二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 機動騎士ガンダムInceptor(インセプター)
- 日時: 2015/07/25 13:01
- 名前: Laevatain (ID: rZuUN0S4)
- 参照: http://laevatain1408.blog.fc2.com/
今までのガンダムシリーズ(主に一年戦争以降からの時代観)を踏襲して
作成したガンダムの二次創作になります。
作成者は妄想大好きなおじさんです。
こんなつたない小説ですが、お付き合いいただければと思います。
STORY
かつて、人類は母なる大地「地球」を方舟に生活していた。
だが、その過剰な人口はやがて「地球」を取り合い、争いを引き起こした。
そして宇宙に生活圏を拡大させてもなお、「地球」をめぐる争いは終わらなかった。
やがて「地球」は人類の手によって汚染され、醜くなっていった。
人類は相談し、「地球」を巣立ち、新たな新天地「火星」に生活圏を移す。
それから約2世紀。
銀河系第35宙域管轄コロニー「サイドアルファ」。
ここにコスモポリスとして従事する青年「アレス・ウィザール」
彼と1体のMSの出会いから、全ての歯車は動き出す。
絶望の運命を希望の未来へ変える歯車が・・・。
—人は、誰かを守るために、「騎士」となる—
用語
セカンド・ノア(第二の箱舟)
第二の地球。火星をテラフォーミングし、地球と同じ環境にした惑星である。
ロスト・ガイア(失われた楽園)
過去の地球。過去の大戦やMSによる戦争により、自然環境コントロールが乱れ、化石燃料は
潰え、汚染されて人類が住めなくなった地球。火星移住から2世紀後、大気は完全に無くなり、
かつての青く美しい星は黒ずんだ地表が見える無残な姿となった。
GU(ギャラクシーユニオンズ:銀河連合同盟)
銀河惑星間での統治が進み、各惑星の政府による政治・法律上におけるルールを確約させる
政治機関。とどのつまり現代の国際連合。
現在は革新派(自由な未来と悪質企業の根絶を訴える派閥)と穏健派(現在の企業紛争を
黙認する派。闇献金を受け取る悪質な議員が多い。)の争いが激化している。
企業
地球時代における国がつぶれてから、企業が力を持つようになり、もはや企業が惑星政府と
同じ権力を持つようになった。それにより、圧政や重労働なども問題になり、
GUが企業の暴走を抑えようと奔走している。しかし、反発する企業も少なくは無い。
現在は各企業間における未統治惑星の資源獲得戦争や紛争が後を絶えない。
そのため、軍備拡大を急ぐ企業が増えつつあり、各企業がGU軍へ宣戦するのではと危惧されている。
そしてそれは、30年前の第一次企業戦争により現実のものとなった。
コスモポリス
GU管理下の宇宙警察機構。
オーディン
GU軍第01強襲攻撃部隊。
革新派の傘下軍であり、自由を目指し戦う軍。市民からはヒーロー扱いされている。
母艦はたった1隻だが、その実力は計り知れない。
母艦は強襲戦闘艦「バハムートゼロ」
プロジェクト ライト&ダークネス(光と闇の機兵計画)
「第二次企業戦争」において、アライアンズに対抗すべく計画されたGU軍極秘新型MS開発プロジェクト。
ライトサイドとダークネスサイドのコンセプトから成り立つ。
ライトサイド セイントガンダム
ダークネスサイド ナイトメアガンダム
この二機のMSを基盤に、アライアンズ撃破のきっかけを生み出そうとしていた。
このプロジェクトの進行部隊はオーディンである。
企業戦争
企業がGUに反発し、起きた戦争。
第1次企業戦争では、全企業が一斉に武装蜂起し、GU軍との全面戦争となった。
GU軍が市民の安全と自由を主張し、企業側が利益の優先、そのための人命の犠牲は必要経費だという反論。
もちろん企業の横暴を市民が許すはずが無い。各企業の従業員は一斉にボイコットしたため企業側の戦力補給がストップ。
企業は窮地に立たされる。
そして企業は、禁断の大量破壊毒物兵器による非人道的な虐殺を敢行。サイドクスィーとサイドツェーラを毒殺し、壊滅させた。
この悪行により世論は大激怒。GU軍はこの後押しもあり、ついに企業側を屈服させる。企業側も降伏を宣言。
これにより、18年間に続く第1次企業戦争は終幕した。
それから10年後、ちりばめられた解体企業を収束させて、新たに3つの大企業が設立される。
その企業達が軍事同盟と産業通商同盟を締結。組織名をアライアンズとする。
アライアンズは、約2年前にGU軍に向かい「復讐のときは来たれり!」と宣戦を布告。
こうして、第2次企業戦争の火蓋が切って落とされたのだった。
モビルスーツ
宇宙開発時代と呼ばれる「宇宙世紀」時代において勃発した、
