複雑・ファジー小説
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- OUTLAW 【6ヶ月ぶりの更新ですっ!!ごめんなさいっ】
- 日時: 2014/05/07 00:17
- 名前: Cheshire (ID: f7CwLTqa)
ちわちわー、Cheshireって書いてチェシャって読みますww
んーと、誤字脱字、文が変ということがあった際は、スルーせずに言ってください、お願いします。
あと、更新が不定期です。まぁ、暇なんで、多分早いとは思いますが、遅くなるかもです。すいません
あとあと、もうお話自体が下手だと思いますが、どうぞ飽きないで読んでください。
コメント、アドバイス、イラスト、その他もろもろ大歓迎ですwwというか、ください。ください。大事なことなので2回言いました。
OUTLAW
<プロローグ>
>>1
<ハジマリ>
>>18 >>25 >>30 >>33 >>38 >>40 >>41 >>43 >>44 >>49 >>50 >>51 >>56 >>57
<JUNE>
>>86 >>87 >>88 >>90 >>93 >>94 >>95 >>99 >>100 >>101 >>111 >>116 >>121 >>125 >>128 >>131 >>134 >>138 >>139 >>140 >>144 >>145 >>146 >>147 >>148 >>149 >>152 >>159 >>160 >>163 >>166 >>169 >>170 >>171 >>172 >>190 >>194 >>197 >>198 >>199 >>200 >>204 >>219 >>221 >>222 >>227 >>228 >>231 >>232 >>237 >>240 >>248 >>253 >>257 >>258 >>261 >>263 >>266 >>267 >>269
<番外編1>
>>72 >>76 >>77 >>78
<番外編2>
>>79 >>82
<サブストーリー>
サブストーリーは、チェシャではなくキャラクターをくださった皆様方がそれぞれのキャラクターを主として、書いてくださったお話です
葉隠空悟編 >>201 >>202 >>211 007さん作
阿九根理人編 >>217 ルル♪さん作
社井狛編 >>179 ルゥさん作
黒宮綾編 >>187 朝比奈ミオさん作
<登場人物>
矢吹真夜、篠原梨緒 >>21
高嶺真 >>39
葉隠空悟 007さんより >>5
杵島灯 金平糖さんより >>3
阿九根理人 ルル♪さんより >>6
社井狛 ルゥさんより >>19
璃月那羅 雷羅さんより >>22
榊切 橘椿さんより >>11
黒宮綾 澪さんより >>64
天内小夜 ブルーさんより >>10
皐 ミケ猫さんより >>8
- Re: OUTLAW 【コメントその他もろもろ大歓迎っ!w】 ( No.148 )
- 日時: 2013/04/26 23:02
- 名前: Cheshire (ID: f7CwLTqa)
何でこんなところにパンが?家庭科室とかだったら怪しいけどそれほど気にすることでもないだろうが、ここは立ち入り禁止のプール女子更衣室だぞ?
乾燥してる、と言っても腐ってるわけでもかびているわけでもない。時間は経っているだろうが、それほど長い時間でもないようだ。それこそ、2,3日くらい・・・。
2,3日?金曜日?
