ダーク・ファンタジー小説
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- スキルワールド
- 日時: 2019/02/24 17:59
- 名前: マシュ&マロ (ID: R9GAA8IU)
- 参照: http://www.kakiko.info/bbs2a/index.cgi?mode=view&no=1029
どうも、マシュ&マロです
この小説は『スキル』と呼ばれる能力を持つ者が存在する世界を題材にしたファンタジー作品です。
{自分の文才はかなり低いですが、諦めずに書こうと思っています}
※注意書き※
・オリキャラの募集はリクエスト掲示板でやっています。
・小説への意見や指摘は、リクエスト掲示板にあるスレットへお願いします
・作者は投稿が遅かったりしますので、ご了承下さい
・スキルワールドの説明などはリクエスト掲示板にありますので興味のある方はお読み下さい
それでは小説スタートッ!!
第一幕『黒奈友間という少年』
>>64
第二幕『一人の裏切り者』
(前半)>>102
- Re: スキルワールド ( No.19 )
- 日時: 2018/04/19 18:25
- 名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)
パァンッ! パァンッ!
・ ・ ・ ・ 部屋に最初に響いたのは銃声だった、しかしソレは龍紀の持っている銃からの音だった。
銃弾は二発、侵入してきた敵の眉間と心臓部に的確に命中させ敵の体を後ろへと傾かせたのだった
「や、やったね龍紀!」
「.....いや...、まだだよ」
「へっ ・ ・ ・ 、!?!」
「あ〜イテテ、頭と胸を迷わず撃つたぁ中々の銃の手慣れようだな」
敵の男は撃たれた部分を抑えながら立ち上がると撃たれた箇所から手を離すが、何と撃たれた箇所には傷どころか銃弾の跡すら無かった
「俺のスキルは“特化系の『タフネス』”、つまり俺の体は戦車並みの硬度ってわけよ」
そんな風にベラベラと自身のスキルを明かす男に対して、龍紀が途中で口を開いた
「ふ〜ん、特化系のスキルねぇ、ならコレならどう?」
・ ・ ・ ・ ジャキ!
......パァン! パァン!
今度は男の両膝に当たり、思わず床に膝を着いてしまった男は少し驚いたがすぐに龍紀を睨みつけた
「やっぱりね、どんなに硬いからって言って表面は守れても銃弾の衝撃は伝わるみたいだね、特に筋肉の少ない関節とかは」
「それが何だって言うんだよ!?」
「それは、君に多少のダメージぐらいは与えられるって事だよ」
「ふん!、ソレが分かった所で無駄だ! ((バッ!! 」
男は龍紀に向かって飛び出した、だが男の視界の隅に鉄に変化した友間が見えた
「させるかッ! ((ドガッ!!」
「グッ!...このガキが!」
「鉄の拳はさすがに効くみたいですね」
そんな会話の後、ようやく友間と敵の二人の戦いが始まった
「バキッ)) ぐッ! クソガキッ!((ドガッ!」
「何の...これくらい ((バンッ!」
「友間!、ちょっと下がって!」
「えっ!龍紀、何で?」
「いいから、早く!」
「う、うん分かった」
「待てガキィ!」
龍紀に言われるままに友間は狭い部屋の隅へと飛び退くと同時に龍紀が何か丸い物体を敵へと放り投げた
チ!チ!チ!チ! ....ピカァーッ!!
眩しい光が友間の目を貫き思わず目を反らす、先程に放り投げられたのは閃光弾だったらしい
「行くよ!友間とシセラも」
「え、ちょっ待っ.....」
龍紀に手を引かれて眩しく光る部屋の中を駆ける友間、そして少しすると三人は外へと勢い良く飛び出した
「友間!、シセラを抱えられる!?」
「外に出てどうするの?」
「部屋の中は狭いし他にも住居者がいるから人に見られない場所に移動しよう」
「分かった、ちょっと失礼するねシセラ」
「あ...あ..はい、すみません」
そうして友間はシセラを背負って龍紀は自身の銃器が入ったスーツケースを抱えると、敵が来る前にアパートを後にした
[〜少し進んで〜]
「ハァ ハァ ハァ ハァ 、友間とシセラは大丈夫?」
「ハァ、ハァ、俺は大丈夫だ、だがちょっとシセラの方を心配した方が良さそうだ」
「す..すみません、ちょっと....振動に慣れなくて.......」
慣れないどころか走る友間の背に乗るシセラは顔色がどんどん青紫へと変色していった
「休ませた方が良いと思うけど、....敵が一人とは限らないからあと少しだけ頑張ってねシセラ、それと友間も」
「任しといて、体力なら少しは自信があるからさ」
「は、は..い......うぷっ! ・ ・ ・ 頑張ります」
色々と危険な状況の友間・シセラ・龍紀、それと行方の分からない京八とジャッキーはこの先どうなってしまうのでしょうかね?