「一年戦争」と呼ばれる戦争により生まれた人型戦闘兵器。
宇宙の微細粒子により、レーダーなどの無視界戦闘が不可能となった本戦争にて、
有視界戦闘の基盤を確立させた兵器でもある。
特に後述する「ガンダム」と、当時戦争を繰り広げた「ジオン公国」は、
歴史の教科書にその名を刻まれる程、
人類とモビルスーツの歴史を学ぶ上では欠かせない存在。
その後、様々な企業においてモビルスーツは建設用・土木作業用・宇宙開発用などが開発され、
あらゆる分野で人類の開発を支えてきた産業機械となり、今日の宇宙経済の基盤を固めている機械となった。
個人で所有するものも珍しくなく、モビルスーツは「兵器」としてではなく「ありふれたもの」として、
人々に浸透している。
ガンダム
「一年戦争」と呼ばれる、モビルスーツ最古の戦争において、
地球連邦軍が開発した高性能モビルスーツ。
さまざまな派生機種が存在する、由緒ある機体。
現在ではガンダムの特徴的なVアンテナとフェイス、G-ロンダクトプログラム
テクノロジー社が販売するGUNDAM OSを搭載した登録商標商品として流通しているモビルスーツを指す。
ガンダムは主に、フロンティアワークショップ社が
生産、販売を行っている主力商品として認知されている。
独占商品ではなく、さまざまな機種が他企業からも
進出しているが、ガンダム単体の性能では
フロンティア社の右に出るものはいない。
そのため、他企業はガンダムを上回る製品の開発に
奔走するケースが後を絶たない。
ちなみに、ガンダムは大衆の間では最も馴染み深く、
モビルスーツの象徴とも呼べる機体である。
ジェネレータ技術
ムーンレィス(∀ガンダム時代)戦乱後に始まった、宇宙開拓時代の中で新たに見つけた鉱物。
そこには、未知のエネルギーが詰まっているものだった。
その鉱物の名は「エーテライウム」。
このエーテライウムから抽出したエネルギーを「エーテネルゲンエネルギー」と呼ぶ。
エーテネルゲンエネルギーは、簡単な電気変換回路により電力へと変換される。
しかしその発電規模が、既存の化石燃料のおよそ3000倍〜5000倍に相当するものであった。
これにより化石燃料・原子力により起動されていた各機械のジェネレータは淘汰され、
エーテネルゲンエネルギー式のジェネレータ「エリクシル式ジェネレータ」へと移行される。
また、エーテネルゲンは人体への影響がほぼ無く、安全に使えるものとしての評価もあり、
瞬く間に時代はエーテネルゲンエネルギー循環型社会へと変貌する。
エーテライウムにはもうひとつ特徴があった。それは「精錬」に伴う「エネルギー付与」。
エーテライウムは加工のしやすさも売りであり、鉄などの金属の添加物にエーテライウムを数%含ませて精錬させると、
精錬された金属にエーテネルゲンエネルギーを帯びた状態で精錬することが出来るのだ。
これもあり、たやすくなおかつ大量にエネルギーの元を生産できるとして、化石燃料の枯渇に伴う人類の衰退の心配は完璧に無くなり
人類は安心して宇宙開発を行うことが出来るという現在の社会形態が確立したのである。
※この作品におけるビームサーベルは、ビームの噴出によって刃が形成されるものではない。
ビーム出力の上昇によって、ビーム噴出を維持することが
テクノロジー上不可能になったからである。
この作品でのビームサーベルは、折りたたみ式アンテナのように、
伸縮可能な棒状の兵装の表面からビームが噴出し
形成されるものである。
ビームサーベルにも耐久性があり、出力の低いビームサーベルは、
鍔迫り合いの際に負けて破損する可能性もある。
なお、このガンダムはジャンプ漫画の根源である
「努力・友情・勝利」をモチーフにしております。
何卒ご容赦ください。
ツイッターやってます。ご意見ご感想はこちらまで。
要望なども受け付けております。
上のURLからどうぞ。
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- Re: 機動騎士ガンダムInceptor(インセプター) ( No.1 )
- 日時: 2013/06/22 19:27
- 名前: Laevatain (ID: VHURwkNj)
第一話 若き守護者—アレス=ウィザール—
—お前も、大事なものを守りたいなら軍人になるといい。
守る力は、何処までも人を強くするんだ。私も、それで強くなれた—
懐かしい声が、おぼろげな意識の中で響く。
—大事なのは、自分の信じるものを貫くことだよ。
君には、その強さがある。私たちはそれを守りたくて
君を養子に入れた。苦しいときは、私たちを是非とも頼って欲しい—
—そうよ?人は一人では生きて行けないわ。
困ったら助けて貰うのは当然だし、困っている人が居れば助けてあげるのも当然なのよ?
