ダーク・ファンタジー小説
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- スキルワールド
- 日時: 2019/02/24 17:59
- 名前: マシュ&マロ (ID: R9GAA8IU)
- 参照: http://www.kakiko.info/bbs2a/index.cgi?mode=view&no=1029
どうも、マシュ&マロです
この小説は『スキル』と呼ばれる能力を持つ者が存在する世界を題材にしたファンタジー作品です。
{自分の文才はかなり低いですが、諦めずに書こうと思っています}
※注意書き※
・オリキャラの募集はリクエスト掲示板でやっています。
・小説への意見や指摘は、リクエスト掲示板にあるスレットへお願いします
・作者は投稿が遅かったりしますので、ご了承下さい
・スキルワールドの説明などはリクエスト掲示板にありますので興味のある方はお読み下さい
それでは小説スタートッ!!
第一幕『黒奈友間という少年』
>>64
第二幕『一人の裏切り者』
(前半)>>102
- Re: スキルワールド ( No.80 )
- 日時: 2019/08/03 18:14
- 名前: マシュ&マロ (ID: R9GAA8IU)
ここは辺りが真っ暗な空間、強いて言うなら友間の精神世界のような場所だ。
(「今回ばかりは無茶し過ぎですからね友間様っ!」)
「えーと、その....スミマセン」
今の現状を言うと、燃えている少女...つまりエンに散々と今回について叱られていた。理由の方はエンの話を聞いて分かるかもしれない。
(「私の力は無限ではなく有限なんですよ?、それなのに今回のように一度に何度も再生する事になるとさすがに私でも疲れるんですよ?」)
「ご、ごめんってばエン。次は伊月の時みたいにならないよう気をつけてるから」
(「いいですよ!、今回は仕方なかったとして次は気をつけて下さいね?」
「う、うん...分かった、約束するよ。・・・・・・ところでさっきエンが疲れたって言ってたけど具体にどんな感じなの?」
(「んー具体的と言われましても.....。分かりやすく言うなら友間様のスキルは普通のとは違って私や他の者のような独自の意思を持った性質たちと根強く結びついています。」)
「えーと・・・・・・、つまり?」
(「そうですね・・・・・例えるなら、運命共同体ですかね?」)
「う、運命共同体....?..」
(「そうです、運命共同体です。つまりは友間様と性質たちは強く結びついていて友間様がもし炎の性質を扱った場合は友間様がその時に疲れた分だけこちらに疲労が還元されますし、友間様が死んだ場合だと私たちも道連れで死んでしまうんですよね」)
「さらっと恐いこと言ってたけど、俺が死んだらエン達は死んじゃうんだね....。」
(「まあ、死ぬという表現は生き物でない私達にとって正しいか分かりませんが、その逆に私達からも友間様に対して権限があります」)
「け、権限? 何なのそれって?」
(「簡単に言いますと性質の一人一人には友間様からの使用を拒否、または力の制限および増強が行えます。」)
「拒否に....制限...か..。」
(「はい、私の場合は友間様を認めていますので体が壊れない程度に最低限の制限をかけているぐらいですかね?」)
「ちょっ!、ちょっと待って! ならその制限を外したら俺ってどうなっちゃうの!?」
(「んー、体が力に対応しきれずに崩壊してしまいますかね?」)
明るい感じで告げてきたエンだが友間自身はその事を想像してしまい顔が少し青ざめてしまった。
(「あっ!、そろそろ時間みたいですので......また会えると良いですね、友間様!」)
「うん!、次もまた絶対に会おうね!」
そう言い残してその場から消えてしまった友間、すると残されたエンが何もない空間を見つめていると....。
(「嬉しそうだなエン、もしや友間って奴に色恋沙汰でも」)
(「あら、珍しい方が現れたものですね。」)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「うぅ.....んぅ〜〜、よく寝たな〜」
そう背伸びをしながら上半身を起こした友間、そして自分がアパートの一室で寝ている事に気づいた。
「京八たちが運んでくれたのかな?」
体の状態を確かめるために軽いストレッチをしていた途中、すぐそばの床に置き手紙を見つけて読んでた。
『友間さんへ
私、ニコラだけどこれから用事があるから少し出掛けて来ますね♪。それと起きてまだ京八さんが居なかったのなら京八さんからの伝言を伝えるね。
『少し帰りが遅くなる』
なので、心配はいらないと思います、友間さんも体に気をつけて下さいね。』
「・・・・・・遅くなる...か..、よしっ! 俺も気を引きしめてこうかな!」
そう意気込んだは良いが、伊月との戦いで疲労が大きかったらしく歩いてもいないのに頭から転んでしまった友間であった。
「痛ててて、鼻を思いっきり打っちゃったなぁ」
ーー・・・・・ピーン ポーンッ!