- Re: スキルワールド ( No.20 )
- 日時: 2018/04/20 20:04
- 名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)
真っ暗な夜道、街灯だけが光照らすだけの人道を急ぐように駆ける三人の姿があった
「ハァ ハァ ハァ ハァ .....ねぇ龍紀、どこか隠れられそうな場所でも探さない?」
「ハァ ハァ ハァ ..うん、そうした方が良いね、友間と......それとシセラも含めて」
「は、はひィ....お願いします..うっ!」
完全に顔色が青紫になっているシセラは、友間の背で必死になって強烈な吐き気と戦っていた
「何処が良いかなぁ〜、ん〜......あっ! あそこは友間!?」
「えっ? てっ、あそこって危険じゃない?」
そんな事を言う友間の目には暗がりに佇んでいる工事途中の廃墟ビルが見えていた
「好き嫌いは言えないでしょ、それにシセラもそろそろ楽にしてあげないとね ・ ・ ・ ・」
[ 〜 廃墟ビル前 〜 ]
「じ、じゃあ一旦シセラをお願いね」
そう言って友間はシセラを龍紀に託すと、立ち入り禁止と書かれた看板を無視してビル前に設置されたフェンスをよじ登った
「ガシャン! ガシャン! )) ヨッ!と、それじゃあシセラをこっちにお願い」
「うん分かった、ゆっくり受け渡すよ」
シセラを慎重にフェンス越しで受け取る友間、シセラを受け取ると再び背に乗せるが今度は顔色を確かめてからだ
「大丈夫、シセラ?」
「だ...大丈夫......だと...、思います」
「ん〜、ちょっと心配」
「そんな流暢なこと言ってないで行くよ、お二人さん ((ガシャン!、トッ!」
そうして忙しげに廃墟ビルへと入っていく三人、だが安心の一時もあと少しほどしか続かないだろう ・ ・ ・ ・ 。
「フゥ〜、これで一安心できるぅ〜〜」
「油断は禁物だよ友間、この町にいる以上は僕達に安全な場所なんて無いんだから......」
「わ...、私も....そう、思います」
「ん〜、でも京八とジャッキーの行方が分からないし任務も遂行できてないから基地に戻ることも無理そうだね」
「そうみたいだね、僕の武器も残ってるとしたらスナイパーライフルと替え玉の弾丸にハンドガン一丁、それと閃光弾と煙幕弾が二つずつってトコだね」
「なら武器にも限りがあるって事だね、.....あっ! 龍紀さぁ、基地と連絡取って誰か呼べない?」
「あっ!そっか!.....でも、上手くいくかは分からないよ?」
「それでも助かる可能があるなら実践あるのみ!.....、・ ・ ・ ・ じゃない?」
「まぁ.....、それもそうだね♪」
ビルの床から勢い良く腰を上げた龍紀は自身のポケットからスマホを取り出してドコかに電話をした
プルル〜 プルル〜
プルル〜プルル〜
「 ・ ・ ・ ・ ガチャ!)) あっボス?、えぇ....ちょっと事態が悪化してまして......。」
- Re: スキルワールド ( No.21 )
- 日時: 2018/04/22 12:54
- 名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)
「 ・ ・ ・ えぇ...はい..はい、よろしくお願いします、では...((ピッ!」
ボスとの電話を切った龍紀、肩から力を抜いて友間とシセラの方へ体を向き直した
「 ・ ・ ・ その...援助は呼べたんだけど....、軍用ヘリを使っても最低でも丸二日はかかるってさ」
「じゃあ、二日間は援助が来るまで町の中でサバイバルか?」
「まー・・・そうなると思うけど、ボスから追伸で『大変だと思うが味方なら、もう一人君達の近くにもいるはずだ』って言われた」
「..?、...ん〜“もう一人の味方”..?」
すると友間はピンとくるような出来事を思い出した、・・・それは町に着いてからの道のりで誰かに追われてると思ったという感覚だ
「味方は、俺達の周りに...いる....。」
意味深そうに友間は言うと考え込んでいた顔を上げて周りを見回してみた、しかし自身を含めてシセラと龍紀の三人以外は誰の気配もしなかった
「ん〜・・・・ 一体何処にいるんだ....」
だが友間に急な尿意が襲ってきて、トイレがないかと周りを見回していると外の工事現場に簡易式のトイレがあったのを思い出した
「ごめん龍紀、ちょっとトイレ行ってくる」
「んっ、うん分かった..?」
そう会話してから部屋のドアノブを回す友間、ここはビルの一階にある部屋だったから部屋を出てから更にビルの玄関にある押しドアを押して開けると外へと出られた
「え〜と、トイレは.....おっ! あったあった〜♪」
そう言いながらトイレを見つけると早速トイレのドアを開けて中へと入っていく、この時ドアを閉めるのも忘れずにきちんと閉めた
「ふ〜と、さっさっと済ませるか」
友間はそう言いながらズボンのチャックを全開にすると、用事を済ませるために用を足した。だがそんな時だった・・・・
コンコン! ガチャ!
