二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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【イナズマイレブン】〜試練の戦い〜アンケートやってます☆
日時: 2011/07/03 20:08
名前: しずく ◆snOmi.Vpfo (ID: PODBTIS5)
参照: http://ncode.syosetu.com/n2574t/

お知らせ(new!)——キャラの掛け合いにしてみた
蓮「今年の夏はどこに行く?」

綱「そりゃ沖縄だろ。熱いし、暑いし、サイコーだぜ!」

蓮「……お粗末様」

コメント返しが滞っている件について>>361

>>446懲りずに七夕アンケート。ご協力願います^^
↑url。小説家になろうというサイト様に投稿しました。こっちの方が纏めやすいので;;よければ感想や評価のレビューをお願いします^^って、つながっていませんでしたね><今度は通じているので大丈夫です。

●過去の話を随意整理中。初見の方や見直したい! と言う方はヒンメル様のサイト(URLは↑)へどうぞ!

●ふぁーすと
初めまして^^ イナイレに脳内を侵略されつつあるしずくと申します。お好きに呼んでください^^
コメントや小説の宣伝はいつでも大歓迎です^^むしろ宣伝してくだされば直行します。

友達の影響でイナズマイレブンにハマり始めたので、オリキャラとイナイレキャラ達の友情を、勝手気ままに執筆します。そのせいでサッカーより、友情話が多いと思いますv
イナズマイレブンの友情には、興奮したりしたので、上手く表現できたらいいです><
誤字脱字天国なので気づいたら、指摘してくださると嬉しいです。

イナイレしらねぇって方でも、わかるように書いていきたいと思うので、知らない方、暇だからクリックしてやったぜと言う方も是非読んでくださいね!

どうでもいいですが、筆者は涼野・風丸・吹雪好き。染岡さんや南雲も好きですよ—!


以下の方はしっぷうダッシュでお戻りを!

○目が目がぁぁあああな残念な文はオレの好みじゃない

○インチキキャラもいい加減にしろ!

○荒らし!悪口!最高!

☆イナズマイレブンとは?☆
レベルファイブ様原作の、サッカーゲーム。アニメも水曜日7時から放映中。
雷門中学校を中心とし、サッカーで様々な相手と戦うゲーム。サッカーなのに、人が炎を吐いたり、動物を出したり……とにかくそんな「超次元」が売り物。今挙げたものは「必殺技」と呼ばれ、ドリブル(相手陣内へ進む)、ブロック技(相手の攻撃を防ぐ)、オフェンス技(ゴールを狙うのに使う攻撃技)、ゴールキーパーが使用するキャッチ技(ボールを取るのに使う技)に分類される。ポケ●ンを知っている方は、わかりやすいかもしれません^^;サッカーの知識がなくても、楽しめる!。ストーリーもいい、神ゲーです!
ただいま3、世界への挑戦!の発売が決定し、発売した。携帯サイトでも絶好調!

では、小説go! オリキャラ集は>>2へ移動。

本編

第一部
一章
「それがその始まりだった……」>>2,>>7,>>9,>>12,>>15,>>19,>>22,>>24

二章
「狂う。全ては予め決められていたように……」>>26,>>27,>>31,>>35,>>38,>>39,>>40

三章
「その光は輝く太陽か。イカロスの翼を焼く灼熱か」>>43,>>46,>>50,>>51,>>55,>>56,>>62,>>70,>>71,>>80,>>81,>>85->>87,>>93,>>112,>>118,>>122,>>123,>>130,>>131,>>134,>>136->>137,>>139,>>140,>>147->>148,>>158,>>162,>>165,>>169,>>171

四章「その出会いは、幸せか。それとも不幸せか」
>>177,>>183,>>184,>>185,>>189,>>194,>>196,>>197,>>209,>>210,>>213,>>214,>>217,>>309,
,>>313,>>314,>>316,>>319,>>320

五章「あの人はわたしの思いを正しく知らない」
>>336,>>339,>>346,>>354,>>356,>>357,>>360,>>370,>>372,>>373,>>376,>>377,>>383,>>411,>>418,>>420-
外(またの名を駄文集合体)
ガゼバン(?)>>77
くりあ様リク(アイリス×風丸)>>200
アンケート返し>>204

