二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

【イナズマイレブン】〜試練の戦い〜アンケートやってます☆
日時: 2011/07/03 20:08
名前: しずく ◆snOmi.Vpfo (ID: PODBTIS5)
参照: http://ncode.syosetu.com/n2574t/

お知らせ(new!)——キャラの掛け合いにしてみた
蓮「今年の夏はどこに行く?」

綱「そりゃ沖縄だろ。熱いし、暑いし、サイコーだぜ!」

蓮「……お粗末様」

コメント返しが滞っている件について>>361

>>446懲りずに七夕アンケート。ご協力願います^^
↑url。小説家になろうというサイト様に投稿しました。こっちの方が纏めやすいので;;よければ感想や評価のレビューをお願いします^^って、つながっていませんでしたね><今度は通じているので大丈夫です。

●過去の話を随意整理中。初見の方や見直したい! と言う方はヒンメル様のサイト(URLは↑)へどうぞ!

●ふぁーすと
初めまして^^ イナイレに脳内を侵略されつつあるしずくと申します。お好きに呼んでください^^
コメントや小説の宣伝はいつでも大歓迎です^^むしろ宣伝してくだされば直行します。

友達の影響でイナズマイレブンにハマり始めたので、オリキャラとイナイレキャラ達の友情を、勝手気ままに執筆します。そのせいでサッカーより、友情話が多いと思いますv
イナズマイレブンの友情には、興奮したりしたので、上手く表現できたらいいです><
誤字脱字天国なので気づいたら、指摘してくださると嬉しいです。

イナイレしらねぇって方でも、わかるように書いていきたいと思うので、知らない方、暇だからクリックしてやったぜと言う方も是非読んでくださいね!

どうでもいいですが、筆者は涼野・風丸・吹雪好き。染岡さんや南雲も好きですよ—!


以下の方はしっぷうダッシュでお戻りを!

○目が目がぁぁあああな残念な文はオレの好みじゃない

○インチキキャラもいい加減にしろ!

○荒らし!悪口!最高!

☆イナズマイレブンとは?☆
レベルファイブ様原作の、サッカーゲーム。アニメも水曜日7時から放映中。
雷門中学校を中心とし、サッカーで様々な相手と戦うゲーム。サッカーなのに、人が炎を吐いたり、動物を出したり……とにかくそんな「超次元」が売り物。今挙げたものは「必殺技」と呼ばれ、ドリブル(相手陣内へ進む)、ブロック技(相手の攻撃を防ぐ)、オフェンス技(ゴールを狙うのに使う攻撃技)、ゴールキーパーが使用するキャッチ技(ボールを取るのに使う技)に分類される。ポケ●ンを知っている方は、わかりやすいかもしれません^^;サッカーの知識がなくても、楽しめる!。ストーリーもいい、神ゲーです!
ただいま3、世界への挑戦!の発売が決定し、発売した。携帯サイトでも絶好調!

では、小説go! オリキャラ集は>>2へ移動。

本編

第一部
一章
「それがその始まりだった……」>>2,>>7,>>9,>>12,>>15,>>19,>>22,>>24

二章
「狂う。全ては予め決められていたように……」>>26,>>27,>>31,>>35,>>38,>>39,>>40

三章
「その光は輝く太陽か。イカロスの翼を焼く灼熱か」>>43,>>46,>>50,>>51,>>55,>>56,>>62,>>70,>>71,>>80,>>81,>>85->>87,>>93,>>112,>>118,>>122,>>123,>>130,>>131,>>134,>>136->>137,>>139,>>140,>>147->>148,>>158,>>162,>>165,>>169,>>171

四章「その出会いは、幸せか。それとも不幸せか」
>>177,>>183,>>184,>>185,>>189,>>194,>>196,>>197,>>209,>>210,>>213,>>214,>>217,>>309,
,>>313,>>314,>>316,>>319,>>320

五章「あの人はわたしの思いを正しく知らない」
>>336,>>339,>>346,>>354,>>356,>>357,>>360,>>370,>>372,>>373,>>376,>>377,>>383,>>411,>>418,>>420-
外(またの名を駄文集合体)
ガゼバン(?)>>77
くりあ様リク(アイリス×風丸)>>200
アンケート返し>>204

韓国組と年を越そう!(蓮がファイドラ所属設定)>>221,>>222

無題(ふぁいん様りく)
>>231,>>235,>>241,>>242,>>244,>>247,>>248,>>252,>>256,>>257,>>263,>>265,>>269,>>270,>>271,>>272

to elf from elf(入れ替わりバレンタイン。蓮←韓国3TOP)
>>274->>287,>>288,>>293,>>297->>298

蓮の誕生日編
イナズマジャパン>>386

ファイアードラゴン
>>388,>>392,>>394,>>395,>>399,>>401,>>404->>407

呟き
>>408

オリキャラ募集は一時停止です;;

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92



Re: 【イナズマイレブン】〜試練の戦い〜四章完結♪ ( No.335 )
日時: 2011/03/12 13:28
名前: 星沙 ◆RkKLSqUPDc (ID: IsQerC0t)
参照: 名前変ました!元ユクハw名はシャンシャw

しずく様〜〜〜〜〜!
大丈夫でしたか?
私は全然大丈夫です!
だけど……自分で作った(ガラスを削って作った)……グラスがorz(ボカロキャラを削ったのに……)
まぁ、イナイレ系のもの(自作グラスなど色々)は残っていたのが幸いww
震度2で落ちるところにおいておいてしまった自分が悪かったw

その時間は体育館で卒業練習中で3月にできた体育館ですから、ゆれなかった……
で、帰ってきてテレビ見ようとするとニュースだけ……

4章完結おめでとうございます!
ストーリーのおかげてチ溜まりがww
これからも応援しています!