だから、あなたを助けたのも当然なの。
私たち?私たちは、もう助けてもらったもの。
あなたを見て、私たちは【勇気】を貰ったから—
温かい、安らかな夫婦の声が聞こえる—
とある青年は、そんな夢を見て今朝を迎えた。
ここは銀河系第35宙域管轄コロニー「サイドアルファ」。
青年は、ここに従事する銀河警察機構「コスモポリス」の一員である。
見た感じはやや頼りないような感じの男性。年齢は24ぐらいだろうか。
中肉中背の体系で、髪型は若干長めのツンツンとした状態で、髪の色は銀色である。
眼の色は紅く、まるで自身の内に秘めた信念を表したかのよう。
彼はラジオ体操にて体をほぐしたあと、自分の管轄地域の交番へとMS「ポリスガンダム」を飛ばす。
今日も自分のポリスガンダムの調子は良好である。
交番に着いた直後、彼は部下の警官から前日までの報告を聞く。
「巡査部長、前日までの事故・犯罪件数は0でした。」
年配の警官からの報告をタブレットデバイスのスケジュール帳ソフトへと記録する。
「了解しました。では、通常通り交番の業務に当たってください。
スケジュールの復唱になりますが、13:00から駐車・駐輪・駐機違反のパトロールへ御願いします。」
タブレットを確認しながら、青年は警官へ指示を出す。
彼は年配の警官に配慮し、自分より年上の人間には礼儀正しい態度を取っているようだ。
日常のやり取りの中で、一人の年配の女性がこの交番を尋ねてきた。
「あのぅ…すみません…。」
女性に気がついた青年。
「すみません。どうされました?」
「実は…道に迷ってしまいまして…。
せがれの家を訪ねてきたのですが、どうも私には
このタブレットに送られてきた住所がわからないのです…。」
女性は小型のタブレットデバイスを取り出し、地図情報を青年に見せる。
しかし、そこは現在開発が進んでいる住宅街であり、
地図情報にはその情報が反映されていない状態であった。
「…ああ…、エイー地区の新規住宅街ですね。
地図情報がちょっと古くて、わかりにくかったんですね。
了解しました、一緒に行きましょう!案内します!」
青年はそういうと、ポリスガンダムを起動させる。
「さあ、手に乗ってください!」
ポリスガンダムはしゃがんだ体勢になり、手を地面へ置く姿勢になる。
青年と年配の警官が女性を手のひらへ乗せ、ポリスガンダムは
目的の住宅街へと飛翔していく。
この時刻、AM9:15の出来事である。
—MSが浸透した社会。MSが、産業・開発の中心になっている社会。
もしかしたら、我々人類の遠い未来かもしれない—
人類が「地球」を巣立ち、すでに2世紀…。
銀河系第35宙域管轄コロニー「サイドアルファ」。
ここでも何も無い平和な日常が始まる…はずだった。AM10:30、事件は起きる。
第一地区にあるセルリス財閥傘下のセルリス銀行支店。
ここに銀行強盗グループが押し寄せたのだ。人数は15人。外には改造されたと思われる
市販MSのタロスが3機構えられていた。ちなみに宇宙作業用である。
「手をあげろぉ!死にたくなければ金をよこせ!ありったけの金をなぁ!」
犯人の怒号が鳴り響く。
店員が半泣き状態で金を用意されたバッグに詰め込む。
店員から差し出されたバッグを乱暴に受け取ると、
「遅えんだよ、クソアマァ!」
と女性店員の左足を撃ち抜く。激痛によりあたりに悲鳴が響く。
「通報するんじゃねぇぞ!いいな…ヒャッハハハハハハハハハ!」
と高笑いすると同時に、犯人グループがいっせいに銃弾を乱射。
幸い誰にもあたらなかった。牽制射撃だったのだろう。
しかし、ここまで騒げば近隣の住民からコスモポリスに通報が行くはずである。
案の定、犯人グループの逃走寸前に、コスモポリスからポリスガンダムが2機と陸上支援車両が
数台駆けつけた。
「抵抗するなら容赦しない。おとなしく投降しろ!」
警告するも完全に無視。
「はいそうですかって言うバカがいるかよぉ!」
犯人の叫びとともに、タロスが一斉攻撃を仕掛ける。バルカン砲による射撃だ。
しかし、ポリスガンダムの装甲は耐弾性が高いため、ろくなダメージは与えていない。
「へっ、そんな攻撃が意味あるかよぉ!」
ルシーク巡査の操るポリスガンダムが素早くタロス1機の後ろに回りこみ、
警棒兵器「スタンロッド」でタロスの電気回路ごとショートさせる。
市販MSであれば、高圧電流により機能停止できる兵器である。
スタンロッドを受けたタロスは、軽い痙攣にも似た挙動を挙げる。
関節部や、排気口から煙が噴出し、帯電しているのか時折電気が走るのが見える。
コクピット内にあるメーターは次々にエラーを吐き散らして停止し、
メインコンソールにもエラー表示が出され画面が暗転する。
部下が非常用電源に切り替えたが、コンソールは何も反応しない。
「ぐああああああ!くっ、わりい兄貴!ダウンした!」
「タロスを乗り捨てて金入ったバッグ持ってゲートに走れ!」
これをポリスが陸上車両の盗聴設備から傍受。支部長であるガスト警視から指令が響く。
「聞ーいちゃった、聞いちゃった♪おし、サイドアルファ内のゲートを全封鎖しろ!」
これにより、サイドアルファ内に行政通信音声が響く。
「各航宙機と、サイドアルファ内の皆様へ連絡いたします。
ただいま、サイドアルファ内において、強盗傷害事件が発生しております。
なお、ゲート内に犯人グループが逃走用の経路を確保しているとの情報を受けたため、
これより1時間の間ゲートを封鎖いたします。皆様のご理解とご協力を御願いいたします。繰り返しお伝えします…」
これにより、各ゲートが徐々に封鎖されていく。
宙域にいるスペーストラベル社ガイドが困惑する乗客をなだめる。
「はーい!現在サイドアルファで事件発生です!