つまり、美羽ちゃんがいた時間ってこと?・・・いや、まだ決め付けるのは早いかな。
でも、もしそうだとしたら?美羽ちゃんがパンを食べていたってこと?・・・6時に?何でここで?いつも家で自分で作って食べているのに。
駄目だ。僕だけじゃ全然分からない。
とりあえず、僕は自分のハンカチを取り出し、ある程度パンを拾って包んだ。
帰ってからみんなと一緒に話してみよう。
そう思って、美羽ちゃんのストラップが入っているポケットに一緒に入れた。
さて・・・じゃあ、男子の更衣室のほうも見ておこうかな。何かあるかもしれないし。
***
今現在、この学校内に誰かがいる。
早くみんなに伝えないといけない・・・が、無闇に動くのは避けたかった。
それに、向こうはこの分だと外にいるはず。理人たちが外に出ない限り、見つからないはずだ。
焦りながらもそう思って、俺は自転車置き場に置いてある1つの自転車に近づいた。
普通のシンプルな作りの必要最低限の機能しかない自転車。
カゴの中にはかなり大きめのバッグが入っていて、何に使うんだか俺には想像もできなかった。まぁ、別にこれはあまり注意しなくてもいいだろう。
生徒、教員が帰った今、この場にあるということはつまりこの自転車はさっきの奴の持ち物だということを示していた。俺らは電車と歩きで来たわけだし、警備員だって近くの交番から派遣されている人たちだから歩きのはずだ。
何の変哲もない自転車だが、何か持ち主が分かるものかなんかないかな・・・と思って、様々な角度から自転車を見るが、やっぱり何もない。
外れか・・・と思い、自然と溜息をつく。
ただ、1つ分かったことがある。
それはやっぱりこの生徒行方不明事件の犯人は、教員だということだ。
教員だったら、学校の門の鍵の合鍵を作ることだって容易く行える。なくしたことにしてしまえば、そのまま貰えるわけだし。生徒とか部外者だったらそうはいかないが、教員だったら別だ。
でも、これではまだ特定できない。
理人たちが、何か見つけてくれてたらいいんだけど・・・。
「あれ、真夜じゃん」
と不意に声を掛けられ、体がビクリと強張る。
声をしたほうを見ると、そこにはずいぶん前に分かれた空悟の姿があった。
「んだよ・・・驚かせんな」
「ごめんごめん、そんなつもりはなかったんだけど」
こんな状況でも笑ってられるこいつが凄いと思う。
「警備員は?」
「あぁ。体育館の倉庫で寝てる」
「初めてには思えないな、本当」
「どういう意味だ」
と軽く会話をしたあと、空悟の目線が俺の隣にある自転車へと向く。
「・・・、その自転車、何?」
空悟はすぐさま気付いたようで、厳しい眼差しで自転車を睨みつける。
そうだ。早くあいつのことを話さないと・・・。
と思った瞬間。
大きな風が吹き荒れて、つい倒れそうになった。梅雨の天気崩れ、とでも言うのだろうか。
上着がはためいてフードが落ちそうになるのを必死に押さえる。空悟も変わらなかった。
だから手が回らなかった。
こんな強風に不安定なまま無理矢理立たせている自転車が、耐え切れるわけもなく。
がしゃんっ!!という金属音を響かせながら倒れた。
「やっべ・・・」
と呟いたのは空悟で、俺も心の中でそう思った。
ここは、自転車置き場の門の前。当然、屋根があるわけもなく。
校舎の上の階から丸見えなのだ。
遠くで小さく窓が開く音と、「何だ!?」という声がする。2年校舎の警備員だ。
「誰かいるのか!?そこを動くなっ!」
室内にいた警備員が外で怒った強風を知るわけがない。警備員目線で言えば、突然自転車が一人でに倒れたということになる。それなら当然、誰かがそこにいると思っても仕方ない。
このままじゃ、見つかる。
「逃げるぞっ」
と空悟が走り出し、俺も一瞬呆然としながらそれでも空悟を追いかけた。
空悟は室内に入り、昇降口からそのまま1年の校舎に入った。昇降口は2年の校舎とも繋がっているので、警備員の廊下を走る音が聞こえてきた。つまり、こっちの足音も向こうに聞かれているということだ。
極力音を出さないようにしながら、俺は必死に空悟の後についていく。
確か、学校に入る前も何かあったら1年の校舎に行け、と言っていた。でも、1年の校舎にだって警備員が・・・。
「誰だっ!?」
ほら、言わんこっちゃないっ!向こうから歩いてくるのは懐中電灯、当然持つのは警備員だ。
ここは1階で、渡り廊下もない。後ろには2年の校舎の警備員、前には1年の校舎の警備員、ということで挟まれてしまった。
どこか空いている教室に入って身を潜めたほうがいいんじゃないか、と提案しようと思ったが、何故か空悟は迷いも焦りもない表情でただ前に進んでいった。
どうするんだよ!?
懐中電灯の明かりがどんどん近くになっていく。
当然、懐中電灯の明かりのおかげで、辺りは明るくなっていて随分視界がよくなっていた。
そうなると、当然相手の顔が見えるわけで・・・
やばいっ!そう思って俺はフードを深く被って顔を俯かせた。
だが、空悟はそうしない。どちらかというと、何だか堂々としているようだ。
何で・・・?
