二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 機動騎士ガンダムInceptor(インセプター)
- 日時: 2015/07/25 13:01
- 名前: Laevatain (ID: rZuUN0S4)
- 参照: http://laevatain1408.blog.fc2.com/
今までのガンダムシリーズ(主に一年戦争以降からの時代観)を踏襲して
作成したガンダムの二次創作になります。
作成者は妄想大好きなおじさんです。
こんなつたない小説ですが、お付き合いいただければと思います。
STORY
かつて、人類は母なる大地「地球」を方舟に生活していた。
だが、その過剰な人口はやがて「地球」を取り合い、争いを引き起こした。
そして宇宙に生活圏を拡大させてもなお、「地球」をめぐる争いは終わらなかった。
やがて「地球」は人類の手によって汚染され、醜くなっていった。
人類は相談し、「地球」を巣立ち、新たな新天地「火星」に生活圏を移す。
それから約2世紀。
銀河系第35宙域管轄コロニー「サイドアルファ」。
ここにコスモポリスとして従事する青年「アレス・ウィザール」
彼と1体のMSの出会いから、全ての歯車は動き出す。
絶望の運命を希望の未来へ変える歯車が・・・。
—人は、誰かを守るために、「騎士」となる—
用語
セカンド・ノア(第二の箱舟)
第二の地球。火星をテラフォーミングし、地球と同じ環境にした惑星である。
ロスト・ガイア(失われた楽園)
過去の地球。過去の大戦やMSによる戦争により、自然環境コントロールが乱れ、化石燃料は
潰え、汚染されて人類が住めなくなった地球。火星移住から2世紀後、大気は完全に無くなり、
かつての青く美しい星は黒ずんだ地表が見える無残な姿となった。
GU(ギャラクシーユニオンズ:銀河連合同盟)
銀河惑星間での統治が進み、各惑星の政府による政治・法律上におけるルールを確約させる
政治機関。とどのつまり現代の国際連合。
現在は革新派(自由な未来と悪質企業の根絶を訴える派閥)と穏健派(現在の企業紛争を
黙認する派。闇献金を受け取る悪質な議員が多い。)の争いが激化している。
企業
地球時代における国がつぶれてから、企業が力を持つようになり、もはや企業が惑星政府と
同じ権力を持つようになった。それにより、圧政や重労働なども問題になり、
GUが企業の暴走を抑えようと奔走している。しかし、反発する企業も少なくは無い。
現在は各企業間における未統治惑星の資源獲得戦争や紛争が後を絶えない。
そのため、軍備拡大を急ぐ企業が増えつつあり、各企業がGU軍へ宣戦するのではと危惧されている。
そしてそれは、30年前の第一次企業戦争により現実のものとなった。
コスモポリス
GU管理下の宇宙警察機構。
オーディン
GU軍第01強襲攻撃部隊。
革新派の傘下軍であり、自由を目指し戦う軍。市民からはヒーロー扱いされている。
母艦はたった1隻だが、その実力は計り知れない。
母艦は強襲戦闘艦「バハムートゼロ」
プロジェクト ライト&ダークネス(光と闇の機兵計画)
「第二次企業戦争」において、アライアンズに対抗すべく計画されたGU軍極秘新型MS開発プロジェクト。
ライトサイドとダークネスサイドのコンセプトから成り立つ。
ライトサイド セイントガンダム
ダークネスサイド ナイトメアガンダム
この二機のMSを基盤に、アライアンズ撃破のきっかけを生み出そうとしていた。
このプロジェクトの進行部隊はオーディンである。
企業戦争
企業がGUに反発し、起きた戦争。
第1次企業戦争では、全企業が一斉に武装蜂起し、GU軍との全面戦争となった。
GU軍が市民の安全と自由を主張し、企業側が利益の優先、そのための人命の犠牲は必要経費だという反論。
もちろん企業の横暴を市民が許すはずが無い。各企業の従業員は一斉にボイコットしたため企業側の戦力補給がストップ。
企業は窮地に立たされる。
そして企業は、禁断の大量破壊毒物兵器による非人道的な虐殺を敢行。サイドクスィーとサイドツェーラを毒殺し、壊滅させた。
この悪行により世論は大激怒。GU軍はこの後押しもあり、ついに企業側を屈服させる。企業側も降伏を宣言。
これにより、18年間に続く第1次企業戦争は終幕した。
それから10年後、ちりばめられた解体企業を収束させて、新たに3つの大企業が設立される。
その企業達が軍事同盟と産業通商同盟を締結。組織名をアライアンズとする。
アライアンズは、約2年前にGU軍に向かい「復讐のときは来たれり!」と宣戦を布告。
こうして、第2次企業戦争の火蓋が切って落とされたのだった。
モビルスーツ
宇宙開発時代と呼ばれる「宇宙世紀」時代において勃発した、
「一年戦争」と呼ばれる戦争により生まれた人型戦闘兵器。
宇宙の微細粒子により、レーダーなどの無視界戦闘が不可能となった本戦争にて、
有視界戦闘の基盤を確立させた兵器でもある。
特に後述する「ガンダム」と、当時戦争を繰り広げた「ジオン公国」は、
歴史の教科書にその名を刻まれる程、
