社会問題小説・評論板

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Re:愛してる
日時: 2012/07/26 14:34
名前: おかゆ (ID: uOIKSYv5)

   『非常識だとしても皆が常識といえばそれは常識になるんだ』



こんにちわ。

名前を変えて他の所でもちょくちょくやってますが、社会系が一番書きやすいと思ってまた書いてみることにしました。
どうぞ生暖かい目で見守ってください。

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2012.0219

Re: Re:愛してる ( No.118 )
日時: 2013/03/15 21:37
名前: ミム (ID: akJ4B8EN)

おかゆさん、とても感動しました。
今日一気読みしたのですがこの話は一生忘れません。
そしてこれからも読ませていただきます^^
この話を書いてくれてありがとう。
そして私に希望を与えてくれてありがとうございます。
続き楽しみにしています!

Re: Re:愛してる ( No.119 )
日時: 2013/03/31 19:12
名前: おかゆ (ID: qyjkJIJL)

 
ミム様>>コメントありがとうございます!
その言葉で私はもっとがんばれます。
気長に待っててやってください^^

Re: Re:愛してる ( No.120 )
日時: 2013/03/31 22:03
名前: おかゆ (ID: qyjkJIJL)



あーあ、

かっこいいとこ、もってかれちゃったか・・

いっつも女々しかったお前が、


今は最高にかっこよく見えて。


♪ー♪ー♪ー♪ー・・

電話が鳴った。


『・・あっ、伊藤?』

懐かしいような聞きなれた声。


「市川か。どうした?」

『いや、なんか、今日大丈夫かなって思って・・』

「・・・心配した?」

『別に違っ・・・・って何笑ってんの!!』


——・・よかった


「いや、珍しく・・・なぁ?」
『なぁ?じゃないよ!!・・今どこ?』


——・・愁と演劇をやっていて。


「今?愁んとこ」


感情を抑えることができるし。


「お前はどこなんだよ」


感情を隠すこともできるようになったから。


『えっ・・・い、え・・だけど』


市川みたいなヘマはしない。


「どうした?」


すごい心配そうな声出してさ。もっと隠せっての。


『あのさ、伊藤・・』










『泣いてる?』











———・・、





「・・・・・えっ?」




気付いた。頬に触れた。目から伝う“何か”
それが自分の涙だと知るのに時間はかからなかった。


『伊藤、声・・泣いているように聞こえる・・・』

元気ない、と付け足す市川。


「・・・・・俺は元気だけど」
『そういうことじゃなくてっ・・』
「とにかく!!俺は大丈夫だから!!」
『えっいと、』
「もう携帯の電池切れそうだからきるわ!!」
『・・・っ』
「じゃぁっ!!」


ピッと機械音が響いた。


「・・・・・・・なんだろうな」

せめて、泣くのはここを出てからにしようと思っていたのに。

こんな姿、愁には見せられないから。


「俺もまだまだ演技が下手だなー・・」

墓地を出て振り返る。


「愁・・・・・」



      『ごめん』



「・・・・・もう遊べねぇじゃんっ・・死んだらっ・・もう・・・・・」


ずりーよ。


お前だけ謝って俺、謝ってねぇじゃん。


「・・敵わねぇなー・・」



愁は死んだ。

死んだら人はどこに行くんだろうとかそんなこと考えたことなかった。だって、



——愁がまだ俺のそばにいる気がするから。


「愁っ・・・」

本当は俺だって謝りたかった。
でも墓の前に立つときっと、泣いてしまいそうで怖かった。




「—————・・ごめんっ・・」


その場にしゃがみこむ。
かっこわるいなーとか思いながらも“それ”はとめどなくあふれてきてもはや止めることは不可能だった。


「俺もまだまだ・・お前がいないとダメだわ」

市川が気付くのも無理ない。

「———・・、」













(電話越しでよかったよ)


Re: Re:愛してる ( No.121 )
日時: 2013/04/03 00:14
名前: おかゆ (ID: .HkLA/wn)



