複雑・ファジー小説

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OUTLAW 【6ヶ月ぶりの更新ですっ!!ごめんなさいっ】
日時: 2014/05/07 00:17
名前: Cheshire (ID: f7CwLTqa)

ちわちわー、Cheshireって書いてチェシャって読みますww

んーと、誤字脱字、文が変ということがあった際は、スルーせずに言ってください、お願いします。

あと、更新が不定期です。まぁ、暇なんで、多分早いとは思いますが、遅くなるかもです。すいません

あとあと、もうお話自体が下手だと思いますが、どうぞ飽きないで読んでください。

コメント、アドバイス、イラスト、その他もろもろ大歓迎ですwwというか、ください。ください。大事なことなので2回言いました。



OUTLAW


<プロローグ>

>>1

<ハジマリ>

>>18 >>25 >>30 >>33 >>38 >>40 >>41 >>43 >>44 >>49 >>50 >>51 >>56 >>57

<JUNE>

>>86 >>87 >>88 >>90 >>93 >>94 >>95 >>99 >>100 >>101 >>111 >>116 >>121 >>125 >>128 >>131 >>134 >>138 >>139 >>140 >>144 >>145 >>146 >>147 >>148 >>149 >>152 >>159 >>160 >>163 >>166 >>169 >>170 >>171 >>172 >>190 >>194 >>197 >>198 >>199 >>200 >>204 >>219 >>221 >>222 >>227 >>228 >>231 >>232 >>237 >>240 >>248 >>253 >>257 >>258 >>261 >>263 >>266 >>267 >>269

<番外編1>

>>72 >>76 >>77 >>78

<番外編2>

>>79 >>82

<サブストーリー>

サブストーリーは、チェシャではなくキャラクターをくださった皆様方がそれぞれのキャラクターを主として、書いてくださったお話です

葉隠空悟編 >>201 >>202 >>211 007さん作

阿九根理人編 >>217  ルル♪さん作

社井狛編 >>179  ルゥさん作

黒宮綾編 >>187  朝比奈ミオさん作


<登場人物>

矢吹真夜、篠原梨緒 >>21

高嶺真 >>39

葉隠空悟 007さんより >>5

杵島灯 金平糖さんより >>3  

阿九根理人 ルル♪さんより >>6

社井狛 ルゥさんより >>19

璃月那羅 雷羅さんより >>22

榊切 橘椿さんより >>11

黒宮綾 澪さんより >>64

天内小夜 ブルーさんより >>10

皐 ミケ猫さんより >>8



Re: OUTLAW 【んーと、いろいろ受付中?w】 ( No.138 )
日時: 2013/04/10 23:20
名前: Cheshire (ID: f7CwLTqa)

 俺の部屋は、梨緒の隣にある。半ば強制的に決められたのだ。別にどこでもよかったので構わないんだけど。

 部屋の直前まで一緒に来て、梨緒は何も言わずに自分の部屋へと入っていった。

 何だったんだろう?と思いつつ、俺も自分の部屋に入る。

 アウトロウに来た次の日、俺は真と一緒に家具を一式揃えるために買い物に行った。真のあの大量の金は一体どこから出ているんだろう、と思ったがあえて聞かないでおいた。

 棚に机に椅子にベッドに間接照明、カーテンにカーペット、そしてちょっと我儘を言ったパソコンと音楽プレーヤー。など。あと多少の服があったかな。

 部屋、に必要だと思うもの全て、真が買い揃えてくれた。・・・決して安いものを選んだ覚えはないのだが、真は全部笑顔で支払ってくれた。

 携帯1個しか持って無くて、所持金が0円だった俺にとってそれはかなり有難いことだった。

 一応白か黒に統一したため、かなり単調な部屋になってしまったが俺はこれくらいが丁度いいと思っている。

 他の奴らの部屋がどうなっているのかは知らないが、まぁこんなもんだろう。

 引越しでもした気分だけど、そういうわけじゃないんだよなぁ、といつも思う今日この頃だ。

 堅苦しい制服をベッドの上に脱ぎ散らし、・・・思い直して畳んで重ねる。洋服ダンスから適当に服を引っ張ってきてラフな格好に着替えた。まぁ、これなら外に出てもいいだろう。フードもあるし、今夜はこれで行こう。ただ着替えるのがメンドイだけだけど。