人類とモビルスーツの歴史を学ぶ上では欠かせない存在。
その後、様々な企業においてモビルスーツは建設用・土木作業用・宇宙開発用などが開発され、
あらゆる分野で人類の開発を支えてきた産業機械となり、今日の宇宙経済の基盤を固めている機械となった。
個人で所有するものも珍しくなく、モビルスーツは「兵器」としてではなく「ありふれたもの」として、
人々に浸透している。
ガンダム
「一年戦争」と呼ばれる、モビルスーツ最古の戦争において、
地球連邦軍が開発した高性能モビルスーツ。
さまざまな派生機種が存在する、由緒ある機体。
現在ではガンダムの特徴的なVアンテナとフェイス、G-ロンダクトプログラム
テクノロジー社が販売するGUNDAM OSを搭載した登録商標商品として流通しているモビルスーツを指す。
ガンダムは主に、フロンティアワークショップ社が
生産、販売を行っている主力商品として認知されている。
独占商品ではなく、さまざまな機種が他企業からも
進出しているが、ガンダム単体の性能では
フロンティア社の右に出るものはいない。
そのため、他企業はガンダムを上回る製品の開発に
奔走するケースが後を絶たない。
ちなみに、ガンダムは大衆の間では最も馴染み深く、
モビルスーツの象徴とも呼べる機体である。
ジェネレータ技術
ムーンレィス(∀ガンダム時代)戦乱後に始まった、宇宙開拓時代の中で新たに見つけた鉱物。
そこには、未知のエネルギーが詰まっているものだった。
その鉱物の名は「エーテライウム」。
このエーテライウムから抽出したエネルギーを「エーテネルゲンエネルギー」と呼ぶ。
エーテネルゲンエネルギーは、簡単な電気変換回路により電力へと変換される。
しかしその発電規模が、既存の化石燃料のおよそ3000倍〜5000倍に相当するものであった。
これにより化石燃料・原子力により起動されていた各機械のジェネレータは淘汰され、
エーテネルゲンエネルギー式のジェネレータ「エリクシル式ジェネレータ」へと移行される。
また、エーテネルゲンは人体への影響がほぼ無く、安全に使えるものとしての評価もあり、
瞬く間に時代はエーテネルゲンエネルギー循環型社会へと変貌する。
エーテライウムにはもうひとつ特徴があった。それは「精錬」に伴う「エネルギー付与」。
エーテライウムは加工のしやすさも売りであり、鉄などの金属の添加物にエーテライウムを数%含ませて精錬させると、
精錬された金属にエーテネルゲンエネルギーを帯びた状態で精錬することが出来るのだ。
これもあり、たやすくなおかつ大量にエネルギーの元を生産できるとして、化石燃料の枯渇に伴う人類の衰退の心配は完璧に無くなり
人類は安心して宇宙開発を行うことが出来るという現在の社会形態が確立したのである。
※この作品におけるビームサーベルは、ビームの噴出によって刃が形成されるものではない。
ビーム出力の上昇によって、ビーム噴出を維持することが
テクノロジー上不可能になったからである。
この作品でのビームサーベルは、折りたたみ式アンテナのように、
伸縮可能な棒状の兵装の表面からビームが噴出し
形成されるものである。
ビームサーベルにも耐久性があり、出力の低いビームサーベルは、
鍔迫り合いの際に負けて破損する可能性もある。
なお、このガンダムはジャンプ漫画の根源である
「努力・友情・勝利」をモチーフにしております。
何卒ご容赦ください。
ツイッターやってます。ご意見ご感想はこちらまで。
要望なども受け付けております。
上のURLからどうぞ。
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- Re: 機動騎士ガンダムInceptor(インセプター) ( No.91 )
- 日時: 2013/11/17 20:26
- 名前: laevatain (ID: nS8l1UZI)
第三十四話 娯楽産業惑星エンティニア〜繁栄の歴史と、人々の営み〜 中部1
サファール=クファールの宙域に出たアレスたち。
一戦闘あったのだろうか、MSと戦艦の残骸が漂っている。
「ふむ。どうやらあやつらが派手にやらかしたな。
まあ、掃除してくれるのはこちらとしてもありがたかったが、ちと残念だのう。
せっかく私の迎撃システムをアレス君に見せてあげられたのに…。
エリックが乗ってたヘリを、私のところまで護衛・収容していたのが、
小型戦闘艇【レッサーワイバーン】。これも、我が社の製品だ。
MSでも太刀打ち可能な仕様になっているんだ。
MAに近い形かのう?これをMSのアタッチメントとして使えれば、なにやら面白いことが出来そうなんだがなぁ。」
ゴードンが含みのある発言と共に、少しがっかりした表情。
そして、レッサーワイバーンの説明と共に、新しい武装への転用アイディアを考える。
まるで、おもちゃのブロックでロボットを組み立てては分解し、
新しい発想で物を作り出す、好奇心旺盛な子供みたいな雰囲気を、アレスは感じていた。
が、
「あやつら?」
アレスに浮かんできたのは、当然の疑問。
(知り合い関係か?リベリタス社の部隊が殲滅したのか?)
