ダーク・ファンタジー小説

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人食い病(ゾンビもの)
日時: 2016/09/13 14:25
名前: 斎藤メロン (ID: k7pNoPCO)

はじめまして、メロンです。
ゾンビもの投稿します。グロ描写などがあるので、苦手な方はご遠慮くださいね。
あ、ちなみに作品に登場する地域、団体名等はすべてフィクションであり、現実に存在しません!

——————プロローグ——————

北海道某所。大晦日の前々日私たちは実家で年を越そうとある町に向かっていた。

周りを山々に囲まれた町の名前は「布浸町」(ふしみちょう)。人口2万人、高齢者はその20%を占めている錆びれた町である。

夫の実家である布浸に行く旅路、彼女は不機嫌だった。
都会生まれの彼女にとって田舎へ向かうことは苦痛でしかなかったのだ。
そしてもうひとつ…。

彼女は何か嫌な予感をしていた。

彼女の名前は小田真由美(おだまゆみ)。本作の主人公である。

>>1


Re: 人食い病(ゾンビもの) ( No.21 )
日時: 2012/09/08 12:31
名前: 斎藤メロン (ID: KG6j5ysh)

トンネルを過ぎて、奴らが見えなくなるまで車を走らせた後、真由美は車を止めた。
町はしんしんと降る雪に覆われ白色に染まっていて、嫌に静かだ。
時折、静けさの中に悲鳴にも雄叫びにも聞こえる音やブレーキ音のような高音。その後にずしんと重たく響く音が聞こえた。一体なんの音かを特定する術はない。

車を止めたのわ国道から脇にはいった路地。
すぐ手前に木造の一戸建てが立っていた。近くには街灯がありその民家を照らしている様子が不気味である。

Re: 人食い病(ゾンビもの) ( No.22 )
日時: 2012/09/21 01:14
名前: 斎藤メロン (ID: FTx5/VHw)

周りを注意深く確認し、何も居ないことを確認すると真由美は思い出したかの様に携帯を取り出した。

見ると、携帯の電波は圏外から回復していた。

「よかった!警察に!」

焦りながらも警察に電話を掛ける。
着信音が二度鳴ると真由美は安心した、しかし安心もつかの間。
携帯からピーっと言う音が聞こえ始めた。

真由美は「なんで?」と言いながら携帯の画面を見る。
そこには、充電してください。の文字が標示されていたのだ。

余りの突然の出来事の連続にバッテリーが残りわずかな事に気がつかなかったのである。

暫くして、真由美の携帯画面は暗くなった。

「うそ!うそでしょ!待って!旦那が!ヒロちゃんが!」

真由美の叫びは空しく響くだけだった。

「そうだ!カバン。カバンよ!カバンの中に充電器!」

大切な事に気が付いたが、それと同時にもうひとつ大切な事に彼女は気づいた。


カバンは道中乗ってきたワゴン車の中だったのである。


………終わった。

真由美はハンドルに頭を付けてそう思った。

これでは弘樹を助けにいけない。そう思うだけで絶望的な感情が込み上げてきた。また涙がこぼれる。

その時、弘美が袖を引っ張った。

真由美はそのまま視線だけを弘美に向ける。

弘美は袖を引っ張りながら正面の方を指差していた。

「どうしたの?」

「前から誰かくるよ。ほら」

真由美が前を見ると、目の前の平屋から誰かが、出ていた。

体が氷付いた。また、あいつらだ。

ニット帽を被ったシルエットが街灯に照らされてはっきりと映る。

外見は老人だが、手には猟銃を構えていた。
よく見ると、何か言っている。その老人は今までの奴らとはなにか違う感じがした。目が死んでいなかった。

バールを握りしめ、真由美は弘美の手を握った。

老人はある一定の距離を保ち止まり、こちらにこう言った。

「生きているなら返事をしなさい!五秒数える。」

そういうと老人はカウントし始めた。

Re: 人食い病(ゾンビもの) ( No.23 )
日時: 2012/09/11 06:11
名前: 斎藤メロン (ID: 7KCfFUM.)

カウントがに2に差し掛かったところで、真由美は車のドアを開けた。

「待って!打たないで。」

車から身を乗り出た瞬間、老人は後ろに下がりながら猟銃を構え直したが、真由美の言葉を聞いて、直ぐに猟銃を降ろした。

「良く無事でしたな。怪我は?噛まれたりしませんでしたか?」

老人は歩み寄り、そう訪ねてきた。
噛まれたりしませんでしたか?の問いに少し違和感を覚えたが、真由美は「はい、ありません。」と答えた。

「とりあえず、私の家に来なさい。ここにいると危ない。」

真由美たちは先導され、言われるがままに平屋に入った。

老人に案内されるまま、居間に案内されるとそこにはこたつがあり、温かさが伝わってきた。横のソファには若い男が座っており、二人は睨まれる。

「じぃちゃん!何で入れたんだよ!」

若者は老人の孫なのだろう。雰囲気からそれは察する事が出来た。

二人が招かれざる客と言うことも同様にわかった。

台所に向かった老人が、こちらに戻ってくる。

「こら武志!なんちゅーものの言い方だ!」

「こっちが危険になるのはわかってんだろ!」

真由美は一連の流れを把握出来ていなかった。
なにかが起こっている事以外は。

「すいません。長居する気はありません。あの、電話を貸して頂けないでしょうか?直ぐに出ていきますので。」

「電話?あれはダメだ。使い物にならない。あの日以来な。」

若者がそういい放つ。

「あの日?」

「こんなになる5日前からだよ!なんだ?あんたらよそ者か?」

「すいません。此処へは先ほど着いたばかりで。…あのもしよければ何があったのか話して頂けませんか?」

Re: 人食い病(ゾンビもの) ( No.24 )
日時: 2012/09/12 00:10
名前: 斎藤メロン (ID: IqVXZA8s)

老人の家は生活感に満ち溢れていた。

しかし、その中でも、窓に打ち付けられたベニヤ板とそこらじゅうに置かれた蝋燭だけが異様な存在感を放っていた。

「なんと、またこんな悪い時期に来ましたね…。」

老人はこちらの心情を察するようにそう答えた。

「旦那の…家族に会うために来たんです。一緒に年を越そうと…。」

旦那の…。といいかけた所で少し言葉を濁してしまった。

「あぁ、そうか。明日は大晦日でしたか…。」

老人は思い出したかの様に深刻な顔をした。

「あいつらがうじゃうじゃ湧き出て来なければ今頃いつも通りの一日だったんだ…ちくしょう!」

「あいつら?」

「あんたたちトンネルから来たんだろ…。もう出会ってるよ。」

「えっ…。」

真由美はあの怪物達の事を思い出していた。

「奴ら何処から沸いたのか。どんどん増えて布浸をめちゃくちゃにしやがった!」

Re: 人食い病(ゾンビもの) ( No.25 )
日時: 2012/09/19 17:06
名前: ジル (ID: m5kxUCPo)

こ、怖いけど・・・すっごくおもしろいです!

初めまして、ジルです
続き楽しみにしてます!


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