 にしても、この間の買い物かぁ・・・。と、璃月にお礼を言われたおかげで、俺はあの日のことをベッドに寝っ転がりながら考えていた。

 梨緒を見つけたきっかけになったあの歌。帰ってから調べてみると、あれはかなりマイナーなアーティストの曲だった。

 別にそんなことはどうでもよく、俺が気になるのはあの声。

 俺は歌が得意なわけでも好きなわけでもないが、一般人目線からしてあれはそこらに転がっている歌手より上手いはずだ。だからあの場にいた人々は足を止めて聞き入っていたのだろう。

 思い出すだけでも心が揺れる。

 だけど、梨緒の歌唱力のことは他の奴らは知らないようだ。何であんなに綺麗なのに、誰1人知らないんだろう。

 と、1人考えたとき、バタンといきなりドアが開いた。

 ・・・またか。

「おい、梨緒。朝も行ったけど、ここはノック必須」

「そんなの知らないわ」

 俺はこの会話を何回繰り返せばいいんですか?あれか?こいつは「ノック」という言葉を知らないのか?・・・んな訳ないか。

 何でこいつが俺の部屋に来たんだか知らない。けど、ここ数日なんでかこれが日常になってるし、着替え中に入ってきたりしたころはないから別にいい。でもそのうちそうなるかもな・・・。気をつけよう。

「何、何か用?」

「用がないと来ちゃいけないの?」

「いや、そうは言わねぇけどさ」

「じゃあ、良いじゃない」

 いつもこうだ。いいように言いくるめられて終わる。もういいけどさ、諦めたけどさ!

 というか、何でこいつはこう、丁度いいタイミングで来るんだろう。

「なぁ、梨緒。お前さ、こないだ歌ってたじゃん?」

「そうね」

「また歌ってくんない?」

「嫌」

「え、何で!?」

 あんな大勢の人の前で歌ってるんだから、普通に歌ってくれると思ったのに。

 嫌、って即答されたらなぁ・・・無理強いはできないし。

「あまり歌ったことないの」

「え?だってあんなに上手だったじゃん」


「私、あれが歌うの初めてよ」


「・・・は?」

「私、あれが歌うの初めてよ」

「え、嘘」

「私、あれが歌うの初め「もういい、分かった」

 いや、分かってない。

 嘘だろ。歌うの初めてって、3歳児か。

 学校の音楽の授業とかどうしてたんだよ?いろんな意味でありえないだろ。

 でも、もしも梨緒の言い分が正しいとして、あれが初めて歌うのだとしたら、こいつは紛れも無い天才だ。

「真夜は、私の歌聞きたいの?」

「あ?あぁ、まぁ、そうだな」

「むー・・・」

 お、何だ。歌ってくれる気になったのか?