「あれ?、誰だろ?」
時計で時刻を確認してみると夕方の時間帯だった、そして鼻を抑えつつ玄関へと向かった友間は覗き穴を覗いた瞬間にビックリしてしまった。
「美琴さんだッ!!」
ーーガチャッ!
「あ、友間さん、居て良かったです。ところで伊月のいる場所とか知りませんか?、どんなに電話しても携帯が繋がらないので・・・・・。」
「あー、えーと今は京八がたぶん尾行してると思います。でもこっちも京八に繋がらなくて....。」
「そうですか....あっ、こんな時間帯にごめんなさいね友間さん」
「いえ!いえ!、何かあったらすぐに伝えますので!」
「それは嬉しいはね」
そう微笑んだ顔を見せると狭いアパートの通路に少し苦戦しながら車椅子を方向転換させて去ってしまった彼女の背中はどこか悲しそうだった。
(弟が....もしかすると犯罪に関わってるかも、なんて言えないしな・・・・。)
少し後ろめたい気持ちになった友間だったが、冬の冷風が友間を思いに更けさせてはくれず堪らず部屋へと戻って行ったのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ここは町の風景とは一風変わった人寂しい森の中、そして奥へ行った所に廃れてしまった様子の一軒の屋敷が見えてきた。
だが屋敷の風貌に似合わず誰かの怒鳴り声が聞こえてきたのであった。
「クソォォォオオーーーーッ!! あの電気野郎ッ!、次見つけたらただじゃ済まさねぇぞ!!」
廃れた屋敷の一室で怒鳴り散らしていたのは行方不明となっている伊月本人であった。そしてその部屋に別の誰かが入ってきたのであった。
「そう騒ぐものじゃないぞ伊月、芸術とは自分との語り合い、その為には冷静さと忍耐力が大事だからな」
「うるセェッ!!、お前はいつもみたいに人間の体でも接合してろッ!」
伊月は影の奥にいる姿は見えない相手に向かって怒鳴った、この事から二人は顔見知りといった関係だろう。
「いつもの君らしくないね。まぁ...それも仕方ない事か」
そう言ってきた相手の視線は伊月の右腹にできた焼き焦げてただれている酷い火傷へだった。
「こっちはしてやられたが、こっちもアイツの片脚の筋肉を抉ってやったんだ、運が良ければ出血多量で死んでるはずだ!」
少し息が荒くなってきた伊月、すると謎の相手はこの様子に呆れたかのような溜め息を吐くと後ろを振り返り誰かを呼んだのであった。
「何してやがる、またお前の芸術とやらの作品鑑賞には付き合わねぇからな」
「これはまた酷い感想だな、まぁ今日は機嫌がいいから見逃しておこう。そして紹介しよう、私の妹の“ニコラ”だ」
その名前を聞いて耳を疑ってしまった伊月、そして何を隠そう昼間に京八と一緒に現れたニコラ本人であったのだ。
「お前......。」
「また会ったね伊月さん♪、それと会えて嬉しいな〜・・・・・・。」
“おに〜ちゃん♪”
- Re: スキルワールド ( No.81 )
- 日時: 2018/11/19 22:49
- 名前: マシュ&マロ (ID: tO5N9Mr.)
「あ〜〜〜っ!、これじゃあダメだ!」
ここは友間がいるアパート。一人でいるのが落ち着かなくなったのか勢いよく床から立ち上がると玄関へ向かおうとした、すると
ーーコン! コン!