と思って恐る恐る顔をあげ、空悟と々ところを見た。
警備員の顔。
・・・あれ、どっかで見たことある気がする・・・。
無駄にがっしりとした体。警備服の上からも筋肉が分かるほどだ。
上半身の筋肉が異常なほどに発達していて、手入れなど皆無に見えるぼさぼさの髪は、全部後ろで1つに結んでいる。
「・・・・・榊?」
「おぅよ」
漏れた声に警備員が反応する。そうしている間に空悟と俺は榊らしき警備員を通り過ぎて、近くの教室に入りドアの影に身を潜めた。
え。何で榊が・・・?つか、警備員って、え?
いや、確かに俺はあいつの職業を知らないけど・・・え?マジで?
状況について行けない俺に空悟は声を潜めながら説明してくれた。
「元々あの人警察なんだよ。んで、ちょっと上に顔と名前が利くっぽくって。今日俺たちが学校に忍び込むの分かってたらしくて、真さんが榊さんに前もって頼んでたらしいんだ。俺らがこうやってどこかに忍び込むときは、絶対榊さんがバックアップを取ってくれてる」
何それ・・・俺聞いてないんだけど。言ってくれたってよくねぇか?
というかそれは高嶺だけに限らないのか。空悟たちだって知ってたわけだし。
いや、ちょっと待て。前もって、ってことは、あいつはこうなるって分かってたのか?
- Re: OUTLAW 【コメントその他もろもろ大歓迎っ!w】 ( No.149 )
- 日時: 2013/04/27 21:27
- 名前: Cheshire (ID: f7CwLTqa)
本当ろくでもねぇ奴だな・・・こうなってくると、あいつはもう犯人が誰だか検討ついてるのではないかと疑いたくなる。
「あぁ、榊さん!今こっちに侵入者が来ませんでしたか?」
2年の校舎の警備員の声だ。本当にギリギリって感じだな・・・。
「侵入者?猫なら来たけどあれは人じゃなかったなぁ」
「え、猫?」
「あぁ。まぁ猫なら木ぃ登ればいくらだって入れるだろう」
俺らは猫かっ!と思いながらも、あまりに状況が悪いので何も言えない。
確かに警備員の1人が味方というのは結構心強い。・・・知らされてないと心臓に悪いけど。
その後、榊と警備員は1,2分会話をして、警備員が離れていく足音がした。2年の校舎へ戻るのだろう。
はぁー・・・・・。と俺は大きく息を吐いた。
重い足音が近づいてきて、すぐに榊だということが分かる。
・・・空悟たちとは大分慣れたけど、榊とはあんまり喋ったことないんだよなー・・・。
「おめぇら、大丈夫だったか?」
「榊さん、助かりました。ありがとうございます」
「これくらい、大したことじゃあねぇよ」
ドアの向こうからひょっこりと顔を覗かせた榊が笑う。
「ところで、空悟。おめぇ、もうすぐ40分だぞ」
「え、マジ?行かなきゃ」
40分、というのは学校から逃走する時刻だ。それまでに空悟は俺と理人と社井の3人を向かえに行かねばならない。俺の場合はもう既に一緒にいるので、2人で理人たちを向かえに行くだけだ。
何か収穫はあったのかな・・・。なかったらまた振り出しに戻るだけだけど、それはそれで痛いな・・・。
・・・、待て。今の今まで忘れてたけど・・・。
「そうだ、空悟大変なんだ」
「何、どうかした?」
「俺ら以外にこの学校に忍び込んでる奴がいるんだ。多分、生徒行方不明事件に関わってる」
それを聞いた空悟は目を見開き、何で早く言わないんだよ、と言おうとして開けた口を、今言っても仕方ないと思い直して口を閉じた。そう俺には解釈できた。
確かにそうだ。何でこんな重要なことを忘れていたんだ。警備員に追いかけられて焦っていたのは事実だけど、だからって・・・。
今更になって自分の中で後悔と自己嫌悪が渦巻いてしまう。駄目だ、今はこんなことしてる場合じゃない。
「俺はそこまで手を出すことぁできねぇ。ここにいてもしょうがねぇだろ、おらさっさと行け」
榊に促され、俺と空悟は走り始めた。
「ごめん、空悟、俺っ・・・」
「榊さんの言う通りだ、とりあえず行こう」
そう言われて、俺は頭の中に渦巻く様々な感情を、1度リセットし、走ることに専念した。
「一応、裏門の鍵開けといたから、最悪そこからみんなで逃げよう」
裏門は、プールの外側を少し進んだところにある。影になるし、知っている生徒はほとんど少ないだろう。