「・・・やっぱりやめた」

「えー・・・」

 期待しちゃったじゃねぇかよー・・・。まぁ、仕方ねぇか。無理矢理ってわけにもいかねぇし。

 梨緒は無表情のまま俺の元へ歩いてくる。ベッドから身を起こすと、梨緒は俺のベッドに背を預けるようにして床に座った。

 改めて気付いたことだが、梨緒は制服から普段着に着替えていた。フードは変わらず梨緒の頭を覆っているが、制服とは違う可愛らしさを感じる。

 せっかく可愛い顔してるんだから、フードなんか被んなきゃいいのに。勿体無い。

 でも個人の自由だし、押し付けるのもよくない。

「真夜は、何か歌わないの?」

「俺?いや、俺は歌上手くねぇし」

「私も下手よ」

「何言ってんの、お前馬鹿?」

 お前が下手だったら、世の中全員下手だろ・・・。


「お前の歌は綺麗だよ、凄く」


 じゃなかったら、あんなに人集まんねぇし。

 俺の言葉を聞いた梨緒は、1度きょとんとしたあとに嬉しそうに笑ってくれた。

「ありがとう」

 もうこっちがありがとうだよ。そんな顔見せられたら嬉しくなっちまうだろうが。

 でも、何でみんな知らないんだ?聞かせたやりたい気分なんだけど、今ここで歌わないやつがみんなの前で歌わないだろうな。

 勿体ねぇな・・・こんなとこでこんなことやってる場合じゃねぇんじゃねぇのか?まぁ、それは困るけど。

「あ」

 と突然、梨緒が声をあげた。

「ちょっと待ってて」

 いきなり立ち上がった梨緒はそのまま躊躇いなく俺の部屋から出て行った。

 ふと、廊下のほうからドアを開ける音がして、梨緒が自分の部屋に入ったことが分かる。

 瞬時の出来事についていけない自分がいる。何だろう、梨緒は何をしに行ったんだろう。

 数秒の間、俺は何もせずにただ呆然としていた。するとすぐに梨緒は帰ってきて、その手には小さな紙切れを持っていた。

「これ、空と優が真夜に渡せって」

 梨緒が差し出してきた紙を受け取り、開いて見るとそこに書いてあったのは達筆な字で書かれた2つの名前とメールアドレス、そして電話番号だった。

 一目で分かる。これは姫路と優の連絡先だ。

 直接渡せばいいものを。

「分かった、ありがとな」

 自分の携帯を取り出し、連絡帳に姫路空と姫路優を登録する。

 何か・・・連絡帳のスクロールが伸びたな。

 前は、5人にも満たない程度だったのに、今はアウトロウのメンバー8人と姫路たち、合わせて10人も入ってしまっている。倍以上の数って、凄いな。何か。

 友達に携帯使うときなんてそうそうなかったのにな・・・。

 今更になって、解放されたことを実感した。

 もう俺を縛るものは何もないんだ、と。自由にやっていいんだ、と。いつもあの人のことを考えていなくていいんだ、と。

 そう言われている気がする。

 喜ばしいことなのに、気持ちが晴れないのは何でだろう。やっぱり、中途半端に投げ捨ててしまっているからかな。

 本当なら今はけじめをつけなくてはならないのに、自分の罪を責められるのが嫌で押し付けてしまっている。

 そんな俺が、こんな奴らと一緒にいていいのかな。

 ・・・駄目だ。もう戻れないんだ。今更気にしたって仕方が無い。

「真夜?どうしたの?」

 少しの間考え込んでしまっていたようだ。異変に気付いたらしい梨緒が俺の顔を覗き込んでくる。

 そのことにまた、俺は胸の奥が痛む感覚を覚えた。






















Re: OUTLAW 【んーと、いろいろ受付中?w】 ( No.139 )
日時: 2013/04/13 18:12
名前: Cheshire (ID: f7CwLTqa)