ストップドックにて休憩いたしますので、しばらくお待ちください!」
ストップドックへ接続着陸をするトラベルバスシップ。ここで休憩するらしい。
場面は戻り、銀行外。タロスが1機ダウンしたため、さすがの犯人グループにも焦りが出る。
「ど、どうするよ!兄貴ぃ!」
「うろたえるんじゃねぇ!俺達には取って置きの隠し玉があるだろうが!」
とリーダーであるタロスらしき機体が合図を送る。
すると、1機の航空機がコンテナを落下させる。その中に入っていたのは…まさかの一般市民が持つことを
禁じられているMS用のビーム兵器であった。
リーダー機のタロスがジェネレータ接続パイプをバックパックに接続する。
鈍い起動音と共に、ビーム兵器が稼動する。
「ヒヒヒ…横流し品だ…うけとれぇ!」
と、タロスがビーム兵器を構え、1機のポリスガンダムに向けて発射する。
青緑の閃光が、ポリスガンダムへ向けて放たれる。
直撃は避けたものの、腹部のジェネレータ接続機関を大損壊してしまったため、稼動は不可能となった。
非常用電源に切り替えたことで、姿勢制御とコクピットハッチを開閉できる電力は維持できたようだ。
かがんであわててパイロットが降りていく。
「なっ…チンピラ共が…大層な玩具を持っているじゃないか…!」
焦りの色を隠せないガスト警視。
ビーム兵器を持っているとなると、コスモポリスの装備では
ある程度の無茶をしなければならない。危ない橋を渡るようなものである。
しかし、空からさら1つの影が降り注ぐ。新しいポリスガンダムが1機、その場へ乱入する。
「遅いぞ!アレス巡査部長!」
「すみません!おばあちゃんに道を聞かれたもので…!」
アレスと呼ばれた青年が謝る。
先程の銀髪の青年。彼が、アレス=ウィザールである。
「ビーム兵器か…」
タロスに握られたビーム兵器を見てアレスはつぶやく。
「遅いぞアレス!」
「悪いなルシーク。お前は注意をひきつけてくれ。俺が奴を止める。」
「わかったよ…ったく、相変わらず危ない橋渡るのが好きだな…」
アレスとルシークのやりとりが終わり、ルシークのポリスガンダムが陽動をはじめる。
「逃がさねぇぞ…!」
タロスのビーム兵器が光を放つ。閃光が伸び、ルシークのポリスガンダムを狙う。
放たれた閃光を体捌きで躱す。閃光はコロニー奥の外壁に着弾し、爆風が舞う。
「くそっ!次は当てる!」
焦るリーダー。その上空から、舞い降りるはアレスのポリスガンダム。
「兄貴に触れさせるかぁ!」
部下のタロスが上昇し、ポリスガンダムと取っ組み合う。
そこへリーダーのタロスがビーム兵器を差し向け、火を放つ。
次の瞬間、アレスのポリスガンダムと部下のタロスの腕が1つ、肩から吹き飛ぶ。
タロスはバランスを崩し転倒姿勢で落下する。
アレスのポリスガンダムはあらかじめ握っていたスタンロッドを構える。
「当ててやる!っておい!エネルギー切れかぁ!?」
リーダーのタロスが握るビーム兵器は、エネルギー切れにより物言わぬ金属の塊と化した。
なす術もなく脳天からタロスに向けて、スタンロッドの一撃が舞い降りる。
「がああああ!」
まるで落雷のように振り下ろされたスタンロッドの一撃。
痙攣動作の後、機体中から煙を上げてタロスが崩れていく。
ついに、リーダータロスを機能停止に陥らせた。
「ふう。カタがついたか。」
肩をなでおろすアレス。それも当然である。
すでにルシークのポリスガンダムが部下のタロスをも機能停止させていたからだ。
AM11:27、事件終幕。犯人は全員逮捕された。
逃走していたバッグを持った犯人は、近隣の住民に取り押さえられたという。
航空機も写真撮影から機種が割れ、捜索したところ犯行現場に一番近いゲートに止められていた。
もちろん近くに潜伏していた犯人も逃げ切れず、全て拿捕された。
こうして、非日常の緊迫に包まれたサイドアルファは平穏を取り戻した。
アレス=ウィザール、この青年が後の未来を変える救世主となることを、今は誰も知らない———
- Re: 機動騎士ガンダムInceptor(インセプター) ( No.2 )
- 日時: 2013/03/03 21:13
- 名前: Laevatain (ID: 2xWGAyvP)
第二話 新たなる旅立ち—いざ集え軍神の元に—
先の強盗傷害事件より約3日経過。
犯人達の身柄を拘束後、取調べの結果彼らは大手企業からリストラされた人間らしい。
リストラの理由は知らされておらず、まるで一部の関係者以外を締め出すような形で解雇されたという。
彼らの元会社の名前は「アドバンスドインダストリー」。
GU軍と戦争を繰り広げる企業軍事同盟および産業通商同盟「アライアンズ」の一角であり、
「アライアンズ」の中では最も資本に恵まれた企業である。よほどのことが無い限りリストラはありえないだろう。
とりあえず、犯人たちは職を失い、金を奪って生活していたということで、別コロニーや惑星での同様の手口による事件との
関連性を調べることとなった。
それはまた別の話として、アレスはサイドアルファ内ポリスオフィスにて、デスクワークに没頭していた。