急にドアが開くと友間の背にナイフが突き出されたのだった
「・・・・あ、あの〜...どちら様で..?」
[〜 ・ 一方その頃 ・ 〜]
「ねぇシセラぁ~、友間なんか遅いねぇ〜」
「は、はい...確かに ・ ・ ・ 遅い...ですね」
そんな風に暇をもて余す二人だったが、部屋のドアが開いた事で二人共ドアの方へと振り向いた
「もぉ〜、遅いよ友ま...ぁ....」
「よおガキ、また会ったな」
そこにはアパートに押し入ってきた男がいたのであった
「マズイッ! ((ジャキッ!!」
ハンドガンを構える龍紀、だが動くのが一足遅かった
バシンッ!!
頬への平手打ちが炸裂してバランスを崩してしまい銃を落としてしまう、急いで拾おうとするも男に腹辺りを掴まれ宙へと投げ出された
バリンッ!!
運が良いのか悪いのか、龍紀は部屋にあった窓からガラスを割って外へと姿を消してしまった
「これで、どっらも恨みっこ無しだ」
そう言って男は龍紀に撃たれた両膝を摩って深く息を吐く、さすがの頑丈さにも弱点はあったようだ
「まーあとは、お嬢ちゃんの始末ってだけか」
そうしてシセラへと足を動かす男、それをシセラは体を引きずりながら後ろへと後退する
ズリ....ズリ....ズリ..、ドンッ!....。
背中が壁に触れる、これでシセラは逃げ場を失ったというわけだ
「あ...あぁ..助...けて..、お姉..ちゃん...」
「そんな震え声で言おうが誰も来ねぇんだよ、バカが!」
「ぜ、絶対に...来ま..((ドゴッ!!」
一撃の拳がシセラの腹に当たる、これでも軽めなのだが何せ体が弱いため口から吐血を吐き出し自身の服と男の片腕を汚した
「チッ!、汚ねぇな....楽にして殺ってやろうと思ったが、思う存分になぶり殺してやんよ」
その声と共にもう片方の腕がシセラを見下ろすように掲げられる、思わず目を瞑ったシセラだがジャッキーのある一言を思い出した
・・・・・・〜・・・・・・〜
「ねぇ、シセラってさ人は好き?」
「や、優しい....なら好き..かも」
「そっか、・ ・ ・ ・ でも世間は優しい人ばかりじゃない、シセラのお母さんの様な人だっている」
「うん ・ ・ ・ 、怖...いし嫌...。」
「まぁそうね、....だけどねシセラ、もしアナタが怖い人達に襲われたりしても・・・私がそばに居れなかった時は自分で、自分の力で戦いなさい!」
「自分の....力..?」
「そう、アナタにあるスキルで戦うのよ」
「だ、だけど....人が傷つくのは....、...見たくない」
「うん。私だって同じ気持ちだもん、....でもアナタにとって大切な人や失いたくない存在があるなら必死で戦いなさい」
・・・・・・〜・・・・・・〜
「......たく...ぃ」
「あぁッ!、何ぶつぶつ言ってんだよ....たくっ!」
「死に....たく..ない」
「おいおい、泣いてんのか嬢ちゃん、まったくこれだからガキってのはなぁ」
「私は...生きる.....いえ、...生きてみせます!」
「はいはい、そうですか知るかよ」
そう言って振り落とされた拳、だがその拳はシセラでも何でもない空間に落とされ空振りした....いや、空振りではなく避けられたの方が正しいか?