「何でもねぇ」

 さすがに今のはあからさまだっただろうか。でも、視線を合わせていられなかった。

 梨緒は訝しげに俺のことをじーっと見つめたあと、「そっか」と言いながら立ち上がった。

 多分、今のは梨緒なりの気遣いなんだと思う。・・・でも、そんな優しさですら、


 苦しい。


 ここまで来て、あの人のことを思い出すとは思わなかった。

 気にしても仕方が無い、と頭では理解しているのに、何だろう、長年の経験からか身体が異常に反応する。

 ・・・あぁ、そうか。今が7時前だからだ。

 だからあの人のことを思い出してしまうんだ。

 それかあれか、数日経って俺の中に何かしらの余裕が生まれたのか。

 例えば、ここまで来ればもう見つからない、とか。

 いろんなことが重なって、あの頃を思い出しているのか。


 ・・・耳が、痛い。


『痛っ・・・や、めて・・・・お願い、お願いだからッ!!   !』


 聞きたくない。リピートなんかしなくていい。

 思い出すな。もう大丈夫。解放された。大丈夫。もうないから。あの痛みはもうないから。大丈夫。大丈夫。


 そうだよ、だって、あの人は、俺が。・・・俺が。

    、        。

「冷たっ」

 突然、首筋に冷たいものが触れて、反射的に声をあげて首に手を添えた。

 そのおかげで、俺の思考回路は中断されてしまった。

 気付けばすぐ隣に梨緒がコップを持って俺のベッドの上に座っていた。場所から見て、俺の首に当たった冷たいものはこのコップだ。中に氷が入ってればそりゃ冷たい。

「何すんだよ」

「お水、飲む?」

 やっぱり会話が成り立たない。最早成り立たせようと思ってはいけないんだろうか。

 でもとりあえず、喉は乾いていたので差し出されたコップは受け取る。

 6月にしてはかなり冷えているようで、俺の汗ばんだ手には気持ちよかった。

 気付けばもう片方の手にもコップは握られていて、飲む?という質問にそんなに意味がなかったことを理解した。

「青い色って、何なんだろうね」

「は?」

 突然何を言い出すんだろう。相変わらず突拍子のない奴だ。

「ほら。このコップの水、青に見えない?」

 そう言いながら、梨緒は俺を後ろへ引っ張ってきた。ベッドの中央に座る梨緒と足を床に下ろして座る俺では多少の距離があったらしい。後ろに倒れさせられた俺は布団の上ということをいいことに、ただ脱力して身を任せた。

 自分のすぐ横に倒れこんできた俺の目の前に梨緒は自分が持つコップを差し出す。

 ・・・まぁ、確かに青く見えないこともない。でも分かっているか?俺だって同じ種類のコップを持っているんだぞ。

「見えるけど?」

「でも、水自体は透明でしょう?」

「そうだな」

「じゃあ、青ってどこにあるんだろう?」

 ・・・えーっと?

 また抽象的な質問が飛んできたなぁ・・・。

「植物の世界に存在する青は極めて少ない。青い花がないわけではないけど、そのほとんどは人による品種改良によるもので、自然に生まれる青はほとんどないの。空や海は青いというけれど、あれは光がレーリー錯乱により青い光を発しているからに過ぎない。・・・ねぇ、青はどこにあるの?」

 言われてみると、そうだな。

 随分多くの人に慕われる青という色はこの世のどこにあるのだろう。色の原点なんて考えたこともなかったけど。

 青、って言われて思い浮かぶものは結構あるけど、こんな風に説明されてしまったら納得せざるおえない。

「一応サファイアやラピスラズリなどの鉱物の青は原子で成り立っているはずだから、青、というものがないというわけではないけど、たかが色一色を証明するために原子レベルまで遡ってしまうなんて不思議な話ね。こんなに近くにあるのに、私たちは全く青という色を理解していないわ」