韓国組と年を越そう!(蓮がファイドラ所属設定)>>221,>>222

無題(ふぁいん様りく)
>>231,>>235,>>241,>>242,>>244,>>247,>>248,>>252,>>256,>>257,>>263,>>265,>>269,>>270,>>271,>>272

to elf from elf(入れ替わりバレンタイン。蓮←韓国3TOP)
>>274->>287,>>288,>>293,>>297->>298

蓮の誕生日編
イナズマジャパン>>386

ファイアードラゴン
>>388,>>392,>>394,>>395,>>399,>>401,>>404->>407

呟き
>>408

オリキャラ募集は一時停止です;;

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Re: 〜試練の戦い〜【イナズマイレブン】久々本編☆ ( No.315 )
日時: 2011/03/04 17:12
名前: しずく ◆snOmi.Vpfo (ID: ZgrHCz15)
参照: カオスブレイクのカードが200円で売られていたww

>>ふぁいんさん
今回は非常に暗い話でした><
前々から設定はあったのですが、これでおひさまえんにいた、と言う過去設定をやっと明らかにできました。これで南雲と涼野、蓮は幼馴染確定です。

私もこんな仲間が欲しいですv
コメント有難うございました^^

Re: 【イナズマイレブン】〜試練の戦い〜久々本編☆ ( No.316 )
日時: 2011/03/05 12:47
名前: しずく ◆snOmi.Vpfo (ID: ZgrHCz15)
参照: ちなみに3月は蓮の誕生月。日にちは未定。下旬くらい

 南雲が何気なく呟いたのと同時刻。漫遊寺に黒い流星が近づいていた。いや、流星ではない。よく見ると、本来白い部分が黒く塗られ、黒い部分は赤く塗られたサッカーボール。かなりのスピードで落下しているために、空中で熱を帯び、黒い尾を引く姿が流星のように見えるのだ。黒い流星は狙いを違わず——漫遊寺の校舎の一角に激突した。くぐもった爆発音が辺りに響き渡り、煙がもうもうと立ち込める。グラウンドは騒然となり、漫遊寺の生徒はただ逃げることしかできなかった。

「な、なんだ?」

 その時、蓮は木暮や春奈と共に学校の裏手にある竹林の中にまだいた。何が起こったのかわからず、三人ともおろおろと不安げに辺りを見渡していたが、やがて思考が回復してきた蓮が脳内に思い浮かんだ嫌な仮説を唱える。

「まさかエイリア学園……!?」

 春奈と木暮がまさか、と笑い飛ばそうとする前に一人の少女が蓮たちの元に走りこんできた。
 フワフワとウェーブがかかったゆるやかな髪をポニーテールにした少女。赤茶色の瞳は芯のありそうな強い瞳で真面目そうな印象を与える。漫遊寺のユニフォームを着ているが、漫遊寺の生徒ではないらしい。木暮が始めて見たような顔つきで少女を見つめている。

「あなたたちが雷門中サッカー部の方たちですか?」

 焦った声音で尋ねられ、蓮と春奈はゆっくりと頷く。少女が慌しい仕草をしているのが蓮は気になったが、春奈は気にならないようだ。のんびりとした口調で、親しげに話しかける。

「あなたは霧隠 紅葉(きりがくれ もみじ)さんですね!」
「ど、どちらさま?」

 彼女を知っているらしい春奈と違い、わからない蓮は戸惑いながら少女を見つめた。すると紅葉は恭しく一礼し、丁寧な口調で自己紹介をする。

「我は戦国伊賀島(せんごくいがじま)中、霧隠才次の妹です」
「戦国伊賀島中ってフットボールフロンティアに出て、雷門中と戦った学校だよね」
「すっごい死闘だったんですよ」

 学校が爆発したことなどすっかり忘れた蓮と春奈は、数分ほど楽しい雑談に夢中に。
雷門VS戦国伊賀島島中との試合を、春奈は身振り手振りを交えて熱く語った。それを蓮は目を輝かせながら聞き入り、その脇では紅葉と木暮があっけに取られたように見ていたが、とうとうしびれを切らした紅葉が蓮と春奈の雑談に口を挟んだ。