「あれ?、今度は誰だろう?」
またまた現れた訪問者に対しておそおそると玄関に近づいていく友間、そしてはたまた驚きのあまり声を挙げてしまった。
「し!、シ! シロッ!?」
発狂に似たような声を出しながら開けられたドアの奥には余すところなく汚れたシロの姿があった。
「やっと見つけましたよ、友間さん」
「ま、待って!、どういう事っ!?」
「私を置いていかれるなんて困りますよ、もし友間さんの身に何かがあったとしたら....私、普通じゃなくなりますよ?」
「ま、まあ...とりあえず中に入ろう。体を綺麗にしなきゃだし・・・・・。」
「はい、わかりました。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「フー、何日ぶりかのお風呂は温かいですね〜」
「それなら良かったよシロ、じゃあ俺の持ち物から取ってきた服だけど外に置いとくね」
「ありがとうございます友間さん、こんな私に気遣いまでして頂き・・・・・。」
「気遣いなんて....人として当たり前の事をしているだけだし、それにたまにはシロにもゆっくりしてもらいたいしね」
「そうですか.....。ところで友間さん、今回の任務というのは伊月という人物を殺せば良いのでしょうか?」
「ッ!!...違う! 違う!、違うからね!?、絶対に厄介事は禁止だからねっ!?」
「ん〜、それは少し難しいですね.....。あっ!、なら半殺しなら...?..」
「そ、それもダメだからねッ!??」
「むー、なら私のいる意味がないのでは?」
風呂場のドア越しにシロからの批判が風呂場を反響して聞こえきたのだが...友間自身、シロには誰も傷つけはさせないと心の隅で決めていたのであった。
「シロには、今回は危険が迫った場合に力を貸して欲しいんだ。大丈夫?」
「はい!、友間さんを守るためなら例え溶岩の中、さらには地獄の底まで追いかけて行きます!」
「は、はは。それは頼もしいね」
そう苦笑い気味に言い残すと別室に移動してこの間に少し休むことにした、また大事になる予感がするからだ。
「今回ばかりは平和に終われますように」
- Re: スキルワールド ( No.82 )
- 日時: 2018/11/28 19:49
- 名前: マシュ&マロ (ID: R9GAA8IU)
ーートン、トン
「あの、友間さん。お風呂、空きましたよ?」
友間はシロにそう肩をたたかれて起きた。どうやら少し座って休むつもりだったのだが気づかぬ内に寝てしまい夕暮れから夜になっていたようだ。
「あ、うん分かったよシロ、俺も入るよ。・・・・・・でも俺のはちょっとシロには狭かったみたいだね?」
そうシロの色々なところを強調してしまっている自分の服への感想を友間が述べていると、シロの右足に目が止まった。
そんなに意識してシロの脚を見てなかったし着ているのが半ズボンというのもあるのか、今さらながらシロの右足がなんと膝まで金属製の義足だったのだ。
「んっ?、あぁこれの事ですか.....これは....私の弱さを思い出させてくれる消えない傷です・・・・・。」
「傷...って・・・・・・、シロに一体何があったの・・・・?」
「・・・・・・すみません....。今の私には友間さんに語れる程の資格がありません・・・・。」
ーードンッ!、ドンッ!
暗い顔にしたシロをよそに玄関のドアを強く叩いている音が聞こえてきた。そこで京八かニコラが帰ってきたのかと思い、玄関に行ってみる事にした。
「友間さんッ!!、離れて下さいっ!」
「えっ!?、シロ?」
シロにこれでもかと思ってしまう程の力で後ろへと引っ張れた直後、その刹那に何かのエンジンが動き出したような音がし玄関のドアをチェーンソーが突き破ってきたのだ。
「シロッ!!、危ないッ!?」
「ふっ!」
だがそんな心配も無用だったようで、シロは自身の発した掛け声と共にチェーンソーの刃を鷲掴みにし目の前にいる強襲者を睨みつけた。
「う、うわー。シロってやっぱり強いなー」
だが敵の奇怪な姿にはシロも友間も呆気に取られてしまった。
その姿というのが・・・・・・、
「「着ぐるみっ!?」」
その敵の姿というのが白と紫の混ざった眼鏡をかけているピンク色の兎をイメージした着ぐるみ姿なのだ。
「 × × × × × × × ?」
それに加えて何を言ってるのかボソボソとしていて聞き取れない。だが着ぐるみの体の部分は比較的に装着者の体型に沿って作れてるようで、体型からして女性又は細身の男性が着ているのだろか
「シロ!、大丈夫!?」
よく見るとチェーンソーを掴んでいるシロの手が小刻みに震えておりシロに近い実力者なのかもしれない。
「友間さん!、少しの間失礼します!」
ーードンッ!!
