二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 機動騎士ガンダムInceptor(インセプター)
- 日時: 2015/07/25 13:01
- 名前: Laevatain (ID: rZuUN0S4)
- 参照: http://laevatain1408.blog.fc2.com/
今までのガンダムシリーズ(主に一年戦争以降からの時代観)を踏襲して
作成したガンダムの二次創作になります。
作成者は妄想大好きなおじさんです。
こんなつたない小説ですが、お付き合いいただければと思います。
STORY
かつて、人類は母なる大地「地球」を方舟に生活していた。
だが、その過剰な人口はやがて「地球」を取り合い、争いを引き起こした。
そして宇宙に生活圏を拡大させてもなお、「地球」をめぐる争いは終わらなかった。
やがて「地球」は人類の手によって汚染され、醜くなっていった。
人類は相談し、「地球」を巣立ち、新たな新天地「火星」に生活圏を移す。
それから約2世紀。
銀河系第35宙域管轄コロニー「サイドアルファ」。
ここにコスモポリスとして従事する青年「アレス・ウィザール」
彼と1体のMSの出会いから、全ての歯車は動き出す。
絶望の運命を希望の未来へ変える歯車が・・・。
—人は、誰かを守るために、「騎士」となる—
用語
セカンド・ノア(第二の箱舟)
第二の地球。火星をテラフォーミングし、地球と同じ環境にした惑星である。
ロスト・ガイア(失われた楽園)
過去の地球。過去の大戦やMSによる戦争により、自然環境コントロールが乱れ、化石燃料は
潰え、汚染されて人類が住めなくなった地球。火星移住から2世紀後、大気は完全に無くなり、
かつての青く美しい星は黒ずんだ地表が見える無残な姿となった。
GU(ギャラクシーユニオンズ:銀河連合同盟)
銀河惑星間での統治が進み、各惑星の政府による政治・法律上におけるルールを確約させる
政治機関。とどのつまり現代の国際連合。
現在は革新派(自由な未来と悪質企業の根絶を訴える派閥)と穏健派(現在の企業紛争を
黙認する派。闇献金を受け取る悪質な議員が多い。)の争いが激化している。
企業
地球時代における国がつぶれてから、企業が力を持つようになり、もはや企業が惑星政府と
同じ権力を持つようになった。それにより、圧政や重労働なども問題になり、
GUが企業の暴走を抑えようと奔走している。しかし、反発する企業も少なくは無い。
現在は各企業間における未統治惑星の資源獲得戦争や紛争が後を絶えない。
そのため、軍備拡大を急ぐ企業が増えつつあり、各企業がGU軍へ宣戦するのではと危惧されている。
そしてそれは、30年前の第一次企業戦争により現実のものとなった。
コスモポリス
GU管理下の宇宙警察機構。
オーディン
GU軍第01強襲攻撃部隊。
革新派の傘下軍であり、自由を目指し戦う軍。市民からはヒーロー扱いされている。
母艦はたった1隻だが、その実力は計り知れない。
母艦は強襲戦闘艦「バハムートゼロ」
プロジェクト ライト&ダークネス(光と闇の機兵計画)
「第二次企業戦争」において、アライアンズに対抗すべく計画されたGU軍極秘新型MS開発プロジェクト。
ライトサイドとダークネスサイドのコンセプトから成り立つ。
ライトサイド セイントガンダム
ダークネスサイド ナイトメアガンダム
この二機のMSを基盤に、アライアンズ撃破のきっかけを生み出そうとしていた。
このプロジェクトの進行部隊はオーディンである。
企業戦争
企業がGUに反発し、起きた戦争。
第1次企業戦争では、全企業が一斉に武装蜂起し、GU軍との全面戦争となった。
GU軍が市民の安全と自由を主張し、企業側が利益の優先、そのための人命の犠牲は必要経費だという反論。
もちろん企業の横暴を市民が許すはずが無い。各企業の従業員は一斉にボイコットしたため企業側の戦力補給がストップ。
企業は窮地に立たされる。
そして企業は、禁断の大量破壊毒物兵器による非人道的な虐殺を敢行。サイドクスィーとサイドツェーラを毒殺し、壊滅させた。