「なっ!、普通に歩くのも大変なガキのくせに!」
そう言って憤慨する男から少し離れた場所に息を切らし膝が震えながらも壁に触れて立っているシセラがいた
「ハァ ハァ ハァ ハァ 危な...かった..。」
「クッソ!、ガキがぁ!」
男が右腕に力を入れながらシセラに向かって襲いかかってくる、だがシセラは体力を使い果たしており移動すらままならなかった
「(使いたくは....なかったけど、殺るしか....ない!!)」
スゥ~......““苦痛ノ解放””ッ!
そうシセラが叫んだかと思うと同時にシセラを中心とした爆発が起こり、男もろとも部屋の所々を吹き飛ばし全てを爆風と一緒に焼き払ったのであった
「ハァ ハァ ハァ ハァ も...ぉう、限か....!!..ゲホッ! ゲホッ! ((ドサッ!」
さっきの爆発で焦げてしまった床にシセラは多量の血を吐きながら倒れた、そんな時に誰かがシセラの目の前に現れた・・・・ 。
- Re: スキルワールド ( No.22 )
- 日時: 2018/04/25 17:07
- 名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)
「ゲホッ!....ケホッ! ケホッ!......、ハァ ハァ ハァ ハァ 苦...しい...」
壁に空いた所々の穴から血を吐いているシセラの血を、より赤々として月明かりが照らしだしていた。しかしそんなシセラの視界の端には赤い目をした者が入り込んできた
「もぉー大丈夫、シセラ?」
「お...姉ちゃん........。来て...くれた...の..、....ケホ!ケホ!ケホ!」
苦しみながらもシセラは頭を声のした方へと上げる。すると幻か本物か、シセラに笑顔を見せている姉のジャッキーの姿が見えた
「はい、これ飲んでみて」
「え.....何?、...ソレ?」
ジャッキーはシセラに青色の液体の入った小瓶を差し出した、だがシセラは小瓶を取ることが不可能なまでに衰弱していた
「冗談よ冗談♪、少し辛いと思うけど我慢してね」
そう言ってからジャッキーは妹の体を自身に優しく引き寄せると小瓶の蓋を開けて中の液体を口へと注ぎ入れた
「グビ!...グビ...グビ...)) んっ! うっ!」
顔を少し歪めるシセラ、だがジャッキーは苦味に苦しむ妹の顔と小瓶を持った手だけは絶対に緩めなかった
「もう少しだから、もう少しだからねシセラ」
グビ!...グビ....グビ.....グビ・・・・。
「ぷは!...、ハァ ハァ ハァ ハァ ハァ 」
「よし!、よく頑張ったわねシセラ♪」
「どうして....ココに...、お姉ちゃん..が...?」
そうジャッキーに問いかけるシセラはゆっくりと楽になった体の上半身を起こした
「それは姉としての...勘..かな?」
「...勘....」
「あっ、それより龍紀と友間はどこにいったの?」
「ゆ、友間さんは...トイレに行ったまま行方不明で.....龍紀さんは...そのぉ〜」
「おぉ〜い、僕なら無事だよ〜〜」
ちょうど後ろから龍紀のそんな声が聞こえてきて、シセラとジャッキーは振り返ってみると壁にある窓から今入ってくるところの龍紀の姿があった
「ふぅ〜、ここが一階の部屋で本当に良かった、でなかったら僕なんて死んでたよ」
投げ出された時に窓のガラスで切ったのか、いたる所に切り傷ができていた
「それじゃあ残るのは友間だけって事ね」
「あ、あの....京八さんは..?」
「おう!、俺ならここに居るぜ」
シセラの疑問の後すぐに服がボロボロになった京八が部屋へと入ってきた
「ジャッキーがいて助かったぜ、危うく敵に捕まるところだったぜ」
「そ、それは京八が私の足を引っ張ってたから仕方なくよ」
「たく、そんなお前ぇの所が可愛くねぇんだよ!」
「ふん!、あんたに可愛いなんて言われたくも思われたくも無いわよ」
「ま、まぁまあ二人共、まずは友間のことを心配しようよ」
「そうね、友間って今回の任務が初めてだったしね」
そんな会話をしていた四人の耳に、好戦的というか物怖じしなそうな女性の声が聞こえてきた
「その心配はいらないわよ、だって友間なら私の隣にいるもの」
全員が女性の声がした方を一斉に見る、確かにその隣には高身長の女性と比べて頭一つ分ぐらい小さな友間がいた
「何者よ!」
「今助けるぜ黒奈!」
「ジャキ!! )) 敵なら、撃ち殺す」