何か・・・やっぱりこいつら凄ぇな、って思ってしまう。俺も早くこうならないと。
それはさておき、今は理人たちのほうが心配だ。
どうかお願いだから・・・
何も起こっていませんように。
***
ライターの灯りを、消す。
やっぱり夜は大丈夫なんだな・・・と改めて思い知った。
建物の中の暗闇だと、何と言うか・・・こう、落ち着かない。というか、んー・・・何て言えばいいんだろう。
背筋が凍るくらい寒くて・・・息ができなくなる。15分が限界らしくて、昔無理してずっと暗いところにいたら気絶したときがあって・・・そのとき医者に正式に暗所恐怖症ですと言われた。こういうのって医者に言われるんだ、と驚いたことを今でも覚えている。
阿九根さんには気を遣わせてしまった・・・。と思いつつ、彼の気遣いはかなりありがたかった。あれ以上あんなところにいたら発症してしまっていたかもしれない。そうなった場合、迷惑かけてしまうのは僕のほうだし、それは一番避けたいことだった。
プールの更衣室の外。地面とを隔てる階段に僕は座っていた。近いところに裏門があるけど、この門を知ってる人はそうそういないだろうなぁ。
よくよく見ると、裏門の鍵が密かに開いている。もしかしたら先回りした葉隠さんが逃走経路として用意していたのかもしれない。
あー・・・お世辞にも気持ち良いとは言えない空気だけど、中よりは大分楽だなぁ・・・。
と思いながら僕は後ろに手をついて顔をあげて空を見上げた。ライターを階段に置いて、後で矢吹さんにお礼を言おうと思った。
月や星は見えず、ただ分厚い雲が広がっているだけだった。この雨が降りそうで降らない気候が、一番人間には合わないらしい。精神的に。
そういえば・・・那羅ちゃん、ちゃんと寝れたかな・・・僕のことを待ってたりしなければいいけど。今日はもう疲れちゃったし無理っぽいけど、明日いっぱい本を読んであげよう・・・。
腕時計を確認すると、今は9時半くらい。もうすぐ葉隠さんが来るくらいかな・・・。
眠い・・・今日は何か、疲れた・・・。
ふと目を閉じてしまう。
風の音がする・・・それに、葉が擦れる音も。何だろう、心地いいな・・・。
あれ、足音がする・・・葉隠さんが来たのかな・・・?
・・・おかしいな。
何だかいつもと音が違う・・・?
そう思って、僕が目を開くと、
「!?」
突然、口を塞がれた。
あまりにいきなりの状況に僕の頭がついていかない。
何?何が起こったの?
葉隠さんじゃない・・・誰?警備員の人でもこんなことしないはず・・・・。
口を塞いでいるのはハンカチか何かの布・・・だろうか。それにこの匂いは・・・
駄目だ、これを吸っちゃいけない!
今少し吸っちゃったけど、多少の時間なら大丈夫のはず・・・っ
「んん!んーっ!!!」
声を出そうとするも、相手は力が強くてひ弱な僕では到底敵いそうにない。
足をばたつかせたり、身を捻ったりしてどうにか脱出を試みるが、どれもあまり効果はないようだ。
どうする・・・どうする!?
相手が誰だかも分かってない以上、何をどうしたらいいのかさえ分からない。
誰かに・・・知らせないと・・・。
っ・・・駄目だ、何か力が入らなくなってきた。
必死に相手の腕に爪を立てたり足を蹴ったりするけど・・・全く力が抜かれない。
僕のほうが・・・持たないっ・・・。
そこで僕の意識が途切れた。
- Re: OUTLAW 【コメントその他もろもろ大歓迎っ!w】 ( No.150 )
- 日時: 2013/04/27 22:08
- 名前: ルゥ (ID: 7SSNns1j)
う……うおぉぉぉぉおぉおぉおぉぉ!!!!!!!!狛ぁ!!!!
なんだとうとう女子に間違われて完全に攫われたk((殴
……はい、ダメな産み親ですみませんw
いやしかし、この状況に興奮しているのは僕だけではないはずっ!!
僕のこの興奮、それは狛にも等しく伝わっているはz((殴←狛、愛の鉄拳
狛「そろそろいい加減にしてくださいよ。僕、暗闇で精神スレスレ、急な変態ご訪問で生命力根こそぎ持っていかれたんですけど。アンタ仮にも僕の産み親でしょ?」
あぁ大変狛くん
キャラ崩壊だよ
某サンデー漫画、マ○の、シン○バッドけなされた瞬間のジャー○ァル並に……
ダメだよ!