 上で喋る梨緒の声は、どこか憂いを成してて色っぽい。妙に大人っぽく感じて、同い年とは思えなくなってきた。

 近くにあるのに、その正体が分からない。目の前の猫のようだな。

「私の中で真夜はまだ、青ね」

 聞き方によっては失礼しか聞こえないその発言でも、俺は思考を巡らせることができた。


『・・・あなたは何色に染まりたい?』


 梨緒と一番最初に出会ったときのことを思い出す。

 俺はまだ梨緒の中で、近くにあるのに理解できていない、という存在なのだろう。実際のところ、俺の中での梨緒も、青だと思う。

 なら俺は、梨緒に何色だと思われたいんだろう。または、梨緒を何色と思いたいんだろう。

「・・・じゃあ、お前は俺を何色にしたいんだよ」

 何を梨緒に求め、求められたいんだろう。

 今はまだはっきりはよく分からない。

 梨緒も、俺の質問にはすぐに答えられないらしく黙ってしまった。

 部屋の中に何の音もない。俺は梨緒を見上げ、梨緒は俺に視線を落とすだけ。

 たった瞬間的な出来事だったかもしれないけど、この時間が何だか長く感じた。

 梨緒のこの真っ直ぐな目に今映っている、何だかそれだけで俺は動けなくなってしまったんだ。

 それから梨緒は少しだ俺から視線を外して、小さく口を開いた。


「そんなの、知らないわ」


 ・・・え。

 一応シリアス的な雰囲気だったはずなんだけど、梨緒のその一言で空気がガラリと変わってしまった。

 でも、再び俺の目を見つめた梨緒は、ふざけているようには見えなかった。

「自分が何色になるかは、自分で決めることよ」

 梨緒は、逆さから俺の顔に手を添えてきた。ひんやりと冷たくて、妙に身体が強張るのを感じる。

「色は自分で決めていい。私は、真夜が決めた色を染めるのを手伝うだけ。自分で決めていいのよ」

 自分で、決める・・・か。

 そうだな、俺は今までそういった当たり前なことをしてこなかったのかもしれないな。

 今までの俺は、強制的に全てを決められていて、・・・そしてそれを自分の意思で拒んでこなかったんだ。

 馬鹿馬鹿しいな・・・笑っちまう。

 何も考えてなさそうなのに、梨緒は案外いろいろ考えてるんだな。

「真夜」

「・・・ん、どうした?」

 少し気持ちが晴れた気がした。

 あの人も、あの痛さも、午後7時前という時間帯も、きっと俺は忘れることはできないだろう。

 それでも少しでも、俺を縛る鎖はなくなったんだから、少しくらい・・・な。

「何か食べたいわ」

 こんなに自由奔放で気まぐれな猫みたいな奴のおかげっていうのはあまり釈然としないけど、嫌って感じは全くしないのが不思議でたまらない。

 ・・・さて、じゃあ、俺は手に入れた日に当たれる世界で、自分の色を決めていくことにしよう。

「あとちょっとで夕飯だから待ってろ、馬鹿」

***

「理人、今何時?」

「8時54分」

 俺、空悟、理人、社井の4人は、千歳区から電車に揺られて多岐谷区まで来ていた。そして、ここは高嶺高校に近い公園内である。

「じゃあ、そろそろ行くか」

 理人に時間を確認した空悟は座っていたブランコから立ち上がる。反動でブランコが揺れて、序所に揺れが小さくなっていった。

 7時に帰ってきた杵島も交えて全員で夕食を食べた後、俺ら4人は準備をして理人の言ったとおり8時半にアウトロウを出た。

 少し急ぎ目に歩いて乗った電車は8時33分発。多岐谷には8時46分についた。

 が、まだ学校裏に車が止めてあり、中に教職員が残ってるということが分かった。全く、教師という仕事は面倒なものだ。9時には全員帰るということなので、俺らは一先ず近くの公園で待機することにした。





















Re: OUTLAW 【んーと、いろいろ受付中?w】 ( No.140 )
日時: 2013/04/18 21:05
名前: Cheshire (ID: f7CwLTqa)

更新が随分遅れてしまってごめんなさいっ!!

こういう捜索系は書いたことがなくて苦手でして・・・。
もっと臨場感とか出したかったんですけど・・・ごめんなさい、この機会に練習します。

よろしければ、アドバイスなどくださいっ^^


では、つづきを。















 別に5分くらいいいじゃないか、と思うのだが、そういうわけにもいかないらしい。

 普通に時間を潰していたから、まるで遊びの約束に遅れてきた友達を待っているかのようだったが、俺らはこれから学校に忍び込もうとしているのだ。そう思うと、俺は今更になって緊張してきた。

