスですか。
シリアスな雰囲気も好きなのでどういう展開になるか
楽しみです。

では、更新頑張ってください!

第二十六話『その柚子は、夜を長く、感じていた。』 ( No.109 )
日時: 2011/07/28 17:19
名前: 水瀬 うらら (ID: JNIclIHJ)

真夜中。辺りは、一面、闇と化した世界。湿った暑さが、気付かないうちに徐々に体力を奪っていく。そんな、夜。
 とあるマンションの一室で、怒号が響いた。

「うるっせーな!」

 リビングのフローリングに正座していた、あたしの頭に鈍い痛みが走る。それと同時に、何かが、床に落ちた。横目で確認する。やはり。
 分厚い、辞典。であった。
 普通の人ならば、頭を擦って、痛みを和らげようとするのだろうが、あたしはしない。それよりも、感情を殺すことに専念した。バルコニーの方を向き、夜空を見つめた。こうすることで、感情が内分、痛みも少しは感じなくなるかもしれない。そう思ったからだ。根拠なんてものは、最初から持ち合わせてない。
「……」
「なに黙ってんだよ!人と話すときは目を見やがれ!」
 今度は、膝に激痛が。母さんが愛読している、通販カタログである。投げられた時の勢いが、そのまま痛みに比例していた。
 あたしは、ただ、無表情で、座っている。
パーマのかかった、黒髪。薄汚い黒の半袖。すぎて、今にも腰から落ちそうな、薄茶色の半ズボン。……とても品行方正な高校生には見えなかった。
「……てんめぇ。俺をナメてんのか」
「……」
 恐らく、『侵略者』は今、目に抑えきれない怒りを宿していることだろう。でも、あたしは答えない。床が、あたしの視界を陣取っている。嗚呼、フローリングには、所々、深く凹んでいた。
 あたしのそんな、無関心さに腹が立ったのか、『侵略者』に胸倉を掴まれた。比較的、身長の高い『侵略者』は、腕力も強い。だから、あたしの足は、いともたやすく、床から離れた。
「ふざけてんじゃねえええええええええええええええええ!」
「っ!」
 床に思いっきり、叩き付けられる。咄嗟に、腕を出したが、それでも衝撃は軽減できなかった。あたしの左足から、薄ら、血が滲み出す。目を閉じた。
「あの人……」
「あん?」
 ぽつりと呟いたあたしの一言に、眉を吊り上げたであろう、『侵略者』。息も荒い。拳を握る音がする。『侵略者』は怒鳴り散らした。

「『あの人』じゃねえ!『お兄様』と呼べ!」

 そう……。
この、『侵略者』は、あたしの、実の、兄だ。歳の離れた。
家庭内暴力って、テレビでは、親を想像したけど、実際は違った。
兄が、暴力を振るう。そんな、毎日。

守ってくれる人は、今、ここに、いない。
その存在がどれだけ嬉しくて、そして、どれだけ哀しいものなのか。
あたしは、よく、知っていた。


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