チェシャ殿なりの考えだ!
もしその人がアウトロウの人だったらどうするの。身内を急な変態ご訪問呼ばわりしたことになるよ
だから取り敢えずその硬く握りしめた拳をおろして話し合お((殴
ドカベキボキドゴグチャバコ
狛「長文失礼しました。脳の腐ったコレは僕が処理しておきますので、どうぞ気に病まず、体に気を付けて更新頑張って下さい!」
- Re: OUTLAW 【コメントその他もろもろ大歓迎っ!w】 ( No.151 )
- 日時: 2013/04/28 11:41
- 名前: Cheshire (ID: f7CwLTqa)
ごめんなさい、何かつい、んー・・・こうなっちゃいました☆ww
もし不快に感じられたようでしたら、今後気をつけます
これからもよろしくお願いします^^
- Re: OUTLAW 【コメントその他もろもろ大歓迎っ!w】 ( No.152 )
- 日時: 2013/04/30 11:55
- 名前: Cheshire (ID: f7CwLTqa)
***
「理人っ!」
「はいっ!?何!?」
俺と空悟は音に気をつけながらできるだけ早くプール更衣室まで辿り着いた。
女子更衣室に躊躇うことなく入るなり、周りに聞こえない程度の大きさの声で理人を呼んだ。呼ばれたほうの理人は突然の出来事に素っ頓狂な声をあげる。
「お前、無事か!?」
理人を見つけるなり、空悟は肩を掴んで安否を確認をした。よく分かっていなさそうな理人は、首を傾げながらも「お、おう・・・」と言っている。
「どうしたんだよ、そんなに慌てて・・・。ていうか時間なら早く帰ろう。電車がなくなっちゃうから。今狛くん連れてくるね。帰ってからみんなに話すことがたくさんあるんだ」
それなりの収穫があったらしい。
そういえばさっきから社井が見当たらない。理人が向かったのは外への出口だったため、暗さにやられて外に行ったことが分かる。
・・・・外?
「理人!社井は外に行ったのか!?」
「え?うん、狛くんは暗いところが駄目だから・・・」
外にいたりしたら、外にいるあいつに見つかる!!
空悟もそれを悟ったようで、呆然と立ちすくむ理人を突き飛ばして出口へと向かった。
動揺する理人の腕を引っ張りながら、俺も外へと急ぐ。
少し遅れて外に出た俺たちが見たのは裏門のほうを見つめて立ちすくんでいた空悟の姿、
・・・だけだった。
「あれ、狛くんは・・・?」
後ろで理人の疑問の声が聞こえる。
一番避けたかった事態が起こってしまった。ただそれだけ俺は理解できた。
「・・・見ろ」
いつもの空悟からは考えられないようなくらい低く、暗い声での指示を、俺と理人が聞かないわけもなく。
空悟の視線を追って目を向けると、階段の上に落ちている俺のライターが目に入った。
あの真面目な社井が、人からの借り物をそこらへんに落とすわけがない。
・・・つまり、そういうこと。
俺と空悟は俯き、自分たちの不甲斐なさを感じることしかできなかった。
もっと早く、気付いていれば。
もっと早く、理人たちに伝えていれば。
そんな幾多の後悔に苛まれる。
「え、ちょっと、待って。狛くんは?」
未だに状況についていけてない理人が、慎重に、それでも焦るように俺らに説明を求めている。
そうだよ。理人たちに侵入者のことを言ってないじゃないか。
だからこんなことになったんじゃないか。
「・・・俺らの他に、侵入者がいたんだ」
たったこれだけの言葉で、顔を青ざめることができるほど理人は頭が働くのに。
どうして、俺は・・・・。
侵入者が分かった時点で、追わないで理人たちのところに行けばよかった。
自転車置き場で警備員に見つかった時点で、校舎じゃなくてプールの方に逃げていれば・・・・・。
・・・自転車。
「空悟、自転車だっ!」
俺は自転車のことを思い出し、つい声を荒げてしまう。
俺の言葉で、空悟もそのことを思い出したように目を見開いた。
何かを言おうと口を開いたが、再度閉じて数秒黙ったあと、裏門を静かに開ける。
「外から見よう。今中にいても、どうしようもない」
冷静な判断だった。また渡り廊下を通ってどたばたと音を立てるよりは、外にいたほうが何かと都合がいい。