吹き飛ばされた敵の影とシロの後ろ姿をただじっと見守っていた友間だったが、新たなに現れた敵の人影に顔を引き締めた。
「敵は二人か」
「こんばんは、私はユウ。こっちはダンって言うの」
「おいユウ!、勝手に個人情報をばらすもんじゃねぇよ」
「えー、そうかな『僕』?」
「お前って僕の事をよく“僕”って呼ぶよな」
「ちょっと失礼、君たち二人は敵なの?」
「えーとね、私と『僕』は・・・・・。」
「少し黙っててくれユウ。それとお前、僕たちが敵っていうならそういう事にしてやっても良いぜ?」
「...?、どういう意味?」
目の前の二人は双子なのか瓜二つと呼べるぐらいに似てる、特に共通した綺麗な銀髪が特徴的だろう。
「敵なら構わず行きます、性質<炎>ッ!」
全身から炎が吹き出した友間、だが身構えたと同時にユウと呼ばれた少女に右手首を信じられない力で掴まれた。
「ごめんねぇ、ダンがこうしろって言うんだ」
そんなユウの謝罪の後、掴まれていた手首から思いっきり外へと投げられ勢いよく天井の一部を突き破って何処かへと落ちて行ったのであった。
- Re: スキルワールド ( No.83 )
- 日時: 2018/11/30 21:45
- 名前: マシュ&マロ (ID: R9GAA8IU)
「ああぁァアァァアアーーッ!?」
ーードッシャアァーンッ!!
地面は硬かった、ここは何処か人気のない公園だろうか。
まずは被害の確認からだが、スキルのおかげで死ななかったが着陸の時の衝撃で首骨と背骨の複雑骨折に加えてユウという少女に握られた際に右手首の脱臼がみられた。
「フー、と....。死ななかったとは言えども体力の消費が激しいから少しの間は休まない・・・・・。」
ーードッゴォオーンッ!!
友間の背後で砲弾でも降ってきかのように砂煙が舞い上がり思わず苦笑いをしながら首を後ろへと傾けた。
「到着♪ 到着♪ さーて、あなたの相手は私よ」
「それと僕もだよ。」
あまりにも速い再開に苦笑してみせた友間はスキルがまだ発動している事を確かめると二人へと向き直りながら覚悟を決めた。
「ハー.....フー....。最初の相手は誰ですか?、それとも二人同時ですか?」
「あっ!、じゃあ私から! いいよね『僕』〜?」
「分かったよユウ、でも何かあったら即座に割って入るからな?」
死ぬ程度の覚悟は決めたつもりだ、あとは目の前の相手を殺すぐらいの勇気だけだ。
「じゃあ私はこれを付けるね〜」
「手袋ですか?、何か意味があるんですか?」
ポケットから手袋を取り出したユウ、その事について一応聞いてみる事にしたが彼女にとって何か意味があるのは間違いないと直感的にだが感じた。
「んー、強いて言うなら“リミッター”?」
「リミッター?、じゃあ自ら自分自身に枷を付けるって事ですか?」
「うん! そうだよ!、昔から私って力加減が苦手だから」
少し恥ずかしそうに言った彼女だが、だとしたら自分を投げ飛ばした時の力は彼女なりの手加減だったのかもしないが、それが本当なら勝ち目はどれぐらいあるのだろうか?
「んーしょっと、準備運動は終わりっと! あなたは何かするの?」
「ううん、俺は毎回何もしない方なんだ。構わず来ていいよ?」
「OK〜!、なら三割で......。」
ーードンッ!!
こっちへ突っ込んでくる彼女の事をとても少女とは言えなかった、上手く言い表せないが強いて言うなら“少女の姿をした怪物か何か”だ。
「行っくよー!、『輝砕』ッ!!」
ーーズドォォオオーンッ!!
