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提督「艦娘達との日常」【艦これSS】
日時: 2018/07/26 17:13
名前: エボルト (ID: x40/.lqv)

某年某月某日。
『今日の日記は特に何も書くことはないのだが……些か困っている。
というのも、こうして何もない日常にありがたみを感じるのもまた人の性なのだが、むしろ自分は非日常の権化のような存在に囲まれ生活している。こんなにのほほんとしていていいのだろうか。
深海との戦いも終わりは見えないが、少し艦娘との暮らしにも目を向けていきたいと思う。』

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Re: 提督「艦娘達との日常」【艦これSS】 ( No.94 )
日時: 2018/10/26 22:32
名前: エボルト (ID: s9PJfNZh)

【身の上話】

榛名「え〜ん……」
提督「どうした榛名? 難しい顔をして」
榛名「あ、いえ、少し考え事を」
提督「そうか」
榛名「……提督のご両親って、どんな方なんですか?」
提督「これまた唐突だな。考え事ってのの中身はそれか」
榛名「はい。ふと気になってしまって」
提督「そうだな……まあ知ってる奴は知ってるが……」

————

提督「ざっくり言うと両親共に放任主義だな」
榛名「放任? それって……」
提督「別に無関心って訳じゃない。子どもに過剰な干渉をしないってことだな」
提督「何でもかんでも、小さい頃から『自分で決めろ』だ。でも実際、俺もその方がやり易かった」
榛名「子どもを大事になさる方なんですね」
提督「大事に……か。意識したことは無かったな、何せどっちもサバサバしてるもんだから」
榛名「どういうことですか?」
提督「ざっくりしてるんだよ、父親も母親も。おおらかってのもちょっと違うし、適当な訳でもないんだが」
榛名「大丈夫です、仰りたいことは分かりますよ」
提督「助かる。そういえば俺は母親に瓜二つなんだ、性別が同じならそれこそ見分けがつかないくらいに」
榛名「それは……一度ご両親にもお会いしてみたいです」
提督「ああ……え?」
榛名「え?」
榛名「榛名……何か変なことを言いましたか?」
提督「……いや、俺の思い過ごしか。すまん、忘れてくれ」
榛名「……! そうです、きっと提督は疲れてるんです!」
提督「いきなりどうした」
榛名「疲れててお耳がよく聴こえないんですよね? 大丈夫ですよ、さあ横になって」グイグイ
提督「いや、ちょ、ちょ待てよ」
榛名「榛名は大丈夫です! 疲れを癒す術なら織り込み済みです!」
提督「どうしてこうなった」

————

Re: 提督「艦娘達との日常」【艦これSS】 ( No.95 )
日時: 2018/10/27 22:28
名前: エボルト (ID: s9PJfNZh)

【ご奉仕】

榛名「はい、マッサージは終わりました! 次は……椅子に座ってください!」フンス
提督「ううむ、何だか体は軽いが……釈然としない」ストン
榛名「では、肩を揉んで差し上げますね」
提督「いやいいよ、そこまでしてもらうのは」
榛名「榛名は大丈夫です!」
提督「話を……うーん、じゃあお願いするよ……」
榛名「はい!」

————

提督「ああそこ、効くな……」
榛名「ここ……すごく凝ってますよ」モミモミ
提督「デスクワークは凝るんだよ」
榛名「たまにストレッチもしないとダメですよ?」
提督「ああ、分かったよ」
提督「……榛名、雷みたいだな」
榛名「ふぇ? どういうことですか?」ピタ
提督「いや、前にもあいつにこんなことをされてな。世話焼きな所が似てるなあと」
榛名「もちろんです。提督の幸せが榛名の幸せですから!」
提督「そうか……嬉しいことを言ってくれるねえ」
榛名「これからも、榛名がずっとお側にいます!」