 生徒行方不明事件の第三被害者如月美羽が金曜日の放課後にプールの女子更衣室にいた痕跡、または他のものの何か。もしかしたら空振りに終わるかもしれないが、逆を言えばヒットするかもしれないという可能性もある。どっちにしろ、油断は禁物となるだろう。

 実行犯が理人と社井で、空悟が見張り役、そして俺がおとり役の役割だ。

 全員フードつきの服を着ていて、学校に入ったら深く被るらしい。未だにどこから入るのかさえ分かっていない俺は、みんなの言うことを鵜呑みにするしかなかった。

 公園を出て、学校へと向かう一行。

 空悟と理人は今から学校へ忍び込む奴らとは思えないほど普通に会話していた。何度かやってれば慣れるもんなのかな。

 一方、社井はというと、先ほどからどこかそわそわしていた。

 その理由に俺は思い当たる節がある。

 多分、璃月のことだ。

 俺らが家を出るとき、璃月は社井に抱きついて全く離れようとしなかった。今日初めて知ったことだが、璃月はアウトロウの活動意外では毎日9時・・・遅いときは10時に絶対に眠るらしい。高校生とは思えないほど早いが、それより驚くことに毎晩社井に寝かしつけられているという。

 家を出ようとしたのが8時半前。つまり、今日は璃月は1人で寝なければいけないことになる。

 そんなの普通じゃねぇか、と言いたくなるが、今までの璃月の行動を見ていたらそれも言えなくなってしまう。

 何とか社井が璃月を説得し、外に出ることはできたのだが、社井も璃月のことが心配らしい。

「おい、大丈夫か?」

 見るに見かねて社井に声をかけると、社井は困ったように笑いながら俺を見上げてきた。

「すみません・・・心配をかけてしまって。大丈夫です」

「璃月のことか?」

「まぁ・・・はい、那羅ちゃんのことも心配です。ちゃんと寝れているか・・・明日学校なのに」

 ・・・那羅ちゃんのこと、も?

 ずっとそれで悩んでいると思っていた俺は、他にも理由があることに少し驚く。

「他に何かあんの?」

「えっと・・・恥ずかしいんですけど、僕、ちょっと暗いところが苦手でして」

 視線をずらし頬を赤く染めながら自嘲気味に笑う社井は、どこからどう見ても女にしか見えなくて多少複雑な気持ちになる。

 こいつは男だ、と自分に言い聞かせ、深呼吸。

「暗所恐怖症、ってやつ?」

「はい、そんな感じです」

「それ大丈夫なのか?更衣室、きっと電気ついてねぇぞ?」

 電気なんかつけてしまったら一発で警備員に気付かれてしまうからな。

 というか、俺が寝るときまで社井の部屋の電気がついているのって、そういうことだったのか。もしかしたら、あれは起きているわけではなくきちんと寝ていたのかもしれない。俺より遅くまで起きているのか、といつも気になっていた。

