社会問題小説・評論板

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Re:愛してる
日時: 2012/07/26 14:34
名前: おかゆ (ID: uOIKSYv5)

   『非常識だとしても皆が常識といえばそれは常識になるんだ』



こんにちわ。

名前を変えて他の所でもちょくちょくやってますが、社会系が一番書きやすいと思ってまた書いてみることにしました。
どうぞ生暖かい目で見守ってください。

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2012.0219

Re: Re:愛してる ( No.108 )
日時: 2013/01/01 19:56
名前: おかゆ (ID: dn48wW/9)

美久里様>>すみません説明不足で・・(泣)
先生はこの後もちょくちょく重要な人物になってくると思います。
長い目で見ていただけるとうれしいです(^^)

Re: Re:愛してる ( No.109 )
日時: 2013/01/01 20:43
名前: おかゆ (ID: dn48wW/9)



「は・・・?」

一瞬思考が停止した。それは多分伊藤も同じだと思う。

「やっぱ部には顧問は付き物だと思うんよ。だから俺が顧問になればさ・・ね?」

「いや!!ね?っじゃないっすよ!!何言ってんすか!!!」
「そーですよ!!!それに顧問って言ったってこんな今とってつけたような部活通るわけないじゃないですか!!!」
「いや、俺も通る分けないと思っとる」
「・・・・・・?じゃぁなんで・・・」


「なんかおもしろそーじゃんか!!秘密基地みたいでさ!!」


『・・・・・・・は?』


二人の声がそろった。


「いーよな秘密基地!!俺も小さいころ作ったりしたわぁ」
「え、ちょっと、何言って、」
「居場所かぁ・・俺も欲しいなぁ・・」
「もうあんた帰ってくださいよ」
「だめか?」
「だめです」



先生がギャーギャー騒ぐのを二人がかりで抑える。


「お前らがどんだけ止めようと俺はかまわない!!だが俺はあきらめずにここへ来るからな!!」


やたら大きな動作で私たちに訴えかけ、資料室の扉に手をかける。


「さっさと漫研行っとけ」
「おーおー、お前らも帰れよ」
「・・聞こえてたんですね」

伊藤が申し訳なさそうに笑った。



「んじゃ」




———・・バタン・・



「・・・・なんなんだよあの変態」
「知らない」
「あの人が俺らのコレを言うとは思わないけど・・」
「どっちにしろまた来るんじゃない?」
「だよなー・・てか市川すっげー他人事・・」
「他人事じゃないよ・・ここがなくなるのは嫌」


その辺にあった漫画を手に取りパラパラめくった。



「・・・・・ふーん?」
「あんたがいなくなってくれるのはすっごく嬉しいけどね」
「またひどいなー」


伊藤が軽く笑ってそして。






少し寂しそうな顔をした。





「・・・・・ぁ」


軽く声を漏らす。



「・・・・・・・ごめん」



気付いたときにはもう遅かった。



あぁ、なんでこんなにも思ってないこと、口に出して。





「まぁ・・・気長に待つよ」



お前と友達になれるのを。




なんていってくれた伊藤にまた申し訳なって。











(心の中で何度もごめんと呟いた)

Re: Re:愛してる ( No.110 )
日時: 2013/01/09 18:54
名前: おかゆ (ID: UjH259gp)


Another...


昔のお話。

昔といっても彼にとっては昔ではないし、実際そこまで昔の話でもない。

だけどふと、時々ずいぶん昔のように感じて、
最近のようにも感じて。

そんな、不思議なお話し。

彼には親友がいた。

だけど親友は交通事故で死んでしまった。


彼はその親友を一度拒絶してしまった。

謝れもしないで逝ってしまった親友。彼はひどく後悔した。


そんな彼はとあるサイトを見つけた。


それはチャットのようなもの。

顔も名前も知らない人たちがいろんな話しをして、楽しく過ごす場所。
なぜだか彼は惹かれていきサイトに登録した。



「名前・・か」

チャットをする際の名前。


「・・・・・・、」


忘れられない。

俺は最低なことをしてしまった。


忘れることなんて絶対にないけれど、


せめて、いつもの自分自身にけじめをつけるため。






彼の親友——・・『しゅう』を文字って『ゆーし』と登録した。





「しゅうでゆーし・・なんか無理やりだな・・」


そう一人で笑いながら——。





彼がチャットをしていく中でいろんな人に出会った。
その中で特に仲良くなった二人がいた。





『心』と名乗る男性と『ひまわり』と名乗る女性。


なぜかとても落ち着き楽しかった。

自分でいられるような気がした。



そしてある日一人の『少女』と出会う。


彼女は自分の殻に閉じこもり、人を怖がり、信用しないくせに人一倍、人間に興味を持っている。
時々別の人格が入れ替わり、泣き、怒り、笑い。


だんだんいろんな表情が見えてくるのがうれしくて。

もっと仲良くなりたいと思った。



こうしてどんどん傷は癒えていき、居場所と呼べるところもできた。






そして今日も彼はその『居場所』へと足を運ぶ。

はじめは拒絶していた彼女も今は何も言わなくなった。




「お、市川じゃん」
「何その言い方」




少しは仲良くなれただろうか。




「いや、まさかいるとは思わなかったし?」
「私は学校が終わったらいつもいるじゃん。ほかに行くとこないし。今さら?」


笑いながら聞いてくる少女。


「まぁそうだな」

そして彼も笑う。



彼が少女に友情じゃない気持ちを抱くのは果たして———・・


Re: Re:愛してる ( No.111 )
日時: 2013/01/10 22:02
名前: おかゆ (ID: m.v883sb)