夏休み。


それは学生たちが羽を伸ばせる期間であり、嫌な勉強やテストから開放される期間であり、中には嫌いな先生、クラスメイト、先輩などから解放される期間であって。

もっとも、学校が好きな生徒にとってはこの期間が苦であって。


「(・・・・・なんて)」

かっこいいこと考えて実はどうでも良かったりする。

別に学校が好きってわけでもない。どうでもいいのだ。

ただ『あの居場所』があればそれでいいのだ。



そう思いながら市川瑠璃は終わりかけの夏の課題を閉じて伸びをした。


「・・・・暇だ」

何かに打ち込める部活をやっているわけでもなく、何か打ち込める趣味を持っているわけでもなく。


最近チャットは過疎気味。


このままのペースで行けば課題は今週で終わる。
なんてつまらない夏休みだろう。



彼女は目を閉じる。


この半年、いろんなことがあった。
麗華と仲良くなって。でも実は麗華は私の親友をいじめていた張本人だったり。

一気に有名になって風当たりが強くなったり。


理紗にあって・・・・



「・・・・理紗に、あって・・」


理紗にあっていろんなことを話したり。



そんなことがあったとき、いつもそばにいたのは。







「・・・・・・・(伊藤)」


伊藤翔。


彼は最初はよくわからない人間だと思った。


嫌われている人間に近づいて何がいいんだろうと思った。
自分の株を上げたいだけなんだとも、思った。

そして正直一緒にいるのがうざかった。


でも彼がいなければ。


麗華が理紗のことをいじめていたというのがわかった時、彼がいなかったら今頃私は怒り狂っていた。麗華にも・・・もちろん自分自身にも。


理紗のことだって、彼がいたから前に進めたのかもしれない。


今ではすごく——・・感謝しているのだ。



そして———・・・




「・・・・・・ん?」


胸のどこか、よくわからないところで。

伊藤のことを考えると胸が苦しくなるのだ。


まさか。そんなはずはない。


ずっと頭の中で否定してもある感情が頭の中を支配した。




——・・これは違う。





必死で否定し続け、忘れるように眠った。







だって、そんなこと。





あるはずがないじゃない。

Re: Re:愛してる ( No.122 )
日時: 2013/04/03 22:41
名前: おかゆ (ID: 187ZDN1M)



さてさて。

月日は流れて夏休みも終わり、九月も中ごろまで来ていた。

私の学校では十月の初めに文化祭がある。
その文化祭に向けて皆は準備を進める。

私のクラスは『幻想的な世界』を主にステンドクラスなどを作る・・・らしい。


「まだ時間はあると思うなー。もうあと少ししかないんだぞ」

先生や各グループのリーダーがてきぱきと指示をする中、そんな状況でも皆の雰囲気はいつもと違ってた。



「あのっ・・伊藤君・・・これどうすればいいかな?」
「え?・・あー・・それはあっちに立てといて」
「わかった・・!!」

クラスの女の子が少し顔を赤らめながら伊藤としゃべっていた。

あぁ、そういえば伊藤モテるもんな。

そして伊藤は何食わぬ顔して作業をしている。

「市川さん・・・これ貼ってくれる?」
「あっ・・・うん」


私は相変わらず避けられていて。


それで一日が終わる。




「選択肢間違えたかなー」
「何の?」
「すべてよ。この高校に入ったときから。すべて」


いつもの資料室にいつもの二人が集まる。

「・・・・ううん。本当は中学校のころから間違ってたのかも」
「何が言いたいんだよ」
「生まれてきたことが間違いってわけじゃないけど・・・なんかさ、あのころこんな道選ばなかったらとか、考えたことない?」
「まぁ・・・・・ないわけじゃぁないけど・・」


伊藤は私が何を言いたいのか分からないと言ったように首を軽くかしげた。

「まぁ、私は普通に生きてきたつもりだったのね?だから私の人生に麗華が現れて理紗をいじめてさらに私と同じ高校で・・ってのは予想外っていうか・・」

自分でも何を言ってるのか解らなくなった。



でも、いつも思ってた。



なんでこんなんになっちゃったんだろうって。


「あーあ、」

本当はもっとほかの友達と仲良くしたかった。

休み時間にいろんな話しをして、

放課後皆で寄り道して、


「———・・麗華と会ったことが多分、私にとって最大の間違い」


伊藤は何か言いた気な顔をして・・・何も言わなかった。



「ところで伊藤はなにやってんの?」


さっきからダンボールをいろんな形にきっていた。


「あ?あー、クラスの出し物やつだよ。少しでも早く終わらせたいから授業中とか、家帰ってからとか、やってる」

まぁ授業中はめったにやらないんだけどな。


なんて呟きながらも手は動かしていた。



——・・伊藤はすごいなぁ。


皆に頼られて、皆が伊藤のこと好きで。


でも伊藤には居場所がないなんていってた。


それは愁って人とのことがいろいろあるらしいけど。


それでも伊藤には居場所を作ってくれる人がいる。



それは、多分、私も———・・。






そこまで考えたところでやめた。












「ねぇ・・・私も手伝おうか?」
「さんきゅ」



お互い何も言わずに作業を進めた。
意外にそれが、心地よかったり。


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