ダーク・ファンタジー小説

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人食い病(ゾンビもの)
日時: 2016/09/13 14:25
名前: 斎藤メロン (ID: k7pNoPCO)

はじめまして、メロンです。
ゾンビもの投稿します。グロ描写などがあるので、苦手な方はご遠慮くださいね。
あ、ちなみに作品に登場する地域、団体名等はすべてフィクションであり、現実に存在しません!

——————プロローグ——————

北海道某所。大晦日の前々日私たちは実家で年を越そうとある町に向かっていた。

周りを山々に囲まれた町の名前は「布浸町」(ふしみちょう)。人口2万人、高齢者はその20%を占めている錆びれた町である。

夫の実家である布浸に行く旅路、彼女は不機嫌だった。
都会生まれの彼女にとって田舎へ向かうことは苦痛でしかなかったのだ。
そしてもうひとつ…。

彼女は何か嫌な予感をしていた。

彼女の名前は小田真由美(おだまゆみ)。本作の主人公である。

>>1


Re: 人食い病(ゾンビもの) ( No.143 )
日時: 2016/01/14 14:30
名前: 斉藤メロン (ID: q9W3Aa/j)

真由美は屋上から建物を見つめていた。外は寒い。

建物づたいに五軒、建物は積もった雪を落とすのに傾斜になっており、落ちればひとたまりもない。

真由美は胸の前に手を当てた。

「お願い弘樹。私を守って…。」

そのときトランシーバーから声が聞こえる。
福井の声だ。

「…聞こえるか?」

「ええ…」

「トランシーバーの電源は常にオンにしておけ、何かあれば逐一報告しろ。やばくなったらすぐに引き返せ。わかったな?」

「わかったわ。」

「俺たちはこれからバスを動かす。準備ができたら合図しろ。」

「わかったわ。」

「小田さん。速水です。よろしくお願いしますよ。」

「はいはい。あなたもしっかり運転しなさいよ。」

「ぼくこの戦いが終わったら結婚するんだ。」

カタコトで速水がいう。

微笑しながら「なにそれ。」と真由美はいった。

「死亡フラグってやつです。このフラグはぼくがいただきました。だから貴方は今日死なない。」

「…ありがとう。死なないわよ。あのこに会うまでは。」

「あ、ちなみにこんな言葉も知ってますか?」




“主人公補正です”



「知らないわよ。ほら、もういくわよ!」

真由美はきの板を隣の建物に渡し、ゆっくりと進んでいく。

Re: 人食い病(ゾンビもの) ( No.144 )
日時: 2016/01/14 20:19
名前: アレン (ID: qyjkJIJL)

面白いです!

Re: 人食い病(ゾンビもの) ( No.145 )
日時: 2016/01/18 04:24
名前: 斉藤メロン (ID: C6aJsCIT)

アレンさんありがとうございます!
これからもか書いていきます!


福井と速水は建物の一階におり、外の様子を見ていた。
「よく塞いだでしょう?結構苦労しましたよ。」

そのこと言葉に福井は反応せずただ、外を眺めているだけだった。

速水がため息をつく。

「行かせたのは間違いだったと思ってるんですか?」

「あの人が選んだんだ。止めても無駄だったろう。」

「きっとうまくやってくれますよ。」

やっと福井が窓から目線を外し、深く呼吸する。

「そうだな。私たちは私たちのするべきことをするだけだ。」



ゆっくりと外に出る。風は冷たい。
やつらの呻き声がバスの奥から聞こえてくる。

「あのバスを動かしたら奴等が押し寄せて来るんじゃないか?」

「大丈夫です。その奥に何台か車を止めましたから。それに車はバリケードの外を向くようにハの字に停めましたから、真ん中を通れば車は突っ切れます。」

福井は黙って二度うなずく。

トランシーバーから真由美の声がする。
「五軒目についた。でも屋上の扉に鍵がかかってるみたい。」

「どこかに入れる場所はないか?」

「探してみる。」

トランシーバーからは窓が割れる音がし、その後しばらく無音の時間が続いた。
福井は真由美の安否が心配になり、じっとトランシーバーを見ていた。

その時速水が声をかける。

「先輩あれ。」

速水が見ている先は柵の方向だった。
そしてその奥には走っている人間とそれを追う明らかに人ならざるものの姿があった。

逃げているのは中年の女性で必死に助けを求めている。

「やばい!助けないと」速水がすぐに柵の方向に走っていく。

福井はすぐにトランシーバーに連絡した。
「緊急事態だ!建物に入っているならそのまま待機していてくれ。」

しかし、真由美から連絡はない。
福井は仕方なく、返信を待たずに速水の後を追う。

Re: 人食い病(ゾンビもの) ( No.146 )
日時: 2016/01/20 11:26
名前: 斉藤メロン (ID: rDOQFxsS)

