二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜   
日時: 2016/05/10 22:19
名前: ウルワルス (ID: LF8j4K3p)

〜第一部〜  目次

主要登場人物紹介 >>01

第1章  初めての友達 >>02 >>03 >>04

第2章  組分け >>05 >>06 >>07 >>08 >>09

第3章  魔法史と いも虫 >>10 >>11

第4章  ハグリッドの小屋にて >>12 >>13

第5章  飛翔 >>15 >>16 >>18

第6章  クィディッチ >>19 >>20 >>21

第7章  クリスマス休暇 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28 >>29

第8章  蛇と蠍 >>30 >>31 >>32 >>33 >>34

第9章  禁じられた森 >>35 >>36 >>37

第10章  序曲終了 >>38

あとがき >>39


第二部 >>40


第三部 >>153


訂正>>132 >>135 >>136 >>145

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Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜    ( No.162 )
日時: 2019/01/20 16:20
名前: ウルワルス (ID: gf8XCp7W)

「9と4分の3番線への入り口が、閉じられてたのよ。」 ローズは言った。
「私とスクは、9と4分の3番線に入ることができなかった。それでもホグワーツに行きたかったから、荷物に縮小呪文をかけて、スクの箒(ほうき)に乗ってここまで来たの。マグルに見られないよう、目くらまし術をかけてね。」
「そこまでする必要はなかったと思うよ。」 テディが言った。彼はハリーの名付け子であり、ポッター家によく出入りしている。ハリーの友人であるロナルドの一家とも仲が良かった。3年間の候補生期間を経て、今年から闇祓いとしての任務に就いていた。また、来年にはローズの従姉(いとこ)ビクトワールと結婚する予定だ。
「家族が9と4分の3番線から出てくるのを待っていればよかったんじゃないかな。ハーマイオニーさんに、ホグワーツにフクロウ便を送ってもらって、校長に事情を説明すれば、お咎(とが)めなしで後からホグワーツに行けたと思うよ。」

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜    ( No.163 )
日時: 2019/06/04 14:19
名前: ウルワルス (ID: xVgmFESq)

「確かにそうね。あの時は気が動転してたから…」 ローズは言った。
「私達が学生だった時にも、そんなことがあったな。」 父が言った。「屋敷僕妖精の仕業(しわざ)だったが。」
「なんで屋敷僕妖精が9と4分の3番線の出入り口を封じたの?」 ローズは尋ねた。
「話は後にしよう。スクを蘇生させて、ホグワーツに行かないと。」 ハリーが言った。

「エネルヴェイト(活(い)きよ)」
 ハリーがスクに杖を向けて呪文を唱えると、スクは目を覚ました。
「ポッターさん、ウィーズリーさん、それにテディも…。ディメンターは?」 スクが言った。
「ディメンターは、ローズと私達とで退治しておいたよ。ローズが、素晴らしい『守護霊の呪文』を使って撃退しかけたところを、私達3人が『殺傷守護霊の呪文』でとどめをさしたんだ。」 ハリーが言った。「殺傷守護霊の呪文」というのが、昨年の夏に公表された新呪文である。「守護霊の呪文」はディメンターを追い払うだけだが、「殺傷守護霊の呪文」はディメンターを傷付けたり殺したりすることができる。
「そうだったんですか。
ありがとう、ローズ。」 スクが言った。
「事情はローズから聞いたよ。さあ、これを食べなさい。ローズも。」 ハリーが、ローズとスクにチョコレートを渡した。
 ディメンターが人の近くに来ると、その人は寒気に襲われ、元気がなくなる。そういう時には、チョコレートのような糖分を多く含むものを食べることで、元気を回復できる。
「ディメンターが僕の近くに来た時、頭の中に奇妙な映像が浮かんだんです。」 チョコレートを食べながら、スクが言った。
「戦争の情景のようでした。魔法戦士達が杖から閃光を飛ばして、攻撃しあっていました。閃光が命中すると、体じゅうから血を流しながら倒れる者もいました。この情景が思い浮かんだ直後、僕は気絶したんです。」
「君の記憶の中にある映像ではなかったんだね?」 ハリーが尋ねた。
「そうです。」 スクが答えた。ハリーはしばらく考え込んだ。

「ロンとテディは、先に魔法省に戻ってくれ。」 しばらく考えた後でハリーが言った。「私はローズとスクをホグワーツまで送っていく。フリットウィック校長と話したいこともあるし。」
「パパ達が学生だった時の話だけど。」 ローズは言った。「屋敷僕妖精が9と4分の3番線の出入り口を閉じたのはなぜなの?」
「ああ、そうだったね。
 それは、ホグワーツに向かう道中で話そう。」

