二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 提督「艦娘達との日常」【艦これSS】
- 日時: 2018/07/26 17:13
- 名前: エボルト (ID: x40/.lqv)
某年某月某日。
『今日の日記は特に何も書くことはないのだが……些か困っている。
というのも、こうして何もない日常にありがたみを感じるのもまた人の性なのだが、むしろ自分は非日常の権化のような存在に囲まれ生活している。こんなにのほほんとしていていいのだろうか。
深海との戦いも終わりは見えないが、少し艦娘との暮らしにも目を向けていきたいと思う。』
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- Re: 提督「艦娘達との日常」【艦これSS】 ( No.124 )
- 日時: 2018/12/23 19:03
- 名前: エボルト (ID: s9PJfNZh)
【回顧】
聖夜も前にして何だが、先の戦いの話をしよう。
と言っても、情けないことに俺も負傷してしまったのだが。というか何の役にも立ってない。むしろあいつらの手を煩わせて……。
いや、やめよう。そういえば、時雨が帰投したときは肝が冷えたな。
————
神通『提督』ザザッ
提督「神通! 帰投したか……時雨の様子は?」
神通『未だ芳しからず……です。いつ目を覚ますかも今はまだ分かりません』
提督「了解、ご苦労だった。港で明石が待機してる、そのまま引き継いでくれ。俺もすぐ行く」
神通『承知しました』
————
神通「! 明石さん!」
明石「時雨ちゃんをこちらに!」
神通「お願いします。今はまだ大丈夫ですが、このまま放っておくとどうなるか……」
提督「神通!」タッタッタッ
執務室から港まで全力で走ってきた俺を見て、神通が軽く手招きをする。
側のストレッチャーに寝かされている時雨も視界に入った。
髪は解け、所々に痛々しい傷が見えた。
走り寄るとすぐさま時雨の口元に耳を近付ける。
微かな息が耳朶に触れた。
提督「……明石、すぐに」
明石「はい!」
明石が時雨を搬送しかけたところで、夕立がすがりついてきた。
提督「どうした夕立? 早く搬送させてやれ」
夕立「……ゆ、夕立が、油断して、ちゃんと避けなかったから……だから、時雨に、ごめんって、だから」
おそらく思考もまとまっていないのだろう。いつもは強気な紅い瞳を不安げに揺らしながら見つめてくる。
そんな夕立の頭を撫でながら、こう諭す。
提督「……時雨の目が覚めたら、きちんと話したいことを話せばいいさ……今は、時雨の対応が先決だ」
夕立「うん……」
そして明石に振り返り、夕立を安心させる意味と、自分の思いの両方をこめて、
提督「頼んだぞ」
明石「任せてください」
————
その後は知っての通り、俺が海域に強行して負傷し……という流れだ。
その後の話をしよう。
————
時雨「……あ、提督?」
ゆっくりと目を覚ました時雨は、俺を認めて眼の焦点を合わせる。
時雨「……来て、くれたんだね」
提督「ああ……まあ、俺も安静の身だが」
提督「俺も気を失ってたらしくてな。すぐに来てやれなくて悪かった……山城から事のあらましは聞いてる」
時雨「いいんだよ……こうして来てくれるだけでも、満足だよ」
か弱く微笑む時雨の頭に、そっと手を添えてやる。
提督「……頑張ったな」
時雨「……うん」
微かに震えた声で、俺の袖を強く掴みながら相槌を打った。
時雨「怖かった……痛かった、冷たかった、苦しかった……」
時雨「でも、夕立を突き飛ばした時、思ったんだ……『これでよかった』って」
やはり感情的にやや不安定になっているのかもしれない。
しかし妹を救いたいという思いだけは変わらないものであって、かつ根底にあるものだろう。美しい姉妹愛だ。
提督「……俺だったら、すぐにはできなかったかもしれない。だから時雨、お前はよくやったんだ」