Re: 【イナズマイレブン】〜試練の戦い〜四章完結♪ ( No.336 )
日時: 2011/03/12 15:52
名前: しずく ◆snOmi.Vpfo (ID: ZgrHCz15)
参照: 白ハト=リアティ、黒ハト=ミスティ

第5章 希望と絶望 

 暗い部屋だった。何も見えない暗闇だけが広がり、肌を突き刺すような寒さが場を満たしている。
 その時、スイッチが入る音ともに黄色いスポットライトが上下灰色スーツ姿の男の姿を浮かび上がらせた。
 背ばかりがひょひょろとした男。緑の髪はかにの横足のように跳ね、頬は何かにえぐられたようにくぼんでいる。そして意地が悪そうな切れ長の黒い瞳。肌は生気を失ったような白さで、見ていて気持ちが悪い。
 そして、男の右肩には一羽のハトが止まっていた。白いが毛並みはくすんでおり、羽毛はぼさぼさだ。ただ色素が薄い金色の瞳だけはぎらぎらと暗闇を照らす街灯のごとく輝いている。

「ようやく戻ってきましたか。バーン、それにガゼル」

 男は誰もいない暗闇に語りかけた。しばらく男の声が反響していたが、すぐに静寂に包まれる。ややあって、ようやく不機嫌そうな声が返ってきた。

「なんだよ、研崎」

「父さんから何か命令でもあったのか?」

 パッと赤と青のスポットライトがつき、バーンとガゼルの姿を浮かび上がらせる。二人の長い影が床に広がる。
 赤いスポットライトに照らされるバーンは目の下に黒い切れ込みが入った南雲、青いスポットライトに照らされるガゼルは涼野その人だった。
 しかし、服装はいつもと違う。二人ともユニフォームのようなものに身を包んでいる。
 バーンは赤と白が基調のユニフォームに、下は黒に近い灰色のハーフパンツ。左腕に白いキャプテンマークをつけている。ユニフォームは赤い長袖で、白地のシャツ部分、胸元には紫のボタンのようなもの。周りを炎をかたどった赤い模様が描かれている。
 ガゼルは青と白が基調で、下は藍色のハーフパンツ。何故かユニフォームの両袖はまくりあげており、邪魔ではないかと思いたくなる。
ガゼルのユニフォームはバーンのものと同じく、胸元に紫のボタンのようなでっぱりがある。デザインは傍目には白い部分がキャンディーに真下からYの字をしたから突き刺した形に見えた。

 バーンとガゼルは声どおり、嫌そうな顔で腕を組み、研崎を睨んでいる。それを見た研崎は静かに首を振った。右肩の白ハトが落とされまいとして、鍵爪に力を入れる。研崎は小さく呻いた。

「いいえ。旦那さまは、“ジェネシス”の面倒を見るので忙しいのですよ」

 バーンとガゼルはほとんど同時に鼻を鳴らし、腕を解いた。

「だろーな。オレラらなんかよりグランの方がお気に入りだからな」

 バーンは他人事のように言った。どうやら研崎と話すのをめんどくさいと思っているらしい。先ほどからしきりに欠伸をして、研崎の顔をしかめさせている。

「だからこそ、父さんは、グランが率いる“ガイア”に、エイリア学園最強のチームであることを認める称号——“ジェネシス”を与えたのだろう」

 ガゼルもまた話を早く終わらせたいようだ。自分とは関係がないと言わんばかりの口調で述べ、バーンにかえるぞと声をかけ、研崎に背を向ける。
 それを見た研崎はニタァ、と笑い、帰ろうとするバーンとガゼルの背中に問いかけるような言葉を投げかけた。

「バーン、ガゼル。なに他人事のように言っているんです?」

 その瞬間、バーンとガゼルの足が止まった。靴音が反響し、辺りに響きわたる。
 二人は振り向いて、めんどくさそうな視線で研崎に目をやった。研崎は気味が悪い笑みを浮かべながら、言葉を続ける。

「あなたたちは、それでもマスターランクチームのキャプテンですか?」

「何が言いたいんだよ!」

 問いかけれたバーンは研崎に向き直り、つんけんな調子で返した。横ではガゼルが抗議するような瞳で研崎を睨みつけている。
 研崎は無言だった。気持ちが悪い笑みを口元に浮かべ、口を閉ざしていた。その時、

「ガゼルにバーン」

 若い男の子のような声がした。バーンとガゼルは身を震わせ、刺々しい視線を研崎の右肩に止まる白ハトに向ける。睨まれた白ハトの顔が、まるで人間のように歪む。嘲笑の形に。そしてパクパクと動く薄桃色の嘴は、流暢な日本語を紡いでいく。