「今は雑談をしている場合ではありません! エイリア学園が攻めてきたのです。さあ、早くフィールドへ参りましょう」

 漫遊寺のグラウンドへとかけて行く紅葉の背中を見て、蓮と春奈は現実に戻った。
 そうだ。おそらくだが、“イプシロン”がこの漫遊寺に攻めてきたのだろう。蓮は自身のうかつさを攻めながら振り向き、春奈と木暮にグラウンドへ行くよう声を投げかける。

「木暮くん、春奈さん、行こう!」

 木暮と春奈は同時に頷き、木暮は蓮の後を大急ぎで追いかけ始めた。蓮は意外とスピードがあるらしい。姿がもう校舎の中に入っていた。木暮とは距離が広がる一方である。その姿を見ながら、春奈は脳裏に一つの疑問を覚える。

(白鳥先輩、今日はどうして倒れていないのかしら?)

 そうエイリア学園が現れると決まって倒れていた蓮が何故、倒れないのかという疑問。

「さあ、勝負だ! イプシロン!」

 漫遊寺のグラウンドでは、既に雷門中サッカー部とイプシロンが睨み合っていた。
 イプシロンは11人。控えはいないらしい。宇宙服を思わせる赤い地に黒のラインが入ったユニフォーム。見ていて痛々しくなるのは気のせいだろうか。

「おや、お仲間も到着したようだな」

 蓮と春奈、木暮が走ってくるのを見ると一際背の高い男——イプシロンのキャプテン、デザームが唇をゆがめる。
 デザームはひょろっと長い顔にかあんり吊り上った赤い目、と言う爬虫類を思わせる顔付き。ぼさぼさに乱れた髪の一部は首元で何十にも巻かれ、マフラーのようになっている。
 デザームとイプシロンが投げかける侮蔑の視線を蓮は丁寧に睨み返しながら、歩く。怖いのか木暮は、蓮の足元にぴったりとくっつきながら、おずおずとイプシロンの顔を眺めていた。蓮が円堂の真後ろに立つと、円堂は振り向き、心配そうな顔で口を開いた。

「白鳥、今日は身体の方は大丈夫なのか?」

 仲間たちも蓮を気遣うような視線を送り、蓮はみなの優しさに心が震えた。不思議なことに今日の体調は優れているから、力が出せそうだ。蓮は自信に満ちた表情で、はっきりとした声で答え、好戦的な光を目に宿してイプシロンを見やる。

「うん。これはいつもより戦いやすそうだ」
「でも無理すんなよ。つらかったら、いつでも言ってくれていいんだからな?」
「大丈夫」

 蓮が力強く断言すると、聞き覚えのある含み笑いが聞こえた。声の方を振り向くと、あざ笑うような顔をした吹雪——いや瞳がオレンジになっているからアツヤ、がいた。アツヤを発見した途端、蓮の顔が強張る。柔らかい笑みがみるみるうちに蓮らしくない、警戒心に満ち溢れたものへと変貌する。蓮の態度に雷門サッカー部に小さなどよめきが駆け抜けた。

「よお、白鳥。倒れてお荷物になるなよ」
「余計なお世話だ。おまえは攻めることだけに集中しろ」

 からかうようにアツヤが言って、蓮は口調を荒くしながらアツヤに鋭い視線を送った。吹雪(アツヤ)と蓮の間にピリピリとした空気が流れていることに、雷門サッカー部の面々は、ただただ疑問符を浮かべることしかできなかった。隣り合ったもの同士でどうしたんだ? と耳打ちをしあっても、誰も何もわからなかった。そのうち円堂が二人をなだめようと近づき、

「みんな、作戦を伝えるから集まって」

 瞳子に集合の指示を出され、アツヤは挑発するように蓮に笑いかけ、蓮はすました顔をしてアツヤに背を向けて通り過ぎた。イライラしたように大またかつ早足で歩く蓮に染岡が近づき、小声で話しかける。

