二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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レッドレイヴン  —からっぽの人形—
日時: 2012/05/11 17:40
名前: 黒猫 (ID: okEdKXH3)
参照: http://www,kuroneko.cc/novel

 小説、書きまーす。
 

  

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Re: レッドレイヴン  —からっぽの人形— ( No.179 )
日時: 2012/05/23 21:49
名前: 黒猫 (ID: 3edphfcO)

 マフィアの屋敷での戦闘。
 銃弾が頬をかすめた。赤黒い血が、顎に垂れる。
 レイは短刀で銃身を斬る。そして、そのみぞおちに柄を入れ込んだ。しかし、相手が倒れるのを見て、血の気が引いた。
 いつからだろうか。人を斬ることが怖くなったのは。
 リリーが死んでからか、それとも…
 (〈首狩り屋〉のせいか?)
 あの時、人形にならなくていいと言われてから、調子がおかしい。
 気づかないうちに弱くなっていた。知らないうちに甘えていた。そうしているうちに…人を斬れなくなった。
 レイは、処刑を終えた2人から目をそらした。
 言えない。人を斬れなくなったなど、とてもじゃないが言えるわけがない。


 これ以上、甘えたくない。
 これ以上、弱くなりたくない。
 人形にはなりたくない。なのに、なりそうで怖い。
 何もない自分が怖い。


 (…怖いもの、だらけだ)
 レイは短刀を下ろし、空いているほうの手で目を覆った。
 それは、レイが無防備になった瞬間だった。



 人の気配がして、振り向く。同時に左腕に鋭いものが走った。
 「久しぶりだな」
 視界に入ってきたのは、リリーを殺したヘーゲルだった。

Re: レッドレイヴン  —からっぽの人形— ( No.180 )
日時: 2012/05/25 22:18
名前: 慧&翠 (ID: R4l9RSpR)

こんばんは 初めまして慧です
黒猫さんの書くお話をいつも楽しみにしています

 翠です レッドレイヴン大好きです
これからも頑張って下さい!楽しみにしています!
                    Bon courage!

Re: レッドレイヴン  —からっぽの人形— ( No.181 )
日時: 2012/05/26 19:39
名前: 黒猫 (ID: 0/Gr9X75)

 ありがとうございます!
 そう書いてもらうのが、一番うれしいです!頑張ります

Re: レッドレイヴン  —からっぽの人形— ( No.182 )
日時: 2012/05/27 21:37
名前: 黒猫 (ID: 0/Gr9X75)

 「騒がないところはすごいな」
 レイは斬られた左腕を背中にかばうようにする。
 「…補佐は状況を判断して動くものだ」
 自分でも呆れるくらい抑揚のない声が出た。そっと左手を動かし、ノアに黙っているように指示する。
 (…まだ、気付かれていない)
 アンディたちはこちらに背を向けている。ヘーゲルが来たことにすら、気付いていない。もっとも、ヘーゲルの気配の断ち方は、思わず感心してしまうほど完璧だ。ノアでさえレイが斬られるまで気付かなかった。
 「…よく、ボクの前に姿を現せられたな」
 「仕事だ。俺だっててめぇなんぞに会いたかねぇよ」
 ヘーゲルはレイをにらんだ。
 レイは左手の手袋に血がたまるのを感じて、血の気が引いた。
 「キラがてめぇを求めている。今すぐ戻ってこい、だとよ。もし応じないのなら、次からはてめぇを殺すように命じられるだろうな」
 「…帰ってあの女に伝えろ。ボクは戻らない。君の操り人形ではない」
 ヘーゲルはフンと鼻で笑った。
 「人形だろ。じゃなければ、リリーってやつを助けようとするだろ」
 「…何が言いたい」
 「てめぇは、助けようとも思わなかったんだろうが」
 レイは、知りたくもない事実を突きつけられたかのように、目を見開いた。
 ヘーゲルはそんなレイから視線をずらした。
 「時間切れか。忘れるな、てめぇは縛られてんだ。たとえ否定しても逃れられない鎖で」
 そして、突如現れた時のように、突然消えた。

Re: レッドレイヴン  —からっぽの人形— ( No.183 )
日時: 2012/05/27 11:54
名前: 黒猫 (ID: 0/Gr9X75)

 ノアはレイの肩に乗りながら、訊く。
 「言わなくていいの?」
 「…何をだ」
 「さっきの会話の内容」
 レイは包帯を巻いた左腕を軽く握った。
 「…話さなくていい」
 「でも、レイの命が狙われて」
 「…今までもそういうことはたくさんあった」
 ノアはレイの頭に猫パンチをくらわせた。
 (どうしてこう、自分の身を守ろうとしないのさ)
 そこが、嫌いだ。
 「まさか、あいつが言ったこと気にしてるの?」
 「…事実だ」
 レイは無表情のまま、言う。
 「…ボクなら助けられたはずだ。なのに、人形になりかけたせいで、助けようとも思わなかった。…ボクのせい」
 その時ノアの頭の中で、何かが切れる音がした。



 「レイの…バカ!!!」


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