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提督「艦娘達との日常」【艦これSS】
日時: 2018/07/26 17:13
名前: エボルト (ID: x40/.lqv)

某年某月某日。
『今日の日記は特に何も書くことはないのだが……些か困っている。
というのも、こうして何もない日常にありがたみを感じるのもまた人の性なのだが、むしろ自分は非日常の権化のような存在に囲まれ生活している。こんなにのほほんとしていていいのだろうか。
深海との戦いも終わりは見えないが、少し艦娘との暮らしにも目を向けていきたいと思う。』

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Re: 提督「艦娘達との日常」【艦これSS】 ( No.59 )
日時: 2018/09/21 21:47
名前: エボルト (ID: s9PJfNZh)

【風邪を引いた日】

提督「うーん……体がだるい……」
提督「何か物凄い夢を見てたような気もするし……あー、頭回らん……」
提督「風邪かな……まあこの程度は……」
時雨「提督」ガチャ
提督「……時雨か、どうした?」
時雨「……ん? 何だか顔色が悪くないかい?」
提督「あー、まあな……何、この程度」
時雨「ダメだよ、風邪なら寝てなきゃ」グイグイ
提督「ちょっと待て、仕事が」
時雨「そんなの他の人にやらせればいいじゃないか。そんな状態でやるものじゃないよ。ほら、病人は寝た寝た」
提督「……随分と強引だな。らしくない」ボフッ
時雨「心配してるだけさ」

————

北上「やっほー病人提督」ガチャ
提督「北上か……」
北上「おー、大人しく寝てるんだねー。感心感心」
大井「北上さんの貴重な時間を使わせるなんて……」ヌッ
北上「いいんだよー大井っち。あたしの気紛れだからさー」
大井「ああ……! 北上さんのこのさりげない優しさ……!」
大井「……提督、ありがたく享受してくださいね……」
提督「分かってるわ」

————

赤城「失礼します」ガチャ
加賀「……」ヒョッコリ
提督「どうした?」
加賀「風邪を引いたと聞いて」
赤城「食べれば治りますよ? 提督も食べますか?」
提督「いやいい……食欲無いし……」
赤城「まあ……!」
加賀「……無理に物を食べなくてもいいけれど、水分はしっかりと摂ることよ」
提督「……ありがとな」

————

金剛「Hey提督ー!」バァン
提督「……頭に響く」
金剛「Oh,sorryネ……」
金剛「提督、具合はどうデスカー?」
提督「……良い訳ではないが……まあ、明日には治るかな」
金剛「そうデスカ、良かったデース」
金剛「Hugしマスカ?」
提督「何でだ」
金剛「Hugすればきっとすぐに治りマース」
提督「お前がしたいだけだろ。しかも移るぞ」
金剛「むぅ、そうデスカ……」
提督「……まぁ、ありがとな」

————

時雨「どうだい提督?」
提督「何がだ」
時雨「皆心配してるのさ。誰も提督が無理をすることは望んでないんだよ」
提督「だがのうのうと寝ていては示しが……」
時雨「……ふふっ、提督はおかしなことを言うね」
提督「……どういう意味だ?」
時雨「言葉通りさ」
時雨「僕達は普段の提督の姿を知ってる。優しくて、緩くて、でも締めるところは締めて……皆の信頼を得てる。風邪引いたくらいどうってことないよ」
時雨「だから……さ。月並みだけど、息抜きも大事だよ」
提督「……と言ってもな。すぐにはそんなもの思い付かん」
時雨「急がなくていいんだよ。考えてて疲れてしまったら元も子も無いじゃないか」
時雨「それに、僕達だっているんだから」
提督「……そうか……」
時雨「……うん。いるよ、ここに」

————

時雨「……寝ちゃったかな」
時雨「案外、寝顔は可愛いんだよね……普段あんまり見せない顔だ」
時雨「本当……季節の変わり目は気を付けなきゃね」

————

Re: 提督「艦娘達との日常」【艦これSS】 ( No.60 )
日時: 2018/09/22 21:55
名前: エボルト (ID: s9PJfNZh)

【ボクが】

最上「ボクが男の娘だという風潮」
満潮「知らないわよそんなの……周りが言ってるだけでしょ」
最上「でも気になるじゃないか。これは皆に聞いてみないと」
満潮「はあ……めんどくさいわね……」

————

最上「三隈ー」
三隈「あら、何ですの?」
最上「ボクって男っぽいかな?」
三隈「うーん……別にそうは思いませんわ。確かに一人称はそれらしいですが」
三隈「ずっと一緒にいるからかもしれないですわ」フフ
満潮「ほら言ったじゃない」
最上「まだだよ。三隈だからこう言っただけかもしれない」
満潮「あんた、疑心暗鬼になりすぎよ……」