この悪行により世論は大激怒。GU軍はこの後押しもあり、ついに企業側を屈服させる。企業側も降伏を宣言。
これにより、18年間に続く第1次企業戦争は終幕した。
それから10年後、ちりばめられた解体企業を収束させて、新たに3つの大企業が設立される。
その企業達が軍事同盟と産業通商同盟を締結。組織名をアライアンズとする。
アライアンズは、約2年前にGU軍に向かい「復讐のときは来たれり!」と宣戦を布告。
こうして、第2次企業戦争の火蓋が切って落とされたのだった。
モビルスーツ
宇宙開発時代と呼ばれる「宇宙世紀」時代において勃発した、
「一年戦争」と呼ばれる戦争により生まれた人型戦闘兵器。
宇宙の微細粒子により、レーダーなどの無視界戦闘が不可能となった本戦争にて、
有視界戦闘の基盤を確立させた兵器でもある。
特に後述する「ガンダム」と、当時戦争を繰り広げた「ジオン公国」は、
歴史の教科書にその名を刻まれる程、
人類とモビルスーツの歴史を学ぶ上では欠かせない存在。
その後、様々な企業においてモビルスーツは建設用・土木作業用・宇宙開発用などが開発され、
あらゆる分野で人類の開発を支えてきた産業機械となり、今日の宇宙経済の基盤を固めている機械となった。
個人で所有するものも珍しくなく、モビルスーツは「兵器」としてではなく「ありふれたもの」として、
人々に浸透している。
ガンダム
「一年戦争」と呼ばれる、モビルスーツ最古の戦争において、
地球連邦軍が開発した高性能モビルスーツ。
さまざまな派生機種が存在する、由緒ある機体。
現在ではガンダムの特徴的なVアンテナとフェイス、G-ロンダクトプログラム
テクノロジー社が販売するGUNDAM OSを搭載した登録商標商品として流通しているモビルスーツを指す。
ガンダムは主に、フロンティアワークショップ社が
生産、販売を行っている主力商品として認知されている。
独占商品ではなく、さまざまな機種が他企業からも
進出しているが、ガンダム単体の性能では
フロンティア社の右に出るものはいない。
そのため、他企業はガンダムを上回る製品の開発に
奔走するケースが後を絶たない。
ちなみに、ガンダムは大衆の間では最も馴染み深く、
モビルスーツの象徴とも呼べる機体である。
ジェネレータ技術
ムーンレィス(∀ガンダム時代)戦乱後に始まった、宇宙開拓時代の中で新たに見つけた鉱物。
そこには、未知のエネルギーが詰まっているものだった。
その鉱物の名は「エーテライウム」。
このエーテライウムから抽出したエネルギーを「エーテネルゲンエネルギー」と呼ぶ。
エーテネルゲンエネルギーは、簡単な電気変換回路により電力へと変換される。
しかしその発電規模が、既存の化石燃料のおよそ3000倍〜5000倍に相当するものであった。
これにより化石燃料・原子力により起動されていた各機械のジェネレータは淘汰され、
エーテネルゲンエネルギー式のジェネレータ「エリクシル式ジェネレータ」へと移行される。
また、エーテネルゲンは人体への影響がほぼ無く、安全に使えるものとしての評価もあり、
瞬く間に時代はエーテネルゲンエネルギー循環型社会へと変貌する。
エーテライウムにはもうひとつ特徴があった。それは「精錬」に伴う「エネルギー付与」。
エーテライウムは加工のしやすさも売りであり、鉄などの金属の添加物にエーテライウムを数%含ませて精錬させると、
精錬された金属にエーテネルゲンエネルギーを帯びた状態で精錬することが出来るのだ。
これもあり、たやすくなおかつ大量にエネルギーの元を生産できるとして、化石燃料の枯渇に伴う人類の衰退の心配は完璧に無くなり
人類は安心して宇宙開発を行うことが出来るという現在の社会形態が確立したのである。
※この作品におけるビームサーベルは、ビームの噴出によって刃が形成されるものではない。
ビーム出力の上昇によって、ビーム噴出を維持することが
テクノロジー上不可能になったからである。
この作品でのビームサーベルは、折りたたみ式アンテナのように、
伸縮可能な棒状の兵装の表面からビームが噴出し
形成されるものである。