「おまえ、吹雪のこと嫌いなのか?」
「FWの吹雪は嫌いだ。でもDFの吹雪は好きだ」

 蓮はアツヤを睨みながら小声で答える。
 仲間たちは”士郎”と”アツヤ”の区別がついていない。相談しても無駄だろう。
 何故か自分だけにあのような態度をとるアツヤ。瞳を覗き込んだときの恐怖感は今も忘れられない。あいつだけは理解できない。あいつだけは信じられないんだ。
 
 蓮と春奈は今までのいきさつを聞いた。
 
 イプシロンは急にグラウンドに現れ、漫遊寺サッカー部に勝負を挑んだのだと言う。
 しかし漫遊寺サッカー部は、『サッカーはあくまで修行。勝負は受けかねない』と自身らの信条で断った。だがイプシロンは『断るのなら、敗北宣言をしたのも同然だ』と学校破壊を始めた。蓮たちが一番初めに聞いたのはその音だったのだ。
 そして当然の流れで、円堂たちが漫遊寺に変わり試合を受ける羽目になった。
 
 漫遊寺の生徒は、遠巻きに校舎の影から雷門イレブンを見やっていた。その視線には応援する気持ちが込められたものと、勝てるかどうか半信半疑、と言った物が混ざっている。
 学校を破壊するような地球外生命体に一般人が勝てるか、と言う疑問を覚えても無理はないだろう。

 瞳子の指示で雷門イレブンはそれぞれのポジションに着く。蓮は瞳子の指示で、右サイドのMFの役職に置かれた。そのわけは木暮。

 春奈が必死に懇願し、晴れて木暮は雷門のDFとして試合に出られたというわけだ。雷門のユニフォームを身にまとう木暮はなにやら緊張の面持ちでいまいち頼りない。そして足が小さく震えていた。
 対するイプシロンは余裕綽々だった。前線に立つ青い髪を扇風機のようなおだんごにした少女——マキュアは振り向いて、ゴールに立つデザームに甘ったるい声で質問を投げかける。

「ねぇデザーム様。あたしたち“エネルギー”0だけど、“チャージ”なしで大丈夫かなぁ?」
「マキュア。無駄口を叩くな」

 デザームに叱られたマキュアは、はぁ〜いと間の抜けた返事をして前を向いた。
 今の会話を鬼道は、はっきりと聞いていた。ゴーグルの奥にある切れ長の赤い瞳が細められ、『天才ゲームメイカー』と呼ばれる優れた頭脳がわずかな言葉に疑問を呈する。

(“エネルギー”だと?)

 だが考えを邪魔するように試合開始のホイッスルが鳴らされた。染岡がセンターラインに置かれたボールをタッチし、アツヤに。
 次の瞬間、アツヤはドリブルの体制に入る。そのまま持ち前のスピードでイプシロンのMF,DFを一気に抜きさった。いや抜きさる、は違うか。
 イプシロンのMF・DFはアツヤに邪魔しようと近づく素振りは見せるものの、何もしない。
 アツヤがゴール前へと進んでいくのを黙って見送っているのだ。
 
 ——確実に実力を測っている。そのことに気が付いた蓮は前に進みながら、舌をかんだ。そんな中でも時間は流れる。
 アツヤはデザームと一対一と言うまたとないチャンスを作り出していた。円堂がゴール前から大きな声で声援を送る。デザームが不適に笑い、アツヤは地面に手をつけて両足を広げる。とたん寒気がしてきた。空気が渦を巻き、風が低く唸る音が聞こえる。

「吹き荒れろ! <エターナル・ブリザード>!」

 アツヤの雄たけびと共に、冷気を纏った氷塊がデザームに襲い掛かる。氷塊が日の光を受けてきらめく中、デザームは嘲笑を浮かべた。飛んできた氷塊に向かい、すっと片手を差し出す。まるで普通のシュートを止めるかのように。

「なっ」

 小さくアツヤが驚きの声を上げる中、デザームの掌と凍りついたボールがぶつかり合う。氷のボールはデザームの掌に収まった途端、姿を一瞬で水に変えた。しゅーっとスチームに似た音が立ち、白い煙と共に水滴がデザームのスパイクを濡らした。
 