「おまえたちはジェネシスの座を求めると思うよぉ〜」

「リアティ、口を慎みなさい(つつしみなさい)」

 研崎はリアティを叱ったが、リアティは喋り続ける。

「元々大仏。あ、間違えた。元々父さんに認めてもらうために、ここまで頑張ってきたんでしょ〜? なのにさ、ジェネシスの座を雷門と戦ってもいない“ガイア”に与えるなんておかしくな〜い?」

「……父さんの意思だ。私は気にしていない」

「オレもだ」

 ガゼルは、リアティから目をそらしながら自分を納得させるように呟いた。バーンも弱弱しい声で同意する。
 リアティはそんな二人を愉快そうに眺めていたが、不意に両翼を広げ、空中に飛び立つ。羽音が立ち、研崎の髪が揺れた。そのまま自分から目をそらしているガゼルの周りを円を描くように飛び回る。

「ふ〜ん。でもさ、不公平はよくないとリアティは思うんだよねぇ〜。今すぐ雷門を倒せば、大仏だって認めてくれると思うよぉ〜?」

 からかう声がガゼルの周りでくるくる回る。ガゼルはいつもの冷静な表情で——俯いていた。バーンはずかずかと飛び回るリアティに近づくと、リアティを片手で下に落とすように叩く。リアティはくすんだ羽を数枚落としながら落下し、地面に叩きつけられた。羽を伸ばして痙攣を起こしている。

「リアティ、旦那さまを『大仏』と呼ぶのは止めなさい」

 呆れたように研崎がため息をつきながら、研崎がリアティを両手ですくい上げる。
 研崎の両掌の中で起き上がったリアティは、ぴょーんと飛びおり、くすんだ羽を上下に動かして、宙のある一点に“止まっている”。そして嫌そうに、

「いいじゃ〜ん。めんどくさいし〜」

 口答えし、黙る。くるりと向き直り、リアティはバーンの前まで飛んだ。
 バーンは苦しそうな顔で頭を抱え、涼野はその横で明らかに悲しげな顔をしていた。リアティは、のんきに飛びながらそれを楽しそうに眺めている。

「雷門とは戦えば蓮が……」

 バーンは言葉を切った。
 頭が起きて欲しくない最悪のビジョンを見せつけてくる。雷門のユニフォームを纏う蓮がいる。周りには円堂を初めとする“今”の仲間たち。蓮はこちらに向かって、鋭い視線を投げかけてくる。きっと怒っているのだ。正体を隠し、普通の友達として付き合ってきたから。どうして嘘をついたんだ、と極限まで低められた声が問いかけてくる。そして。僕はお前を許さない、と蓮は低い声で続けてくる。可能性が高いビジョン。

「蓮とは、蓮とだけは戦いたくない」

 ガゼルは苦しそうに言葉を吐き出した。
 神などいないと改めて思った。神はいるとしたらこんなむごい仕打ちをしないだろう。かつて分かれた大切な人間とどうしてこんな最悪なタイミングで会ってしまったのだろう。もし会わなければ悩むことなどなかったのに。学校を破壊することに罪の意識は覚えなくても、彼に手を下すことだけはためらわれる。何故、何故なのか。理由を問う声が、脳内をぐるぐると巡る。

「ん〜? おまえたち、まだ幼馴染との関係ひきずってるんだぁ〜? あははっ!」

 リアティが馬鹿にするように高笑いをする。バーンとガゼルは何も言えず、恨めしそうにリアティに鋭い視線を送る。するとリアティは嘲笑の表情で二人を見つめ、今まで黙っていた研崎が二人に現実を突きつける。

「バーン、ガゼル。あなたたちは、自分たちがエイリア側の人間だということを忘れていませんか? それに白鳥は記憶喪失。何年かかってもあなたたちのことなど、絶対に思い出しませんよ」

 バーンとガゼルは思わず互いに見つめ合った。はっとしたような全く同じ顔。どうやら、全く同じことを考えているようだ。楽しかった幼少期には戻れない、と言うわかりすぎている現実のことだ。そして、自分たちがいかにかりそめの付き合いを楽しんでいるか。
 
彼らが見合う横で、リアティが一層高く笑う。人間なら抱腹絶倒と言うところか。羽を激しく上下に動かし、脚をばたばとさせている。

「そぉ〜そぉ〜! それにさぁ〜今、思い出したりしたら白鳥って子、かわいそうだよね。友達が実は敵側の人間だったなんてねぇ〜」

 バーンが再度リアティを黙らせようと近づき、それを察したリアティは素早く定位置である研崎の右肩に止まった。それから再度中に飛び、バーンとガゼルを見下ろす位置で止まる。

