二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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レッドレイヴン  —からっぽの人形—
日時: 2012/05/11 17:40
名前: 黒猫 (ID: okEdKXH3)
参照: http://www,kuroneko.cc/novel

 小説、書きまーす。
 

  

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Re: レッドレイヴン ( No.139 )
日時: 2012/05/07 16:11
名前: 黒猫 (ID: 0/Gr9X75)

 分かっている。
 これが夢なのだと。
 レイは鎖を持ち上げた。足首が地面に沈んでいる。
 なら、なんでこんなに苦しいのだろうか。頭が痛いのだろうか。
 レイは手を伸ばした。誰かいてほしい。そばにいてほしい。


 その時、何かを握った。








 うっすらと目を開けたレイは首をかしげた。
 「〈首狩り屋〉…なぜここにいる」
 アンディは顔をしかめながら、
 「見舞いに来ただけだよ。…放してくれない」
 レイは右手を見た。珍しく手袋を外した手はアンディの手をしっかりと握りしめていた。…爪まで立てて。
 放してやると、アンディは手をさすった。血までにじみ出ている。
 「…君は死にたいと思ったことがあるか?」
 「ないよ」
 いきなりの質問にアンディは眉を顰めながらも答えた。
 「ボクはあるよ」
 レイは体を起こした。コートを着たままだからか、動きずらい。
 「殺されたいと思った。自分で死ぬのは、僕を助けた人への裏切りだから」
 「…最低だね」
 レイはうなずいた。
 枕の下から本を出す。立派な本は、レイのお気に入りだった。
 「ボクは操り人形なんだ。糸を断ち切る方法を知らない人形。そう育てられた」
 長い髪が顔にかかった。レイは払いもせず続ける。
 「抵抗した。でも、そのたびに壊された。死んだところできっとまた壊される。なら…人形になった方がいいかもしれない。現に、今ボクは人形の様だろう?」
 「人形じゃない」
 アンディは口を開いた。

Re: レッドレイヴン ( No.140 )
日時: 2012/05/07 19:28
名前: 黒猫 (ID: 0/Gr9X75)

 「君は人形じゃない。人形は不満を持たないし、感情を持たない。今レイは、悲しそうに見えるよ。…人形になるか、ならないかは君が決めることだ。レイはどうしたい?」
 レイは目を大きくさせ、唇を震わせた。おそらく初めて言われたのだろう。
 「ボクは…」
 紅い瞳から涙がこぼれた。


 
 「人形に…なりたくない」



 
 無表情のまま、涙を流すレイ。
 「でも、いらないって言われた。ボクは見捨てられた」
 それが一番の傷らしい。
 「受け入れてくれる人はいる。ノアもそうだし、僕もその一人だ。」
 「…何故?」
 (何故…?)
 アンディは顔をそむけると、
 「守ってやりたいと思ったからだよ」
 「君はきっと後悔する」
 「しないよ」
 レイは目を細めた。不満なのか、疑いなのかわからない。
 「君のことを大切だと思う人が一人くらいい手もいいと思わない?」
 レイは、それを聞いて初めてすがりつくような表情をした。
 不安なのだろう。また殺されたりしないかと。



 




「糸なら…僕が断ち切るよ」

 
 








 アンディは安心させるようにそう言うと、レイはアンディのほうに体を傾けた。
 あわてて受け止める。レイは微動だにせず、アンディの肩に頭を置いた。
 (どうしよう…?)
 かなり動揺する。レイからは、山奥を思わす草木の香りがした。レイの呼気が首に触れ、アンディは顔を赤くさせた。
 「レ、レイ?」
 目をつぶったレイからは返事がない。ふと、ある考えが頭に浮かんだ。
 アンディは恐る恐るレイの額に触れる。
 「熱い…」
 どうやら、熱で意識が朦朧としていたらしい。
 (弱音を吐いた理由がこれか)
 自分を信頼していたわけでもなく、頼りにしていたわけでもなかったことに、少なからず落胆する。
 アンディは自分の言葉が届いたか気になったが、とりあえずレイを医務室に連れて行くためにウォルターの部屋までレイを運んだ。

Re: レッドレイヴン ( No.141 )
日時: 2012/05/09 17:01
名前: 黒猫 (ID: okEdKXH3)

 なんか…アンディのキャラクターが変わってしまった気がします。
 アンディファンの人、すみません。




 さて、次回から物語で言う「新章」のようなものに入っていきたいと思います。これからも「レッドレイヴン」をよろしくお願いします!
 PS…だれかサブタイトルの案をくれませんか?

Re: レッドレイヴン ( No.142 )
日時: 2012/05/09 19:44
名前: 闇色グラフィティ(元神咲 祐) (ID: 0M.9FvYj)
参照: http://

お久し振りです。
最近、二次小説をゆっくりとかいている暇がありません。
いつも電車の中でかいてます(-_-;)
小説のサブタイトルですか……うーん

『分かっている。でも、僕は怖いんだ』
『からっぽの人間』

こんな物しか浮かびませんでした……すみません

Re: レッドレイヴン  —からっぽの人形— ( No.143 )
日時: 2012/05/11 17:39
名前: 黒猫 (ID: okEdKXH3)

 サブタイトルは闇色グラフィティさんの「からっぽの人間」を少し変えさせていただき「からっぽの人形」に決まりました。
 すっっっごい、いい案をありがとうございます!!
 


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