真由美が隣の建物の屋根に板を渡す。
風は強くないが、板はぐらぐらと揺れている。

幸いにも積もった雪に板がつっかえて、そこまで不安でもないのをての感覚で感じた。

ゆっくりと板を歩く、走ってはダメだ。
走ってはつっかえている板が動き、そのまま下に落とされてします。
建物は意外と高い。落ちてしまえばかすり傷ではすまないだろう。

体重が軽くて良かった。
真由美は安定している板をわたりながらそう思った。

屋根にたどり着くと、板を持ち次の建物に移動させる。

丁度バスのバリケードを超えた辺りだ。
板を隣の建物に渡したときに真由美は気づく。

すごい数の奴等が道路にうごめいている。

大抵は力なくうろうろと歩き回っているが、立ち止まっているものもいる。
一際奇妙な呻き声をあげている。

寒さを感じないのだろうか?
真由美は単純に疑問に思った。

奴等は道路だけではない。
真由美が板を渡した建物と建物の間にはぎゅうぎゅうに詰まった奴等が動き唸っている。

真由美はそれをみて息を飲みこんだ。

落ちることそれは死を意味していることがすぐにわかった。

板の上に第一歩を踏みこむ。
板は先ほどとうって代わり不安定に感じた。

それは板の耐久力が衰えた訳ではない、真由美の感覚の問題だった。

落ちてはいけないというプレッシャーが板を不安定に感じさせていたのだ。

「ハァ…弘樹。弘美。」

両手を広げ、バランスを取りながら真由美は板を進む。

そして、なんとか隣の建物までたどり着くと真由美はその場に座り込んだ。

一息ついて先をみると、まだ三軒ある。
真由美はため息をついて立ち上がる。




−−−−−−−−




五軒先までなんとかたどり着いた。
屋上があるが、冬は使っていないのか雪がこれでもかと積もっていた。

真由美は屋上から室内に入る扉に手をかける。が、鍵がかかっていて開かない。

真由美は福井にトランシーバーで連絡する。

「五軒目についた。でも屋上の扉に鍵がかかってるみたい。」

程なくして福井の声が聞こえる。

「どこか入れる場所はないか?」

真由美は「探してみる」といい、辺りを見回す。

屋上には一際雪が高く積もっているところがあり、真由美はそこまで進む。

雪をほろうとブルーシートが出てきて、その下にはガラスがあった。

此処からなかにはいれないだろうか?

真由美は中から外の様子を見るが、何も動く気配はない。

ま真由美は肩にかけていた猟銃を逆手に持ち、持ち手で窓ガラスを割る。

ガラスが割れた音がしても中から物音がしない。
やはり奴等はいないようだ。

真由美はトランシーバーで福井に連絡しようとした。

だが、その時突然に突風が吹き、ブルーシートが風にあおられて真由美に覆いかかった。

「きゃ!!」

真由美はバランスを崩し、そのまま窓から室内に転落する。

背中から落ちた真由美に激痛が走る。
そのまましばらく動けなかった。

トランシーバーからは音がしているが、何処にあるかわからない。

真由美は痛みを我慢しながら辺りを見回す。

「探してるのはこれか?」
真由美の背後からトランシーバーからのノイズと男の声がする。

そして、真由美の顔の横には男の手があり、その手には包丁が握られていたのだ。

Re: 人食い病(ゾンビもの) ( No.147 )
日時: 2016/02/07 22:25
名前: 斉藤メロン (ID: rDOQFxsS)

真由美はすぐに振り返り、銃をうしろに向けた。

「待て!!まてまて!撃つな!驚かすつもりはなかったんだ。」

男は若く、高校生くらいだった。

男は後退りしながら、焦ったように包丁をしたに落とす。

「あんたが上から落ちてきたからカミツキかと思っただけだ!あんたをどうこうしようとは思ってなかった!」

カミツキ?聞き慣れない言葉に一瞬なんのことか分からなかったが、おそらくやつらのことだろうとまゆみは察しがついた。

若者の後ろにはもう一人男がいた。二人とも同じくらいの年だろうか。

真由美は銃を下ろす。

「ここに立て籠っていたの?」

「もう何日もここにいますよ。カミツキがどんどん溢れてきて逃げることができなかった。」

真由美はトランシーバーを若者から受けとるとすぐに近況を報告するも応答がない。

「あなたたち名前は?」

「俺がショウマ、こいつがマル。」

「そう。私は真由美よ。さっきのカミツキって言うの
は?」

「外にうじゃうじゃいる怪物だよ。」

「誰がつけたの?あなた?」

ショウマはしばらく黙り、「マルの両親が言っていた」とはなす。

マルと呼ばれる少年の何も言わず震えているだけだった。

「実はマルの両親は2日前にスキー場に向かってから戻ってきてないんだ。」


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