————

提督「おおう、肩が軽い」コキコキ
提督「さて仕事を……うん?」ペラ
提督「……ははっ。ずっとなんだな、『あれ』は」
提督「まさか写真を撮る度に俺の近くをキープするとはな……」

————

Re: 提督「艦娘達との日常」【艦これSS】 ( No.96 )
日時: 2018/10/28 19:38
名前: エボルト (ID: s9PJfNZh)

【射矢】

赤城「……」スッ
赤城「……」パッ
トンッ
赤城「上々ね」
加賀「流石です、赤城さん」
赤城「たまにやらないと、鈍ってしまいますからね」
加賀「ええ。では私も」
加賀「……」スッ
加賀「……」パッ
トンッ
赤城「相変わらず鋭いですね」
加賀「いえ、実戦では中々今のようには……」チラッ
瑞鶴「……」キリキリ
瑞鶴「……ふっ」パシュッ
ストンッ
加賀「……全体的に余計な力が入りすぎよ。それと、射つ瞬間は逆に力を抜きすぎ。バランスを意識して」
瑞鶴「わ、分かってるって!」
赤城「加賀さん、熱心ですね」
加賀「……まあ、その、やはり少しは気になるので」
加賀「私も鳳翔さんから教わった身、上手く教えられているかは分かりませんが……」
赤城「続けていれば、いつかは実を結びますよ」

————

鳳翔「やっていますね、皆さん」
赤城「鳳翔さん……!」
加賀「珍しいですね」
鳳翔「無性にやってみたくなったもので」
翔鶴「瑞鶴、よく見ておいた方がいいわよ」
瑞鶴「え? 何で?」
翔鶴「鳳翔さん、弓の腕は凄まじいって聞くわ」

————

鳳翔「……」スッ
鳳翔「……」パッ パッ パッ
トンッ トンッ トンッ
瑞鶴「……え」
翔鶴「三連射……」
加賀「……無駄の無い自然体の構えから、目にも止まらない速さの連射。流石です」
赤城「私達もまだまだですね」
鳳翔「あら、確かに慢心は危険ですけれど、あなた達は充分な技量を持っていると思いますよ?」
加賀「まだ、鳳翔さんには及びません」
鳳翔「そうですか……」スッ
瑞鶴「!? 一度に三矢つがえた!?」
鳳翔「……」パッ
トトトンッ
翔鶴「……左の的に一つ、鳳翔さんの正面に一つ、右に一つ。どれも中心」
瑞鶴「すご……」ホケー
赤城「未だにあれ、どうやってるのか分かりません」
加賀「鳳翔さんでこそ……ですね」
瑞鶴「ほ、鳳翔さん!」
鳳翔「はい?」
瑞鶴「ど、どうしたらそんなに凄いことが出来るようになるんですか!?」
鳳翔「うーん……」
瑞鶴「……」ワクワク
鳳翔「練習、ですね」ニコッ

————

Re: 提督「艦娘達との日常」【艦これSS】 ( No.97 )
日時: 2018/10/29 22:40
名前: エボルト (ID: s9PJfNZh)

【親愛と寂寥】

山城「んん……」モゾ
ガサガサ
山城「何よ……布団の中に……」チラッ
時雨「やあ山城」
山城「時雨……あんた……」
時雨「まあまあ、いいじゃないか。たまにはさ」
山城「……勝手にしなさい。私冷え性だから、都合いいから追い出さないであげるわ」
時雨「ふふ。ありがとう」

————

時雨「ねえ山城」ギュー
山城「……後ろから抱き締めるのやめてもらえないかしら」
時雨「まあまあ。くっついたほうが暖かいでしょ?」
山城「……あんた、いつからそんなに大胆になったのよ」
時雨「んー、いつからだろうね。それよりさ」
山城「……」
時雨「山城って、僕のことどう思ってるのかな?」
山城「あんた、そういうのは普通本人に聞かないでしょうが」
時雨「……そう、だよね」
山城「はあ……もちろん大切に思ってるわ。私は妹がいないから、妹みたいな認識でいるのかもしれないわね……手のかかる妹だけど」
時雨「努力するよ」
山城「……ああ、私からも聞きたいことがあるのよ」
時雨「何だい? 何でも聞いてよ」