「そうなんですよね・・・15分で終わりますかね?」

「さぁ・・・場合によるからなぁ」

「ですよね」

 苦悶の表情が浮かんでいた。変わってやりたい気もするが、こいつを警備員の前に出させるほうが危ないと思う。

 如月美羽の知り合いである理人は実行犯であったほうがいいだろうし、自分から申し出た空悟に頼むわけにもいかない。さて、どうするかな・・・。

 にしても、今だって夜で暗いわけなんだが・・・夜の暗さは大丈夫ということだろうか。暗所恐怖症についてはよく分からない。

「あのさ、小さい灯りか何かがあったら平気なの?」

「え?あぁ、はい、多分・・・ずっと、となると無理でしょうけど、時間は稼げるかと・・・」

「社井、火って大丈夫?」

「火?」

「あぁ。今俺灯りっていうとライターくらいしか持ってなくてさ」

「いえ、そんな矢吹さんに申し訳ないですから」

「別に、今回はライターなんて使わねぇだろ?平気だって。貸してやるから、暗くなって辛そうになったらつけろよ」

「でも・・・」

「いーから。持ってけって」

「・・・ありがとうございます」

 半ば無理矢理に社井にライターを持たせた。梨緒と違って社井はきっとドジしねぇだろうし、ライターを持たせても大丈夫だろう。

 昔、1回だけ使ったことがあるそのライターは、携帯と一緒にポケットに入っていた代物だった。先ほど着替えた際にポケットから落っこちてきた。

 タバコとかは吸わないから、持っていても仕方ないのでどうしようかと思っていた矢先にこれだ。こう思うと、持ってるといいものって案外ありそうだな。

 丁寧に俺にお礼をした社井は、ズボンにライターを仕舞う。さっきよりは顔色もよくなった気がする。余程怖かったのだろう。

 そうこうしている間にだんだん高嶺高校に近づいてくる。多分あと2,3分で9時になることだろう。さっき見たときより大分車の数も減って、学校自体電気が消えつつあった。

 夜の学校、というのは何かとそそるものがあるが、いざとなると多少冷や汗をかく。しかもプールだなんてありきたりな。

 体育館、プール、校庭は校舎とは違って1つしかない。というかそれが普通だ。校舎の南側に校庭があり、北側に体育館、さらに向こうにプールがある。校舎、体育館、プールは渡り廊下で繋がっているらしい。

 そして、ついさっき知ったことだったが、高嶺高校の校庭の一角には林のように木が多い茂っているところがある。ビオトロープと呼ばれるところで、理科の実験を行ったり、学生たちが昼食をとったりするところらしい。そこは学校を囲う外壁が途切れ、一般人でも利用するところができる。外側へと近づくとだんだん小道が増えてきたり椅子が設置されていたりして、一種の公園とも言えるだろう。

 俺らはそんなビオトロープの近くに来ていた。確かにここならまだ学校に忍び込んだことにはならない。見つかっても何とでも言い逃れができるはずだ。

「とりあえず、9時を完全に回るまで待とう。警備員が散らばってくれたほうがいい」

 空悟は俺らにそう声をかけて普通に椅子に座った。9時といえど、誰が通るか分からない。仮にも一般人を装うつもりらしい。理人と社井は少し離れた椅子に座って喋っていた。確かに4人で固まっているより目立たないかもしれない。

「ここからプールって逆方向だぞ?」

「あぁ、でも仕方ないんだ。あんな高い外壁越えたら返って目立つからな」

 確かに見つかる可能性が高いほうより、少し遠回りをしたほうがいいかもしれない。

 でも・・・

「遠回りをしてたら見つかる可能性も大きくなんじゃねぇの?」

「・・・あぁ、そうか。真夜はまだ初めてなんだったな、つい」

 どういう意味の「つい」なんだろう・・・と不思議に思ったが、何となく聞かないでおいた。

























Re: OUTLAW 【んーと、いろいろ受付中?w】 ( No.141 )
日時: 2013/04/18 21:41
名前: ルゥ (ID: r7R/hJB6)

はわわわ(≧∇≦)
真夜くんが優しい!
真夜くんがデレるのは梨緒ちゃんだけかt((殴

……はい、すいません。
これはデレじゃないですねww優しいです。普通に
てか、狛と一緒に寝てる那羅ちゃん可愛いww
9時就寝ってとこは僕と同じかwww
大丈夫だよ那羅ちゃん!僕も高1で9時就寝だからっ!←

Re: OUTLAW 【んーと、いろいろ受付中?w】 ( No.142 )
日時: 2013/04/18 21:49
名前: Cheshire (ID: f7CwLTqa)

コメントありがとうございます!w


基本的に真夜は面倒見のいい性格ですからねwww

那羅ちゃんをできるだけ可愛く可愛く、と思って書いてると、こうなりましたw 大丈夫でしょうか?


今回のように更新が遅れるときもあるかとは思いますが、これからもよろしくお願い致します^^


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