ゴードンからは
「んー、エンティニアに行けばわかるよ。焦るでないアレス君。
ヒントとして、君の大事な仲間と共に動いている、頼りになる奴らだよ。」
「うーん…?」
アレスは思い当たる節が無い。
記憶を思い出して行く中、ふとアレスに疑問が沸く。
(なんで、エンティニアに行くんだ?俺たちの目的も知っているのか?)
「あの…、なんでエンティニアへ向かうのでしょう?」
アレス、言葉を濁しながらの質問。
軍関係の機密漏洩防止の為か、言葉を選んでいるように見える。
「私にパーティーの招待状を送ったとある王子様が居てだね…。
私を【偉大なる賢者】として招きたいそうだ。
それと同時に、【この宇宙を喰らう大きな魔物の倒し方】と
【伝説の武器防具】を作ってくれと、依頼を受けたんだよ。」
「ま、まるでRPGですね…。」
まじめな回答を期待していたアレス。
少し肩透かしを喰らった気分だった。
それと同時に、ゴードンもまた言葉を濁している。
そう、アレスには感じ取れた。
それは全て、エンティニアに行けばわかるのだろう。
アレスは、そこまで深く詮索しないことを決めた。
「そうだ、アレス君。」
今度はエリックが、アレスに質問を投げかける。
「これからナイトメアガンダムのリファインモチーフを考案するんだが、君のアイディアか
君のイメージが反映されたほうがいいかなと思っているんだよ。
そこで、君にも協力してほしいんだ。
君は、これからどういう【意志】を、どういう【形】で戦っていくんだい?
教えてもらえないかな?」
アレスは、少し考えている。
(イメージか…。確かに、【死神】ではないよなぁ。
うーん。エウリスはどうだろう?)
「エウリス、お前はどういう形がいいと思う?」
ふわふわ漂うエウリスハロに、アレスが問う。
「んー、俺だったら…」
一瞬の刹那。
エウリスが浮かべた【イメージ】。
戦う【姿勢】。
その魂を宿す【器】であり【鎧】となるMSの原型。
それにピンと来たようなアレス。
「…それだ!それがいいな!
すみません、【コレ】でお願いできませんか?」
「ふむ、それは面白そうだね。
デザインや武装にも、ぜひ君の意見を聞かせてほしいな。
エンティニア到着までには時間がかかる。
今から、ここで設計図のラフ画を描いてしまおう。
ゴードン【代表】!ご協力お願いします!」
「全く…最近の若い奴はこう、生き急ぎ過ぎるっていう感じかねぇ…やれやれ。
落ち着きなさい。どれ、私もじっくりと腰をすえて、それを形にしてみようかの。」
アレスとエウリスの新しいMS開発原案を4名で語り合う中、
鯨は、宇宙の海をゆっくりと泳ぎながら、エンティニアを目指す。
- Re: 機動騎士ガンダムInceptor(インセプター) ( No.92 )
- 日時: 2013/11/30 06:33
- 名前: laevatain (ID: nS8l1UZI)
第三十四話 娯楽産業惑星エンティニア〜繁栄の歴史と、人々の営み〜 中部2
—強襲戦艦バハムートゼロ、センチュリオンズ母艦ギルガメッシュと共に、エンティニア領界内宙域へ—
バハムートゼロ内部、メインコントロールデッキ。
ここに、大まかなメンバー全員が集まっていた。
センチュリオンズは、サファール=クファールでの一件を知らない。
よって、カダリール教の巫女である、アリシアより今までの経緯を伝えることになった。
「…まさか、ロンメル老師が…?」
疑惑の声を、ズゴック=カルハリアスのコクピットから漏らすのは、
センチュリオンズリーダー オーランド=タイガー。
「…ええ、私もにわかには信じがたいのですが、ロンメル老師も恐らくは。」
アリシアの言葉には、どこかぎこちなさも伝わってくるようだ。
「…まあ、こんな満身創痍の状態で考えてもしょうがなさそうですね。
早いとこ、エンティニアに向かっちまったほうが安全かつ合理的っすね。」
タイガーは、現在のダメージや残存戦力を考慮し、提案する。
現に、バハムートゼロのMS部隊は、未だ再出撃のめどが立っていないのだ。
「まあ、ここまで来たら、エンティニアとフロンティア社の堅牢な防衛システムが待ち構えてます。
奴らが来ても、大体追っ払えますね。」
タイガーが付け加えて、もう大丈夫であると言うことをアピールする。
「長かったですね…ここまで、犠牲が多すぎました。
でも、これからです!僕らは、この道を作り出した人々のためにも、
不正と戦い、真の意味での平和を取り戻さねばなりません!」
マルスが力強い発言。
