ダーク・ファンタジー小説

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スキルワールド
日時: 2019/02/24 17:59
名前: マシュ&マロ (ID: R9GAA8IU)
参照: http://www.kakiko.info/bbs2a/index.cgi?mode=view&no=1029

 どうも、マシュ&マロです

 この小説は『スキル』と呼ばれる能力を持つ者が存在する世界を題材にしたファンタジー作品です。
{自分の文才はかなり低いですが、諦めずに書こうと思っています}



※注意書き※

・オリキャラの募集はリクエスト掲示板でやっています。

・小説への意見や指摘は、リクエスト掲示板にあるスレットへお願いします

・作者は投稿が遅かったりしますので、ご了承下さい

・スキルワールドの説明などはリクエスト掲示板にありますので興味のある方はお読み下さい


それでは小説スタートッ!!



 第一幕『黒奈友間という少年』
 >>64


 第二幕『一人の裏切り者』
 (前半)>>102

Re: スキルワールド ( No.186 )
日時: 2020/04/10 22:38
名前: マシュ&マロ (ID: R9GAA8IU)



 衝撃は電脳世界に恐るべき速度で広がり、その影響はボス達のいる場所まで及んだ。


 「何だこの衝撃は!?」


 思わず身構えそれに耐えるボス、衝撃は風圧へ変わり爆風となって皆を襲っていく。


 「美香め、今度は何をしたんだ?」


 美香の仕業ではないのだが、当然その事を知らないボスは思わず苦笑いを浮かべていた。

 だが背後からの気配を見逃す事はしなかった。


 「気配でバレバレだぞノアッ!」


 ボスから放たれる後ろ回し蹴り、スキルと合わさり当たれば即死レベルであるが、それは当たればの話である。


 ______スカッ!?


 宙に突き出されたボスの蹴り、しかしそこにノアの姿は無かった。


 「ここは電脳世界、つまり私がここでは一番強いのだ」


 その声が聞こえてきたかと思うとボスの体は背後からの突然の衝撃に驚きつつも吹き飛ばされる。


 「ぐっ!」


 少し飛ばされてしまい地面に踏ん張るかたちで着地したは良いが、次の瞬間ボスを呑み込むほどの大きな足裏の影が地面に写ったのが見えた。


 「殺れ...、デスオメガ」


 そうノアが言った直後、デスオメガの足裏がボスへと迫り来る。そしてボスは為す術なく体をデスオメガに押し潰され辺りに土煙を巻き上げた。

 その様子を見ていた沖田は一瞬驚いたが、直ぐに何かがおかしいのに気づいた。


 「何だアレは?」


 「んっ、どうしたんだい沖田ちゃん?」


 小首をかしげてそう聞いた恵美をよそに沖田はデスオメガの足の方を指差し何かを呟く。


 「あの化け物の踏んでる場所、ボスが踏み潰されている地面がおかしいんだ」


 「地面?」


 そう呟いて目を細める恵美、確かに全てが白いはずの電脳空間であるが、そこだけ変にキラキラと光を反射しているように見える。


 「あれはガラス?、いやもしかして・・・・・・」


 恵美が何かを言いかけた時だった、そのキラキラした何かは突如として生きているかのようにデスオメガの脚を覆う。

 その正体は純度の非常に高いダイヤの結晶体である。


 「スキルの覚醒......、“あの時”で最初で最後だとばかり思っていたが少し違ったらしいな」


 結晶体からボスの姿が現れた、姿は少しだけ変化しボスの周囲に輝くオーラのようなものが漂っており、その一部が地面に触れるとそこに瞬く間にダイヤの結晶が生成されていき、デスオメガの表面を徐々に覆い固めていく。


 「さぁ、決着をつけるぞノア」


 そう呟くボスの視線は静かに佇むノアの方へと向けられており、双方の戦意は熟したようだ。

Re: スキルワールド ( No.187 )
日時: 2020/04/13 00:07
名前: マシュ&マロ (ID: R9GAA8IU)



 ノアは今、動けずにいた。別に臆して動けないとかではなく、ノアの体はダイヤの結晶に首まで侵食されていたのだ。


 「何か言い残すことはあるか?」


 ボスはそう呟くと徐々に顔全体が結晶で覆われそうなノアを冷たく見据える。


 「私に敗北など似合わない、代わりに君に敗北を授けよう」


 それを聞くボスは一つ溜め息を吐くと、直後に間髪入れず相手の胸部に蹴りを叩き込む。

 ノアの体はダイヤによって固められているとは言えど、ボスの渾身の回し蹴りを喰らえばその衝撃は覆い被さる結晶を貫通し、相手の肋もろとも砕く......筈であった。


 「チッ!、逃げたか.....」


 砕け散る結晶をよそにボスは内部が殻となった物から脚を退くと、視界の端に現れたノアを睨むように見つめる。


 「この世界で私を捕らえる事は出来ない、そしてそれはデスオメガも同じだ」


 すると直後にデスオメガを拘束していたダイヤの結晶に亀裂が走り、小刻みな音を立ててそれは崩れ去っていく。


 「殺れ、デスオメガ」


 雄叫びを挙げて迫り来るデスオメガ、ボスはそれを冷淡とした眼差しで見つめると直後にデスオメガの全身はダイヤの結晶に覆われ即座に拘束されてしまった。


 「電脳の支配者だろうと俺の居る前で好き勝手にはさせん」


 そう呟くと弾みを付けてノアへと走り出したボス、そして勢いに体を乗せて飛ぶとそのままの勢いで蹴りを放つ。


 「図に乗るなよ虫風情が.....」


 するとノアは片手で周囲を大きく振り払うように左腕を横へ振った。するとボスの体はいつの間にかデスオメガの目前へと転移し、その直後に力任せに結晶の拘束を破ったデスオメガがボスを見るなり拳を突き上げた。


