社会問題小説・評論板
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- Re:愛してる
- 日時: 2012/07/26 14:34
- 名前: おかゆ (ID: uOIKSYv5)
『非常識だとしても皆が常識といえばそれは常識になるんだ』
こんにちわ。
名前を変えて他の所でもちょくちょくやってますが、社会系が一番書きやすいと思ってまた書いてみることにしました。
どうぞ生暖かい目で見守ってください。
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2012.0219
- Re: Re:愛してる ( No.143 )
- 日時: 2013/08/26 23:55
- 名前: おかゆ (ID: maEUf.FW)
皆が盛り上がりのピークに達しているころ。
未だに一曲も歌っていない私は一人その光景をただボーっと眺めいていた。
「・・・・どうしたの?瑠璃ちゃん」
その様子を見ていた飛鳥がこそっと耳打ちしてきた。
「大丈夫?おなか痛いの?」
心配してくれている彼女に私は「大丈夫だよ」と優しく言うと彼女は安心したように笑った。
「でも少し気分が悪くなっちゃったから外の空気を吸ってくるね」
「あっ、うん・・気をつけて」
そして皆に気付かれないようにゆっくりと扉を閉め、扉に背を預けた。
「・・・・・疲れた」
ここに来て皆となじめる、なんてこれっぽっちも思ってなかった。
飛鳥のことは素直に驚いたし嬉しかったけど依然として自分がアウェーな状況にいることは変わらなかった。
思わず下を向く。
何のために来たんだよ。
これじゃぁ自分がどんどん惨めな気持ちになっていくだけじゃないか。
自分でも顔がゆがんでいくのが分かった。
「じゃぁお手洗いに行ってくるね」
聞きなれた声が扉近くから聞こえた。
思わずその場を離れる。
「・・・・あ、」
「・・、」
数秒まで笑顔で話していた麗華と目が合った。
とたんに怪しい笑みへと変わる。
「ねぇ、瑠璃」
「何?」
「私今からトイレ行くんだけど、ついてってくれない?」
「は?なん——・・」
で、と言おうものなら今すぐにでも引っかきにきそうな目と合う。
「・・・・・わかった、いいよ」
「ありがとう」
そしてすぐにいつもの、ほかの子にしているような笑顔に戻る。
* * * *
「ホントありがとね・・あ、瑠璃はいい?」
「うん。別に」
「そ、」
用を足して手を洗う麗華を横目に私は乾燥機付近に体を預け、麗華が終わるのを待ってた。
「最近の女子ってトイレも一人で行けないの?」
「瑠璃だって最近の女子じゃん」
「私はあんたみたいに女々しくないし」
「あぁ、そう」
どうも麗華には無駄に突っかかってしまう。
「・・・・・・で、さぁ、瑠璃」
麗華が怪しい笑みを浮かべる。
「あんた・・・ぶっちゃけ伊藤のことどう思ってんの?」
- Re: Re:愛してる ( No.144 )
- 日時: 2013/08/27 00:38
- 名前: おかゆ (ID: maEUf.FW)
「あんた・・・ぶっちゃけ伊藤のことどう思ってんの?」
「伊藤・・・?」
・・なんで今ここで伊藤の話を持ち出すのか。
「あんた伊藤のこと好きでしょ」
にやにや
そんな効果音が聞こえてきそうな。
まるで今すぐ肯定しろとでも言いたげな。
「・・・・・知ってどうすんの?」
「んー・・」
きっと彼女、林麗華なら。
「応援してあげちゃう♪」
こう、言うだろう。
「別にいいよ」
「あら、ずいぶん余裕じゃない。何で?」
「応援とかあまり良い予感がしないからね」
「そう」
クスクスと笑ってそれから、
「でも・・・・今のは肯定と受け取ってもいいよね?」
「・・・っ、」
「伊藤・・聞いたらびっくりするだろうなぁ」
「れいk・・」
「あ、クラス中に言ったらどんな反応するんだろう。皆噂とかそーゆう話し、大好きだから」
「・・・・めて・・」
「私的にはさ、奥手な瑠璃はきっと気持ちを伝えることもできないだろうから私が代わりに伝えておいてあげようかなぁって」
「・・・やめて」
「じゃぁ諦めて」
怖ろしいほど冷たい声で、はっきりと言われた。
「・・・・え?」
「ねぇ、瑠璃・・あたし、あんたよりも先に伊藤のこと気があったんだよ?あたしがあんたから伊藤のアドレス聞き出そうとしたときにあんた、馬鹿にしたよね?なのに何で今はあんたも伊藤が好きなの?」
麗華は近づいてくる。
「あたしは何の進展もないのにあんただけが伊藤と仲良くなって、それが悔しくて、余計イライラして、憎くて、憎くて、憎くて、憎くて、ウザくてウザくてウザくてウザくて!!!!!!」
麗華の手が私の肩に置かれる。そして思いっきりつかまれた。
「だからあたしはあんたの大事なもの全部とろうとして!!立ち直れないくらいボロボロにしたいのっ!!!!!なのになんであんたはまだいるの?なんでっ!!!あんたがっ!!!!!」
強まっていた手が急に弱くなった。そして、
「・・・・・・・・なんであんた・・・なのよぉ・・・・・・」
その声は消え入りそうで。
はかなく、もろかった。
「ずるい、あんたの持ってる全てのものが・・ずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるい!!!!!!!!」
そして手洗い場の水を勢いよく出した。
「・・・っ瑠璃の癖にっっ!!!!!生意気なんだよっっっ!!!!!!」
罵声。叫び声。
そして手をおわんのように作ってその中に入った水はそのまま勢いよく私の元に来た。
「・・・・・・・っ!?」
「先に好きになったのはあたしなのにっ!!!なんでっ!!!!なんであんたなんだよっ!!!!!!
