二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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レッドレイヴン  —からっぽの人形—
日時: 2012/05/11 17:40
名前: 黒猫 (ID: okEdKXH3)
参照: http://www,kuroneko.cc/novel

 小説、書きまーす。
 

  

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Re: レッドレイヴン  —からっぽの人形— ( No.184 )
日時: 2012/05/27 19:24
名前: 黒猫 (ID: 0/Gr9X75)

 アンディはノアの怒鳴り声で、後ろを振り向いた。
 2人で何か重大なことを話していたので、あまり関わらないようにしていたのだ。それなのに、
 (何があったのさ?)
 ノアがレイを蹴っているのを見て、正直驚いた。
 「最っ低!何それ、自分のせいにして何が楽しいの?いっつもそうだよ。何をしてもすぐ自己嫌悪して…レイの為に死んだ2人が可哀想だよ!」
 「…それ以上言うと君でも許さないぞノア。2人が犬死したような言い方」
 「そうしているのは、どこの誰よ!」
 ノアは再度レイを蹴ろうとした。が、ウォルターによって止められる。首根っこを掴まれたノアは空中でジタバタと暴れた。
 どうやら、レイの自己嫌悪に頭が来たのだろう。
 (ヘーゲルに何か言われたのか?)
 レイの場合だ。リリーのことで何か言われて、自分のせいだと思ったのだろう。
 「どうしてこんな時にケンカすんだよ」
 シャルルが頭を抱えた。
 「もういい…レイなんてどうにでもなっちゃえばいいよ!」
 

 厄介なことがこうして、また1つ増えた。

Re: レッドレイヴン  —からっぽの人形— ( No.185 )
日時: 2012/05/31 19:23
名前: 黒猫 (ID: 0/Gr9X75)

 「ああぁぁぁぁぁぁあああああぁぁぁあ!!」
 ノアはアンディの部屋で頭を前足で抱えながら、身をよじらせた。アンディは、うんざりとした表情でそれを見る。
 「何やってんのよ、私!レイにあんなこと言うなんて…」
 騒ぐだけ騒ぐと、力尽きたかのようにぐったりとする。
 アンディはノアを指で突いてみた。反応がない。
 (そんなにレイのこと好きなんだ)
 これだけの事を見せられて、気付かない人はいないと思うが。
 この猫は、軽口を叩きながらもレイのことを一番に考えている。しかしレイのほうは相棒としか見ていない。大切だとみなされたいが、大切なものを遠ざけるレイのそばにいるために我慢していたのだ。
 …さすがに可哀想になってきたノアをアンディはなでてやった。
 ノアは首だけ起こして、アンディを見る。
 「アンディ、タイムマシーンない?」
 「あったら僕も使いたいよ」
 ガクッと首を折るノア。
 「……レイはね、人を斬ることが怖くなったの。人を斬ったら、殺してしまうんじゃないかって、リリーやキャシーを殺した奴らと変わらなくなるんじゃないかって」
 ノアは泣きそうな目をしていた。
 「もしレイがまた、人形みたいになったらどうしよう」
 アンディはノアの額をはじいた。
 「フゴッ?」
 「そんなこと、させない」
 はっきりといってやった。
 (あんな絶望的な顔はさせたくない)
 ノアはパァと目を輝かせた。そして、わざとらしくため息をついた。
 「問題はレイだよね」
 「1度は人形になりたくないと思ったんだから、大丈夫でしょ」
 アンディがそう答えると、ノアは横に顔を振る。
 「そういうつもりで言ったんじゃないんだけど」
 「…どういうつもりでさ」 
 ノアは何故か悩みだすと、迷うように口を開いた。
 「アンディってレイほどじゃないけど…自分の気持ちと周りに鈍感だよね」

Re: レッドレイヴン  —からっぽの人形— ( No.186 )
日時: 2012/05/30 17:29
名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)

 なんか、ノアが面白い&可愛いです。
続き、楽しみにしてます♪

Re: レッドレイヴン  —からっぽの人形— ( No.187 )
日時: 2012/05/31 19:18
名前: 黒猫 (ID: 0/Gr9X75)

 そうですね…僕の中ではノアは可愛くて健気な猫なんです。
 これからもがんばっていきたいと思います。…更新は遅いですけど

Re: レッドレイヴン  —からっぽの人形— ( No.188 )
日時: 2012/06/03 11:33
名前: 黒猫 (ID: 0/Gr9X75)

 ヘーゲルを斬った時のことを思い出す。
 鋭い刃が柔らかな肉を裂く。そこからこぼれる鮮血。
 それを見て思った。


 この人は人形である自分とは違う、と。


 
 生まれて初めて、あそこまで深く、人を斬った。
 自分には人を殺すだけの力がある。自分には人を殺すだけの技量がある。
 それを、思い知った。
 だから怖くなった。簡単に死んでしまう人間を斬るのが。
 

 それでも—1人は嫌だ。
 存在価値が欲しい。生きる理由が欲しい。
 
 













  


 ねぇ、誰か、ボクを—


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