社井が連れ去られたかもしれないというこの状況下でも、空悟は冷静だった。怖いほどに。
呆然とする理人を引っ張りながら、俺たち3人はとりあえず学校から出る。鍵については後で榊が閉めてくれるらしい。
俺は学校外に出てすぐ、自転車置き場の門へと向かった。
普通に考えて、あの自転車は今回の侵入者のもののはずだ。今思えばあのバッグは人1人が入れるくらい大きかった。体の線が細い社井やそこらの女の子なら余裕で入る。あれは、もしもの場合に人を拉致したときに使用するためのものだったのかもしれない。
後ろから追いかけてくる2人の足音を聞きつつ、俺は一番早くに自転車置き場へと辿り着く。
門の鍵は閉まっていた。ということは、自転車置き場の鍵を所有している人物と考えていい。
閉まっている門を蹴破るのは容易いが、そんなことをしてしまったらそれこそ今までの行動が水の泡だ。俺は門の向こう側を覗き込んで、自転車の有無を確認する。
・・・やっぱり、なかった。
息を呑む音が、俺以外にも聞こえた。
そうか。俺らが焦っていないのは、まだ信じ切れてないからだ。
社井が連れ去られたなんていう、非現実的な事態に対応しきれていない。どこかでまだ、社井がそこらにいるんじゃないかと思ってしまう。
近くに水を飲みに行っていたのかもしれないじゃないか。別に連れ去られたとは限らないじゃないか。
でも、侵入者の存在を一番知っているのは俺だ。体育館倉庫から見て、聞いて、そして自転車を発見した。
俺がもっと早くにみんなに伝えていれば、こんなことにはならなかったかもしれない。
今からがむしゃらに社井を探すと言っても、学校内はもう無理だ。近場ならまだ何とかなるかもしれないけど、あまりに範囲が広すぎる。
つい誰も言葉を発せなくなってしまう。
多分、それぞれに思うことがあるのだろう。けど、それはきっと全て後悔だ。
俺の場合は、もっと早くに伝えていれば、というものだが、逃げ道用として裏門の鍵を開けたのは空悟だ。これは俺の予想だが、外にいた侵入者がプールの近くにいた社井を見つけて危険視し、拉致できたのは近くの裏門の鍵が開いていて中に入れたからだ。空悟のせいでは全くもってないのだが、あの性格なら自分を責めるのもおかしくはない。それに、どういう経緯だったかは知らないが、社井に外にいることを許したのは理人だろう。社井が理人に何も言わずに外に出るとは思わないし、俺らが来たときの理人の対応からしてそんな感じだった。
全員に非がある。これは誰か1人のせいではなく、全体で背負うべき責任だ。
・・・だが、だからといってずっとここで呆然としていていいはずがない。
「真さんに連絡しよう」
一番早くに行動を起こしたのは理人だった。
またまた、文字数が余ったので少々雑談を。
この頃学校の先生って、無闇やたらに慎重になりすぎてませんか?
普通、顔色が悪いだけで早退したくないって言っている健気な生徒を早退させますか?
学校で倒れたからって保護者が怒鳴り込んでくるようなモンスターペアレントだったらそれは相応な対処なんでしょうけど、全員が全員そうってわけじゃないと思うんですよね。
あー・・・受けてないぶんの授業のノート・・・。帰ってきたくなかった・・・何かと面倒だし・・・。
それにうちの担任夕方になると必ず電話してくるんですよ・・・いや、いい先生だということは知ってます。が、・・・男だしなー・・・。何か軽い拒否感が。
もーやだ!
とか、チェシャの現在進行形の心情を語ってみました。w
コメントくださいっ!この頃全然話が進まなくてどうしようかと焦ってるんです・・・アドバイス欲しいです!可哀相なチェシャをどうにかしてくださいっ!!!
もう、本当・・・話が進むの遅くてごめんなさいです・・・もうそろそろ鬱陶しいですよね、はい、分かってるんですよ、チェシャも。なんだけど、馬鹿なチェシャはどうしたらいいのか分かんないんです・・・。
その他ご意見イラスト全て大歓迎ですっ!!参照してくれてる優しい皆様方、どうかどうかよろしくお願い致しますww
あと30文字!とか言ってる間に、文字数オーバーなっちゃいました
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