ビームサーベルにも耐久性があり、出力の低いビームサーベルは、
鍔迫り合いの際に負けて破損する可能性もある。
なお、このガンダムはジャンプ漫画の根源である
「努力・友情・勝利」をモチーフにしております。
何卒ご容赦ください。
ツイッターやってます。ご意見ご感想はこちらまで。
要望なども受け付けております。
上のURLからどうぞ。
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- Re: 機動騎士ガンダムInceptor(インセプター) ( No.41 )
- 日時: 2013/07/06 19:20
- 名前: Laevatain (ID: VHURwkNj)
第十九話 罪の意識—目覚めし生ける屍— 後部
「さあ、「サイコツインズ」のお姫様。悪い奴らを倒しておくれ!」
ギャレスの発言と共に、左右に展開する2機。
彼女達が数秒構え、動かない。
「ミーニャ、精神交差よ。」
「わかったわ、サーニャ。」
彼女達が意識を交わす。
見えるビジョンは、敵の動き。予測できる展開。
ビジョンを見終えた彼女達は散開。2機が高速で軌道を描く。
「「鬼さんこちら。手の鳴る方へ。」」
ミキューラとイギュールはビームガンにて牽制射撃を行う。
ノーディック10機が、迎撃の為2機に接近する。
その瞬間、彼女たちの罠が、牙を剥く。
立体映像デコイ「ジェミニ・ジェミナ」と電子兵器撹乱チャフシステム「コンフュージョン」により
ノーディック数機が、その場でビームライフルを乱射する。もちろん2機には当たらない。
彼らの眼とモニターには、レーダーに2機の反応が複数ありなおかつ電子システムが撹乱しているため、ほぼ混乱している状態である。
もう数機のノーディックは、重力発生フィールド展開モジュール「カサルティリオ」が重力フィールドを展開。
ノーディックの動きを著しく低下させる。その後、各所に仕掛けられていたワイヤー拡散型トラップ兵装「スパイダーネット」が展開。
ワイヤーが絡みつき、重力フィールドに残存するノーディックに電流を浴びせ、一定時間のショートを引き起こす。
そして2機のバックパックから有線式バックパック内臓有線式オービット4機「スペクター」が射出。
トラップにかかった哀れな虫を始末するかのように、無慈悲にもビームの雨が降り注ぐ。
防御・回避する術を奪われたノーディック10機は、瞬く間に撃破された。
「まんまとかかったわね、ミーニャ。」
「ええ、あっけないわね、サーニャ。」
彼女たちのアンリミテッド能力である、シンクロニックテレパシーである。
意識の共有と、アウェイカー能力である「敵の動きを予測する」
を活用し、相手の動きにかかるように罠を形成。
これにより、彼女たちの機体の持ち味である罠戦術は
成功率を格段に上げ、なおかつ相手に壊滅的な打撃を与えるのだ。
味方が撃破されるたび、頭痛がひどくなるアレス。
「な、なんだあのMSは!?まるで悪魔じゃねぇか!」
カールが驚愕する。
「あのMSに突撃は良くない!カウンターを狙おう!」
ダグラスが、全員に警鐘を鳴らす。
しかし、次々に罠にかかり、撃墜されていくノーディックと小型戦闘機。
アレスの頭痛はひどくなる。
「ここは私が出よう!このままでは、全員トラップにかかって一網打尽だ!
我々が出れば、被害は最小限ですむ!我々の目的は、オーディンの守護である!」
ここで、ガンダムコマンダーに搭乗していたジェイク中尉が発言する。
「中尉!?どういうつもりだ!」
ザックが、驚いた表情を見せる。
「ノルン所属全軍に次ぐ!敵MSの陽動のため、敵のトラップにあえてかかる!
反撃できるものは反撃せよ!我らは、オーディンの盾となるのだ!」
「バカ野郎!勝手な真似は許さんぞ!お前たちの命を、誰が預かっていると思っているんだ!」
ザックが激昂する。
「ザック艦長!御願いします!私達は、未来のために命を投げうる覚悟は出来ております!」
ジェイクの決意は変わらない。
「中尉、私達も!」
「だめだ!お前達は、もはやオーディンの未来の戦士たち!我々生贄となるエインフェリアとは所属が違う!