「どうせばれるんなら早いほうがいいよねぇ? ねぇ、早く雷門倒しちゃいなよぉ。プロミネンスとダイヤモンドダスト——どっちが先にジェネシスになるのかみものだねぇ〜」

 それ聞いたガゼルは歯を少しむき出してリアティを見、バーンはリアティに剣突(けんつく)を食わせる。

「おい、土鳩(どばと)! 話はそれだけか!」

 リアティは叱られてもけろりとしていた。滑るように部屋を縦横無尽に動き回り、バーンを小ばかにする調子で声を投げかける。

「な〜に怒ってるのぉ? 優しいリアティはおまえたちに助言してあげただけなのにぃ〜」

 バーンが両手で挟み込むようにリアティを捕まえようとして、リアティは素早く上へと飛んでかわす。掴み損ねた両手と両手が重なり、拍手(かしわで)を打ってしまった。
バーンは悔しそうに舌打ちをすると、リアティを嫌そうな顔で眺めているガゼルの肩を掴んだ。

「おい、土鳩の相手しないで帰るぞ」

 ガゼルは無言で首を縦に振り、こちらを気味悪い笑みを浮かべながら見続けている研崎に背を向けた。リアティは不適に笑うと、再度研崎の右肩に止まる。バーンとガゼルを浮かび上がらせるスポットライトが消え、彼らが闇と同化した時、

「ですが、バーン。ガゼル。だんな様に逆らうのも結構ですが、エイリア学園以外にあなたたちの居場所はないのですよ。それを心に刻んでおきなさい」

 研崎は釘をさすように口を開いた。返事も物音もなかった。ただ暗闇が広がるばかりだ。

「ちぇ〜。おもったより手ごわいなぁ〜」

 めんどくさそうにリアティがため息をつく。研崎は闇を見つめながら腕を組み、ポツリと零した。

「あの二人では、恐らく雷門を倒せないでしょう」

「幼馴染がいるからかぁ〜。でもね〜羽崎ぃ」

「……研崎です」

 研崎は肩に止まるリアティを見ながら切実に訴えた。しかしリアティに軽くかわされた。

「いいじゃ〜ん、羽崎で。でもね〜羽崎。人間は簡単に変わることができるんだよ? 強い友情で紡がれた(つむがれた)絆なんて、見せかけさ」

「しかし、ガゼルとバーンにとって、白鳥の存在は大きすぎるようですが」

 リアティは得意げに笑う。

「へへ〜わかってないなぁ、羽崎。バーンとガゼル、白鳥の絆は例えるなら谷と谷にかけられた一本の丸太橋さ。ちょっと手を加えてやれば、丸太はすぐに谷の底さぁ〜」

「ふむ、では策があるのですか?」

 研崎が尋ねると、リアティは自信満々に、

「あの二人はリアティのために必要なんだぁ〜。でもいきなりじゃ退屈だからぁ〜」

「から?」

「今回、少しだけ手を加えて二人が改心するか見てみようよぉ〜」

 やがて光が消え、辺りは再度闇に包まれていた。だが闇の中に爛々と輝く二つの金色の円があった。パッと赤いスポットライトがその姿を照らし出す。そこにいたのは、北海道でキャラバンの屋上にいた黒いハト。ライトの光で赤みを帯びた黒い体毛が輝いている。

「……バーン、ガゼル」

 黒いハトは闇を睨みながら、若い女の子のような声で呟いた。

*同時刻、沖縄。

『なんと、雷門がジェミニストームを……』

 商店街のTVをショーウィンドウ越しに見つめる男がいた。オレンジのフードつきパーカーに身を包み、その顔はうかがえない。しかし男は次々に移り変わる画面を食い入るように見つめていた。

「円堂、みんな」

 切なく彼らの名を呼びながら。


〜つづく〜
今回はリアティってなんだって思いになる話でしょうか。今回はバーンとガゼルの状況を描いてみました。そしてとある人をwwあまりにも空気が進んでいたので、です。

そして今回の地震について。私のところは震度4。
地盤が固いのか大きな被害はありませんでした;;
家でぼっちでしたので、とても不安でした。親と連絡がついたときには、思わず涙が;;

東北地方の被害が尋常ではなく、ニュースを見るたびに心が痛みます。
皆様はどのようにお過ごしですか?
安全に時が過ぎることを祈るばかり。
そしてこの小説が少しでも、みなさまの気持ちのやすらぎになるのなら幸いです

Re: 【イナズマイレブン】〜試練の戦い〜四章完結♪ ( No.337 )
日時: 2011/03/12 18:39
名前: しずく ◆snOmi.Vpfo (ID: ZgrHCz15)
参照: 地震では死なない=イナイレ大好きパワーww

>>ふぁいんさん
ふぁいさんもお部屋のお掃除大丈夫ですか;;
わたしの住居は奇跡的に物が落ちませんでしたが、落ちた写真縦がかけました・・・!留め金が欠け、どこかに消えました;;
蓮は可愛いですか。よし、メイド服を着させようかな〜(この後雫を見たものはいない)
やっぱりファイアードラゴン人気だなぁwwそーですよねー3TOPは私も大好きですwwファイアードラゴンって書いていて楽しいです。

コメントありがとうございました^^

>>成神 瑠希亜さん
お初です^^えっと、タメでオッケーですか? 
私も死ぬかと思ったorz机の下に潜っていて何とかしのいだww
後で遊びに行くねww

>>空屡
うはぁああああああ!来てくれてとっても嬉しい!あいして(だれよ、この変態)私もー……空の短編読んでいました。いってなくてすいません。後で顔を出してきます。