彼はコーヒーを飲みながら、パソコンの画面内にある事件関連ファイルを整理している。
ちらちらした光を追いかけながら、目をこすっては画面と格闘している。そんな彼に、オフィス内から業務連絡が入る。
「お呼び出しを申し上げます。アレス=ウィザール巡査部長。ガスト警視がお呼びです。至急総務室へお越しください。」
我に返ったアレスは、早速総務室へ向かう。
同刻、総務室内。まだアレスへの放送がされる直前の出来事。
ガスト警視ともう一人の男が、アレスの詳細が書かれた書類に目を通してこうつぶやく。
「うん、いい青年だな。ガスト、この青年がGU軍への入隊を求めていると?」
男は軍服らしき服をまとい、長いあごひげを蓄えている。
「はい…ですが中佐、彼はまだ若いのですがねぇ…。」
ガストが後ろ頭を掻き毟りながら話す。
「だが、我々には彼のようなエネルギッシュな若者が必要なんだ。それが未来を守ることにもなる。」
男は悪戯な笑みを浮かべながらガストに問いかける。
「昔のお前にそっくりだ。この顔からわかる。お前と同じ青年だから、俺は彼を信頼できるんだ。」
「はぁ…仕方ないですかねぇ。先輩はいつもコレだからねぇ。ふう。」
どうやら、ガストは折れたようだ。
「では、彼にはよろしく伝えてくれ。我が「オーディン」は、キミを歓迎する。とね。」
男は軽い会釈とフィンガーサインを送り、総務室を後にした。
その直後、アレスに対し、呼び出しの放送が鳴り響いた。
アレスの呼び出し放送が鳴り響く。アレスは警視を待たせぬよう、早歩きで総務室へと向かう。
総務室の前で、礼儀のノック2回。
「失礼します。アレス=ウィザール巡査部長、ただいま参りました。」
「んー、入っていいよ。」
ガストの声はすこし力が抜けたような感じだ。
「失礼します。」
アレスは総務室へと入る。
「忙しい中、悪いね。さ、かけて。」
「すみません、では、ご用件とはなんでしょうか?」
アレスは椅子にかけながら伺う。
「んー、なんというかねぇ…あんまり言いたくない辞令なんだよねぇ…うーん。」
ガストはどうも落ち着かない様子。
「仕方ないか。アレス、君はGU軍はコスモポリス員の中から時折選出されるという制度を知っているか?」
いまさらながら、幼稚な質問をする。彼なりの確認を取りたい構えだ。
ちなみに、実際GU軍の徴兵制度には、コスモポリス内の人材から選出されるというシステムが存在する。
「はい、存じ上げております。自分も、それを目標としてコスモポリスへの従事を決めましたので。」
アレスは淡々と返す。しかし、若干戸惑っている。
「はぁ…わかってるよねぇ…基本だもんねぇ…よし、言っちゃうか。」
ガストの顔から何かが吹っ切れたようだ。
「アレス=ウィザール巡査部長。君を、今日限りでコスモポリスから免職とする。」
「!おっしゃる意味がわかりません!」
アレスが戸惑う。無理は無い。彼には、免職される心当たりなど無いのだから。
「落ち着いて、アレス。君には、もっと重要な役割が与えられちゃったんだよね。」
「えっ?」
「アレス=ウィザール、君は約1週間後に、GU軍人として入隊することになる。」
「まさか…!?」
アレスに顔が、笑顔に変わっていく。高鳴る胸。こみ上げる思い。そして期待。
「君が配属するのは、GU軍第01強襲攻撃部隊、通称「オーディン」だよ。階級は上等兵だ。」
「!!!!」
アレスは心底震えていた。そして笑顔がこぼれる。
アレスの望む未来は軍人。さらにはこの「オーディン」への入隊こそが目的であったからだ。
亡き義父と義母、そして唯一の血縁であった祖父への誓いが果たされたのである。
「ありがとうございます…!そして、お世話になりました!」
「いやいや…僕はね、君の心配がすごくあるんだよねぇ…なんたってあそこの「オーディン」は…」
とココで、ガストは言葉を止めた。敢えて言う必要はあるまい、そう思ったのだ。
「ん…まあ、君のご家族の想いが叶ってよかったよ。これから新しい場所でがんばってくれよ。
君への伝達は以上だ。では、下がって構わないよ。体には…気をつけてね。」
「はい!失礼いたします!」
アレスは深々と頭を下げ、総務室を後にした。
そしてガストは煙草をふかし、飲み込んだ言葉をつぶやいた。
「がんばれよ…?なんせ「オーディン」は、穏健派の火種にもなってる上に、GU軍内においても生存率ワーストだからねぇ…」
その言葉には、ガストの経験談のような言葉も含まれているような気がした。
総務室を後にした直後、ルシークと合う。彼は、どうやら総務での一連の会話を聞いていたようだ。
「アレス、お前軍人になれたんだよな。」
「あ、ああ。ルシーク、君のおかげでもある。」
アレスの眼差しは真っ直ぐだ。
「いや、そりゃお前の実力だろ。自信もてよ!」
ルシークはアレスの肩をたたく。それと同時に、寂しさと少しの嫉妬がルシークに押し寄せる。
「親御さんと爺さんの誓い…果たせたんだな。」
「ああ…だが、これがスタートだ。これからが俺の始まりだよ。」