様々な戦いを乗り越え、彼もまた成長したのだと実感するような、威厳と慈愛に満ちた表情を見せる。
「…素晴らしいお考えですね、素敵です。」
アリシアからのまぶしい瞳に見つめられるマルス。
「い、いやぁ…。僕なんて、まだまだですよ…!」
マルスは女性にまじまじと見つめられるのに慣れていない様子。
それを見て、ハンカチをかじりながらムキー!っとしているのはジュピア。
「ジュピア…みっともないからやめなさいよ…。」
呆れながらも突っ込むマール。
やがて、目の前には、大きな惑星が見えてきた。
見た目は、第二の地球である「セカンド・ノア」に酷似しているほどに美しい惑星だ。
しかも、大気の色がこの周辺の太陽である「イザムナ」の発光色である青紫色に照らし出され、
美しい惑星は青紫の宝石のごとく日光を乱反射して輝き、まるで幻想的な雰囲気を醸し出していた。
「綺麗…こんな惑星があったなんて…。」
「ええ、素敵ね、サーニャ。綺麗だわ。まるで宝石みたい。」
ミーニャとサーニャが、キラキラした眼で美しき惑星に夢中なようだ。
「私たちにとっては…貴女達も宝石よおおおおおおお!」
素直な表現で美しいものを捕らえる姿勢に感動したのか、サフィアが二人を抱きしめる。
「娯楽産業惑星エンティニア。ゲルヴァニア銀河地区に輝く、通称【幸せのタンザナイト】か。」
ザックが、ふとつぶやく。
「幸せのタンザナイト?」
ダグラスの疑問。
「ああ、幸せのタンザナイトというのは、この惑星が刻んだ歴史から、この惑星で生きる全ての命に
幸せが訪れるようにと願った先人たちのネーミングメッセージだよ。タンザナイトは青紫色に光る鉱石で、
まるで青紫に輝くこの惑星を、宇宙に浮かぶタンザナイトと比喩したのさ。」
ザックの的確な返答。
「元々、この惑星には何も無かった。この惑星は、戦争によって家族をなくした者たちが、
知らず知らずのうちに集められたんだ。ここは昔、別名【ロスト・パラダイス(失われた幸せが集う庭)】と呼ばれていた。
ここに、人が住めるようにしよう、町や工場を建てよう、人を豊かにしよう、自然を豊かにしようと
小規模のNGOが、この惑星にボランティアとしてやってきたんだ。
NGOたちの協力もあり、瞬く間にこの惑星は、豊かな資源と力強い人々の絆によって生まれ変わった。
この絆の力を守りたいと嘆願したのが、企業【フロンティア・ワークショップ社】だ。
フロンティア社の協力もあり、娯楽とエンターテイメントの発祥としての地位を獲得したこの惑星は
何時しか「幸せのタンザナイト」と呼ばれるようになったんだ。」
ザックの解説により、エンティニアがどういう経緯で成り立ったかを理解できたバハムートクルー。
「あと、ここは結構なモータースポーツや、各種スポーツの聖地とも言われているっていうのは
俺も知っているぜ。ガキの頃は、モータースポーツや球技好きだったしな。
俺が好きだったのは、ギャラクシーベースボールの殿堂入り選手のベイブ=ルーカス、別名【暴れん坊ホームラン将軍】だなぁ。
あと、スペースフットボールでは、ジャパニアン人にして初殿堂入り選手のジュンスケ=ナカザワで、通算ゴールが
すっげえ数だったのを覚えていたよ。別名【ピッチの魔術師】っつって、ハットトリックをガンガン叩き出してたしな。」
カールは、スポーツが趣味なようだ。
自分がお気に入りの選手を挙げては、懐かしむ表情を見せている。
「僕は、子供にやさしい娯楽施設なんかが興味あったね。
宇宙一の規模を持つ大型遊園地【アフルヘイム】や、アニメ・漫画総合エンタメ雑誌【ジャンパーズ】の
編集会社【ヴァーリ】の本社もここだし、子供にも楽しめる惑星って聞いてたね。
また、この星自体に養育費の控除や教育の質の充実さもあるんだよね。
だから、ここは未来の子供たちが安心して生活できる環境としてテレビで注目されてたなぁ。」
少し前に、妹や弟がいると発言していたダグラス。
エンティニアには、子供にも優しい施設や法律などが整備されていることを思い出したようだ。
「「【遊園地】…?楽しいの?ダグラスお兄ちゃん。」」
ミーニャとサーニャが、ダグラスに質問する。
「ああ、子供だけじゃなくて、大人も子供の心になれる場所だよ。
もし、時間があったら、行けるといいね。」
ダグラスは、二人の頭をそっとやさしく撫でながら答える。
そして、失った妹と弟の面影を、二人に重ねる。
(僕が、この二人を守るんだ…!カリス、ジョーイ。お前たちの分まで、僕と彼女たちは生き抜く!)