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜    ( No.164 )
日時: 2019/09/18 21:12
名前: ウルワルス (ID: 3Mpht8EV)

Side:ハリー

 
 ロンとテディに別れを告げると、ハリーはローズ、スコープと共にホグワーツへと飛び立った。
 箒に乗りながら、ハリーは過去を語った。ハリーはホグワーツの2年生だった時、ドビーという屋敷僕妖精と知り合った。ドビーは当時とある闇の魔法使いの召使いだった。その魔法使いは、ホグワーツに恐ろしい怪物を解き放とうとしていた(その魔法使いが誰かは話さなかった。スコープを苦しめないためだ。)。その陰謀を知ったドビーは、ハリーを危険から守るためホグワーツに行かせまいと9と4分の3番線の出入り口を封じたのだ。そのためハリーは一緒にいたロンと共に、ロンの父親の持ち物だった空飛ぶ車でホグワーツに向かわざるをえなかった。
「私かスコープにホグワーツに行ってほしくない人がいるのかしら。」 ローズが言った。
「サウロス達だろう。」 スコープが言った。「自分の家の屋敷僕妖精に命令したんだと思うよ。」

「サウロス・マルフォイやヴァレンティン・レストレンジが君達と仲が悪いことは、アルから聞いているよ。」 ハリーは言った。アルとは、ハリーの次男でローズ・スコープと同学年であるアルバス・ポッターのことである。「彼らが容疑者であることも、校長に話しておこう。証拠が無いから、逮捕はできないだろうが。彼らが君達に危害を加えないように、先生方が気を付けてくださるだろう。」

 3人がホグワーツの校門に着いたのは、ちょうどセストラルが引き、生徒達が乗る馬車が入ってくるところだった。セストラルとは天馬の一種で、人の死に立ち会ったことがある者にしかその姿を見ることができない。大半の生徒達には、馬車が何にも引かれず勝手に動いているように見れる。
 ローズとスコープには、まだ見ることはできないだろう。今後も見ることがありませんようにと、ハリーは思うのだった。

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜    ( No.165 )
日時: 2020/01/07 21:50
名前: ウルワルス (ID: 3Mpht8EV)

第3章






「制服に着替えなきゃ。」
 地面に降り立つと、ローズが言った。
「トイレで着替えてくるわ。行きましょう、スコープ!」
「ああ。」 スコープが答え、ローズと一緒にホグワーツ城に駆け込んでいった。
 ハリーは2人の後から、ホグワーツ城へと足を踏み入れた。目指すは、フリットウィック校長がいる大広間だ。

「ハリーじゃないか!」
 ハリーが大広間に入り教職員テーブルに向かって進んでいくと、薬草学教授兼グリフィンドール寮監であるネビル・ロングボトムが立ち上がって声をかけた。
「やあ、ネビル。アーニー、アンソニーも。」 ハリーは答えた。
 ネビルも、呪文学教授兼ハッフルパフ寮監であるアーニー・マクミランも、変身術教授兼レイブンクロー寮監であるアンソニー・ゴールドスタインも、ホグワーツでのハリーの同級生だ。
 教職員テーブルの中央には、小さな老人が着席している。フィリウス・フリットウィック校長だ。その隣には、理知的な容貌をした老女が腰かけていた。ハリーの恩師であり、先代ホグワーツ校長であるミネルヴァ・マクゴナガル女史だ。なぜここにいるのだろう。いや、それは後回しだ。
「お久しぶりです。フリットウィック先生、マクゴナガル先生。」

 挨拶がすむと、ハリーは本題に入った。
「フリットウィック先生。スコープのことで、話があるのですが。校長室で話せますか?」
「スコープとは、ヌンドゥスレイヤーのことかね?」
「ええ。スコープは今日ここに来る途中で、ディメンターに襲われたんです。」
「なんだって!? 分かった。校長室に行こう。
 セプティマ、宴会の司会を頼む。」
 これから大広間では、新入生の組分けと歓迎パーティーが行われる。フリットウィックは副校長のセプティマ・ベクトルに後事を託すと、ハリーと共に校長室へと向かった。

 校長室に着くと、ハリーはさっそく口火を切った。
「スコープによると、キングズ・クロス駅の9と4分の3番線への出入り口が閉じられていたそうです。だから、スコープは一緒にいたローズと共に箒(ほうき)に乗ってホグワーツに行くことにしたのです。一方私は闇祓いとしての任務で、ロンとテッド・ルーピンと共にディメンターを追っていました。そして、私達が追っていた3体のディメンターがローズとスコープを襲おうとしているところを捉(とら)えました。私が気付いた時には、スコープは既に気絶していました。それでもローズが『守護霊の呪文』でディメンターを撃退しました。ローズに撃退されて逃げようとしているディメンター達に、私達3人の闇祓いが『殺傷守護霊の呪文』でとどめをさしました。