ルシークは何かをこらえながら、顔に出そうな感情を笑ってごまかした。
「何かあったら相談に乗るから、気軽に連絡をくれよ!」
「わかってるよ。ルシークは俺の理解者だからね。それじゃ、またな。」
アレスは笑顔でルシークに返す。そして自分の仕事の引継ぎをするために自分の持ち場へと戻った。
「アレス…絶対に、死ぬんじゃねぇぞ…!」
拳を握り、震えながらルシークは涙を堪えていた。
アレスにオーディンへの入隊勅命が下って、現在5日目。
彼はガンシップ「プレイリーホーク」の中にいた。
GU軍施設のガイダンス説明と詳細に関する説明会のためである。
いよいよ、アレスは、戦場へと赴くことになる。それは悲劇か、はたまた英雄譚となるのか————
- Re: 機動騎士ガンダムInceptor(インセプター) ( No.3 )
- 日時: 2013/03/03 21:24
- 名前: Laevatain (ID: 2xWGAyvP)
第三話 護衛任務—交錯する希望と不安— 前部
GU軍第01強襲攻撃部隊、通称「オーディン」。
その姿はまさに義勇兵。そして市民からすれば英雄である。
その希望に満ち溢れた軍へ、アレスは身を置くことになる。
現在、GU軍管轄艦であるシムルグ級巡洋艦内部。
ここで、GU軍入隊式と戦闘訓練が行われるのだ。
「今日、ここに新しき若き未来を守る「守護者」たちが集った!我々の未来は、この担い手によりつむがれる!」
若い士官がアレスを含む8人の新兵たちに向かって激励の言葉をかける。
「諸君らには、銀河の未来を守るという誉れ高き職務を、その命を懸けて全うしてもらいたい!」
これを締めとし、入隊式は終了した。
その後、戦闘訓練所にて軽いデモンストレーションバトルトレーニングプログラムが行われた。
新兵たちは射撃訓練、MSシュミレータによる訓練、白兵格闘訓練に悪戦苦闘していた。
その中で、アレスはずば抜けて高い評価を受けることになる。
射撃訓練と白兵格闘訓練には、ガスト警視直伝の格闘技能を遺憾なく発揮し、ターゲットをオールアウト(全弾命中)と
相手仕官を屈服させるほどの腕を見せた。
「君は筋がいいね、これから期待できそうだ。」
仕官から期待の言葉を貰い、戦闘訓練は終了した。
新兵控え室にて、意気投合した青年と打ち解けるアレス。
「君凄いね!僕には出来そうにないなぁ…。」
「そんなことない。君も射撃訓練とMSシュミレータではかなり良い成績だったじゃないか。」
アレスと話すこの青年の名はロン=イシューリー。極東亜日星のチャイナンエリア出身であるそうだ。
今回の徴兵には嫌々抵抗はあったものの、病床に伏せる母の多額の治療費のため、徴兵制度による医療保障を使い母を
最先端医療の病院へ入院させることを目的とし、入隊したという。
「お母さん、良くなるといいね。」
「ありがとう、アレス。僕の大事な人であるからね、僕の勇姿を見せたいのもあるんだ。」
彼も、コスモポリスからの徴兵制度により入隊したのである。
そこへ、GU軍仕官から放送が入る。
「GU軍オーディン新兵に通達!緊急作戦のブリーフィングを行うため、至急第一ドックに集合せよ!」
いきなりの実戦任務に、同様を隠せない二人。しかし、指令であるため、第一ドックへ向かう。
第一ドック内。仕官の指令が下る。
「本来なら君たちはバハムートゼロへ向かい、そこで任務に当たってもらうのだが、緊急のために君たちにも向かってもらいたい。
本艦はサイドオミクロンへ約1時間後に到着する。本艦から1機ずつガンダムソルジャーを支給するため、それに搭乗し、
オミクロン内部にあるギリーMS開発研究所へ向かってくれ。座標は支給するガンダムソルジャーのモニターに示せるように
メモリーカードを配布する。任務内容は、極秘MSの護衛である。そしてそこにバハムートゼロが合流するため、そのまま君たちは
バハムートゼロへの帰還指令を下しておく。本艦にはもう戻らないので、荷支度を済ませるように!
なお、荷物はコンテナにて搬送する。それをガンダムソルジャーに搭載し、そのままバハムートゼロへ持ち帰ってもらう。
これからはバハムートゼロが君たちの家だ。以上が任務内容となる。何か質問はあるか?」
ここでアレスが質問をする。
「何故緊急なのですか?」
「ふむ、本来ならバハムートゼロに極秘MSを回収してもらってから本艦と合流する予定だったのだが
ここへアライアンズの敵MS部隊と中型の強襲戦艦が向かっているとの情報を捕らえた。
予測ではバハムートゼロの速度では僅差で間に合わないかもしれない。したがって
君たちにあらかじめ護衛してもらい、万が一敵が先に研究所へ侵攻した場合に
応戦してもらいたいのだ。おそらく交戦からまもなくしてバハムートゼロが向かい、敵を殲滅するだろう。
生存確率も高いと踏んだ上での護衛任務だ。これが質問への回答となる。」
あまり楽観視できない状況である。
「わかりました、ありがとうございます。」
アレスはすこし曇った表情をしている。果たして本物の戦場で生き残ることが出来るだろうか?