ダグラス、心の中で新たなる決意。
ミーニャとサーニャは、暖かいダグラスの手に撫でられたことで
安心と安堵の表情を見せながら、頬を赤らめている。
「ああああああああああああああああ!」
突然、ジェーンが大声を挙げる。
「ど、どうしたんだ!?」
「敵襲か!?」
全員が慌てふためく。
「今、【アフロディーズ】の宇宙ツアー、ここでやってるじゃない!
私、ファンなのよおおおおおおおおお!時間あるかしら!
あとでタブレットからチケット予約しなくっちゃ!」
どうやら、芸能関連のエンタメ雑誌出版会社のホームページを見ていたようで、
宇宙きってのアイドルグループ【アフロディーズ】のライブツアーが、どうやらこの時期
エンティニアになっているのを確認した、ということだった。
そして、ジェーンは【アフロディーズ】の熱烈なファンだったようだ。意外である。
「そっちかよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」
—全員分のツッコミが、エンティニア宙域に木霊する…。
お騒がせにも程がある。
- Re: 機動騎士ガンダムInceptor(インセプター) ( No.93 )
- 日時: 2013/11/30 07:24
- 名前: laevatain (ID: nS8l1UZI)
第三十四話 娯楽産業惑星エンティニア〜繁栄の歴史と、人々の営み〜 後部
—エンティニア惑星内—
ここは、ロッカールームのようだ。
ここに一人の男が居る。
筋肉で覆われた堅牢な肉体。
強靭な意志が伝わるような天を突く髪型。
瞳の色は緑色。
「さあて、次の試合はっと…あと2時間後か。
少しトレーニングできそうだな。ちょっとウォームアップするか。」
男は、ボクシンググローブを携えて、トレーニングルームへ向かおうとする。
その時
鳴り響いたのは、彼のポケットにあったミニフォン。
電話とメールのみに特化した携帯通信機器である。
発信源を確認した。知り合いのようだ。
「もしもし、ああ、俺だ。
…そうか!あいつが到着したか!
…ああ…うんうん。わかった。まずは俺のほうに回してくれ。
俺から、彼らを案内するよ。
スケジュール?大丈夫だ、こいつと後は【ブレイクガンダム】の試合が終わったら、もう挑戦者はいねぇよ。
…ああ。いよいよ動き出すのか。…うん、宴の始まりだな。
おし、あとは俺に任せてくれ。…ああ、またな、兄貴。」
ひとしきりの会話の後、男は深く深呼吸する。
「…ようやく来たか。マルス!」
一言つぶやいて、彼はロッカールームを後にした。
—もう一つの情景—
ここは…楽屋か?
中には、各スポンサーからの花束が飾られている。
いずれの企業からも、あて先は「アフロディーズ様」と書かれていた。
この中に、4人の少女が見える。
彼女たちは、煌びやかで華やかに見え、なおかつセクシーにもキュートにも取れるような
かわいらしい服装をしている。
アイドル…のような印象の服装だ。
「ねぇねぇ、今度来る人たちって、どんな人かな?」
「まーた始まったわよ、【一期一会】アンテナ。」
「だって、出会いって素敵じゃない!
一度しか出会わない人も、何度も出会う人も!
私たちにとってはかけがえのないものになるんだよ!
そうやって【宝物】を増やしていくの!
ああ…人との出会いってなんて素敵なんだろっ!☆」
ショートカットの女の子が、クルクル回りながら【一期一会】の重要性を説く。
「あんたねぇ、ライブ始まる前に動き回って大丈夫なの?
本番中にまたヘロヘロにならないでね!」
「大丈夫だよ〜!私はこのとおり、元気全開バリバリだよ〜!☆」
ショートカットの女の子の回転が加速する。
「それより貴女達、ちゃんとライブスケジュールと歌う曲目順確認した?
しっかり把握して、このライブ、またがっちりとみんなの心、掴むわよ!」
最年長な雰囲気の女性が、メンバー全員に確認する。
ツインテールが似合う、童顔の女性だ。
好みの男なら、一発で惚れてしまうだろう凛とした可愛らしさが、彼女にはあった。
「失礼するわね。」
ここに入ってきたのは、ロングヘアーの女性。
美人というイメージが真っ先に思い浮かぶ、整った顔立ち。
女性用スーツで映える、ナイスバディといわんばかりのくびれとボディライン。
モデルにも通用するようなスタイルを持つ女性だった。
「貴女達、この後やるライブの確認は取れた?」
女性は、スケジュール確認のタブレットデバイスを投影モードへ変更させる。
デバイスから放たれる光が、スケジュール表を表示させる。
「ええ、大丈夫ですよ!」
「問題ありません!」
「暗記は得意です!」
「全開バリバリです〜☆」
全員の返事を確認した女性。
「ええ、問題なさそうね。
…あと、【彼ら】が来るそうだわ。これから忙しくなるわよ。」
この瞬間から、場の空気が変わる。
「いよいよ!?」
「ついに来るのね!」
「私たちの歌が、宇宙を救うときが!」
「素敵な人々、素敵な出会い!