…わかってくれ!お前たち希望の種を、つぶしたくないんだ!」
ジュピアとマールを、ジェイクは止めた。彼女達を道連れにしてはならない。ジェイクの決断だ。
「くそ!これしか…これしか方法が無いのか!」
ザックは、デッキの壁に拳をぶつける。何度もぶつける。
ザックの拳から血がにじみ出る。
「自分の、俺の力の無さを…恨みたい!ジェイク…許してくれ…!」
「ザックさん、僕…僕…。」
「マルス、もう言うな。みんな、思う気持ちは、同じだ。」
「うっ、うっ、うわああああああああああああああ!」
マルスが、ザックに抱き寄せられ、涙を流し後悔する。
—理想論を語るには実力が必要—
言葉に出来ない程の絶望を、現実の残酷さを、バハムートクルー全員が感じていた。
ノルンがバハムートを先導する。ノルンに所属するMS部隊も、ノルンに続いて進行する。
当然のように、ミキューラとイギュールのトラップにかかり、次々にMSが撃破されていく。
そして、ノルンも2機の集中砲火を浴び、高度を落としていく。
撃破するまで攻撃をやめない無慈悲のMSが二機。
少女達は、寡黙に攻撃を続ける。
少女達は、冷徹に指示を遂行する。
—まるで、機械のように—
やがてノルンは、大空に、散っていった。
「彼らの死を無駄にするな!バハムート部隊、敵MSを撃破せよ!」
攻撃に集中していたミキューラ、イギュールに、
バハムートゼロMS部隊が襲い掛かる。
—MS部隊のパイロットたちに伝う涙が、彼らを戦士へと変える—
まず、トラップを全てセイントのスピリットにより撃破。
続くスペクターをガンダムガンナーの射撃により全て破壊。
武装を破壊されたミキューラとイギュールは、反撃のため
格闘兵装のフレイルを取り出し、攻撃を仕掛けるが
フレイルを全てガンダムフェンサーが腕ごと切り裂いた。
最後にナイトメアが、二機に斬りかかる。
が、切断できたのは二機のMSの上半身であった。
切断され、むき出しになったコクピット。
MS部隊が見たのは、パイロット。
二人の、少女。
その場が、一瞬で、凍りつく。
—この少女達が、あの殺戮を繰り広げたのか—
次の瞬間、上空からバルとアーガイグが出現。
射撃により、MS部隊は後退する。
「ふむ、調整不足か。ギャレス、彼女達を回収し引き上げろ。」
「あいよ、旦那。」
新たに現れた二機のMSにより、二人の少女は回収されていく。
「ク…ク…クッソ野郎が!あんな子供に!あんな殺戮をさせたのかよ!
ふっざけんじゃねぇ!穏健派も!アライアンズも!いい加減にしやがれ!」
カールが本気で怒りを露にする。
「そ、そんな…。あの子達にあんなことを…。」
ダグラス・ジュピア・マールは震えている。
アシュレイは、泣いている。声にならないようだ。
「これが…アンリミテッド…。彼らの人形…!」
エリュシアは、今アンリミテッドがどういう状況に置かれているかを再認識する。
途端にアレスにこみ上げるドス黒い感情。
アレスは、ナイトメアを緊急着陸させる。
「おいアレス、どうした!?」
アレスはコクピットを降りて、ヘルメットを脱ぎさる。
次の瞬間、アレスは嗚咽した。
戦争の残酷さ、罪の意識、敵の非道さ。
自分の描いていた戦争の崇高な目的が、全て否定された。
そして、沸き出でる黒い感情。
その具現化された物がこみ上げ、彼の口から吐き出される。
「アレスの調子がおかしい!医療班、緊急小型艇を出してくれ!」
ザックも、クルーも、アレスの異変に気がついた。
吐瀉物を吐き尽くした後、アレスは気を失う。
—戦争の犠牲。戦争の爪跡。その代償は、あまりにも大きすぎる—
- Re: 機動騎士ガンダムInceptor(インセプター) ( No.42 )
- 日時: 2013/07/06 19:30
- 名前: Laevatain (ID: VHURwkNj)
第二十話 サイコツインズ—ミーシャとサーシャ— 前部
—アライアンズ・アンリミテッド部隊とオーディンが交戦して2日経過。
産業惑星「メタリカ」近郊のコロニー「サイドメニーナ」
強化人間「アンリミテッド」研究所【イズン】にて—
仮面の男グラニットとハイエナのギャレスが、2機のアクアスリープポッド(液体仮死睡眠装置)の前に居る。
その中には、先の戦闘にてオーディンを苦しめ、エインフェリア部隊を壊滅させた哀しき双子の姉妹が居た。
ポッド内の彼女たちの表情は、苦しそうである。
「彼女たちのVRプログラムステージを、より高難易度にして欲しい。」
グラニットの注文。
「はっ。レベルは?」
研究員が尋ねる。
「レベルSSSだ。あと、彼女の感情制限リミットと記憶制限リンクを解除しろ。」
研究員が慌てる。
「!それは、彼女たちの精神が崩壊し、何をしでかすかわからなくなりま」
「構わん。むしろ、彼女達が壊れれば壊れるほど、オーディンは苦しくなるだろう。
ククク、彼女達を盾に奴らが踊り狂う様をみたいんだよ。」
グラニットが研究員の言葉を遮る。
そして、不気味な嘲笑を浮かべながら彼はポッドを見つめる。
それを、少しうつろな眼で見つめるギャレス。
(さあて、ここらで潮時かねぇ…これ以上関わると命が無くなりそうだ…。)
「彼女たちの状態が安定したら、もう一度彼女達を出撃させろ。残りの部隊もだ。
これらのデータを全て解析後、今後のデータは「フィアーテイマーズ」計画に全て移行させる。
この研究所も廃棄する。悟られたくないのでな。」
グラニットが、冷ややかな顔をしながら今後の予定を述べる。
「そしてギャレス…いつも私達の力になってくれて嬉しいよ。
フフフ…私は君に一種の希望を見ている。
そして、それは君自身の葛藤を払拭するものになるだろう…。」
不敵に笑いながら、グラニットはギャレスを見つめる。
「ん…?ああ、はいよ。旦那。」
ギャレスは空返事を返す。
しかし、ギャレスはグラニットの視線が
自分の心の裏を見透かしている様な感覚を覚えていた。
そして、その視線と期待と、破滅と欲望の入り混じった瞳に
ギャレスは言葉では言い表せないような安心感と高揚感を感じていた。
—俺、旦那に逆らえるのか?