そんな不安が彼の間によぎる。
「質問がなければ荷支度をせよ!そのままD-1整備ドック内のA1コンテナへ持ち込め!作戦開始は1時間後だ。
その30分前にはMSのセットアップを行うため正味30分だ。では、解散!」
- Re: 機動騎士ガンダムInceptor(インセプター) ( No.4 )
- 日時: 2013/03/03 23:04
- 名前: Laevatain (ID: 2xWGAyvP)
第三話 護衛任務—交錯する希望と不安— 後部
そして30分前、新兵全員は荷支度を済ませガンダムソルジャーのMSセットアップを行う。
基本構造と操作はポリスガンダムと変わらないようだ。
アレスは淡々とOSからメインシステム、火器管理システム、センサー、照準、ブースト、各可動部のチェックを済ませる。
「いいか!それは君たちのために新調された新品で、これから戦う相棒だ!大事に扱うように!」
そして作戦時間になり、射出カタパルトからガンダムソルジャーが1機ずつ発射していく。
「アレス=ウィザール上等兵、ガンダムソルジャー、行きます!」
A-1コンテナはアレスのガンダムソルジャーが持つことになった。
宙域のMS制御はすこし複雑である。推進ブースターにより姿勢制御を行わなければ、宇宙の無重力にながされてしまうのだ。
そして8機はサイドコロニーの誘導重力エリアに到達し、そのままゲートよりサイドオミクロンへ侵入する。
久々のコロニーの地表。ウェザーコントロールスケジュールにより、今日は雨のようだ。
降りしきる冷たい雨の中、8機のガンダムソルジャーがギリーMS研究所へと駆けて行く。
MS研究所へ到着し、現地仕官から通信が入る。
「君たちが増援兵士だね。私はここの現地指揮官である。自己紹介はいいだろう、ここから離れることは無いからな。
では、この周辺に索敵ビーコンを配置してもらいたい。そしてそのビーコンから、識別信号なしの機影を見つけたらまずは
通信をいれるように。その後、機影が近づいてきたまたは攻撃してきた場合のみ、応戦することとする。」
索敵ビーコンが地下エレベータからせり上がり、これを研究所を囲うように4機設置していく。
現地指揮官の乗っているであろうガンダムコマンダーが展開・索敵開始の合図を行い、いよいよ護衛が始まる。
一方、ギリーMS研究所内。職員は極秘MSの搬送に向けて準備を行っていた。
「ガウル、そこのコンソールから「光と闇の機兵計画」のダークネスサイドマスターデータを引き出して、搬送する準備を。」
一人の研究員がガウルと呼ばれた男に向かい、メモリーカードを手渡す。
「わかりました、今行います。」
ガウルはコンソールへメモリーカードを挿入し、データ転送の準備を行う。
画面がコピー遂行画面に変わり、着々とコピーが完了していく。
上司の研究員はコンソールエリアから離れていく。
「ギャレス、首尾は?」
ガウルの耳に内蔵されたナノマシンから通信が入る。
「ええ、大丈夫ですよ。今ダークネスサイドデータを抜き出してます。このままマスターデータをクラッシュさせ、そちらへ
戻ります。」
口は動かしていないが、通信はされている。脳内にある言語周波数と思考センサーから言語を抜き出し、音声化する
次世代の通信システムである。脳波からの出力なので、妨害・傍受されないのが利点であるが、人体改造を必要とする技術である。
「内部の研究員はどう切り抜ける?」
「舐めないでくださいよ。俺は「ハイエナのギャレス」ですよ?抜けはありません。」
ガウルが胸ポケット内部にある遠隔ボタンを押す。
そして、ガウルが自分の顔を引きちぎり、別の男の顔が出てきた。これがギャレスである。
ギャレスは白衣を脱ぎ、スニーキングスーツ状態となり、ガスマスクを装備してコピー完了したメモリーカードを抜き出す。
「あばよっと!」
コンソール内にあるダークネスデータにクラッシュプログラムを上書きさせ、データクラッシュを引き起こさせる。
その後、彼は裏口から逃走していった。
ギャレスが逃走した1Fの研究員は全員睡眠していた。
ギャレスが押したボタンから、空調通気溝を通して催眠ガスが噴射されたためである。
護衛MS部隊。未だに敵機影は確認できず。
「こう静かだと、かえって不気味ね…。」
ガンダムソルジャーから聞こえるのは今回の新兵の紅一点、ジェーン=アイオライトである。
「気を抜くな、バハムートゼロが来たら安心しろ。」
指揮官が警告する。
サイドオミクロンに接近する大きな影…
それはアライアンズ所属艦「アーリマン」であった。
そこから射出される10機の機影。アライアンズの主力MS「バル」の部隊である。
緑色にカラーリングされたバルの指揮官機からサイドオミクロン外壁への溶断指示が下る。
一機のバルが、指に内蔵されている溶断トーチにて外壁を溶断していく。
瞬く間にバルが進入できる穴が出来上がり、部隊全機がその中へ入っていく。
避けられそうも無い戦争の断片。ここに戦火が降り注ぐ———
- Re: 機動騎士ガンダムInceptor(インセプター) ( No.5 )
- 日時: 2013/03/04 20:47
- 名前: Laevatain (ID: 2xWGAyvP)
第四話 戦闘—交わし合う光と炎— 前部
降りしきる雨の中、一機のホバーバイクが疾走する。
それに跨るはあの「ハイエナのギャレス」であった。
「いやー、参りましたよ…。ダークネスサイドプロジェクトMSの強奪にきたつもりが、厳重な生体プロテクトと
第一級セキリュティプロテクトがかけられているとはね。
持ってきたアマチュアソフトウェアじゃ解析すら出来ないんで、プロジェクトデータのみを
奪い取る任務に切り替えたのは正解でしたね、グラニットさん?」
脳波通信により、口は動かしては無いが通信を行っている。
「おしゃべりが好きだなギャレス。安心するのは我々にデータカードを引き渡してからにしろ。」
アーリマン内部にいる指揮官らしきグラニットと呼ばれた男がこの通信に対し応答する。
仮面にて素顔はわからないが、恐らくアライアンズの中でもかなり重役の人間なのだと推測は出来る。