うー!ワクワクがとまらないよぉ〜!☆(クルクル)」
「さあ、まずは、目の前の仕事を終わらせてからね!」
女性が手をたたき、いよいよライブ開始だと告げる。
「「「「はい、リリアさん!」」」」
—もう一つの情景—
ビルの社長室のような室内。
そこに、一人の男が立っていた。
スーツ姿に身を包み、顔は整ったイケメンといった感じだ。
髪型はセミロング。
男は、タブレットフォンを耳元から下ろし、煙草に火を入れる。
紫煙をくゆらせ、深呼吸。
「さあ、私たちの仕事が始まる…!」
そしてコーヒーに手をかける
が
手が滑ってコーヒーをこぼしてしまう。
「あっつうううううううううううううううう!」
せっかくのイケメンなのに、いろいろ台無しである。
そこに、緑と黒のハロが現れて一言。
「お主、どうしてそう大事な場面でドジを踏むかや?
全く、【マスターピース】リーダーとして、しっかりしてほしいものじゃ。
わっちも、若干心配になってきたぞ、ジーニアスよ。」
ハロは女性の声で話す。
しかし、喋り方がどうも古風だ。
—エンティニアに光り輝くは、人類の希望と夢。
バハムートゼロの来訪により、光は七色に煌き輝く。
その光は人類の希望を照らし出せるのか—
- Re: 機動騎士ガンダムInceptor(インセプター) ( No.94 )
- 日時: 2013/12/31 07:12
- 名前: laevatain (ID: xSZ4hPRP)
第三十五話 結集と対峙〜収束する線、紡がれる絆、灯される因果の石碑〜 前部1
—ここは、惑星 サファール=クファール 成層圏内—
激しく金属がぶつかり合う音。
炸裂する爆薬。
引き裂かれる鋼の肉体に、飛び散る破片。
硝煙とビームによる煤焦げた匂い。
戦場、と一言で片付けるのは容易い。
が、戦場が放つ非日常の光景は
壮観で
刺激的で
残酷である。
光学粒子がぶつかり、高温とエネルギーの衝突による衝撃派が大気を揺らす。
しかし、宇宙金属に身を包まれた肉体を持つ機動巨兵には、何の意味も成さない。
むしろ、中に乗るパイロットの意識高揚に一役買うぐらいか。
ビームサーベルの鍔迫り合いは、互いの信念を光の刃に乗せ、振り下ろされる。
斬り結ばれる光学粒子から放たれる閃光は、戦場を彩る灯火となる。
炸裂するのは意思の無い欲望より生み出された無表情の機兵。
…現在、戦闘を展開するのは、アライアンズの隠し札
強化人間「目覚めし生ける屍」の派生計画
「恐るべき魔獣使いの子たち計画」が操る魔獣
「エレメンタルガンダムシリーズ」4機と
無数に展開するAIMS「ギャン・テンプルナイト」及び、「ギャン・テンプルコマンド」。
迎え撃つは、反アライアンズ、G.U.穏健派テロリスト「センチュリオンズ」所属
男性部隊「ブラッドドラゴン・クルセイダーズ」と
女性部隊「ヘル・アマゾネス」であった。
【氷の魔女】ネーヴェガンダムが、アイスウィップ「コールドチェーン」を展開し
【竜眼:ドラゴニック・アイズ】グントー=ポーが駆る銀のドラーケルに襲い掛かる。
グントーのバイザーは、ネーヴェガンダムのコールドチェーンにおける
鞭の変則軌道パターンを算出、分析、把握し、右腕のデバイスユニットより
接続されたケーブルハーネスを介してドラーケルの制御OSとリンクさせる。
コンソールに映し出されるのは、ネーヴェガンダムの攻撃パターンと武装の想定種類。
バイザーと残りの感覚により導き出したデータが、最適化されてコンソールに映し出される。
こうなってしまっては、ネーヴェガンダムは最早、手のひらで踊らされているのも同然であった。
ネーヴェがウィップで、銀色のドラーケルに打撃攻撃を浴びせるが、
ビームスキンによる表面のビームコーティングにより、打撃攻撃によるダメージはほぼ皆無。
ネーヴェが別の攻撃方法としてバックパックより取り出したのは、アイスエネルギーアロー「テテュス」。