————

扶桑「最上が男っぽいか、ね……」
山城「そうでもないわよ? 少なくとも私達は」
扶桑「まあ……戦艦にそのような一人称がいないからかもしれないわね」
山城「なるほど……扶桑姉様の言う通りかも」
最上「そうか……時雨にも聞いてみようかな」
満潮「時雨じゃ参考にならないでしょ。時雨も『僕』なんだから」

————

朝潮「はあ、最上さんが男っぽいか、ですか?」
最上「そう。どう思う?」
朝潮「朝潮は一人称や髪型など気にしません。最上さんは最上さんではないですか?」
最上「い、いい娘……!」ジーン
満潮「流石朝潮ね……」

————

利根「ほう、最上が男に見えるか、とな」
利根「どう思う、筑摩よ?」
筑摩「艦娘なのだから……という野暮な突っ込みは置いておいて、一人称など人の勝手ではないですか?」
利根「じゃな! 吾輩もこんな呼び方なんじゃ、気にすることはあるまい」
筑摩「それに、時雨ちゃんや皐月ちゃんもいるんですし……」
最上「時雨はともかく、皐月はそういう扱いを受けないのは何でだろうね……」
満潮「……それは、確かに」

————

提督「うーん……別にどちらでもいいんじゃないか?」
最上「へ?」
提督「最上が思う自分が間違いなく最上だ。別に男だろうが女だろうが最上は最上。その点、朝潮は的を得ていたな」
提督「あとは少し国語的な話だが……本来『僕』という言葉は確かに男性の言葉だが、へりくだる意味も含まれている。特に問題があるわけでもあるまい」
提督「まあ、男ならそれはそれで……」ボソッ
最上「ん? 何か言ったかい?」
提督「いいや何も」
満潮「ふーん……まともなこと言うじゃない。見直したわ」
提督「それはどうも」ナデナデ
満潮「なっ……何で撫でるのよ!」

————

Re: 提督「艦娘達との日常」【艦これSS】 ( No.61 )
日時: 2018/09/23 22:18
名前: エボルト (ID: s9PJfNZh)

【禁断の陣に魅入られし者達】

提督「さあ、先程艦隊を出撃させた訳だが……」
提督「無線をつけておこう」ポチ
ザザー……

————

金剛「敵艦隊発見デース!」
夕立「ぽい!」
木曾「さて、やるか」
愛宕「腕が鳴るわあ〜」
球磨「クマー!」
飛龍「よっし! 喰らいなさい!」
飛龍「艦載機発艦! 飛龍式航空攻撃ドラゴニック・エアーアタック!」

————

提督「!?」
提督「何だその……"不運"と"踊"っちまったみたいな技名」
舞風「え!? 踊る!?」
提督「呼んでない」

————

飛龍「航空優勢! 皆どんどん行っちゃって!」
金剛「行きマース! 金剛砲火滅式ダイアモンド・ファイア・デス!」
愛宕「行くわよ! 圧倒的昇天連撃モアアンドモア・パンパカパン!」

————

提督「……」
提督「皆、疲れているのか」

————

夕立「接近するっぽい! 狂犬式撃滅絶咬ウォードッグ・デストロイバイト!」
木曾「喰らいな! 電光速酸素魚雷ボルテック・ロングランス!」
球磨「逝けクマー! 熊式恐尽掃射ベアー・フィアー・ガトリング!」

————

提督「……」
提督「……」
提督「帰投したら、事情を聞こうかな」

————

Re: 提督「艦娘達との日常」【艦これSS】 ( No.62 )
日時: 2018/09/24 19:26
名前: エボルト (ID: s9PJfNZh)

【ヤツが来る】

提督「ふいー、休憩休憩……」
吹雪「お疲れ様です。お茶を……」
ドタドタ
提督「ん? 騒がしいな……何だ?」
暁「司令官!」ガチャ
提督「どうした暁、騒々しい」
暁「緊急事態なのよ!」
提督「要領を得ないな。どういう状況なんだ?」
暁「そ、それが……」
暁「あ、アレが出たのよ……」
提督「アレ? 何だアレって」
暁「し、司令官のバカ! それをレディーに言わせる気!?」
提督「いや言わねえと分からないんだが……」
暁「とにかく来て! 早く!」グイ
提督「いや、ちょ」

————

ザワザワ
大淀「くっ、中々仕留められませんね……」
鳳翔「あの奇っ怪な見た目……何度見ても慣れません」
提督「大淀、鳳翔、どうした」
大淀「あっ提督、ちょうどいい所に!」
鳳翔「手伝っていただけませんか……?」
提督「おう、何があったんだ?」
鳳翔「出たんですよ……」
大淀「Gが」
提督「あぁ……」チラ
暁「……」カタカタ
提督「そういうことね……」
大淀「見ての通り周囲は野次馬。駆逐艦の娘に任せる訳にもいかないので、私達が出張っているのですが……」
鳳翔「大きめにも関わらず動きが素早く……仕留め損なっていて」
カサッ
提督「っ! 新聞紙アタック!」バァン
カサカサッ
提督「チッ、速い!」
島風「私よりも!?」
提督「知るかそんなの!」
長門「さあ皆、怖いならこの長門の胸に」
提督「お前はちょっとは手伝え!」
ワーワーギャーギャー