 雷門イレブンの誰もが、愕然とした。この光景を信じられなかった。

「……<エターナル・ブリザード>が片手で止められた」

 蓮が呆然と呟く中、デザームは大きく目を見開くアツヤに笑いかける。

「これが雷門最強の必殺技か。笑わせる」
「なんだと!」
「イプシロンの戦士たちよ! 反撃だ!」

 デザームは大きく振りかぶり、目の前にいたDFへとボールを出す。しかし、そのボールはDFに届くことはなかった。

「そうはさせないよ!」

 近くにいた蓮がすぐさまDFの前に立ち、すばやくボールを奪い取ったからだ。すぐさま辺りを見た渡すが、染岡にもアツヤにもイプシロンの選手が張り付いていて、パスを出せない。

 無理をするなと言われたがやるしかないようだ。倒れる覚悟を決めると、蓮は右足を後方に振り上げて、シュート体制に入る。

「久々にシュートをうってやるよ! <ホーリー・ウィング>!」

 蓮がボールを蹴った瞬間、ボールの周りに多くの発行する白い羽が現れた。白い羽はまるで自分の意思を持つかのように軸をデザームのほうへと向け、ボールと共に矢のように降り注ぐ。身体の力が一気に抜け、視界が揺らぐ。
 大した威力がないことをデザームはわかっているのか、不敵な笑みを浮かべた。

「ならばこの一撃でゲームは終了だ」
「え?」

 デザームが言い放った刹那。
 気づくと蓮は、身体を吹き飛ばされ、地面に叩きつけられていた。痛む身体を擦りながら上半身を起こすと、雷門サッカー部の面々が悲鳴を上げて宙に身体を持ち上げられている光景が視界に飛び込んできた。その原因は、赤いオーラを纏ったボール。
 槍か何かか。先端を尖らせ、槍のような形になったボールが地面をえぐりながら、円堂の元へと近づく。    
 
 止めたいが、この位置では間に合わない。とうとう壁山が吹っ飛び、残るは木暮一人。しかし、彼は逃げていた。ボールが進むのと同方向、つまりは円堂の元に。必死に走っているようだが、とうとうこけてしまい、赤いオーラを纏ったボールに追いつかれた。
 蓮は無意識に木暮の名を叫び——固まった。
 こけて逆立ちになった木暮が両足でボールをはさみ、その体制のままこまのように回り始めたのだ。
 吹き飛ばされることもなく、むしろボールの方が木暮の回転と共に赤い光を弱まらせていく。やがて木暮が力尽きたように、回転をやめて足から地面に倒れた。木暮の足から零れた、ただのサッカーボールが、地面に落ちて何回か跳ねて止まる。そして辺りを見渡すと、

「イプシロンが、消えた?」

 イプシロンの姿は忽然と消えていた。



〜つづく〜
なんか無理やりww
薔薇結晶さん遅れてすいませんでした!次章でも出しますので活躍はもう少しお待ちを^^;

Re: 【イナズマイレブン】〜試練の戦い〜久々本編☆ ( No.317 )
日時: 2011/03/05 15:26
名前: ふぁいん (ID: ZgrHCz15)

今回はちょー進みましたね!蓮君が意外と強いことにびっくりしました!

Re: 【イナズマイレブン】〜試練の戦い〜久々本編☆ ( No.318 )
日時: 2011/03/05 22:30
名前: ふぁいん (ID: ZgrHCz15)

あ、あと追記します!
蓮君の誕生日はいつ?
できれば教えてください!

Re: 【イナズマイレブン】〜試練の戦い〜久々本編☆ ( No.319 )
日時: 2011/03/08 18:30
名前: しずく ◆snOmi.Vpfo (ID: ZgrHCz15)
参照: コメント返しもまた後で♪

「い、いなくなったね」

 蓮は肩で息をしながら、無人のゴールを憎々しげに見つめた。まるで空気と同化したかのように、イプシロンの姿はどこにもない。ジェミニストームと同じで、宇宙人だから魔法の呪文でも唱えたと言うのか。雷門中の面々は注意深く首を左右に動かすが、イプシロンがいなくなりほっとしている漫遊寺の学生らしか見えない。
 