————

山城「……どうしてそんなに気丈に振る舞ってるの?」
山城「あんたが一番辛いはずなのに」
山城「まるで私が馬鹿みたいじゃない……不幸だわ……」
時雨「……山城が言いたいことは何となく分かるよ」
時雨「辛くない訳じゃないよ。今でも凄く辛いし、ふと思い出してしまったりもするし、たまに泣いちゃうことだってあるよ」
時雨「でもね、僕は今がすっごく楽しいんだ」
時雨「もちろんあれは忘れられないし、多分今後も引きずることになるんだろうけど……でも、こんな風に山城がいてくれたりするじゃないか」
時雨「僕はそれで満足だよ」
山城「……強いわね、あんた」
時雨「強くなんてないよ……そうだ、じゃあ『お姉さん』に一つお願いがあるんだけど」
山城「何よ?」
時雨「ちょっと、思い出しちゃったからさ……泣いても、いい?」
山城「……どうせ誰も見てないわ」
時雨「そう、ありがとう。優しいね、山城……っ」ギュッ
山城「……出すもの出さないと、毒でしょうが」ナデナデ
時雨「……うっ、うん……あり、がとう……」ポロポロ
山城「……」ナデナデ

————

Re: 提督「艦娘達との日常」【艦これSS】 ( No.98 )
日時: 2018/10/30 23:42
名前: エボルト (ID: s9PJfNZh)

【天龍刀】

明石「天龍さん! 出来ました!」
天龍「あ? 何がだよ」
明石「前から欲しいと言っていた新しい刀です! 何本か用意したので、ちょっと試してみてください!」
天龍「そいつはありがてえ! 早速試させてもらうぜ!」

————

天龍「おい何だこれ? 短いじゃねえか」ヒョイ
明石「それがもう一本あるんです。これで双剣ですよ」
天龍「あー……でもなあ。やっぱ刀は一本を使うってのがロマンじゃねえか?」
明石「そう言うと思っていました。なのでこちらを」

————

天龍「……ただの刀だな」
明石「そこにトリガーが付いているでしょう? トリガーを引きながら振ってみてください」
天龍「こうか?」ブンッ
カチャカチャカチャカチャ
天龍「何だこれ!? すげえぞ!」
明石「刀身を蛇腹剣のように分割することで射程を伸ばした逸品ですよ!」
明石「まあ、たまに戻ってこないのが難点ですが……」
天龍「ダメじゃねえか」

————

天龍「これは?」
明石「それもトリガーを引いてみてください」
天龍「……おわ、熱っつ!」サッ
明石「斬ると同時に相手を焼きます! 隙を生じぬ二段構えですよ」
天龍「……いいけどよ」
天龍「外部電源に繋がなきゃいけないのはダメだろ。家電かよ」

————

天龍「おお、日本刀っぽくてかっこいいじゃねえか」
明石「抜いてみてください」
天龍「……何じゃこりゃ?」
明石「逆刃刀です!」
天龍「やめろ! 色々危ねえだろ!」

————

天龍「はあ、ったく……やっぱ今のままでいいわ」
明石「いいんですか?」
天龍「ああ。一番しっくりくるんだよ、これが」
明石「そう思って、これを」
天龍「……俺のに似てるけど、ゴツいな。あとは刃が白いのか」
明石「鋭さと耐久性を追求した結果そうなりまして。サイズは大太刀ですが天龍さんに調整してあるので片手でも軽々と扱えるはずです」
天龍「……貰っていいのか?」
明石「もちろんですとも。自信作なので是非!」
天龍「……へへっ、ありがとな明石!」

————


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