名前変えたんだね^^とてもおしゃれでセンスが光るよww

神ね〜髪の空耳だよっぺ。もう原作から脱線しているし、キャラ崩壊マジ乙状態wwしかも、風丸の神のアクア発言まだ入れてない!この五章でしっかり書いていくつもりでしかも雷門組みでは風丸を目立たせる気マンマン。
え、蓮が可愛い? 愛でてくれる人大好きです(おまえがおかしい)よ〜しまずはメイド服を着せて、それから(バーンによる制裁でしずくの姿は略) 
よく言われるよけど、どんなところかなww友人に聞いたら気が弱いところだそうだ。

5、5時間もかかって帰ったのか!?足大丈夫? 仲間がいたならよかったなぁ;;私は一人。

私は卒業式の予行があって早帰りだったから、家でアイポッド聞きながらのんびり読書していたら(しかもイナイレ劇場版小説ww)いきなり家が揺れた。本を放り投げて、机の下にだーイブ。後は揺れが収まるまでずっと机の下にいた。親は仕事でいないから夜まで一人orz

ではでは、コメントありがとう^^

>>星沙さん
きゃああ(おい)星沙さん、お久しぶりです><久しぶりにお見かけできて安心しましたww最近お客さん少ないので嬉しいです♪

私も日本の足で地面に立っております。ふっつーに生きていますww

震度2ってことはかなり遠くですね。どこに住んでいるんですか?
私は東京の左の方です。田舎です。

漫画キャラのグラスが……せっかく作ったのに悲しいですね;;
イナイレは残っていたんですか〜なんか不思議な感じがします。

こちらは写真たてとコンビニで購入したイナズマイレブンのDVDが震度4弱で落ちました。
卒業式予行で早く帰宅し、イナイレの劇場小説を『リグレット・メッセージ』をアイポッドで聞きながら優雅なタイム。
そして次の瞬間揺れが! 
本は放り投げ、アイポッドはイヤホン耳から抜いて抱きかかえながら机の下へごー。揺れが収まるまで待って外に出たら、棚から落ちたカオスのDVD発見。
バーンとガゼルが背中合わせで腕を組み、ドヤ顔でこっちを見ているのと目が合いましたwwなにこのラベルーと叫びながら、思わず噴出しながら、棚に戻しました。

テレビもニュースばっかりですよねorz見たい番組あったのに見れませんでした;;

またちだまりがっ……!嬉しいです(おい)

バレンタイン短編では私も鼻血出しまくりました。調子に乗って書いた、特に>>297->>298に欠けては暴走しているのがわかると思いますww
蓮はアフロディを抱きしめ(←チナンが勘違いするシーンが書きたかった結果)るシーン、ともに絵まで描いてもらっちゃいましたwwその1シーンの絵だけは欲しいとねだったんですww
しかもご丁寧に看病シーンまで書いてしまい。書いてから、自分がぱんぴーじゃないと改めて悟りましたww蓮とアフロディがブームになりかかっています。
蓮の誕生日短編はファイドラかイナズマジャパンか。悩みます;;

無駄に語りすぎてすいません。ではではコメントありがとうございました♪

Re: 【イナズマイレブン】〜試練の戦い〜四章完結♪ ( No.338 )
日時: 2011/03/13 18:52
名前: 星沙 ◆GdYtMY4AZo (ID: KY1ouKtv)
参照: 元癒玖刃です!

ハイw初めて作ったヤツが砕けました☆
ま、自分自身あまりうまいと思えずにいましたw
私、結構鈍感(円堂並み)なんで、寝ているときに地震が来ても分かりませんw(夜は遅寝なんで、1時までは気付く)

私の住んでいる場所ですか??
特になんともいえませんが……愛知県の海に面していないところですw
筆柿ですw

でも、卒練のとき小説のヤツを先生に見つからないように書いていましたw
家に帰ってきて思ったこと……
星「アレ?私のグラス……ない?
って、本(コミック&小説)は大丈夫だろうか!」です
あいにく本が散らばっていました(イナイレは結構丁重に扱っているので、無事でしたw机の下の棚にしまってあるのでw)

棚から落ちたものは特にないですねwしいて言えばイラストノートw
開いていたページに噴く私w
色々書いてあった(最近のものではなかったw)姉と争ったイラスト……w
弟のお題に答えた風丸w結果は引き分けw(;・ω・)
苦い思い出w思わず隠すww
あぁ、本とは何故良い本ばかりなのだ〜★
最近そのおかげでw小遣いがww(今週だけで4冊買いましたw
(イナイレ除き4,5ぐらいは本の種類があるのでw)




そういえば、私はタメ、呼び捨てOKなのですが、しずく様をどうお呼びいたしたらよろしいでしょうか?

