ダーク・ファンタジー小説
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- 人食い病(ゾンビもの)
- 日時: 2016/09/13 14:25
- 名前: 斎藤メロン (ID: k7pNoPCO)
はじめまして、メロンです。
ゾンビもの投稿します。グロ描写などがあるので、苦手な方はご遠慮くださいね。
あ、ちなみに作品に登場する地域、団体名等はすべてフィクションであり、現実に存在しません!
——————プロローグ——————
北海道某所。大晦日の前々日私たちは実家で年を越そうとある町に向かっていた。
周りを山々に囲まれた町の名前は「布浸町」(ふしみちょう)。人口2万人、高齢者はその20%を占めている錆びれた町である。
夫の実家である布浸に行く旅路、彼女は不機嫌だった。
都会生まれの彼女にとって田舎へ向かうことは苦痛でしかなかったのだ。
そしてもうひとつ…。
彼女は何か嫌な予感をしていた。
彼女の名前は小田真由美(おだまゆみ)。本作の主人公である。
>>1
- Re: 人食い病(ゾンビもの) ( No.148 )
- 日時: 2016/03/16 13:47
- 名前: 斉藤メロン (ID: AdHCgzqg)
2日もここに…
ふたりでこの子達は頑張っていたんだ。
気づけば、部屋は冷えきっている。
暖房もつけずに毛布にくるまってやり過ごしていたようだ。
「そう。2日間も大変だったわね。スキー場に私たちも行くの。マルくんのご両親もスキー場に向かってるなら途中で合流出来るかも。
私たちと一緒に行きましょう。ショウマくんのご両親もそこにいるかもしれないわね。」
「俺の親はもう死んだからいない。カミツキになっちまった。俺は親はもういい。それよりマルのことは安全な場所に連れていきたい。」
両親の話をショウマは眉ひとつ動かさず言った。そこには強い意思を感じる。辛い体験を克服して今は前を向いた男の表情だ。
目がかすかに潤んでいるのを真由美は見逃さなかったがなにも言わなかった。
「そう…。わかった。マルくんのご両親を探しに行きましょう。」
ショウマは頷いたが、マルはうつむいたままだった。よほど怖い思いをしたのだろう。
「でも、スキー場には行かない方がいいよ。」
ショウマが真剣な表情で言った。
「なぜ?」
「実は俺、スキー場から来たんだ。そこで集まったやつらがなんか宗教みたいなことはじめて。最初はみんなあまり気にもとめてなかったんだけど、日がたつ事に状況も悪くなっていく一方で助けも来ないし、そのうちにだんだんみんな教祖みたいなやつにすがるようになっていって、段々ヤバイことまで始めたんだ。生け贄っていって、カミツキのいる外に人を放り出したり、信じないものは片っ端から拘束しだした。」
「確か宗教の名前はーーーーーーー理憫会。」
理憫会。真由美は言葉がでなかった。
その話が本当なら弘美がスキー場についてしまったら…。そう考えると震えが止まらなかった。
「だから、あんた。スキー場には行かない方がいい!マルの両親にも言ったんだ!そしたら確かめてくるって!二人はここで待ってなさいって出ていったんだ。」
「ショウマくん、その話を聞いて、なおさら私は行かなきゃ行けなくなった。なんとしても!私の娘を、弘美を助けるために…!!」
「あんたも子供をさらわれたのか?」
まゆみはなにも言わなかったが、そうであることは沈黙が物語っていた。
ショウマは決心する。
「俺たちも行くよ。ここにいてもたべるもんもないしな。」
「そう良かった。大丈夫よ安心して。あなたたちは死なせない。なんたって私には心強い仲間がふたりもいるんだから。」
- Re: 人食い病(ゾンビもの) ( No.149 )
- 日時: 2016/03/17 18:28
- 名前: 雷華 (ID: zflF3NFd)
こんちわっす!初めましてっすね!
雷華と書いて、らいかって読むっす!!
斎藤メロンさんのストーリーまじ楽しいっす!
これからも楽しみにしてるっすね!!!
- Re: 人食い病(ゾンビもの) ( No.150 )
- 日時: 2016/03/18 22:18
- 名前: 斉藤メロン (ID: m9NLROFC)
速水が障害物を乗り越え、女性のもとに駆けつける。
奴等の数は三匹。これなら倒せる。
「おばさん、早く柵を登って!」
速水は銃を構え、近づく奴等を順番に狙い打つ。
正確な射的に、やつらはあっけなく絶命した。
女性の体を引っ張り上げ、柵の内側に。速水も続いて、柵を越える。
「すばらしいな速水。」
- Re: 人食い病(ゾンビもの) ( No.151 )
- 日時: 2016/03/20 01:10
- 名前: 斉藤メロン (ID: AdHCgzqg)
雷華さんありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!
雷華さんの話も見に行きますね(^-^)v
- Re: 人食い病(ゾンビもの) ( No.152 )
- 日時: 2016/03/20 01:37
- 名前: 斉藤メロン (ID: AdHCgzqg)
「ざっとこんなもんですよ。」
速水は息を荒げながら、親指を福井にむけて立てた。
「あぁ、助かりました。あなたたちありがとうございます。」
「あれ?西町の裕子おばちゃんじゃないですか?」
「あら、健ちゃん。健ちゃんだったのね。」
速水と女性は知り合いのようだ。福井が「知り合いだったのか」というと
「えぇ、この人は理憫会の人ですよ。」
「なに?」
速水は少しは嫌悪の表情を向けるが、すぐに速水が「でも、この人も過激派じゃない。いい人です。」とフォローする。
「ふん、まぁいい。それよりもここで話してる余裕はなさそうだ。」
福井が柵の方向に顔を向ける。
柵の奥には先ほどの銃声で何体かの奴等が集まっているようだった。
「そうですね。おばちゃん。立てる?」
「あの怪物はなんなの?それに健ちゃんなんで銃なんか。」
女性は色々と撹乱しているようだった。
「話してる時間はないんだ。今からここを出てスキー場にいく。先輩この人も連れていっていいですよね。」
「あぁ、構わない。」
少し含んだように言う福井。危険因子として見ているのを福井も感じ取った。
福井は振り返り歩き出しながら
「俺はあの人と連絡をする。先ほどは慌てていて聞こえなかったが、何か言っていたみたいだ」
「えぇ、とりあえず移動しましょう。」
「こちら、福井だ。何かあったか?」
真由美たちが外の様子を伺っている最中。腰に着けていたトランシーバーから応答がある。
「若い男の子を二人見つけた。彼らも連れていくわ。良いでしょ?」
「問題ないですよ。こちらも一人女性を保護したところだ。」
まだ生存者がいたのか。真由美は安堵する。
「わかった。とりあえず誘きだし作戦はこれから行うわ。」
「俺たちもバスが発進できるよう準備する。どうか無事で。」
そのままトランシーバーを切る。
ショウマが真由美に質問する。
「作戦って?」
真由美はこれから行うこと、どのように脱出することを二人に話した。
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