完全な戦闘態勢へと移ってしまったジャッキー・京八・龍紀、その様子を見ていた女性は嬉しそうに片手を少し上げて構えるとスキルを発動しようとした
「ちょっ!ストップ!! ストォーップ!、何今から戦闘を始める雰囲気になってんの!!?」
「えっ?、だって敵なんだろ黒奈?」
「そうさ、私がお前らをボコボコに.....。」
「お姉ちゃんは黙ってて! そうだ、三人にも状況を説明しなきゃね」
「「「ハッ!?、友間の“姉”??」」」
- Re: スキルワールド ( No.23 )
- 日時: 2018/04/29 12:28
- 名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)
「でっ、美香さんは友間の姉って事?」
そう聞いてみるジャッキー、友間の姉を改め“黒奈 美香(くろな みか)”は少し笑ってから返事を返した
「ああそうさ、....だがまぁ少し前に久しぶりに実家に帰ってみたら母親が殺されてたの衝撃的だったな〜」
軽い感じでそう言ってる美香に対して、友間は母親の事をすっかり忘れていた事に気づいて心で苦笑いを浮かべた
「そんじゃあよ、黒奈の姉さんが何でここに居んだ?」
「まぁー、話すとちょっと長くなるわね〜・・・・。」
[〜 回想シーン 〜]
美香はストラング基地の廊下を歩いていた、その理由は署長室に向かうためだ
「ガチャ! )) おーい金森ぃ、呼ばれたから着てやったぞ」
「美香、そろそろ私のことをボスと呼んでくれないか」
「何でよ金森?、年下だろうが年上だろうが結局は人間同士でしょ?」
「まったく、お前のその持論はよく分からんな」
そうこう言いながら二人は対面する様にソファーに座ると、少しして一人の少女が二人分のお茶を運んできた
「すまないね、ハルカ」
「いえ、“金剛おじさん”の手伝いになるのなら嬉しいです」
その言葉を聞いた途端に美香は飲んでいたお茶を吹き出してしまった
「ブゥッ!! )) ゲッホ!ゲホ!ゲホ!、金森あんた“金剛おじさん”って呼ばれてるの?」
「それがどうした?」
そのボスの回答に美香は笑いが込み上げてきて思わず笑ってしまった
「いやいや、あんたって今年でいくつよ?」
「・・・・ろ、68だ....。」
「ぷっ!....ハッハッハッハッ!!、あんたさぁーそのなりで60代とかって笑えるわね」
「仕方ないだろ、アビリティアというのは長生きな分だけ容姿の変化が遅いのだから」
「でも私にとっては、金剛おじさんは金剛おじさんです」
「まあ人それぞれだから良いけど、あんたが少女趣味だったのかと思ったわよ」
思い出し笑いなのか美香はまだ少し笑っていたのでボスは一発殴りたくなった、だがここは大人の対応で本題に移ることにした
「ところで美香、お前への任務がある」
「んっ?、私に任務とは珍しいわね?」
「お前への任務の内容は、『今任務を行っているメンバーのサポートとして尾行を行い、時には援助に回る』というものだ」
「まー任しといて、何かあったら敵とか殲滅しちゃうから」
「それとだが、お前に兄弟とかはいたりするか?」
「??、....6つ下に弟がいるけど何か?」
「いや、何でもない、任務に関しては任せたぞ」
そう言ってボスは何故か話を終わらせた、疑問が残りながらも美香はソファーから立ち上がると部屋を後にした
[〜 そして現在へ 〜]
「.....ってな訳、まさか弟がストラングに所属したなんて思ってもみなかったけど」
「俺も一緒の心境だよ、お姉ちゃんがどんな仕事してるのか思ってたらストラングで働いてたなんて」
「まぁーでも意外と楽しいんだよ、今の仕事の方が......よっし!、じゃあ移動するわよ」
「えっ、お姉ちゃん今!?」
「だって敵にここが知られるのも時間の問題だし、こんな固い床の場所で眠る気なんて無いわよ?」
そう言うと部屋を歩き出して外へと向かう美香、全員は痛んだり疲れたりしている体に無理を言って渋々立ち上がった
「シセラ、車椅子が無いから私が背負ってあげる」
「あ.....ありが..とう..、...お姉ちゃん...」
「黒奈ぁ~、ちょっと肩貸してくれ〜」
「はいはい、分かったよ京八」
「それじゃあ皆、行こうか」
全員の準備が終わったのを確認すると、美香はそう言って全員は夜の街中へと美香の背を追って歩き出した
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