Re: 【イナズマイレブン】〜試練の戦い〜四章完結♪ ( No.339 )
日時: 2011/03/22 12:26
名前: しずく ◆snOmi.Vpfo (ID: ZgrHCz15)
参照: 停電近いのでコメント返しは後になりそうです;;

 三日後。サッカーの練習をし終えた雷門イレブンは、紅葉をキャラバンに乗せ、漫遊寺を後にしていた。まだ京都の中を走り、とある駐車場に停車していた。中で少し問題が起こっていたからだ。

 それぞれの席から身を乗り出しながら、後ろのある一点に視線を注ぐ雷門中サッカー部の面々。その顔には驚きと呆れが混ざり合っている。原因は、一番後ろの席で、鞄と鞄にはさまれて座る木暮だった。

「うっしっし〜」

 いたずらめいた笑みを浮かべながら木暮は引くように笑う。
木暮は何故か雷門のジャージに身を包んでいた。木暮の左右にある鞄も、数えると、数が一つ増えていた。
 木暮が仲間になった覚えがないだけに、円堂たちの頭には、疑問符が飛び交う。
 こうして見ると、木暮はかなり小柄だ。雷門中サッカー部のメンバーは全員、足が床に届いているが、木暮は届いていない。退屈そうに届かない足をぶらぶらさせている。もう10cm背が高ければ地面に足がつくだろうか。

「なんでキミがここにいるの!?」

 蓮が戸惑う円堂たちの気持ちを代弁すると、木暮は得意そうにそっくり返る。

「このイプシロンを破った木暮様が味方になるんだ。ありがたく思え! うしし〜!」

 “破った”のではなく、“試合放棄”が正しい。それを勘違いしているのか、誇張しているのかわからないが、自慢げに木暮は高笑いする。 それを聞いて大半のものは呆れたように目を細めるか、相手にせず無関心な態度を取るかのどちらかだった。だが、染岡は今にも木暮を殴ろうと席を立ち上がり、吹雪にたしなめられた。
 
 蓮は通路を挟んで隣に座る春奈と目を合わせ、苦笑しあう。そして、春奈の横から鬼道が殺気に溢れた刺々しい視線を送ってくることに気づいた。春奈は兄が殺気立っているのに気づかず笑いかけてくる。
 
 鬼道は無表情。しかしゴーグルの奥から発せられる力は恐ろしいほど強い。怒気を孕んだそれは、大抵の人間なら黙らせられるだろう。しかし蓮は屈せず、言い訳を必死に考えていた。
 その三人を余所に(よそに)瞳子は、木暮の足腰の力を買ってこのチームに入れたことを説明していた。

「木暮くんはDFに向いていると思ってこのキャラバンに入れたわ」

 おぉ、と納得する声が上がる。そしてよろしくな木暮、と挨拶が飛び交う中で、

「き、鬼道くん! 僕は春奈さんと今日初めて話したんだよ!」

 蓮は、鬼道の誤解を解こうとやっけになっていた。

 両親を事故で失い、二人きりの兄妹なせいか、鬼道は春奈をとても大切に思っている。かつて春奈と施設にいた頃は、いじめられっこの春奈を守っていたと言うのだ。
 だが少々度が過ぎることもある。いい例が春奈とあまり親しくなりすぎると、春奈に恋心を持ってるのではと疑われることだ。
 鬼道のことはチームメイトから注意されていたので、春奈とは軽い付き合い。が、今回春奈には自分の過去を打ち明け、同情の気持ちを抱かせてしまった。 最近、春奈の方から声をかけてくることが多くなってきて、同時に鬼道がいかめしい顔付きでこっちを見てくるのが増加したのも気のせいか。
 
 疑わしきは罰せずなどと言うが鬼道の場合、疑わしきは罰す。疑いをもたれようものなら、とことん追及するのが彼のやり方だ。

「そうなのか、春奈?」

「そうよ、お兄ちゃん。白鳥先輩はわたしと木暮くんにつらい過去を打ち明けてくれたの」

 鬼道が確認するように春奈に尋ね、春奈は同情の眼差しを蓮に向けながら頷いた。蓮は、優しい眼差しとナイフの切っ先のような怒気を同時に受け止め、作り笑いで応対していた。    

 そのうち鬼道と蓮の間に横たわる異様な空気に気づいた円堂たちの視線が、自然とそちらに集中する。固唾を呑み、成り行きを見守っていた。

「……ほう、過去を打ち明けられたのか」

 落ち着いた声音だが蓮は背筋を寒気が走り抜けるのを感じた。円堂たちが唾を飲み込む音がはっきりと聞こえる。
 同情とも哀れむともつかない視線が背中に突き刺さる。
 同情するなら助けて、と蓮は一応振り向いて、円堂たちに助けの視線を送るが、みなことごとく蓮から視線をそらした。一之瀬なんか親指を立ててごまかした。まさに万事休す。
 蓮は油切れ掛かったブリキのように首を動かしながら、鬼道のゴーグルに目をやる。中の赤い切れ長の目が、探るような目つきでこちらを睨んでいた。

「先輩はわたしたちとは違うけど、悲しい形で両親を失っているの」

 春奈が沈んだ口調で鬼道に語り、鬼道の目が見開かれた。円堂たちが驚いたように蓮へと視線を向ける。木暮だけは眉根を寄せていた。
 蓮は四方八方から飛んでくる視線を受け止めながら、春奈に目配せをした。控えめに春奈は首を縦に振ると、
 蓮は鬼道を見ながら、淡々と自分の過去を語った。ついでにどうして春奈に話すことになったのかもきちんと説明した。