やがて漫遊寺の生徒は校舎に戻り始め、一部だが壊された校舎の残骸を拾ったり、無事に宇宙人が姿を消したことに手を取り合って喜んでいる。

「オレの技を見てびっくりして逃げたんだろ!」
 
 うっしし〜と得意げに笑う木暮だったが、雷門中サッカー部の空気はどこか重い。みな、顔が笑っていない。
 そのことに気がついた木暮は、決まりが悪そうな顔で雷門中サッカー部の面子の顔を眺めた時、蓮がポツリと呟いた。

「これでエイリア学園の出掛かりはゼロだね」

 その言葉に鬼道が顔を上げ、首を振る。

「いや。そうでもない」

 どういうことだ、と問うように、みなの視線が鬼道に集中する。鬼道は、瞳子を軽く一瞥してから、雷門中サッカー部のメンバーに向き直った。

「一つだけだがわかったことがある。それは、奴らが言っていたエネルギー”と“チャージ”」
「つまり、エイリア学園はドーピングしているってこと?」

 蓮が間髪いれずに鬼道の言葉を継ぎ、円堂たちから小さな驚きの声が漏れる。予想外の言葉なのか、円堂たちは戸惑う顔になり、続きを待つように鬼道を見つめた。

「やつらの強力な運動能力は、“特別な”エネルギー体による可能性が今時点では高い」
「エイリア学園は宇宙人じゃなくて、たんなるドーピング集団ってことかよ」

 染岡が口を挟み、鬼道は腕を組んで小さく首を横に振った。

「やつらの話から察するに、だ。まだ断言はできない」
「じゃあ白鳥先輩が倒れなかったのは、その“エネルギー”がなかったから、なんですね」

 春奈が何気なく呟き、蓮は疑問を呈する。
 
 自分が倒れる理由は、エイリア学園が使う“エネルギー”体にあるようだが、何故そんな身体になってしまったのだろう。染岡が言うとおり『アレルギー』なのかもしれないが、実際には何かあったのではないか。
 
 考えてみると、記憶が一部とは言え欠落しているのはおかしい。しかも欠落した部分は、施設で過ごしていた年月全て。偶然にしては出来過ぎている。今の両親も、施設のこととなると、決まって口を閉ざす。

「私はこれからエイリアの行方を捜しに行きます。今日一日、あなたたちの好きにしていていいわ」

 蓮がふと我に返ると、瞳子が事実上の休日宣言を出していた。今までの真剣な空気はどこかへふっとび、雷門中サッカー部は浮かれ出した。自然と仲のいい人間同士が集まり、わいわいと騒ぎ出す。

「もしかして京都観光してもいいでヤンすか!?」
「じゃあオレはおいしい八橋(やつはし)のお店にいくっす〜!」

 観光地に行くと言ったり、食べ物を食べるといったり。誰もサッカーをやろうとは言わない。蓮はたまたま隣にいた塔子と話し込んでいる。

「なあ、白鳥はどこに行くんだ?」
「疲れたけど、ちょっと遠出しようかな」
「遠出? どこに行くんだい?」
「ちょっと清水の方に」

 塔子を連れ立って清水まで来たものの、塔子はいつのまにかいなくなっていた。
 
 パパに土産物を買うからあたしは好きなところを見てくるよ、待ち合わせはここ〜と早口で言い残し、塔子は土産物屋街の中に消えていった。

 困った蓮は、人の流れに乗り、いつのまにか教科書でもよく見る清水の舞台に来ていた。平日ながらも人はたくさんいて、写真撮ったり、遠くの景色を眺めている人がいるその中に、

「あ」

 見知った顔がいて蓮は小さく声を上げた。涼野だ。見慣れた私服に身を包んでいる。手すりの上で腕を組み、ぼうっと視線を前に投げかけている。その横に、見知らぬ少年が手すりにもたれかかり、腕を組んで目を閉じていた。