その言葉を言い終える前に、時雨はぽろぽろと涙を溢し始めた。
普段滅多に泣くことのない彼女の中で、それほどまでに重大な出来事だったのだろう。
時雨「うん……うん……」
珍しく子供のように泣きじゃくる彼女の側に、しばらくいてやった。
————
幸い、時雨の回復は早かったようだ。山城からの経過報告で知った。
俺もようやく本調子だ。節目の日に間に合ってよかったとつくづく思う。
……明日明後日は忙しくなるな。
————
- Re: 提督「艦娘達との日常」【艦これSS】 ( No.125 )
- 日時: 2018/12/24 23:33
- 名前: エボルト (ID: s9PJfNZh)
【Merry Christmas!】
提督「……まだイブだけどな」
吹雪「まあまあ、いいじゃないですか。大規模作戦も終わりましたし、提督も時雨ちゃんも回復したんですから、祝勝会と快気祝いも兼ねてってことで」
提督「そりゃまた随分と忙しいことで。怪我人をこき使う気か?」ハハ
吹雪「そんな訳無いじゃないですか。準備は動ける人達で終えてますよ」
提督「そうか、分かってるな。流石初期艦様だ」
吹雪「伊達に何年もいませんから!」ドヤァ
————
提督「……長い口上は嫌いだ。という訳でさっさと始めよう」
提督「……メリークリスマス!」
艦娘「メリークリスマース!!」カンパーイ
長門「提督」
提督「おお、長門か」
長門「すまなかった。私達が最初にしっかり仕留めていれば、あんなことには……」
提督「その話はもういい。過ぎた事だ。それに、俺も別に恨んでないし、時雨もやりたくてやったことだ」
長門「そう、か……いや、変に気にしてしまってな」
提督「お前らしくもない。もっと堂々としてろ。というより、今は楽しめ」
長門「……そうだな。ありがとう、提督。お疲れだったな」
————
提督「よう、山城」
山城「げっ……あまり扶桑姉様との時間を邪魔しないで欲しいのだけれど……」
扶桑「あら山城、私は別にいいのよ?」
山城「……何の用です?」
提督「時雨の件は、世話になったな」
山城「……それ、今言うこと?」
提督「ははっ、それもそうだな」
山城「別に私は何もしてないわ……ただ、時雨は私の……」
山城「……やっぱり何でもないわ。忘れて」
提督「……そうか。時雨を大事にしてやれよ」スタスタ
山城「……言われなくても」
————
提督「よう伊勢。お疲れ」
伊勢「あ、提督。お疲れー、って私ほとんど何もしてないけど……」
提督「いいんだ、気にするな」
伊勢「いやー、あの艤装って中々意識すること多くてね。私もまだまだかな」
日向「ふっ、瑞雲を使わないからだろう。さあ、瑞雲を載せるんだ瑞雲を」
伊勢「丁重にお断りします」
日向「おっ、君もいたのか。なあ、特別な瑞雲は無いのか?」
提督「あるわけないだろ」
————
白露「いやー良かったね時雨、早めに治って」
時雨「いや、そんな大した傷じゃなかったし……」
村雨「もう、すぐ無理しちゃうんだから。悪い癖ね」
夕立「あの時の白露、結構カッコよかったっぽい」
白露「ほんと!? いっちばんカッコよかったよね!」
夕立「うーん、山城の方がカッコよかったっぽい!」
白露「んな!?」
春雨「あ、注ぎ直しますね……」
村雨「そんな飲み会みたいなことしなくてもいいのに〜」
————
金剛「紅茶を飲み終わったなら次の紅茶デース!」
比叡「流石! 合理的ですお姉様!」
榛名「合理的……?」
霧島「紅茶でカフェイン中毒になるんじゃないかしら……」
————
提督「ふふ、皆楽しんでいるようだ」
提督「大変な作戦だったが……皆で乗り越えることができた」
提督「いい年末になりそうだな」
————
- Re: 提督「艦娘達との日常」【艦これSS】 ( No.126 )
- 日時: 2018/12/28 19:44
- 名前: エボルト (ID: s9PJfNZh)
【理由】
提督「なあ時雨」
時雨「ん……何だい?」