いや、もっと旦那の傍で味わっていたい。
「時代を変える俺達の行動」。そしてそれによる
時代の変化の胎動。その鼓動を—
—暗い意識の中、アレスはそこに居た。
薄暗い意識。自分が生きているのか死んでいるのかわからない。
アレスはふと思った。
(もし自分が死んだら、俺の意識は何処に行くんだろう?
肉体が死ぬのは怖くない。死ぬことは怖くはないんだ。
だけれど、自分の意識が消えるのは怖い。
そしたら、もう考えることも、話すことも、閃く事も、感情も、思いも全て消えてしまうから。
俺という存在が、消えるのが、怖いんだ—)
そして、震えていくアレス。
死を考え、死を恐怖していく。
今まで、自分が殺してきた人間もこの感覚を味わったのか。
後悔と、自責の念。
押しつぶされそうになる。
背中から感じる、温もり。
温かい。
それだけを感じる。
聞こえるのはエリュシアの声。
「大丈夫。私も存在が消えるのは怖い。でも、大丈夫。」
—あなたが、いるから—
アレスは目覚めた。
どうやらバハムートゼロの医務室のようだ。
「俺は…。」
起き上がるアレス。
ベッドには、うつ伏せで眠っているエリュシア。
「アレス、気がついたか!」
飛んでくるのはエウリスハロ。
「ああ…なんとかね。」
「心配したぜ!いきなりコクピットから降りたと思ったら気を失うんだもんな!」
エウリスハロは飛び回っている。
どうやら、ベッドでうつ伏せに眠っていたエリュシアも目覚めたようだ。
もぞもぞとエリュシアも動き、やがて起き上がった。
「アレス…?よかった…!」
寝ぼけながらの挨拶。
「エリュシア、ひとつ聞いて良いか?」
「なぁに?」
「俺は夢を見ていたんだ…暗い闇の中に居る夢。もしかして、君は…そこに居た?」
アレスが、先ほど見ていた夢のような感覚を共有していたのではないかと思い、エリュシアに尋ねる。
「それ…私が見ていた夢と同じだね。もしかして、アレスもアウェイカーなのかな?ふふっ。」
エリュシアが、微笑んで答える。
「えっ?」
アレスがきょとんとする。
「アウェイカーって、同じアウェイカー同士で何故だかわからないけれど、精神や感情を共有できたりするの。
私と意識を共有できたから、アウェイカーなのかなって思っただけ。」
自分にアウェイカーの開眼が?と疑問を持つアレス。
しばらくして、アレスがデッキブリッジに入室する。
どうやら、バハムートゼロは宙域に抜けたようだ。
全員から、アレスの意識が戻ったことによる喜びの声。
「アレス、意識が戻ったんたな!」
「気分はどう?具合悪いところはない?」
カール・ダグラス・アシュレイ・ジェーン・サフィアに一通り挨拶をする。
ザックがかなり心配していたようだ。表情に安堵が戻る。
「アレス…よかった。エインフェリアを目の前で失った今、
お前まで居なくなったらと思うと気が気でなかったよ…。」
「大丈夫です艦長。ご心配をおかけいたしました。」
アレスが、ザックに気を遣う。
「マルスは?」
アレスが、居ないマルスに気がつく。
「ああ、マルス・キャスタ・カロラスは泣き疲れて眠っているよ。
目の前でショッキング過ぎる出来事が起きてしまったからな。
大の大人ですらあれはさすがに堪えるよ…。」
ため息をつくザック。
「前方より未確認機多数!本艦へ接近中!」
レーダー班からの警報。
「総員第一戦闘配備!MS隊、迎撃体制へ!」
アレスを除く全員が、MSドックへ急ぐ。
「艦長、俺も出撃しま—」
—ドクン—
体の中から、とてつもなく痛く、苦しく、重く、ドス黒い何かがアレスを止めた。
胸のほうが、破裂しそうなぐらいに痛み出す。
アレスは、その場で崩れ落ちた。
「おい、アレス大丈夫か!」
エウリスハロが叫ぶ。
「アレス!無理をするな!今の体と心の状態じゃあ出撃は控えたほうが良い!」
ザックの命令によりアレス、出撃できず。
ナイトメアを除くガンダム部隊が出撃し、周囲の警戒に当たる。
間もなくして、先ほどの残党と思われるジャンマ・ジャンガ部隊が出現した。
「総員、迎撃開始!」
