二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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レッドレイヴン  —からっぽの人形—
日時: 2012/05/11 17:40
名前: 黒猫 (ID: okEdKXH3)
参照: http://www,kuroneko.cc/novel

 小説、書きまーす。
 

  

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Re: レッドレイヴン  —からっぽの人形— ( No.174 )
日時: 2012/05/26 19:42
名前: 黒猫 (ID: 0/Gr9X75)

 「まだ、不機嫌なの?」
 「……………」
 レイは何も言わない。いつも以上に無機質な表情をしている。
 白いブラウスに黒いネクタイ、黒の半ズボン、くるぶしを覆うブーツを身に着けているレイ。長い髪はそのままだ。モニカのセンスの良さにノアは感動を覚えた。なのに、本人は無表情だ。
 (可愛いのに…)
 真っ白な陶器のような肌と整った顔立ち。底のない海のような深い藍色と、禍々しいまでに紅い瞳は何故か見た者に儚い印象を与える。紛れもなく幻想的な美少女なのに、この少女は自分の容姿に気付いてないのだから驚く。
 「似合ってるよ」
 「…………………」
 ひたすら無言を貫くレイに、ノアは自分の笑みに限界を感じてきた。
 ウォルターが見かねて、助け舟を出す。
 「とにかく、アンディを探すぞ」
 行く先行方不明になるアンディ。もはや、習慣と言ってもいいほどだ。
 「ウォルター、私ウォルターと一緒に探す。ガラクタはレイと一緒に探して」
 「俺にこいつを押し付けるのか!」
 「レイ、なんかあったら周りに助けを求めなよ」
 ノアはシャルルの怒鳴りを無視して、ウォルターと歩いた。








 「いいのか?」
 ウォルターはノアに訊く。
 「いいよ。レイだって子供じゃないんだし、それにあっちが先にアンディを見つけてくれたら面白い展開になりそうだし」
 「どうだろうな。あいつ、自分のことに鈍いから」
 「それはレイも一緒」
 ノアはため息をついた。

Re: レッドレイヴン  —からっぽの人形— ( No.175 )
日時: 2012/05/20 17:39
名前: 黒猫 (ID: RuL2wqqJ)

 アンディは隣を歩くレイをどうしていいかわからなかった。
 
 
 

 先ほど、レイがチンピラに絡まれていた所を偶然通りかかったアンディが助けてからずっとレイは何も言わない。
 
 
 

 ふと、レイが視線を下に落としていることに気付いた。
 アンディも見てみると、自分がレイの手を掴んだままだったことを自覚した。助ける際に、握っていたのだ。
 放そうかと思っていると、レイがこちらを見てきた。
 「…何か用か」
 手を放そうかと思っていた、などは言えず代わりに
 「今の君が珍しいと思っただけだよ」
 本心を言った。いつも黒コートを着てフードまでかぶっているので、かなり珍しい格好だ。男子制服を思わす服装だが、長い髪をしたレイにも似合っている。見た瞬間は中性的な美少年に思えた。
 レイはショックを受けたように、目を大きくさせた。
 「…やはり、おかしいか」
 「な、なにが?」
 突然のレイの反応にアンディは動揺した。
 (何か悪いことでも言ったっけ)
 シャルルは呆れたようにため息をついた。
 「…ボクだってこんな格好似合うとは思ってない」
 「服のことを言ってるの?」
 「…ほかに何がある」
 アンディは、首をかしげた。
 「よく似合ってると思うよ」
 「…ボクは髪の色も、目の色もほかの人とは違う」
 「そんな事気にしてたんだ」
 「…そんな事だと?」
 「レイの髪と目は普通に綺麗だと思う」
 アンディは目をそらしながら言った。
 レイは少し考えると、
 「…褒められたのか?」
 シャルルに訊いた。シャルルは頭を抱えただけで何も答えない。
 レイは目を迷わせてから、小さく吐息をついた。
 「………ありがとう」
 残念なことに、あまりにも小さい声だったのでアンディには聞こえなかった。




 (にっぶい奴らだな)
 シャルルはじれったく思えてきた。

Re: レッドレイヴン  —からっぽの人形— ( No.176 )
日時: 2012/05/20 14:47
名前: 黒猫 (ID: 0/Gr9X75)

 レイの手は、手首まで覆う手袋をしてあった。
 「……………」
 「……………」
 ひたすら無言が続く。
 レイもアンディも口数は少ない方なので、当然の結果だ。
 しかし—
 「…〈首狩り屋〉、友達に謝る方法と言うのはあるか?」
 「なんでさ」
 「…ネーヴェにあった時のためだ」
 アンディの足が一瞬止まった。
 ネーヴェ=アンディなのだ。アンディにとっては触れてほしくないところである。
 「…と言っても、本名は知らないのだがね。ただ、雪が似合いそうな人だったから、そう呼んでる。ボクはその子と2つ約束をした」
 「……………………………2つ?」
 アンディは思い出そうとしたが、だめだった。
 (1つじゃなかったんだ)
 よく覚えていられるものだと感心してしまう。
 「…1つは雪を見ること。そしてもう1つ約束のおかげで、ボクは人形にはなりたくないと思えるようになったんだ」
 そんな立派なことを言った記憶はない。まして、人の生き方を変えるほどのことを…
 「…なのにボクはその子を利用した」
 「そうなの?」
 「…だから謝りたい。許されないかもしれないが、それでもボクは約束を守りたい」
 その言葉はアンディの心を大きくえぐった。
 

 「あのさ、レイ。ネーヴェは」



 本当のことを言おうとしたアンディの声をかき消すように、
 「あ、見つかったんだ!…あれ、なんでアンディににらまれての?」
 ノアの声が聞こえた。

Re: レッドレイヴン  —からっぽの人形— ( No.177 )
日時: 2012/05/20 15:41
名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)

 ノアのタイミング、悪いですね〜・・・・
でも、ここでアンディが本当の事を言ってしまうのも何だかもったいない(?)気がしますし・・・

 レイとアンディの関係が、何だかどんどん面白くなって来ましたね♪
続き、楽しみにしてます!

Re: レッドレイヴン  —からっぽの人形— ( No.178 )
日時: 2012/05/20 20:51
名前: 黒猫 (ID: 0/Gr9X75)

 ありがとうございます!これからもがんばります。
 (このレイとアンディの関係は友人からのリクエストです)


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