提督「時雨は、何で自分のことを『僕』って呼ぶんだ?」
時雨「うーん……難しいことを聞くね」
提督「まあ、あまり本人に聞くようなもんでもないだろうがな」
時雨「……僕もよく分からないな。理由はいくつか思いつくかもしれないけど、気付いたらこう呼んでたっていうか、僕はもう僕で確定してるっていうか」
提督「ふむ……身近に最上がいるからとかか?」
時雨「それもあるかもね」
時雨「あとは……そうだね、僕が次女だから、かな」
提督「次女だから、とは?」
時雨「ほら、僕は上の姉があんな感じだし、妹も我が強いからね。ちょっとでも頼れる次女であろうとしてたんじゃないかな」
提督「なるほど……深いな」
時雨「……とは言っても、本当に特に深い理由は無いと思うけどね。僕は僕だよ」
————
提督「うーん、じゃあ」
提督「『私』って呼ぶのに抵抗はあるか?」
時雨「わ、『私』? ええっと……」
時雨「ちょっと……照れる、かな……」カァァッ
提督「はは、まあそうだろうな。一人称なんてそうそう変えられるもんじゃない」
時雨「いや、でも……提督が、それがいいって言うなら……」
提督「……じゃあ、一回だけ」
時雨「……わ」
時雨「わた、し……」
時雨「っ……ごめん、やっぱり無理……」
提督「……っとすまん、今何かに目覚めそうだった」
————
時雨「夕立は『夕立』と『あたし』でたまに分かれるよね」
提督「そうだな。大体は『夕立』だが」
時雨「器用、なのかな」
提督「いやあ、あいつに限ってそれは無いだろう。あんまり深く考えてなさそうだ」
時雨「……まあ、そうだね……今頃ドーナッツでも頬張ってるんじゃないかな」
————
- Re: 提督「艦娘達との日常」【艦これSS】 ( No.127 )
- 日時: 2018/12/31 22:24
- 名前: エボルト (ID: s9PJfNZh)
【ありがとう】
提督「……ということで、今年ももう終わるな」
吹雪「色々ありましたねー」
金剛「来年もきっと色々ありマース」
赤城「提督、鏡餅は」
提督「まだだ。ステイ赤城」
夕立「素敵な年越しパーティーしましょ!」
時雨「そばは行儀よく食べてね」
瑞鶴「ちょっ加賀さん! そば一人で食べ過ぎ!」
加賀「あら、てっきりいらないのかと」
翔鶴「まあまあ瑞鶴、私のあげるから……」
提督「……鳳翔、そば追加できる?」
鳳翔「ええ、もちろんです」
龍驤「何や、加賀は歌わんのかいな」
瑞鳳「それよりさ、玉子焼き食べりゅ?」
陸奥「……長門、さっきから鼻息荒いけど?」
長門「ん、ああ……別に眠たくなっている駆逐艦を見つめている訳では……」
扶桑「ああ、同じ艦種に変態がいるだなんて……」
山城「年の瀬まで不幸だわ……」
雪風「初詣のおみくじが当たる気しかしません!」
提督「お前はそうだろうな」
暁「レディーはちゃんと日付が変わるまで起きてるんだから……」
響「眠いんだね」
雷「もう、暁も世話が焼けるんだから! 毛布あるわよ!」
電「準備が良すぎるのです」
球磨「寿司旨っクマ! 旨っクマ!」
多摩「食い過ぎニャ! 多摩にも寄越せニャ!」
北上「またやってるよあれ」
大井「毎年のことじゃないですか」
木曾「俺も食いたいな、寿司……」
天龍「フフ……こうして心静かに刀を研ぎながら過ごす年の瀬も……フフ……」
龍田「明石さんに頼めばいいのに〜」
明石「それくらいやりますよ?」
朝潮「天龍さんは刀を研ぐしかやることがないのかしら?」
霞「触れちゃダメよ、そこは特に」
大淀「こちらは逆に燃え尽きてますけどね」
秋雲「あ、あ……あ……」
提督「秋雲……悪いことは言わん。諦めろ」
大和「ローストビーフ、美味しかったみたいで良かったわ」
武蔵「流石は姉貴だな。とても真似できん」
プリンツ「私が来てから何回目のネンマ・ツーでしょうか……!」
ビスマルク「この高揚感……やはりネンマ・ツーは特別ね!」
レーベ「……あれ、いつ突っ込んだ方がいいのかな?」
マックス「諦めなさい。無理よ……」