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜    ( No.166 )
日時: 2024/09/29 22:34
名前: ウルワルス (ID: sqo3oGwV)

 ところで、スコープについてですが。スコープは気を失う直前に、自分の記憶にはない映像が脳裏に浮かんだそうです。それは、戦争の情景だったようです。ディメンターが悲惨な思いをしたことがある人に近付くと、その人はそれを思い出し、気絶することもある。私もそうでした。しかし、スコープが思い浮かべたのは自分の記憶ではない。これには何か裏があります。
 また、スコープが9と4分の3番線に入ろうとしたら出入り口が閉じられていた。先学期には、1人でヌンドゥと闘い、これを鎮めるという大業を成し遂げた。」
 魔法生物学者によれば、ヌンドゥを倒すには大人の魔法使い100人が必要だとされる。
 ハリーは続けた。
「明らかに、スコープの経歴は尋常ではありません。これからも、スコープは事件と無縁ではいられないかもしれません。事件が起きないように、気を付けていただけますか。
 スコープが原因で事件が起きれば、ローズのような周囲の友人も被害をうける。先学期ローズはヌンドゥに取り憑かれましたが、あれだってスコープが原因だったのかもしれない。ローズがスコープと仲がいいから、ヌンドゥを操っていた魔法使いに目をつけられたのかもしれません。
 ところで、スコープは9と4分の3番線の出入り口を封じたのは、サウロス・マルフォイ君あたりだと思っているようです。サウロス君が自分の家に仕える屋敷僕妖精に命令したのかもしれません。」
「サウロスが、スコープにホグワーツに来てほしくないと思っているということかね?」
「スコープはそう思っています。」
「確かに、スコープとサウロスは仲が悪いようだね。サウロスがこれ以上スコープに危害を加えないように注意しておくよ。他の先生方にも通達しよう。」
 独力でヌンドゥに立ち向かえるだけの能力があるなら、先生方の助けなど無くてもいいのかもしれない。しかしスコープの能力は、スコープ自身の分析によると一時的に覚醒しただけのようだ。普段は一般人と同程度の才能しか示せない。スコープは、日刊予言者新聞のインタヴューでそう言っていた。
「ところで、大広間にマクゴナガル先生がいらっしゃいましたが、なぜなんでしょうか。」
「ああ、それはだね・・・」



Side:スコーピウス・マルフォイ



 スコープとローズは制服に着替えると、新入生の組分けと歓迎パーティーに出席するため大広間に向かった。
「ナターシャとヒューゴは、どの寮に配属されるんだろう。楽しみだな。」 スコープは言った。
「そうね。スリザリンには入ってほしくないわ。」 ローズが答えた。スコープの妹ナターシャ(本名はアナスタシア)と、ローズの弟ヒューゴは今年度からホグワーツに入学する。
 スリザリンとは、ホグワーツの4つの寮の1つで、代々 闇の魔法使いを輩出してきた。前世紀にブリテン魔法界を恐怖でたした「例のあの人」ことヴォルデモート卿もスリザリンの出身であり、純血主義者でスコープやローズを敵視するサウロス・マルフォイやマヌイル・ノット達もスリザリン生であるため、スコープもスリザリンには良い感情を抱いていなかった。

 スコープはローズと共に大広間に入っていった。スリザリン生が着席しているテーブルを見やると、サウロスが不快そうな顔でスコープをにらみつけていた。やっぱり、スコープをホグワーツ特急に乗せまいとしたのは、サウロスだったのだろうか。
 サウロスの隣には、ヴァレンティン・レストレンジが座っている。ヴァレンティンは、連れだって歩くスコープとローズの方を、辛そうに見ていた。
「空いてる席があるわ。」 ローズが言った。
「隣同士だね。よかった。」 スコープは答えた。
 ヴァレンティンは、1年生の時ローズに言い寄ったことがあるそうだ。ヴァレンティンは、ローズのことが好きなんだろうか。着席しながら、スコープは思った。
 ローズは、ヴァレンティンのことをどう思っているのだろうか。ヴァレンティンの方がスコープよりハンサムだ。ローズはスコープを苦しめないように腹芸を使っているだけで、本当はヴァレンティンの方が好きなんじゃないのか?

 スコープとローズが着席するとすぐに、新入生の組分けが始まった。アナスタシアはレイブンクローに、ヒューゴはグリフィンドールに配属された。

 組分けが終わると、ハリー・ポッター氏との会談を終えて大広間に戻ってきていたフリットウィック校長が立ち上がり、話を始めた。


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