二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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レッドレイヴン  —からっぽの人形—
日時: 2012/05/11 17:40
名前: 黒猫 (ID: okEdKXH3)
参照: http://www,kuroneko.cc/novel

 小説、書きまーす。
 

  

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Re: レッドレイヴン ( No.58 )
日時: 2012/03/19 15:34
名前: 黒猫 (ID: XsTmunS8)

 少女に見捨てられた後、私はある女性に拾われた。
 変わった仕事をしたその女性は、私を受け入れてくれた。
 
 いつしか、彼女は私の大切な人になっていた。
 あの子ほどじゃないけれど、大切な人。
 幸せで目が…うるんでいく。


 『泣くの?』

 明るかったはずの空間が、暗くなった。

 振り向くと、母がいた。拳銃をその手に持って。

Re: レッドレイヴン ( No.59 )
日時: 2012/03/22 10:34
名前: 黒猫 (ID: XsTmunS8)

 物騒な音が聞こえる酒場から目を離すと、ライアーは掴まれた腕を見た。
 痛くはない。ただ、気に食わない。
 「逃げはしない。離せ」
 「悪いけど君は“嘘つき”だからこのままにしてもらうよ」
 「…化け物のくせに」
 ライアーはアンディに聞こえるように言った。
 「そうだね。否定はしない」
 あまりにもあっさりと認めたアンディにライアーは口をつぐんだ。
 しばし、物騒な音がはっきりと聞こえた。
 「……嘘だ」
 ライアーはボソッとつぶやく。その場にしゃがみ込んだアンディが、ライアーを見上げた。
 「君は化け物ではない。れっきとした人間だ」
 「違う。僕は」
 「君ごときが化け物のはずがない」
 抑揚のない声がアンディの言葉を遮る。
 「君が化け物なら、ボクは」
 
 酒場の扉が乱暴に開いた。
 額から血を流した男が、叫びながらライアーに銃を向ける。
 空いている方の手で武器を出そうとしたライアー。防げる自信はあった。なのに、
 「お前さえいなけりゃ、俺たちは、俺たちは!!!」
 ライアーの動きが止まった。
 銃声。それと同時にライアーはアンディの腕の中に引っ張られた。
 男は逃げ出す前にウォルターによって気絶した。

Re: レッドレイヴン ( No.60 )
日時: 2012/03/23 10:30
名前: 黒猫 (ID: XsTmunS8)

 アンディはライアーを腕を掴んだまま、立ち上がる。
 「スキャッグスの情報は?」
 「見知らぬ女にもらったって言ってたが、逃げられているだろうな」
 それより、とウォルターはライアーに目を移した。
 「まずはこいつを、本部に連れて行く方が先だ」
 

Re: レッドレイヴン ( No.61 )
日時: 2012/03/23 11:15
名前: 黒猫 (ID: XsTmunS8)

 「ライアー、尋問ってこんな簡素の部屋でやるのかな?」
 「……」
 「それにしても、紅茶くらい出してくれてもいいと思わない?まったく、礼儀っていう言葉を知らないのかな」
 ノアは椅子に座っているライアーの膝の上で不満を口にした。
 カルロは、口元だけで笑う。
 「ここは私の仕事部屋だ。紅茶が出されないのは、君たちがお客じゃないからだ」
 「ノアのことは気にするな。それで、何が聞きたい?」
 ライアーは、自分の後ろに立っているウォルターを気にしながらカルロに聞いた。
 カルロは言葉を選ぶように、
 「君のスキャッグスは、どこで手に入れたものだ?」
 「君が聞きたいのはそんな事ではないはずだ。君が聞きたいのは、ボクがリバースナンバーじゃないかということだろ?」
 カルロの肩がわずかに揺れる。ライアーの言う通りだ。
 「ボクはリバースナンバーではない。その出来損ないだ」
 「…詳しく話してもらおう」
 「断る」
 ライアーはためらいもなく、言った。
 「これを話したら、ボクたちは殺されるのだろ?それならば話さない」
 カルロは頭を押さえると、ため息をついた。
 「いいだろう。処刑はしない。危害も加えない。閉じ込めたりしない。これで話してくれるか?」
 ライアーは髪を払い、うなずいた。
 

Re: レッドレイヴン ( No.62 )
日時: 2012/03/23 13:32
名前: 黒猫 (ID: XsTmunS8)

 「ボクはリバースナンバーではない。精神的な問題で廃棄処分されかけたが、スキャッグスを盗んで抜け出した。それからというもの、そのスキャッグスを使ってスキャッグス狩りを利用してスキャッグスを壊していた」
 カルロは眉をひそめた。
 「君に力はないのか」
 「いや、ある。…〈葬儀屋〉さん、そう身構えなくてもいい」
 ライアーは腕を組んだ。
 「実は、ここで1つ頼みがあるんだ」
 「…なんだ?」
 「ボクをレッドレイヴンの補佐にしてくれ」
 カルロはライアーが何を考えているのかが、全く分からなくなった。
 「どうせ、政府に目をつけられているようなものだし、それならここにいた方がいい」
 確かに、マークはつけられるだろう。政府にとっても悪い話ではない。しかし…
 (何を考えている?)
 どう考えても裏があるとしか、考えられない。
 「…いいだろう。だが、どうして補佐なんだ」
 「人を殺すことはできないんだよ」
 カルロは、この黒ずくめとはそりが合わない気がした。


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