ゴーヤ「年末でもスク水とは寒々しいでち。せめて何か羽織るでち」
イク「これがイクのユニフォームなのね!」
イムヤ「はっちゃんは完全に防寒なのに……」
ハチ「暖かくていいよ、これ」
ろー「シュトーレン、はクリスマスでしたって……」
睦月「来年も良い年になりそうにゃしぃ!」
如月「肌の艶が増しちゃうわ……」
弥生「何……その……謎理論……」
卯月「あれぇ〜、司令官どこいったぴょん……人混みで見当たらないぴょん……」
皐月「来年になったら、皆可愛くなるね!」
水無月「さっちんもね! 可愛いよ!」
文月「うーん、眠いー……」
長月「しっかりしろ文月。夜はまだこれからだぞ」
菊月「年が開けるその瞬間に居合わせることこそ、伝統……」
三日月「まあ、健康を害さない程度に……」
望月「うぁ〜、マジ寝ていい?」
加古「古鷹古鷹! その目スポットライトになるんじゃないの!?」
古鷹「加古、こういうときは無駄に元気ね……」
青葉「困り顔の古鷹さん、画になります……!」
衣笠「青葉、変態みたいだからやめな」
提督「ふふ……」
————
提督「……今年も無事に終えることができそうだ」
提督「来年もきっと良い年になる。そう願いたいな」
提督「彼女らと変わらず過ごせることを願って……」
提督「では、よいお年を」
————
- Re: 提督「艦娘達との日常」【艦これSS】 ( No.128 )
- 日時: 2019/01/01 23:56
- 名前: エボルト (ID: s9PJfNZh)
【明けまして……】
提督「明けましておめでとうございます」
吹雪「誰に言ってるんですか?」
提督「独り言だ」
吹雪「はあ……斬新な独り言ですね」
提督「そうだ吹雪、ほれお年玉」スッ
吹雪「艦娘って結構給料いいんですけどね。ありがとうございます」
提督「提督業も結構いいぞ。まあ、使いすぎなければ余裕で遊んで暮らせるな」
吹雪「そうなんですか……あれ、秋月ちゃんはどうしてあんななんでしょうね……」
提督「触れてやるな。謎は謎のまま置いておけ」
提督「さて、俺はこいつを配りに行ってきますよ」
————
暁「あ、ありがとう……お礼はちゃんと言えるし」
響「いいのかい? 貰ってしまって」
提督「ああ、遠慮するな」
雷「もう、司令官ったら! 私からもお年玉あるのに!」
電「額がお年玉じゃないのでやめるのです」
————
天龍「おう……貰っとくぜ。ありがとな」
龍田「ありがとね〜……こんなに貰っちゃっていいの〜?」
提督「いいだろ。世話になってるしな」
————
時雨「ありがとう、提督」
白露「ねえねえ、私いっちばん貰った?」
提督「金額は平等だ。少なくとも姉妹艦ではな」
春雨「当然ですよね……」
夕立「夕立ドーナッツ買いに行きたいっぽい!」
村雨「あら、じゃあ一緒に行く?」
————
衣笠「まさかここに来て貰えるなんて正直思ってなかったよ。ありがとね」
青葉「これでまたレンズが買えます……ありがとうございます!」
————
不知火「……そうですか。ではお言葉に甘えて頂きます」
黒潮「何や、不知火は遠慮しがちやな〜」
陽炎「はいはーい、じゃあこの陽炎お姉ちゃんがお年玉を一旦預かり……」
提督「戻ってこない奴だ」
秋雲「あはは……液タブ買いに行こ……」
————
球磨「おお、ありがとクマ。提督太っ腹クマー」
多摩「魚買ってくるニャ」
提督「お前昨日めっちゃ寿司食ってたろうが」
北上「ありがとねー。や、特に買うものは無いんだけど……何かお金って持ってたいじゃん」
大井「ふふ……これで北上さんに贈り物を……ふふ……」
木曾「……まあ、何だ、ありがとう。くれるとは思ってなくてな」
————
提督「お年玉の用途なんて人それぞれさ」
提督「使いたいように使えばいいよ……あげる方は中々に大変だがな」
提督「でもまあ、礼は言われると嬉しいしね」
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