 「マズイな・・・・・・」


 霧がかったようにボスを覆っている結晶の粒に触れ、拳は指先からドンドンと結晶によって固まめられていくが圧倒的に時間が足りず二の腕までしか至らず、ボスは一戸建ての家程の大きさがある拳によって体は軋みを挙げてながら遠くへと吹き飛ばされていく。


 ______メキッ!....メキッ!.....メキッ!....


 (ぐっ....、流石の俺のスキルでも今の一撃は堪えるか.....)


 そう心の中で呟くとボスは、遠くから迫り来る地面へと体を捻り勢いを殺すように着地した後、かなりの距離まで飛ばされていたのに気付いた。


 「・・・・・・少し体に亀裂が入ったか....」


 ダイヤ製の額に生じてしまった亀裂に触れつつそう呟いたボスは軽いジャンプを数回ばかりし、こんな言葉を口にする。


 「ようやく“あの頃”の感覚が戻ってきたか.....」


 あの頃とは、いつの頃の事だろうか......。もしかするとボスがまだ所長になる以前の頃、友間達のような前線に立っていた頃の事なのだろうか。


 「俺がまだ若い頃、シロにこう言われた事があったな......。『困難が己の前に立ち塞ぐのならば、その時は私と過ごしていた時の感覚を思い出せ、そうすればお前は・・・・・・』」


 “他の誰よりも強くなる”


 ボスは一息、深く息を吸いそしてそれを深々と吐き出した。そしてそれを終えたボスの顔付きはついさっきまでとは明らかに異なっていた。


 「あの頃の感覚......、まるで今とは異質なものだな・・・・・・」


 全盛期の頃へ戻ったボスはそう言って駆け出し、一瞬でその姿は遠くへと消え去ってしまったのだった。

Re: スキルワールド ( No.188 )
日時: 2020/04/16 21:18
名前: マシュ&マロ (ID: R9GAA8IU)



 ここは場所が変わり美香達がいる所、そしてそこでは何か少し揉めている様子である。


 「・・・・・・おい美香っ!、何故こんな奴を生かしておく必要があるッ!?」


 「静かになさいシロ、今は治療に集中させて」


 美香が治療を行っている相手は友間・京八・シセラ・ジャッキーを、そしてドルスを含む5名である。

 治療と言っても大掛かりなものではなく、美香によって生み出された淡い光が友間達を優しく包み込んでいたのであった。


 「ドルスの件については後々ゆっくり訳を説明してあげるわ」


 警戒気味に身構えるシロにそう言うと美香は指を鳴らし治療の速度を早めた。


 「しかし私の蹴りを受けて、よく生きていられたものだな?」


 この中で一番重症なのがドルスであり、シロの放った蹴りの衝撃はいくらドルスと言えどその肉体は原型を留めてはいない、全身の骨は砕けその破片が幾らか体を貫通している物もある。


 「ドルスもそうだけど、シセラとジャッキーもかなり危険な状態よ。まぁ.....京八の方はいつも通り大丈夫でしょうけど」


 シセラに関しては首から背筋にかけて広範囲にまで及ぶ脊髄損傷、および首の複雑骨折である。加えてジャッキーの方は背骨に深刻な亀裂が走り、更には複数の臓器から多量の出血が確認されており双方どちらも危篤と言ってもおかしくない状況である。

 それと友間に関しては骨折などは無いが、体の至るところに打撲や切り傷といったものが確認でき、京八についてはスキルの過度な増強を行いそれを無理に行使した結果により激しい体力の消耗が見られたが、京八ならば少しすれば起き上がると見て美香は彼の治療はスルーする路線である。