————

明石「……はい」
明石「……大淀さん? 何かご用ですか?」
明石「……はい……はい」
明石「……そうですか、ヤツが」
明石「では、なるべく早くそちらにお持ちします。しばし耐えてください」

————

鳳翔「っ!」ギリッ
提督「鳳翔! 鎮守府の中で矢を射とうとするのやめて!」
鳳翔「ですがこのままでは……」
提督「何か、何か無いのか……」
明石「大淀さん! 提督に鳳翔さんも!」タタタッ
提督「明石!」
大淀「明石さん……やっと」
明石「はい。三人分の殺虫剤です」カチャ
明石「ですが急いで作ったのでごく少量です……できればそれで仕留めてください」
鳳翔「……できなかった場合は?」
明石「その時考えましょう」
カサッ
提督「そこか!」カチャ
大淀「待ってください! 狙いを定めなくては!」
カサカサッ
鳳翔「出た!」プシュッ
カサカサッ
大淀「当たってない!?」
提督「かなり速いな……」
大淀「三人で三角形を作って取り囲みましょう。三方向から浴びせれば少しは当たります」
提督「よし、囲め!」ザッ
カサッ……
提督「逃がすな!」プシュッ
大淀「一斉射、始め!」プシュッ
鳳翔「お願い、動かないで……!」プシュッ
カサカサ……
提督「チッ、薬剤が尽きた……」カチッカチッ
大淀「まだ動いてますよ……」
鳳翔「打つ手無しですか……」
北上「おー、皆何やってんのー?」
提督「北上!」
北上「んー? おー、Gじゃーん」ヒョイ
大淀「!?」
鳳翔「!?」
北上「こいつ見るなんて随分久し振りだよー」ガラッ
北上「ほい」ポイッ
提督「窓から投げ捨てた……」

————

提督「……ということでだ、頼むぞ明石」
明石「今度から殺虫剤を多く入荷しますね……」
提督「ああ……初動対応が適切であればあそこまで事態は拡大しなかった」
提督「もう出ないでくれよ……」

————

Re: 提督「艦娘達との日常」【艦これSS】 ( No.63 )
日時: 2018/09/25 21:11
名前: エボルト (ID: s9PJfNZh)

【スキル:災難】

提督「……」カキカキ
五月雨「提督、お茶をお持ちしま……」ガチャ
提督「!? 五月雨か! そこで止まれ!」
五月雨「えっ!?」ピタッ
提督「よし、焦るな五月雨。深呼吸して一歩ずつ確実に踏み込んでこっちに来るんだ」
五月雨「は、はいぃ……」オソルオソル
五月雨「ど、どうぞ……」コトッ
提督「よくやった五月雨ぇぇぇ!」
五月雨「え!? え!?」
提督「転ばずにお茶を運ぶなんて快挙じゃないか。やれば出来るんだな!」
五月雨「うう、嬉しいですけど何か複雑です……」

————

白露「あれ? 五月雨じゃん! おーい!」
五月雨「はい!」
白露「さっきお茶運んでたよね? どうだった?」
五月雨「その……無事に、運べました」
白露「……」
白露「嘘ぉ!?」
五月雨「そ、そんなに驚かなくても……」
白露「転ぶ回数では一番は五月雨だと思ってたんだけど……」
五月雨「そんな不名誉な一番は要りません! もー!」

————

五月雨「助けてください夕張さん」
夕張「話が見えないんだけど?」
五月雨「何だか皆さん、ドジっ娘属性が私のアイデンティティみたいに思ってる気がして」
夕張「うーん……確かに五月雨ちゃんの半分くらいを占める要素ではあるよね」
五月雨「そうなんですか……?」
夕張「んーとね、最近読んだ漫画の話なんだけどさ」
夕張「ある二つの特徴を併せ持っている人がいます。その人はその内片方を切り捨てようとしました。しかしその人は二つの特徴を持っている以上、一つを切り捨てることは自分の半分を捨てることと同じことでした」
夕張「……言ってる意味、分かる?」
五月雨「つまり、どういうことなんでしょう?」
夕張「ドジっ娘なのも含めて五月雨ちゃんでしょ? 無理に改善しようとしたりすることはないんだよ」
夕張「今日はたまたま、そういう日だったかもしれないからさ、ね?」
五月雨「そう……ですか」
五月雨「……はい、頑張ってみます!」
夕張「その意気だよ!」
五月雨「ありがとうございました、夕張さん!」タッ
夕張「あ、そこ工具が……」
ガッシャーン

————


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