 長いこと語った蓮を、鬼道は、円堂はずっと無言で見つめていた。
 鬼道の表情は疑うようなものから、徐々に哀れむようなものになっていた。そして勘違いして申し訳ないという思いも顔に表れ始めていた。円堂たちも複雑な表情で蓮の話を聞いている。
 やがて蓮が語り終えると、

「……春奈、円堂の横に座れ。白鳥は俺の横に座れ」

 鬼道は静かに指示を出し、蓮は春奈と席を入れ替えた。
 隣に座る鬼道はいつもの落ち着いた顔つき。ゴーグルの奥の瞳は穏やかな色をしていて、蓮は心内でほっとため息をつく。鬼道はお冠ではないらしい。

「すまない白鳥。オレは勘違いをしていたようだ」

 すまない、と開口一番に鬼道は蓮に謝った。
 何を、と聞こうとしたが聞くのも気が引けるので、蓮は聞かずにおいた。

「ううん。気にしていないから」

「一つ気づいたが」

 鬼道は前置きすると、

「この前まで自分がお荷物だと感じていることを隠していたな。それは両親の死に方と関っているんじゃないか?」

 円堂たちがどよめく。
 蓮は考え込むように目を伏せると、訥々(とつとつ)と語りだした。

「多分。何となくだけど、自分が迷惑をかけると、相手がいなくなる気がして怖いんだ。両親みたいに永遠に帰ってこないかも、って」

「だがオレたちは消えたりしない。むしろ思いをぶつけてもらわないと困るな」

 安心させるように鬼道が口元に笑みを見せ、蓮は持ち前の明るい笑みを向けた。雰囲気が少し明るくなった気がする。

「そうだね」

「ところで」

 鬼道は辺りを窺いながら、ぎりぎり聞き取れる位の声で蓮に耳打ちする。
 興味があるのか座席の近くにいた何人かが身を乗り出して声を聞こうとしたが、蓮と鬼道に睨まれ、後ずさった。

「白鳥。お前は春奈のことをどう思う?」

 蓮は鬼道の耳にそっと口を寄せ、ひそひそ声で、かなり早口で語りかける。

「明るくて優しいし……いい子だと思う」

「そうか。ならいい」

 満足げに笑うと鬼道は腕を組んで春奈を見た。春奈は可愛らしく小首をかしげ、取り巻きの後ろにいる目金がポツリと呟く。

「……シスコンですね」

 その後、蓮は鬼道と長いこと話し合っていた。春奈と鬼道の過去について散々聞かされた。勘違いは奇妙な友情へと変わったらしい。

「風丸?」

 その夜、目が覚めた蓮は窓の外から声がすることに気がついた。眠い瞼を擦りながら窓の鍵を外し、窓を開ける。涼しい夜風が蓮の前髪を舞い上げた。風が声を運んでくる。

「どうしたんだよ」

 心配するような円堂の声。窓の上から聞こえてくる。蓮は脇に丸めておいたジャージの上を羽織ると、みなを起こさないよう注意しながら外へと出た。木々がざわめく音を聞きながらキャラバンの屋根を見上げると、果たして円堂と風丸の後姿が見えた。二人とも足を崩して座っているようだ。蓮の方を向かない辺り気づいていないのだろう。風丸の青いポニーテールが暗闇の中でも、確認できるほど揺れている。

「円堂。オレたちはこのままでエイリア学園に勝てると思うか?」

「もちろんだ。みんな努力して、この前まで勝てなかったジェミニストームにも勝てたじゃないか!」

 風丸が真剣な声で聞いて、円堂が明るく答える。風丸の表情は伺えないが、蓮は風丸が何か悩んでいる様子であることをうっすらと感じ取っていた。無言で二人の姿を見上げ、様子を窺っている。

「でも、この前のイプシロン戦はどうだ? デザームの放った必殺技にオレたちは、何もできなかっただろ」

「…………」

 現実的な問題を風丸に突きつけられ、円堂は言葉を返せなかった。しばらく沈黙が二人を支配し、不意に風丸が沈黙を破るように呟く。

「“神のアクア”があれば」

 “神のアクア”と言われても蓮ははっとした。“
神のアクア”は、フットボール・フロンティアの雷門中の決勝戦の相手——世宇子(ぜうす)中学校が使った飲み物だ。一見、ただの水であるが実は身体能力を一時的に向上させるドーピングアイテムなのだ。蓮は実物を見たことはないものの、円堂たちから話は聞いていたので知識はあった。苦戦した様子や、世宇子のキャプテン、アフロディなる人間が強いこと。美しくも華麗な選手らしい。アフロディと言う人間に蓮は興味を覚えたが、会うことはできないと諦めていた。

 そして風丸は円堂に詰め寄る。横を向いたので、風丸の顔の輪郭が月に照らされはっきりと見えた。必死な顔つきで円堂を説得しようとしている。

(風丸くん、今すぐ強くなりたいの……?)