テテュスが展開され、弓の形態へと変形する。
ネーヴェガンダムのコンソールには、銀のドラーケル。
次々にロックオンサイトが表示され、狙いを定める。
「凍りなさい、全て!私の邪魔をするものは、許さない!」
ネーヴェガンダムパイロット【アンジェリーク=フローワ】の叫びと共に、
ビーム弦にセットされたエネルギー発射口に、無数の鋭利な氷塊が出現。
グリップ部にあるロックオンサイトより、狙いをつけ、発射する仕組みのようだ。
直後、ネーヴェガンダムの右手が、発射口から手を離す。
ビーム弦が発射口を前に突き出し、その瞬間より氷塊が射出される。
「ふむ…。」
グントーは一瞬、その一部始終を認知、判断。
「まあ、こうなるよな。」
グントーは、コントロールグリップを操り、ドラーケルを操作する。
その姿は、まるでレーシングドライバーがマニュアルトランスミッションの
シフトレバーを駆使してレーシングカーを操り、難解なコースをクリアしていくかの様に。
銀のドラーケルは、バックパックに携えていた、ヒートラージブレイド「カッツバルケル」を取り出す。
「氷の槍よ、貫け!」
テテュスから放たれた氷の刃は、ホーミング性能を持っているようで、
辛うじて回避した銀のドラーケルに軌道を変え、執拗に狙い続ける。
「…予想通り過ぎて、面白みが無いな。」
銀のドラーケルは、ブースターを吹かして上昇。
その後、サイドブースターを噴射し、右回転する。
回転を加速させていく中、ドラーケルはカッツバルケルを構える。
四方八方から飛び掛る氷の刃。
回転独楽状態のドラーケルには、通じなかった。
まるでかき氷機に入れられて削られる氷の如く、ドラーケルと言う名のカッターで
氷の破片を撒き散らしながら、氷の刃は破壊されていく。
全ての氷を破壊し終えた後、ドラーケルの回転は落ち着き、再びネーヴェガンダムを正面に構える。
が
「引っかかったわね!こっちが本命よ!」
回転停止の瞬間に、ネーヴェガンダムがコールドチェーンを振り下ろす。
コールドチェーンは、カッツバルケルに絡まり、解けない。
「む。」
グントー、敵ながら天晴れの表情。
「さあ、今度こそ!至近距離で凍らせてあげるわ!」
しかし、
ネーヴェガンダムは、銀のドラーケルに引き寄せられていく。
「…やはり子供か。俺と距離を保てばやり過ごせたものを。」
カッツバルケルに絡まったコールドチェーンを引っ張り、ネーヴェガンダムを引き寄せる。
「ぐっ!?」
あまりの急動作。
ブースターで逃げることができない。
そして迎えた至近距離。
「はっ!」
繰り出されるドラーケルの斬撃。
「きゃあああ!」
咄嗟に出したシールドで守備を図るネーヴェガンダム。
「ふん。その程度か。」
銀のドラーケルは、左手よりビームライフル「ネーブラ・ウェントゥス」を構え、ネーヴェに発射。
ビームはネーヴェガンダムのバックパックにダメージを与えた。
これにより
液体窒素内臓弾頭ミサイル「ユトゥルナ」
氷結発生ビーム兵器「エンリール」
この武装が、バックパック装備のため、バックパックの制御システム不全により使用不可能となる。
「これじゃあ…凍らせられないじゃない!」
焦りの色を隠せないアンジェリーク=フローワ。
- Re: 機動騎士ガンダムInceptor(インセプター) ( No.95 )
- 日時: 2013/12/13 19:56
- 名前: laevatain (ID: wSPra7vb)
第三十五話 結集と対峙〜収束する線、紡がれる絆、灯される因果の石碑〜 前部2
一方、金のドラーケルと緑色のガンダムが激しく戦闘を繰り広げている。
【大地の悪魔】フォンドゥムガンダムは、遠隔地殻槍発生装置「グレイブヤード」を
上空に向かって射出する。
その数、おおよそ10機だろうか?