先日の戦闘にて、敵の無線攻撃オービットの動きは把握している。
オービットのビームの雨を掻い潜りながら、ガンダム部隊は次々とジャンマ・ジャンガを撃破していく。
ガンダムフェンサーは、オービットをビームブーメランで破壊した後、懐に入って一閃を描く。
ガンダムガンナーは、オービットをビームスラッグガンで的確に破壊し、遠距離からビームキャノンのチャージビームを
放ち、的確にジャンマ・ジャンガの胴体を撃ち抜いていく。
ガンダムディスターブは、EMPグレネードを周囲に散布しオービットの操作を撹乱させる。
その後、まとめてセイントガンダムとガンダムソルジャー二機がお互いをカバーしながら射撃し、
周囲のジャンマ・ジャンガを一掃した。
約50%のジャンマ・ジャンガ部隊が消滅した頃、ジャンマ・ジャンガ部隊の背後から、トラップ戦術を用いるMS
ミキューラとイギュールが
その2つ影の近くに一機の小型艇が現れ、中から先ほどの少女の双子が降りてきた。
「!あれは…こないだの子!?」
エリュシアが、彼女達に気づく。
「またあのMSか!今度は易々と食らわねぇぞ!先に出鼻をくじいちまおう!」
カールが全員に警鐘を鳴らし、トラップからの破壊を提案する。
彼女達は、またトラップを張り巡らして遠距離からの射撃に専念する。
ディスターブの広範囲索敵センサーが展開。
瞬く間に、ミキューラとイギュールのトラップ位置を検索。
それをガンダム部隊へマップデータとして送信する。
ガンダム部隊は、トラップ位置を完全に把握した。
彼女たちの罠武装は、位置を正確に割り出されたため、ガンダム部隊に迎撃されてしまう。
「ねぇ、サーニャ。あの人たち…もう罠にかからないわね。」
初めて、戦闘中に双子の一人が口を開く。
「ええ、ミーニャ。そして…あの死神も居ない。」
続いて、サーニャと呼ばれた少女が話す。
「ミーニャ、私達、何の為に戦っているのかしら…?」
「先生のため…だと思うわ、サーニャ。」
彼女たちの感情に、変化が現れ始めていく。
「ダグラス!彼女たちの通信周波数がわかったよ!繋げられる!」
アシュレイのディスターブが、解析システムによりミキューラとイギュールの通信周波数を割り出した。
「ありがとうアシュレイ!僕が…彼女達に話しかけてみる!」
ダグラスの提案。
「ダグラス!私にも話させて!」
エリュシアも、彼女達との会話を望んでいるようだ。
「私達は、彼らの防衛に回るわ!カール・マール、援護御願い!」
ジュピアの要請に、カールとマールは了承する。
「ジジジジ…聞こえるかい!」
ミキューラとイギュールに、ダグラスの通信が入ってくる。
「誰?」
「僕はダグラス!ひとつだけ、質問させてくれ!君達は、何故戦うんだ!?その理由を聞きたい!」
ダグラスが、双子に質問する。
「…先生の為よね、サーニャ?」
ここで、サーニャがミーニャの意見の際に疑問を抱く。
「先生?先生って、あの仮面の人?ねぇ、ミーニャ?」
ここから、彼女たちの脳裏に記憶制限が解除されたことによるビジョンが入ってくる。
- Re: 機動騎士ガンダムInceptor(インセプター) ( No.43 )
- 日時: 2013/07/06 19:33
- 名前: Laevatain (ID: VHURwkNj)
第二十話 サイコツインズ—ミーシャとサーシャ— 後部
—薄暗い室内。
周辺には、不気味に笑う研究員。
「ククク…大事な実験サンプルだ…人類の進化のために、彼女達には壊れてもらうとしよう。
ヒヒヒ…アウェイカー…ヒヒヒ…セブンスセンス…。」
スーツ姿の男の姿も居た。
その隣には女性も居る。女性は泣いているようだ。
「この子供は何!?わかったわ。またあの女の所に行ったのね!私が居るのに、またそうやって女をコロコロ変えて!」
「落ち着け!あの女とは何も出来ていない!この子供は…そう、俺が別のところから引き取ったんだ!」
「嘘!もう嫌よ!そうやってお金と地位と自分の欲望ために他の人間をないがしろにして…貴方は醜い人だわ!