世界が一瞬暗くなった気がした、ミサイルとも呼べるユウの拳は吹き飛ばされている今でも腹に強く残っている。
「ゲッホ! ゲホ!、ゲホ!」
仰向けになった状態で腹を抱えながら蒸せ返っている友間、死んでいないだけ天に感謝なのだろうが腹から広がる痛みは生き地獄とも言える苦しみなのだ。
「あれー?、大丈夫?」
「げっほ! ゲホ!、大丈夫です」
無茶をしてるのは明らかなのだが友間は無理に立ち上がると心配そうに見つめてくるユウに面を向けた。
「このままじゃ勝てそうにないので奥の手を使いますね」
「分かった!、じゃあ私も五割で行くよー!」
そんなユウの返事を聞いた友間は腰を少し屈めて構えると右腕に意識を集中させた、力が少しずつ集まっていく実感と共に友間の右腕の炎も徐々に増していき友間の体の半分を覆うまでに燃え上がっていた。
「ヤバイ、これは少し張り切り過ぎちゃったかもしれませんね」
頭が少しぼやけてきた友間だが、目の前にいるユウに対してはこれぐらいの無茶をしなきゃ勝てる相手ではないと無意識に分かっているのだろう。
「じゃあ行くよ、えーと・・・・。」
「友間で良いです、ある人には黒奈って呼ばれてますけど」
「友間!、うん分かった! 私も友間を見習って本気を出すね!」
そのユウの発した言葉で周囲の空間が捻り曲がったような気がした。
(これは死ぬ気でユウに叩き込まないと生き地獄なんて言葉じゃ済まなそうだな・・・・・。)
そう心で呟いた友間はユウが動き出したのを見ると負けじと突っ込んでいき、そんな心に比例してか右腕の炎が友間を飲み込むように燃え盛りユウの体へと一直線に軌道を描いた。
そしてその一瞬、周囲は二人を中心とした光と音で包まれたのであった。
- Re: スキルワールド ( No.84 )
- 日時: 2018/12/02 11:34
- 名前: マシュ&マロ (ID: R9GAA8IU)
風が激しく吹き荒れる中、何かが飛んできて公園の電柱に激突し電柱が軽く折れ曲がった。
その正体は友間であった。力を使い果たしたように荒く呼吸をし体から炎が消え失せていった。
「ハァ ハア ハア ハア ハア ハア、これでリミッター付きなんて勝てる気がしないよ」
そう言ってフラフラと立ち上がると先程まで自分とユウがいた場所へと顔を向けた友間、そこはもう焼け野原と化して公園のゆったりとした雰囲気はなかった。
「ユウはどうなったんだろ....?」
周りを見てみた友間だがユウの姿はなかった、すると突如後ろから誰かに押し倒され顔を地面に叩きつけられたのだった。
「おい! お前っ!、よくもユウを傷つけたなッ!!」
「そう、だった.....あんたも...いたな....。」
怒り狂ったようなダンはうつ伏せの状態の友間の首を後ろから締め付けた。すると何かが体力を吸い上げていくような奇妙な感覚を友間は感じた。
「死ね! 死ねっ! 死ねッ!!」
首の血管が塞き止められたせいなのか頭に血が上ったような感じがし目も霞んで目の前が徐々にぼやけてきた。
「性...質..。」
何か望みがあった訳じゃない。ただ無意識....いや、生きたいと貪欲に思ったんだ。
「性...しつ..。」
言葉がもう出て来ない。だが何処か体の奥底から何か這い上がってくる気がした。
「せい...しつ・・・・・。性質<鉄>ッ!!」
最後に絞り出せた言葉、それに反応したかのように身体中を力が駆け巡っていき友間は鉄へと変化した。
「なっ!、まだ生きてやが・・・・・。」
「・・・・・邪魔。」
悠然と立ち上がった友間はダンを軽々と背から引き剥がしてみせると信じられない力で地面へと叩きつけた。
そして心が何かに飲み込まれ支配されたかのように無心な表情でダンに馬乗りになると今度は友間がダンの首を締めた。
「離...せ..、この化け物が...。」
「・・・・・死ね...。」
もう友間は友間ではなかった。誰かを殺す事への恐怖も苦しむ相手への慈悲の心もない冷徹さで染まったような人物になっいた。
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