二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- レッドレイヴン —からっぽの人形—
- 日時: 2012/05/11 17:40
- 名前: 黒猫 (ID: okEdKXH3)
- 参照: http://www,kuroneko.cc/novel
小説、書きまーす。
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- Re: レッドレイヴン —からっぽの人形— ( No.189 )
- 日時: 2012/06/03 12:16
- 名前: 黒猫 (ID: 0/Gr9X75)
レイは微睡の中,目を覚ました。
揺れる列車の座席にはレイ以外は誰もいない。と言うのも、レイが席を外した。周りにもいないのは、真っ黒なコートについたフードまでかぶっているレイが極めて怪しいから、他の車両に移ったのだ。
レイは深く息を吐いた。そして、徐にケースから刀を出す。誰もいないのが幸運だった。
黒塗りの鞘に収まっている刀を胸に抱いた。
キャシーに『人を斬る覚悟がないなら抜くな』そう言われて抜けなくなったもの。今やケースの肥やしと化している最高傑作。
それはこれからも現状は変わらないだろう。…自分が変わらない限り。
「…ボクはどうすればいい?」
誰もいない車両で、呟いてみた。当然、問いかけに答える声はない。
(…ボクは人に何を求めている?)
自分に問いかけるが、答えは見つからない。
- Re: レッドレイヴン —からっぽの人形— ( No.190 )
- 日時: 2012/06/03 13:32
- 名前: 黒猫 (ID: 0/Gr9X75)
アンディはレイの手を引いて歩いた。そうでなければ、レイが立ち止まってばかりで先に進まないからだ。
(この状態でよくカルロは仕事を出したね)
どう見ても、仕事…いや、それ以外のことも出来そうもない。
ノアは心配そうにそれを見るだけで、何もしない。素直になれないようだ。
(大変なことにならなきゃいいけど…)
残念なことに、そう願って1度も何かが起こらなかったことはない。
「無茶はしなくていい」
アンディはレイに向かっていった。聞こえてないかもしれないが、それでも言っておく。
「レイがいなくなって、悲しむ奴もいるんだから」
アンディは手に力を込めた。
「で、なんでレイを置いていったんだ」
シャルルは低空飛行をしながら、アンディの前を行く。
「どう見ても、仕事ができる状態じゃないだろ。それなら、置いて行った方がいい」
アンディはそう言うと、マフィアの屋敷に入った。
(…おかしい?)
誰も出てこない。今までそんなことはなかった。
シャルルもそう思ったのだろう。
「気をつけろ。何か変だぞ」
アンディはうなずいた。そして、目の前のホールの扉を開いた。
そして—
- Re: レッドレイヴン —からっぽの人形— ( No.191 )
- 日時: 2012/06/03 13:25
- 名前: 黒猫 (ID: 0/Gr9X75)
レイは夜の広場のベンチに座っていた。
また、刀を胸に抱いてひたすら、考えていた。そうでもしなければ何もできなくなりそうだから。
(…立ち直ったつもりなんだ)
ノアが何を言おうと、ヘーゲルの言葉は本当のことだ。真実を否定できず、こうしてうずくまっている。
リリーも、キャシーもいない。ノアからは見限られ、ネーヴェには見捨てられ—
(…いや、ネーヴェはボクが見捨てたのか)
人殺し—そう言って彼女を拒絶したのは他ならぬレイだ。
自分はネーヴェといることで優越感に浸っていたというのに…。
(…人形は人間になれない)
最悪の考えが、レイの頭をよぎる。
自分にあるのは、力と刀しかない。それなのに、力を否定する仕事に身を置き、あまつさえ刃物さえ振れなくなった。
両手の手枷が重く感じた。
ベンチから地面に落とされたのは、その時だった。
- Re: レッドレイヴン —からっぽの人形— ( No.192 )
- 日時: 2012/06/06 17:42
- 名前: 黒猫 (ID: 0/Gr9X75)
地面を転がったレイは激しく咳き込んだ。
次ははっきりと気配を感じ、自分から地面を転がる。
「よけたのか…」
驚愕とも、歓喜とも呼べる声音でヘーゲルは振り落ろしたナイフを持ち上げた。
レイは背後のベンチに干渉する。これなら、人を殺さなくてすむ。しかし、
「—消えた?」
あの時のように姿を見失った。それと同時に、干渉したベンチに何かが乗っていることに気づく。
振り向くと、ヘーゲルが座っていた。
「通常の人の目では認識できない速さで移動することが俺の力だ。弾丸でも俺をしとめることはできない。ただ、この力は単純な欠点がついていてな、俺の速さに体が反応しきれてないんだ」
自分の手の内を明かすヘーゲルにレイは、耳を疑った。
(…何のつもりだ)
ヘーゲルはレイの心を読んだかのように、ゆっくりと立ち上がる。
「俺はあの晩のてめぇを殺したいんだ。力を使う暇も与えられず、俺の腕を切りつけた人形を!」
耳どころか、正気を疑いかねない発言にレイは絶句した。
「…何のためにだ」
レイが問うと、
「それが俺の存在理由だからだ。人を殺す。それが武器になれなかった俺が次に見つけた生きる道だ」
まともな答え—理由は異常だがこの男にしてはまともだろう—が返ってきた。
レイはうつむくと、自分が握っている刀に目を向けた。
- Re: レッドレイヴン —からっぽの人形— ( No.193 )
- 日時: 2012/06/06 17:42
- 名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)
この後、レイはヘーゲルに何て返事を返すんでしょうか?
続きが気になります!頑張って下さい♪
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