穏健派の議員は人間としての感情が消えているとお父様から聞いたことがあるわ!まさにその通りなのね!
貴方が遊んだ女の子供なんか、私は受け入れたくない!貴方ももう受け入れられない!出て行って!この家から出て行って!」
そして、女性の影は啜り泣きながら消え、残るスーツの男から憎悪にも似た表情が見える。
「このガキのせいで、俺の人生は台無しだ!こんなガキ、死んでも構わん!お前達のオモチャにしたければ好きにするが良い!」
—周りの、大人たちは、悪魔だった—
「お願い聞いて!」
エリュシアが、今度は彼女達に話しかける。
「あなた達は、もしかしたら怖い大人たちに騙されているかもしれないの!
私達が、あなた達を救えるかもしれない!御願い、戦いをやめてこの艦に来てくれないかしら!?」
エリュシアが、戦いをやめるように嘆願する。
もう一度入ってきた姉妹のビジョン。
—空は鮮血の色。大地は荒野。
彼女達がよく目にする。殺戮訓練VRプログラムの風景である。
目の前には、無残に殺された大人たち。
今の彼女達には、この見慣れた光景が、このプログラムにより創られた光景が
怖い。
怖い。
逃げ出したい。
感情制限が解除されたことにより、感情が湧き出てくる。
今まで感じていなかった感情。
今まで大人たちによって封印していた感情。
全てが開放され、恐怖、罪悪、悲しみが、押し寄せる。
—ワタシタチハ、ナンノタメニ、ウマレテキタノ?
ワタシタチハ、ウマレチャ、イケナカッタノ?
ワタシタチノ、イキテイイ、バショハドコ?
ワタシタチハ、ヒトヲコロシタクハ、ナカッタノ。
ワタシタチハ、シアワセニ、ナリタカッタノ。
ワタシタチハ、アノセカイデ、ヒトヲコロシテ、アメガフッテ、ワラッテタ。
デモ、ホントウハ、アメノナカデ、ナイテイタノ。
ホントウハ、ナイテイタノ—
ミーニャとサーニャの体が震えだす。
彼女たちの眼から、熱く伝わる絶望があふれ出す。
「ねぇ…サーニャ。なんで、先生が言っていたあの怪物から聞こえる女の人や男の人の声は…温かいの?」
「ミーニャ。私にもわからない…何故こんなにも怖いの?」
「サーニャ。私にもわからない…。怖い。」
「「怖い、怖い、こわい、こわい、コワイ、コワイ…」」
彼女たちの、精神が、ガラスのように音を立てて崩壊した。
錯乱した彼女達は、有線式無人攻撃兵装スペクターを、手当たり次第に乱射する。
そのビームは、ガンダム部隊に当たらず、回りのジャンマ・ジャンガを破壊していく。
「彼女たちのコクピットの位置はわかってる!お願いだカール!手伝って欲しい!」
ダグラスの嘆願。しかし、ダグラスの眼は、いつもと違う。
—覚悟と決意を、秘めた眼—
「わかったよ…コクピットを剥き出しにする!」
ガンダムフェンサーと、ガンダムガンナーが、ミキューラとイギュールに接近する。
まず、ガンダムガンナーがミキューラの砲撃を受けつつも、ミキューラに体当たりを繰り出す。
そのままミキューラを押し込み、イギュールに激突させる。
体勢を崩したミキューラとイギュール。
その状態から、ガンダムフェンサーが対艦刀を抜き取り、横薙ぎの一閃。
コクピットが露になる。
「ククククク!この瞬間だよ!さあ、見せてくれ!命の足掻きを!」
遠くから戦況をモニタリングしていたグラニットが、遠隔自爆リモートスイッチを起動させる。
同時に、ガンダムガンナーが二機のコクピットに手を伸ばす。
—瞬間、閃光走る—
二機のMSは、爆炎に飲まれ、散っていった。
爆風の中から、影が二つ。
ガンダムガンナーとガンダムフェンサーであった。
ジャンマ・ジャンガ部隊は、ガンダム部隊により壊滅し、戦闘終了となった。
次々に帰投していくMS。
ガンダムフェンサーとガンナーは最後にドック入りをした。
ガンダムガンナーの手に握られていたのは、
ミーシャとサーシャ姉妹だった。
あの爆発の中で、間一髪手を伸ばし、助け出せたのだ。