俺はこのままこの場所に、いても良いんだろうか。



*     *     *     *


「もうじき夏だなー」
「もう夏でいいと思う」

季節はもうじき夏。期末テストも無事終わり、あとは夏休みを待つだけだった。


「補習お疲れ」
「おー。お前は赤点なかったのかよ」
「ギリギリね」
「俺なんか世界史ギリ赤点だぜ?」
「何それ自慢?」


こんなやり取りが続く中、突然扉が開いた。



「おおーやってるか」
「本当に来たよ」

ここ最近顔を見なかった先生——北村蓮はにっこり笑った。


「俺も漫画持ってきた」
「本当に教師ですか?」
「教師である前に一人のアニヲタだからな!!」

ドヤ顔で言われたけどいまいちわけが分からなかった。


「漫研は?」
「あれはいーんだよあいつら俺いなくてもいろいろやってくし。つーか俺いないほうが・・なんかいいらしいし・・」
「いや私たちも先生いなくて大丈夫なんで」
「・・・・・・」

先生は無言で漫画を読みはじめた。


「俺的にはラノベとかも良かったんだけどさー、あ、小説ね。でもそれだとほら、お前ら現代っ子だからあんま読まなさそうだろ?」
「まずそういうのに縁がなかったんですけどね」
「おもしろいぞ?読んでみるか?」
「いえ結構です」
「・・・・・。俺的にはー」
「先生話し聞いてくださいね。現実逃避とか良くないですよ」
「ええやーん」


そういいながらケタケタと笑う先生に少し呆れながら私たちは課題を進めていた。



「・・・・・・・なんぞそれ」
「課題」
「なんで?」
「夏休みの課題です」
「ほぅ」
「先生読むだけなら帰ったらどうっすか?」
「いやお前らいつもだいたいそんな感じじゃねーの!?・・・まぁそれはおいといて。俺、何の教科担任だったか覚えてるか?」
「え、覚えてません」
「ひど!!・・・・・・・・化学や」
「「!!!?」」
「お前らが今やってる教科は?」
「「・・・・・化学」」




「わかんないとこ、教えてやってもいーけど」





にやりと笑う先生と同時に頭を下げる。



「「お願いします」」



「・・・・・・・えーよ」




無邪気な笑顔。






私達はこの人に踊らされたのだろうか。



Re: Re:愛してる ( No.112 )
日時: 2013/01/11 22:08
名前: おかゆ (ID: H5up09UV)



「そういえばお前らもうじき夏休みだぞ」

「知ってる」

「ここどーすんの」



先生に化学を教えてもらってる最中に先生がそんなことを言い出した。

「まぁ・・鍵は私が持ってるし私は行きたくなったら行きます」
「えっ!?市川ずるい!!合鍵は!?」
「あるわけないじゃん」

伊藤ががっくりとうなだれる。

「まぁ俺は夏休みはもしかしたら一回もここにはこれないかもしれん」
「あ、先生はいいです聞いてないんで」
「えっ!?」


この人こんなに生徒に弄られてていいのだろうか。



「でも・・ここだと落ち着くからお盆以外はほとんど来ると思うよ」
「暇人だな」
「うるさい」
「どっかに鍵を隠しておくとかは?」
「あ、それいい」


そんなことを話してると放送がかかった。




『北村先生、北村先生、職員室まで来てください—・・』



「お、俺を呼んでる」
「あ、化学ありがとうございました」
「いーよ。またなんかあったらいつでも聞きな」


そういって先生は資料室をあとにした。




残ったのは私と伊藤の二人。




*    *    *    *    *


「夏休みかぁ・・市川はなんか予定ある?」


ちょっとの沈黙がなぜか耐えられなくなり、俺は市川に話しかけた。

いや。


本当は中学の——愁のことを話そうと思って。




「だからあんまないって言ったじゃん。私暇人だから」

ちょっとふてくされたように話す。


「あぁ、でも———」






「お盆にはお母さんとお父さんの墓参りに行くかな」




市川がポツリ、ポツリ、と言葉を発した。



「毎年行ってるんだけどね、いつも無言だったの、でもさ、伊藤がいろいろ助けてくれて、励ましてくれて、私も・・その・・前に、進めたから、多分今年は・・いつもと違うお墓参りになると・・・思う」

そして目線が机から俺に向かったとき、一瞬俺はドキッとした。



「その・・・・今さらだけど、本当に、ありがとね」





————————・・っ!?



「これは、今時のツンデレってやつか・・?」

「はぁっ!?何言ってるの意味わかんない私がお礼を言っちゃいけないの!?」

「いや!!!そういうわけじゃ・・ないけど・・」

「とにかく!!私こんなに笑ったり泣いたりしたの久しぶりだったから!!それは確実に伊藤に会ってからだったから!!だったから・・」


もういいと顔を真っ赤にした彼女が可愛くて。




可愛くて————・・





「(えっ?えっ?俺・・・あれっ!?)」



なんだこの気持ちまるで———・・



「・・・・・・・っ!!」



気付いたときにはもうどうすることもなくただ動揺しまくって。


「(いやそんなわけない!!そんなわけない!!違う違う!!おう!!違うよこれは!!)」

こうやって無理やり自分を納得させることしかできなくて。





大きな音を立てて教科書類が落ちた。














そしてそんなことを思ってる中、まさかまだ先生が職員室に行ってなくてニヤニヤしながら『青春だな』と言ってるのを知ったときは先生を殴りそうになった。







(あ、俺はこんな気持ちに気付かされるために話しを振ったわけじゃない)
(けじめをつけるために話しを振ったのに)


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