二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

レッドレイヴン  —からっぽの人形—
日時: 2012/05/11 17:40
名前: 黒猫 (ID: okEdKXH3)
参照: http://www,kuroneko.cc/novel

 小説、書きまーす。
 

  

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46



Re: レッドレイヴン ( No.43 )
日時: 2012/03/15 14:34
名前: 黒猫 (ID: okEdKXH3)

 ザクッ

 何かを裂く音がした。
 私は目を左肩に向ける。
 肩にはナイフが刺さっていて、血が滴り落ちている。
 ナイフを持っている少女は、私の大切な人。


 何が起きているのか理解できない。


 ただ、少女の眼が私を拒絶しているのがわかった。
 彼女はナイフを手放すと、走り出した。私を置いて。
 引きとめようと手を伸ばす。けれど、その手は空を掴んだだけだった。
 私は、見捨てられたのだ。




 痛い。胸が痛い。肩を刺されたはずなのに、ぎりぎりと胸が痛む。
 見捨てられて、殺されかけて、なのに…なのに。
 














 あの少女を大切だと、思ってしまう自分が、いる。
 
 


 



 

Re: レッドレイヴン ( No.44 )
日時: 2012/03/15 19:18
名前: 黒猫 (ID: XsTmunS8)

 夜の広場を、霧が包む。
 あれだけ考えたにもかかわらず、結局、ライアーを捕まえるいい方法を思いつかず広場に来た。
 半径3mの範囲しか見えないこの状況に、ウォルターは顔をしかめる。
 「ウォルター、そろそろ離」
 「こんな霧の中ではぐれられたら、こっちの身が持たない」
 ウォルターはアンディのフードを持ったまま、きっぱりと言った。
 シャルルは地面を跳ねながら
 「攻撃してきたら反撃は許す。だが、殺すなよ。あくまでも捕まえるだけだ」
 ウォルターは気の抜けた返事をした。
 「にしても、何で処刑じゃないんだ?」
 「ボクからスキャッグスの情報を聞くためだろ」
 「ほー…」
 何気なく返事をしてしまったウォルターは、バッと上を向く。
 そこには、腰よりも長く伸ばした黒髪を掻き上げる黒ずくめの少年、ライアーが左目を押さえて棺桶の上に立っていた。

Re: レッドレイヴン ( No.45 )
日時: 2012/03/17 14:16
名前: 黒猫 (ID: XsTmunS8)

 ライアーは振り落とされる前に、ぎりぎりアンディたちの視界に入るところに跳躍した。
 右足のつま先から優雅に着地したライアーを見て、シャルルは
 (こいつ、人間か?)
 つま先だけで落下の衝撃を消すなんて、人間じゃないといわれた方が納得がいく。
 「答えはわかったかい?」
 左目を押さえたまま、ライアーは聞いた。あいかわらず、抑揚のない声だ。
 「お前は、スキャッグス狩りをしている奴を追いかけ」
 「黙れ、低能カラス」
 あまりの暴言に、シャルルは耳に異常がきたしたのかと思った。
 「な、なんだと!もういっぺん言ってみろ!」
 「黙れ、低能カラ」
 「ケンカ売ってんのか!」
 ライアーはわざとらしく、深く息を吐く。
 「低能より、愚劣の方がよかったか?」
 「どっちも暴言に変わりはないぞ!」
 ライアーは左目から手を放した。
 「どうしてボクが、スキャッグス狩りを追いかけなければならなのだ。〈葬儀屋〉さんの方が頭がいいらしいな」
 シャルルは悔しそうに、地面にくちばしを打ち込んだ。
 「〈首狩り屋〉さんは?」
 アンディが答えようとしたその時、銃声が広場に響いた。

Re: レッドレイヴン ( No.46 )
日時: 2012/03/17 14:59
名前: 黒猫 (ID: XsTmunS8)

 アンディたちが振り向くと、そこには見知らぬ男が3人いた。手には銃を持っている。真ん中にいた男がライアーに狙いを定めた。
 別にそれはよかった。問題はアンディたちまで銃を向けられたことだ。
 「怪しい奴らだと思ってつけてみたら、まさかこいつの仲間だったとはな」
 ウォルターはうんざりとした。
 「誰が、誰の、仲間だ」
 アンディはこめかみに突き付けられた銃をにらんだ。
 (巻き添え、最悪)
 アンディならよけられるが、ウォルターは撃たれてしまうだろう。しかたなく、アンディはじっとしておく。
 「こいつらを殺されたくなければ、おとなしくし」
 「撃てばいいだろ」
 ライアーはさらっと言うと、“どうぞ”と言わんばかしの動作をする。
 「さ、最悪だな」
 「やっている本人が言う言葉か?まぁ、それより…」
 ゆっくりと、ポケットに手を入れる。そして





 「ボクにそれを向けるな」





 冷たい、声。
 それと同時に、手を出した。その手には拳銃が握られていた。

Re: レッドレイヴン ( No.47 )
日時: 2012/03/17 16:35
名前: 鴉咲 (ID: fzc9VSBf)

す、すごい!!引き込まれます…
あたしも更新頑張らないと!


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46



この掲示板は過去ログ化されています。