 蓮は風丸の思いを読み取ろうと、目と耳に意識を集中させた。風丸の顔を見上げ、声を聞く。

「なあ、円堂。世界を救うためなら、“神のアクア”を使っても許されるんじゃないか?」

「風丸!」

 円堂は非難するように風丸の名前を呼んだ。

「だってそうだろ!? エイリア学園もドーピングしているって鬼道が——」

 声を荒げ、風丸は言葉を続けようとしたが、円堂に肩をつかまれて言葉を切った。
 円堂は風丸の両肩をつかみ、風丸を見据えながら諭すように言う。

「あいつらがドーピングをしていたとしてしても。オレたちまでやったら、オレたちはエイリア学園と同じだ。勝つためにドーピングをするのはずるだ。努力すれば必ず勝てる」

 力強く言い切った円堂の言葉を聞きながら、蓮は心の中で円堂に問いかける。

(でも努力で追いつけないときはどうすればいいんだ? 円堂くん)

 すぐに効果が出ればいい。しかし努力の成果が出るのが遅ければどうなるのだろうか。このキャラバンの旅で求められるのは“早い成長”だ。エイリア学園は短期間でどんどん強くなる。こちらも素早く進化しないと敵わない。でもそのスピードに追いつけなけなくとも円堂はしっかり待ってくれるようだ。それが嬉しくもありプレッシャーでもあった。

「……そうだな」

 片手で肩に置かれた円堂の手を払いながら、風丸は暗い調子で答えた。円堂がもう片方の手も外すと、風丸はまた前を向き、俯いてしまった。落ち込むように丸められた背中が蓮の黒い瞳に焼きつく。

「悪い。一人で考えさせてくれ」

 風丸が沈んだ声で言って、円堂は無言で立ち上がる。そのまま地面へと降りる梯子の方へ進もうとしたとき、風丸が円堂を呼び止める。

「円堂。一つだけ教えてくれ」

 円堂がゆっくりと振り向いて、

「この戦いは、いつになったら終わるんだ?」

 蓮が答えられずに硬直している円堂を見ていると、後ろから小ばかにするような声が聞こえた。

「ふん。うつうつ悩みやがって」

「あ、アツヤ!」

 円堂たちに悟られないよう、蓮は小声で叫びながら振り向いた。後ろにいたのは吹雪。しオレンジの瞳。逆立つ白い髪——アツヤだ。
 気づかれたか心配なので後ろを見ると、円堂と風丸は対峙したまま固まっていた。

「よう白鳥。眠れないのか?」

「……なんだっていいだろ」

 アツヤは蓮に歩み寄り、嘲笑めいた顔で蓮に声をかけた。蓮は強張った顔でアツヤを睨んだ。口調も自然と荒くなる。

「……お前、少しは瞳にある黒を薄めたようだな」

 蓮の黒い瞳をじっと観察しながらアツヤは言った。今回は胸の奥にまで刺さるような視線ではなく、あくまで”観察”するような視線だ。恐ろしさは感じられない。

「わかるのか?」

 蓮は強張った面持ちを崩さずに尋ねた。
 アツヤは鼻を鳴らすと、白い歯をむき出しにして獰猛に笑う。すべてを見透かし得意になったような表情だ。

「ああ。でも、お前の分厚い黒の層は並大抵のことじゃ剥がせないな」

 唐突に今日感じた懐かしい感じが身体の奥底から、這いずって来た。身体の内を焦がすような熱い思い。頭はしびれ、全身は火照る。蓮は暑さにふらつきながら、額をキャラバンの側面に当てた。心地よい冷たさが額を冷ます。
 南雲や涼野の顔を思い浮かべながら、蓮は身体の熱にうなされるように言葉を零す。

「思い出そうとしても、思い出すことができない。手を伸ばせば届きそうな位置にあるのに、するりと僕の掌を通り抜けてしまう」

「……通り抜けた方がおまえの幸せになるからだろ」

 アツヤを問いただそうと後ろを向いたとき、アツヤは”消えていた”。そこにいたのは穏やかな顔付きの——士郎の方だ。

「あれ? ボク、どうして起きているのかな」

 アツヤとしての意識がないらしく、吹雪はせわしく辺りの様子を窺っていた。白いマフラーが風になびいている。

「アツ……暑いからじゃない?」

 蓮は適当なごまかしをでっちあげると、

「わかったよ!」

 吹雪は突っぱねるように同意した。

「へ?」

 話がかみ合わずに蓮が聞き返すように声を出すと、吹雪は驚いた顔で連のほうを向いた。どうやら、蓮に気がついていなかったらしい。
 吹雪は取り繕うように作り笑いを浮かべると、ゆっくりと蓮から後ずさる。

「ご、ごめんよ。独り言なんだ。じゃあ、おやすみ!」

 言うが早いか吹雪は逃げるようにキャラバンの中へ消えていった。揺れる白いマフラーを目で追いながら、蓮はため息をついた。寒くないのか無色透明のまま空気と同化した。
 キャラバンに背を当てたまま、蓮はずるずると崩れた。冷たさをジャージごしに感じながらしゃがみこむ。
 地面にキャラバンの黒い影が伸びている。吹雪の中にある”アツヤ”と言う”影”を隠そうとした吹雪。でも、自分はもうアツヤのことを知っている。

(そういえば吹雪くんと僕が同じってどういうことだろう?)

〜つづく〜


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92



この掲示板は過去ログ化されています。