「何処を狙っている?」
【竜牙:ドラゴニック・ファング】ヴォーノ・ロドリゲスが呟く。
「今にわかるさ…!」
フォンドゥムガンダムパイロット、ラーイド=ホーズンは
含みのある回答を宙に浮かべる。
その後、モーニングスターハンマー「ユグドラシル」が振り下ろされる。
直径5m強のスパイク付ハンマー。素材は超硬バルダーメタル合金。
直撃したら、本来はただではすまない威力である。
筈であった。
ユグドラシルの変則攻撃パターンを、感覚で看破したヴォーノ。
不意に食らった一撃だったが、もう食らうことは無いかの様に
流水の如き動きで、ユグドラシルの重撃を回避する。
動きを最小限に、エネルギー消費を軽減し、エネルギーチャージ速度との折り合いをつけながら
コントロールパネル内のメーター、計器類、指示器などを逐一確認しつつ、機体制御を行っていく。
一度不意打ちを受けた金のドラーケルだが、ダメージはさほど見えていない。
理由は「装甲の材質」。
金のドラーケルの装甲は、ゼウスメタルとバルダー合金の混合金属種「オリハニウム合金」。
ユグドラシルの不意打ちも、微小ダメージで留まっている。
こう見ると、一見弱点の無い完璧な素材に見えるだろうが、
そうそう万能な素材など、見つかるものではない。
オリハニウム合金の弱点は、変態発生温度が低いことである。
大体6000℃周辺から金属組織が変態(金属が固体状態で結晶構造を変える現象)を起こし、
変態の発生した結晶構造箇所はかなり脆くなるという金属上の性質がある。
参考に、ゼウスメタルの変態発生温度は8000℃、耐熱性に優れたバルダー合金はおおよそ10000℃である。
ビームスキン展開時でも、最大に耐えられる耐熱温度はおおよそ6500〜7000℃前後だろう。
この弱点から、照射型ビーム攻撃による攻撃には、かなり気をつけなければ機体大破まで起こしかねない
非常にハイリスクでもある装甲を、リスク承知で取り入れている。
ヴォーノの戦闘スタイルである【強襲、近接白兵戦スタイル】を重視した上での
敵の実弾、格闘攻撃をある程度受けられ、なおかつ相手を屠る「肉を切らせて骨を絶つ」スタイルの
理に適っている形での素材採用となった。
ユグドラシルの攻撃パターンを看破した上で、左手に携えた
ビームライフル「ネーブラ・ウェントゥス」を構え、牽制射撃を繰り出す。
それを回避するフォンドゥムガンダム。
「ククククク…時間だ!」
ラーイド=ホーズンの叫びと共に、ドラーケルのレーダーがアラートを甲高く鳴らす。
「ん?これは…隕石!?」
上空から降ってきたのは
隕石。
その数、おおよそ100。
小規模なものから大規模なものまで。
「嘆きの大地と岩石に潰れるがいい!」
ヴォーノは、先ほどのフォンドゥムガンダムの動作の意図に気付く。
「なるほど…先ほどのセンサー投射は、隕石を引き寄せるものだったか…!
重力制御?それとも磁力か?いずれにしても面倒な兵器だ。
こんなものを作り出して、誰が喜ぶんだ…!あの変態企業の科学者共が!」
「違うな…宇宙空間に漂う岩石成分を結合させ、引力軌道上に乗せた!
そして、引力による落下と同時に結合解除により分解させ、隕石の数を増やしたのさ!
食らえば、タダでは済まないぞ!僕の嘆きを受けるがいい!」
先ほどの遠隔地殻槍発生装置「グレイブヤード」発射は、タダの意味不明な行動ではなかった。
宇宙空間上に射出されたセンサーは、周囲のアステロイド岩石を結合させ
大規模の隕石を発生させた。
その数は20。
センサーは、反重動力により熱源感知または自機帰還を目指して移動する。
今回は、自機帰還をセットした。
センサーは、自機に戻ろうと引力軌道上へ向かう。
引力軌道上に差し掛かった際、センサーの岩石結合を解除。
そのまま引力と重力に乗せられながら、摩擦熱と衝撃により20の隕石は分解し、
100の小規模隕石として、2機のMS戦闘域内に降り注ぐ算段であった。
隕石が降り注ぐ中、フォンドゥムガンダムは
大型キャノン砲「マキナ・テラ」
地中潜行型ミサイル「ブラウニー」
二種の射撃武装を乱射。
上空からは隕石。
横からは300mmの超硬バルダー合金弾頭。
そして地中潜行型ミサイル。
無数の弾幕が、金のドラーケルを襲う。
「まあ、弾幕だけか。躱すのは容易だが…?」
ふっとみたレーダー。
フォンドゥムガンダムの反応が無い。
「ん?」
次の瞬間
「はあああああああああ!」
ドラーケルの真下にあった隕石を突き破り、ドリルと鉄球を構えた
戦車のようなMAが現れた。
「…!これが狙いか!」
フォンドゥムガンダムは、可変MSであった。
ドリルタンク型MA「サテュロス」。
地中潜行と、アステロイドエリアにおける隕石を諸共せず、打ち砕きながら進む
嘆きの破壊戦車と化し、MSを薙ぎ払う目的のMA形態である。
サテュロスは、またしても弾幕の森に隠れた。
「レーダー反応は依然として無し。なるほど、レーダージャミング用にチャフ(金属片)を
このエリアにばら撒いているな…。」
またも、隕石を削りながら、軌道を変えて突撃するサテュロス。
徐々にサテュロスの速度が加速していく。
「ふははははははは!これでは手も足も出まい!」
回避し続けていくドラーケルだが、エネルギーにも限界がある。
ブーストエネルギーのメーターゲージが
チャージングエリアに近いレッドゾーンに差し掛かったのを確認し、
レッドゾーンを振り切るギリギリのラインで回避を一度やめる。
「ふう…キリが無い。まるで闘牛士じゃないか。」
回避を一度とめた瞬間
眼前の隕石をぶち破り、サテュロスが襲い掛かる。
「もらった!」
しかし、金のドラーケルは微動だにしない。
「さあて。」
ドラーケルは構える。
まさか…!?
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