うぜぇんだよっ!!!!!!!!!!」
声の出せる限り叫ぶ。叫ぶ。叫ぶ。
そんな光景に恐怖を感じ、水の生ぬるさに気持ち悪さを覚える。
「・・・・っ、麗華っ・・やめっ・・!!!」
憎しみと嫉妬の眼差しでただただ私を見つめる麗華。
「あたし、あんたなんかっ————・・!!!!」
水を止めてぬれた手を振り上げて、そして。
「大っっっ嫌い!!!!!!!!!!!」
パンッ———・・
乾いた音がした。
- Re: Re:愛してる ( No.145 )
- 日時: 2013/09/01 17:20
- 名前: おかゆ (ID: Nz4uGIp4)
伊藤を好きになったんだ。
でも麗華も好きだった。
それがまさか、まだ好きで、そして本気だったなんて、知らなかったんだ。
パンッ———・・
私の思考はそこで途切れ、一気に現実世界へと連れ戻される。
「っつ・・・・!!!」
数秒遅れで、あぁ私頬を打たれたんだと理解する。
頬が痛い、首が痛い、なによりこの胸を締め付ける感覚は何だろう。
「・・・・っ何とか言いなさいよ・・・・!!!ねぇっ!!!言えよっっ!!!!」
声の限り怒鳴り続ける麗華を視界に映しながら私は誰かが来るのを待っていた。
あぁ、こんな麗華を見るのは初めてだ。もう多分、こんなに感情をむき出しにしながら怒り狂うところなんて見れないだろう。
そんなことを考えて。
そして無意識のうちに、誰かが助けに来てくれるのを待っていた。
待っていて、気付く。
———・・助けに、来るのかな。
麗華ならまだしも、私は?
皆に嫌われていて、居場所がない私に助けなんてくるの?
わからない。今、何もかも分からなくなっていた。
飛鳥は、北村先生は、お母さんは、
伊藤は。
皆本当は嫌がってるだけなんじゃないのか。
「麗華っ・・・・・!!!」
入り口付近から声が聞こえた。
ほら、麗華。呼んでるよ。
友達が呼んでる。
「・・・・・!?ちょっと何やってんの!?大丈夫麗華!?」
すでに麗華は戦意喪失。
「・・・・・ねぇっ!!瑠璃あんた何やったの!?」
「・・・・、」
私は何もやってない。
だがそれを言って素直に信じてくれる奴らでもない。
「・・・・・あんたなんか死ねばいいのに」
麗華がポツリと呟いたその言葉。別に散々言われてきたから慣れてる。
「もういいよ麗華!!・・こんなのにかまうほうがおかしいよ!!!」
取り巻きが言った。うん、慣れてるよ。
「ね、もう行こう?皆待ってるし麗華の心配してる」
もう一人の取り巻きが言った。速く行けばいい。
「ねぇ・・」
麗華が言った。
「・・・・あんた、伊藤に好かれてるなんて勘違いしてんじゃねぇよ?」
・・・・・・。
「理紗も、伊藤も、本当はあんたがかわいそうだから同情とかで近づいただけで本当は別に瑠璃のこと、どうでもいいと思ってるんじゃない?」
・・・・・・っ、
「伊藤もかわいそうだね、瑠璃と一緒にいて、自分の株下げるようなことしてさ」
そして泣きはらした顔で私を見て鼻で笑った。
「・・・・・・ありがとう、行こ」
麗華たちはそのまま私を通り過ぎて、どんどん遠ざかって・・・
「・・・・・・・ふっ・・っ・・うぅ・・」
私の精神も、限界だった。
- Re: Re:愛してる ( No.146 )
- 日時: 2013/09/02 13:34
- 名前: 来夏 ◆di5LH2KWhY (ID: fjWEAApA)
初めまして、来夏と申します。
最新話を見て、これは書かなきゃと思い、感想を書きに来ました。
瑠璃がここまで責められるとは、予想外でした。
麗華の性格の悪さが滲み出ているのと、恋でここまでこうなるとは…と思いました。
伊藤や理沙は、瑠璃をどうでもいいとか思ってる訳無いのに。
と、最近は麗華に対して「馬鹿だなぁ」と思ったり←
瑠璃が幸せになって欲しいと、正直思います。
おかゆさんのは、すらすら読めて感情移入が出来るので毎回続きが楽しみになっています。
あ、あと2013年夏大会入賞、おめでとうございます!
それでは、長くなってしまいましたがこの辺で。
更新頑張って下さい!
- Re: Re:愛してる ( No.147 )
- 日時: 2013/09/03 22:50
- 名前: おかゆ (ID: o7Zmsdob)
来夏様>>コメントありがとうございます!!
恋とは人によっては大きな支えになったり時には憎しみに変わったりとまさに紙一重状態にあると思います。
なのでここで麗華と瑠璃のぶつかりは避けては通れなかったのかななんて思います。
とても嬉しい言葉までいただいて感激です。
そして、入選したことをこのスレをみて気付きました・・(汗
ありがとうございます。
これからも応援よろしくお願いします!
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