 「友間さんが無事で本当に良かったです、.....しかし今回もまた無茶し過ぎです!」


 「ま、まぁ結果オーライという事で・・・・・・」


 「結果オーライじゃありません!、もし私があの時来れていなければ友間さんは死んでたかもしれないですよ!?」


 少し怒り気味に自身へと迫ってくるシロに対しお手上げと言わんばかりに友間は両手を挙げて姉へと目で助けを求めた。


 「いやー、もしかして初めての夫婦喧嘩? いやもしかすると友間がこのまま将来シロに敷かれそうな雰囲気ビンビンね!」


 「勝手に人様の将来考察してないで助けよお姉ちゃん!?」


 「あぁ悪い悪い、部外者は早めに退散させて貰うよ。それでは楽しんで〜!」


 「ちょっ!、お姉ちゃん!? 待っ・・・・・・」


 微笑みながら遠くへ身を退く姉に、届かぬ哀願をしていると友間はシロに呼ばれた。


 「友間さん」


 「えっと.....ごめんねシロ、心配させちゃって・・・・・・」


 するとシロは拗ねた様子でこう言い返してくる。


 「本当はたくさん私を頼って欲しいんです...、そしていっぱい友間さんを守りたいです......」


 「・・・・・・シロに頼ってばかりじゃいられないよ。この先シロが言う俺がこの手で世界の命運を分ける時が来たのなら、その時はシロに見合うような男でありたいしね」


 そう微笑みつつ語った友間、それには流石のシロも完敗といった様子で頬を赤めつつ目は泳いでいる。


 「あっ!、シロが照れてる」


 「照れてません.....」


 「んっ、ホントかな〜?」


 「て、照れてません! これ以上の追求はやめて下さい.....その、恥ずかしいので.......」


 顔を赤らめ恥じらいの表情を見せるシロ、それには友間も心を撃ち殺されかけてしまったが美香の声によるそれは回避できたようだ。


 「シロに友間!、ドルスが目覚めたから見に来てくれ!」


 ドルスは目覚める、流石に敵であるため完治には程遠いが生命を維持するための最低限の治療が施されていた。


 「・・・・・・俺を助けたって事は、尋問でもする気なのか?」


 「あら、察しが良いわね? なら単刀直入で聞くけど、ノアの目的は何かしら?」


 「俺が言うとでも?」


 直後、ドルスの体に電流が走り思わず叫んだ。そしてそれが収まると美香は悪戯っぽく笑みを浮かべながらドルスに忠告する。


 「忠告、私の求めるものと関係のない事を喋ると体に電流が走るように治療と一緒におまけしといたわ、気をつけなさい」


 「この悪魔め......」


 「悪党にはよく言われるわ、本当はただの弟思いな優しくて美人でパーフェクトで完璧なキャリアウーマンなだけなのに・・・・・・」


 「あれお姉ちゃん?、いつからキャリアウーマンになったの??」


 「さて、そろそろ本当の事を喋ってくれる気になったかしら?」


 「はぁ.....、あいつの目的は世界の支配だ。それ以外に何か?」


 「どうやって実現させる気なのかしら?」


 「・・・・・・まずは電脳世界から世界各国の軍事基地を乗っ取って基地の無力化および兵器の入手を完了した後、世界を乗っ取るつもりだったらしい」


 「ならドルス、あなたが彼に協力する理由。それからストラングに攻撃を仕掛けたのは何故かしら?」


 「俺があいつに協力する理由は大体は一緒だが根本から違うんだよ。あいつが目指すものは恐怖による言わば独裁だ。しかし俺の目指すものは平和だ、腐った世の中を変えるためのな! しかし・・・・・・」


 ドルスは一瞬、言葉を濁した。そして迷うような感情が空気を介して美香へと伝わった。


 「あいつがストラングを襲った理由は.....ハッキリ言って分からん、世界を掌握した後にやれば確実に勝てる筈なのに....、それなのにノアは変にストラングに執着していた。まるで・・・・・・・」


 “誰かに支配されてるかのように......”


 「・・・・・・それはどういう意味なの?」


 「そのまんまの意味さ、ノアのことだ.....完全ではないにしろ誰かしらが裏で糸を引いている。そんな気が俺にはして仕方な・・・・・・」


 すると次の瞬間、いきなり弾丸の雨が美香達を襲い、咄嗟にバリアを張るも一足遅れてしまいドルスは蜂の巣と化してしまっていた。


 「ドルス、お前は喋り過ぎだ」


 「マキナスッ!?」


 不意にそう叫んだ美香、弾丸の雨は止んで宙に浮くマキナスは冷たい声でこう呟いた。


 「まずはお前らを消そう......と、行きたいが今回だけは見逃してやろう」


 「見逃してやろう?、何バカ言ってんのよ。私があんたを見逃す訳がないじゃない!」


 そう呟く美香は指を鳴らし、無数の衝撃波をマキナスに向けて放った。


 「私の計画を邪魔する事は出来ん」


 マキナスはそう言うと前進し美香から放たれた無数の衝撃波を空中で糸を縫うようにして避けていく。

 そしてそのまま何処かへと飛び去って行ってしまった。


 「残念、逃しちゃったわね」


 そう残念がる美香ではあったが、それと共にマキナスが去って行った方向を思い返してみた。すると何やら嫌な予感がし、思わず苦笑いを浮かべてしまった。


 「ん〜、何か面倒くさい事になりそうね・・・・」

Re: スキルワールド ( No.189 )
日時: 2020/05/10 18:07
名前: 綾音ニコラ@MRK (ID: cKfO32ZA)

あげます♪

Re: スキルワールド ( No.190 )
日時: 2020/05/27 00:53
名前: 綾音ニコラ@MRK (ID: WpxyeKoh)

あげるのと同時に、次の投稿期待しています!


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