「まあ、例のポイントにて落ち合いましょう。そこから俺も出撃します。」
通信を行いながら、ホバーバイクは指定されたエリアに向かい風を切る。
「ビーコン確認。未確認機影を9機確認。識別信号該当無し…こちらに向かってくるな。」
指揮官が警告する。
「後10秒間にこちらへの急接近を行った場合、敵と認識し戦闘準備に入れ!」
8人の新兵は、この10秒間がとてつもなく長い時間のように感じた。
走馬灯とはこのことなのかと感じる10秒であった。
この10秒が終わりきった後、すさまじい衝撃とともに前方から爆風が発生した。
爆風の衝撃が機体のコクピットまで響き、今までの戦いとは違うことを新兵たちは感じ取った。
—これは、相手の命を奪うか自分が死ぬまで終わらない戦いなんだ—
「総員、反撃開始!」
指揮官の合図とともに、一斉に研究所内の兵器から火が放たれる。
機動力に優れたバルの部隊は、この砲撃をいとも簡単にすり抜けていく。
「当たるかよ!」
バルの1機が特攻を仕掛け、新兵アイレルが搭乗するガンダムソルジャー05号機がキックにより吹き飛ばされる。
その後、ビームライフルにて頭部を至近接射。ガンダムソルジャーの頭部が吹き飛び、メインカメラモニターが完全に砂嵐と化す。
「うわあああああ!死にたくない!死にたくないいい!」
アイレルの叫びも虚しく、特攻したバルは戦闘慣れをしているため攻撃をやめない。
バルの接近ビームライフル射撃によりコクピットを含む5箇所を撃ち抜かれ、05号機が大破、爆発した。
「くくく…あっけないねぇ!次はどいつだ!」
「アイレル!くっそぉぉぉ!このやろおおおおお!」
アレスは目の前の仲間を殺された怒りにより、ガンダムソルジャーを急発進させ、特攻したバルにビームサーベルで斬りかかる。
紙一重でバルが回避し、ビームサーベルは空を切る。
しかし、上空へ逃げたバルへガンダムソルジャー01号機は頭部80mmバルカンを発射させる。
バルは姿勢制御が遅れたためシールドによる防御が出来ず、スラスター部にバルカンの直撃を受けてしまう。
飛行不可能となり落下したバルに一気に接近し、ビームサーベルで右腕を切断する。
「くそっ!飛べよぉ!畜生!」
「うああああああああああああああああああ!」
怒りのあまり我を忘れたアレスは、その後もバルに対し何度もビームサーベルを突き刺し、コクピット部を含む胴体は
まるで蜂の巣状態となった。
「こ、これが…戦争…!くそっ!殺さなければ…死んでしまうんだ…!」
人を殺すという罪を再認識し、我に返って震えるアレス。
「人を殺すのにためらうな!この戦争はビビった奴が死ぬぞ!」
指揮官が喝をいれ、2機のバルを捌く。
バル2機はビームライフルの直撃を受け、瞬く間に爆発した。
「ちっ!どうやら指揮官と新兵らしい…!新兵からたたけ!数を減らすんだ!」
残り6機のバルが対象を新兵のガンダムソルジャー7機へと絞込み、編隊を組んだ波状攻撃の体勢になる。
左に展開した編隊のバル2機が、ガンダムソルジャー04号機へ総攻撃をかける。
ミサイルによる追尾射撃を躱し切れず、04号機のシールドが爆撃により破損した。
「ああ!防げない…逃げろ!!」
ガンダムソルジャーの回避能力よりも戦闘経験のあるバルの射撃のほうが断然に正確である。
瞬く間にビームライフルとミサイルの集中射撃により、04号機は撃ち抜かれた挙句に爆炎を浴び、空中爆散した。
しかし、その隙を突きガンダムコマンダーがビームライフルにより正確にコクピット部を撃ち抜き、2機のバルを
機能停止および爆発させた。
「これ以上はやらせん!」
「やるなあのコマンダー…相当の実力者か!だが…舐めてもらっては困る!」
パーソナルカラーが緑の指揮官バルがコマンダーに向かい総攻撃をかける。
このバルはヘビーアームズスタイルであり、武装がビームライフルではなく、ガトリングガン2挺をメインとする。
やむ間のない弾幕がガンダムコマンダーを圧倒する。いくらガンダムコマンダーの装甲が耐弾性が高いとはいえ、
この弾幕とカオスライト金属弾頭による衝撃貫通性では、そう長く持つものではない。
回避と被弾を交互に分けながら、ビームライフルを当てに行くが、緑のバルは難なく回避する。
「この指揮官機は私が引き受ける!お前達は新兵を蹴散らせ!」
残りの3機のバルがガンダムソルジャーに向かって突撃する。
ガンダムソルジャーの06号機が瞬く間にビームサーベルにより武装腕部である右腕を切断され、
ビームライフルの一撃を浴びる。断末魔の声と共に通信が途絶え、ガンダムソルジャー06号機は機能停止となった。
奮闘しているのは2機のガンダムソルジャーである。01・02号機が前線を支えていた。
が、いよいよを持って01号機のビームライフルの残弾数が底をつき、リチャージとなってしまった。
そこに、アレスの01号機に通信が入る。
「やむを得ない!新兵たちはこれ以上犠牲を出さないため、MSを降りてくれ!残りは私が食い止める!」
「悔しいですが…わかりました!俺が時間を稼ぐから、みんなMSから降りるんだ!」
アレスからMSの投棄命令を新兵に伝える。
「僕も降りないよ!最後まで戦う!」
「ロン!ありがとう!みんな降りるまで時間を稼いでくれ!」
新兵ガンダムソルジャーの03・07・08号機が投棄命令により、研究所裏にMSを投棄し、研究所内に避難する。
「あいつら…大丈夫なのか?俺達逃げるようにここに避難しちまったが…」
07号機パイロットのカール=ウッドネスが戸惑いを口にする。
「仕方が無いでしょう?私たちじゃ力不足だし…彼らの無事を祈るしかないわ。」
08号機パイロットのジェーン=アイオライトが応える。
「って、ここのエリア研究員全員寝てるぞ!何があったんだ!?」
03号機パイロットのダグラス=マックがあたりの研究員が催眠ガスにより寝ているのに気づいた。
よって、3人は研究員を起こして回ることにした。
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