ダーク・ファンタジー小説
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- 人食い病(ゾンビもの)
- 日時: 2016/09/13 14:25
- 名前: 斎藤メロン (ID: k7pNoPCO)
はじめまして、メロンです。
ゾンビもの投稿します。グロ描写などがあるので、苦手な方はご遠慮くださいね。
あ、ちなみに作品に登場する地域、団体名等はすべてフィクションであり、現実に存在しません!
——————プロローグ——————
北海道某所。大晦日の前々日私たちは実家で年を越そうとある町に向かっていた。
周りを山々に囲まれた町の名前は「布浸町」(ふしみちょう)。人口2万人、高齢者はその20%を占めている錆びれた町である。
夫の実家である布浸に行く旅路、彼女は不機嫌だった。
都会生まれの彼女にとって田舎へ向かうことは苦痛でしかなかったのだ。
そしてもうひとつ…。
彼女は何か嫌な予感をしていた。
彼女の名前は小田真由美(おだまゆみ)。本作の主人公である。
>>1
- Re: 人食い病(ゾンビもの) ( No.102 )
- 日時: 2014/06/08 16:28
- 名前: レミリア (ID: i8MUn/7P)
やっぱりメロンさんの作品はとにかく怖いです!私、情景描写がにがてなので、羨ましいな。
- Re: 人食い病(ゾンビもの) ( No.103 )
- 日時: 2014/06/09 15:18
- 名前: 斉藤メロン (ID: mGXNpy6x)
レミリアさん、ありがとうございます!
褒められる程のものではありませんよ(´・ω・`;)
自分の文才の無さにいつもがっかりします。
振り返って読んでも楽しい様に頑張ります!
こうした方がいいよ。なんて意見もあれば書いていただけたらありがたいです^_^
- Re: 人食い病(ゾンビもの) ( No.104 )
- 日時: 2014/06/15 09:51
- 名前: 斎藤メロン (ID: uY/SLz6f)
福井はすぐに顎に手を当てた。
「いや、でもまぁ。あそこなら住宅密集地より少し離れた場所にあるし、スキー場の頂きには奴らは少ない。要塞化すればもしかすると奴らに対抗出来るかもしれないな。放送が途絶えた理由は分からないが、云ってみる価値はあるな。」
福井は独り言の様につぶやく。
「じゃあさっそく。行きましょう。」
真由美は弘美が心配でいてもたってもいられなかった。
「まぁ、待て。先ずはあなたの肩の薬莢を取り出さないと。それと抗生物質とアドレナリンも必要だな。安心しろ。丁度、全て揃っている。」
そういうと、福井は棚から必要な物を取り出し、真由美の前に並べた。
「すごい。なんでこんなの持ってるのよ。」
「暴動が起こった時に少しくすねただけだよ。」福井は悪びれる様子も無く淡々とそう言った。
「それって、犯罪じゃないの?」
真由美が慌ててそう言うと、福井は大笑いした。何がおかしいのか真由美にはわからなかったが、バカにされているのはわかった。
「あなたは本当にバカですね。こんな惨事になった今、犯罪の事を気にするやつなんて誰もいないさ。薬品庫に入った時も看護師や医者に見られたが、皆俺の事なんて気にも止めていなかったですよ。誰もが、自分の身を守るのに必死なんです。やるべき事をしないとこちらがやられる。現に私がこれを調達したからあなたは手当を受けられるんですよ。」
「そうだけど…。」
真由美は間違った事は言っていないのに言いくるめられた気がして腑に落ちなかった。
「私がいいたいのは優先順位を見極めろって事だよ。今の貴方が優先すべき事はなんでした?」
真由美はとっさにそう問われる。
しかし、真由美はその答えをすぐにいう事が出来た。心は既に決まっている。
「弘美を助ける事。それが私の優先すべき事よ。」
「よろしい。貴方はその為ならどんな手段も厭わない覚悟を決めなくちゃいけないんです。」
「覚悟ならもう決めてる。」
真由美の表情が変わったのを見て、福井は微笑む。
「わかりました。ではさっそく処置をしましょうか。」
福井はほんの数分足らずで真由美の肩から薬莢を取り出した。
さらには縫合まで行い、痛みに耐えながら真由美は感心した。
「すごい手慣れてるわね。もしかしてそういう仕事してたの?」
「まさかするわけがない。少し教わっただけだ。」
「一体誰に?」
「これです。」
福井の手にはDVDが握られており、そのタイトルは『これであなたもランボーだ!サバイバル大全』と書かれていた。
「まさか、あなたこれを見て処置を?冗談よね。」
「冗談なものか。タメになるぞ。」
福井は大真面目だった。曇りのない瞳に真由美は呆れ、自分が疑わしいDVDで得た知識で処置された事にゾッとした。しかしそれと同時に自然と笑みがこぼれた。
「あなたも相当バカよね。いかれてる。」
真由美が笑ながら言うと、福井も笑みを浮かべ「そうかもしれないな。」と言った。
- Re: 人食い病(ゾンビもの) ( No.105 )
- 日時: 2014/06/16 22:11
- 名前: 反戦連邦 (ID: FWNZhYRN)
スラマッマラム!平和と日常が大好きの反戦連邦です!
斉藤殿の作品を少々ながら拝見させていただきました!
私もあなたのように上手く面白い小説が書きたいです!
もしお時間がありましたら私が複雑・ファジーサイトで書いている「人肉はお好き?」はゾンビものではないしあなたの作品には到底及びませんがぜひ読みに来てください!
どうかよろしくお願いします!
あとスペースとってすみませんでした。
- Re: 人食い病(ゾンビもの) ( No.106 )
- 日時: 2014/06/18 15:28
- 名前: 斎藤メロン (ID: 6.Nua64i)
「よし、出来た。」
福井が真由美の包帯を綺麗に巻き直す。
「ありがとう。」
真由美は上着を羽織り、福井の近くまで行く。
福井は地図の前に行き、娘を探し出す算段を立てていた。
真由美が黙ってその様子を見ている。
真由美には、どうしてもわからない事がひとつだけあった。
「どうして…こんな事になっちゃったの?」
「なにがですか?」
「だって、普通あり得ないでしょ。少し前まで人間だった人があんな…。ま、まるで、ゾンビみたいに…。」
福井はゆっくりと話し始めた。
「ゾンビね。…確かにゾンビかもしれないな。原因はいくつか考えられる。大気汚染の影響、隕石の放射能、寄生虫、はたまた人体実験。」
人体実験と聞いて真由美は唾液を飲み込む。福井もそれに気がついた。
「よく、SFとかじゃあるよな、人体実験。でもまず無いだろう。」
「なんでよ?」
「私は現実主義者だからだ。まず希望的観測や妄想はしない。第一、この町みたいな錆びれた町でワザワザ人体実験しようなんて奴がいるか?まずありえないな。」
「だったら、なんだって言うのよ。」
「ところで私が何の研究をしているか知ってるか?」
「カニバなんとかでしょ?さっきあの老人に聞いたわ」
「カニバリズムだよ。食人族やその土地の文化や儀式について調べている。」
真由美は眉をしかめる。
「あの、私はそんなに頭がいいほうじゃないんだけど、つまり、あなたは何がいいたいの?」
「ついてこい。私の研究所に案内する。」
福井は先に歩きだし、部屋の奥に消えてしまった。
真由美は結局、福井が何をいいたいのかわからないまま、「もう!」と言い、早足で福井を追った。
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