コクピットから降りて来たダグラス。
姉妹は、震えている。
「二人の様子は!?」
「ご覧の通り、錯乱状態だよ。」
ザックが、二人の様子を述べる。
「「シニタイ、シニタイ、シニタイ、シニタイ…ワタシタチナンテイナケレバ
ワタシタチナンテウマレナケレバ、ワタシタチナンテ…」」
記憶と感情の錯綜で混乱し、震えている。
それを打ち払ったのは、
ダグラスの平手打ち。
ミーニャとサーニャの頬に、痛みが入る。
「死にたいなんていうな!」
ダグラスの眼には、涙が浮かんでいた。
「人は、生きていれば何かしらの不幸に見舞われる!死にたいぐらいの辛い事だってある!
でも、それが死んでいい理由にはならない!死んでいい言い訳にはならないんだ!
それでも!生きなきゃいけないんだ!生きて!生きて!生き抜いて!
君をこんなにした連中に、君達が生きた証を叩きつけてやるんだ!
君達が、生きた証をこの時代に創るんだ!
だから…簡単に、死ぬなんて…言わないでくれ…!
僕の…妹や、弟も…死にたいなんて…言ってなかったんだ…!
だけど…だけど…!あの出来事で家族は…!僕の家族は…!」
ダグラスが、膝をついて泣き崩れる。
その時、ダグラスは暖かいものを感じた。
ミーニャとサーニャが、ダグラスを抱きしめていた。
「「ごめんなさい、おにいちゃん…。」」
この瞬間、啜り泣く三人。
「ありがとう…!ありがとう…!君達は…こんなにも優しいじゃないか…
死んでいい存在じゃないんだ…!うっ…うっ…。」
ダグラスの感謝。
「ねぇ、サーニャ…なんで怒られたのに、なんでほっぺが痛いのに、こんなにも嬉しいの…?」
「わからないわ、ミーニャ…。でも、嬉しいの…温かいの…おにいちゃんの心…わかった気がするから…?」
ミーニャとサーニャも、今感じる感情がなんだかはわからない。
だが、生まれて初めて彼女達が「幸せ」を認識し、感じ取った瞬間であった。
「ありがとう…!ありがとう…!生きてくれて…!うっ…うっ…。」
「「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…。」」
MSドックに、三人の啜り泣く声が響き渡る。
—戦争の悲劇の中、救うことが出来た2つの小さな命。感情を取り戻した姉妹。
悲しい争いの中でも、新たなる絆と新たなる強い力が芽生えることがある。
それが、ヒトの強さでもあるのだ—
- Re: 機動騎士ガンダムInceptor(インセプター) ( No.44 )
- 日時: 2013/03/26 22:31
- 名前: ノヴァ (ID: N.hBywMC)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=24730
初めまして、ノヴァと申しますm(__)m
タイトルにつられて読んでみましたが、とてつもなく面白いです!
戦闘シーンやキャラの心境などの描写がすごかったです!
書き始めたばかりですけど、↑のURL でガンダムの小説書いてますので、見ていただけたら幸いですm(__)m
- Re: 機動騎士ガンダムInceptor(インセプター) ( No.45 )
- 日時: 2013/04/06 17:46
- 名前: Laevatain (ID: VHURwkNj)
ノヴァさんへ
ご愛読いただき、ありがとう御座います。
この作品は、何度も読み返して楽しんでいただけるように、日々私が
確認をしながら添削・追筆をしております。
末永く、この作品にお付き合いいただければと思います。
また、ノヴァさんの作品も拝読させていただきました。
新しいインスピレーションが沸く、興味深い作品でした。
私の小説の参考になる部分もありましたので、この場を借りてご紹介していただき
感謝の意を申し上げたく存じます。
レヴァンテイン
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