 刹那。蓮の頭は、熱でもあるかのように熱くなり始めた。記憶がざわめき、脳内にぼんやりとしたイメージが浮かぶ。楽しげな音……それは聞きなれたサッカーボールの音だ。辺りではきゃあきゃあと歓声が聞こえる。自分の声。いくよー! と高めな明るい声がし、続いて変な雑音。誰かの名前を呼んでいるのに、聞こえない。なんて名前? 誰だっけ? 暗転。

 今度は鈍い光の反射。何かはわからない——が、まっすぐ自分の元へ振り下ろされる。ナイフのように煌くそれは自分の腕にどんどん近づいてくる。身をよじっても逃げられない。距離が縮まる。そして……。

「蓮?」

 肩に手が置かれる感覚がして、蓮は我に帰る。
 目の前には相変わらずの無表情で——でも心配しているような顔付きの涼野が、蓮の黒い瞳に映る。涼野の横では、赤い髪の見慣れない少年が蓮を見定めようとするかのようにじろじろ見つめてきた。

「風介。また会えたね」
「ああ」

 蓮がにこりと笑って涼野との再会を喜ぶと、涼野もつられたのか、口元に柔らかい笑みを浮かべた。それから互いの近況を一言二言交し合ったが、蓮の心の中は暖かい懐かしさに包まれていた。
 それは涼野の横にいる赤い髪の少年のせいであろう。脳細胞がこの少年も涼野と同じく知っている、と告げてくるものの名前も顔も思い出せない。ただ懐かしいという感情が込み上げて来るのみ。

「あれ、今日は友達も」

 じろじろ眺めてくる少年に蓮は怖気づき言葉を切ったが、思い切って続ける。

「友達もいっしょなんだね。邪魔しちゃ悪いから退散するよ」

 くるりと踵を返そうとすると、涼野が蓮のジャージの袖を掴んだ。安心させるようにわずかに笑って見せると、手を離し、赤い髪の少年のほうを向いた。非難するような鋭い目つきを伴った顔。蓮に見せていた穏やかな表情とはだいぶ異なる。

「晴矢、そう蓮をじろじろ見るな。困っているだろう」
「あ〜わりぃわりぃ」

 少年は軽く謝ると、涼野の脇を通り抜け、蓮の前に立った。
 
 何度見ても、自信に満ちた金色の瞳は記憶の片隅をつつく。脳内の記憶と言う記憶がざわざわと騒ぎ、心は温かくなっていく。蓮は懐かしむように目を細めていた。横では、涼野が複雑な表情で蓮の顔を横目で見ていた。

「オレは南雲 晴矢だ。よろしくな」

 南雲が自己紹介をした。
 その名前もどこか聞き覚えのあるものだった。思い出せないもどかしさを胸に抱えながら、蓮も明るく努めて自己紹介をする。

「僕は、白鳥 蓮」

「おまえが蓮か。風介から話は聞いているぜ」

「どんな話?」

「階段から落ちて記憶喪失になったドジなやつだってな」

「風介。なんてこと言いふらしているんだ!」

 南雲が茶化すように言って、蓮は涼野を怒鳴った。ただ、どうも(本気を出さない限り)怒っても蓮は大して怖く見えない。
 涼野は子犬に吠えられた大型犬のように悠然と構えている。
 蓮は取り直すように笑顔を作り、知り合ったばかりの南雲に声をかける。

「ね、キミのこと晴矢って呼んでもいいかな?」

「べつにいいぜ」

「じゃあ、よろしくな。晴矢」

 本人が許可してくれたので、蓮は南雲を晴矢と呼んだ。
 その時、耳の奥から声が突き上げてきた。晴矢、風介! と嬉しそうに叫ぶ自分の声。声の高さから言って、もっと幼い頃——忘れてしまった頃なのかもしれない。
 蓮は、思い出した勢いそのままに、まくしたてた。

「晴矢、風介! 僕たち小さい頃にどこかで会ったことない!?」

 南雲と涼野の瞳に一瞬、同様の色が走った。蓮はわずかな顔付きの変化を見逃さなかった。
 問いただそうとするが、南雲と涼野はすぐに何でもないような顔を作り、

「ないな。キミと始めて出会ったのは、大阪のパーキングエリアだろう」

「オレもだ。今日始めてお前と会ったんだぜ? 気のせいだろ」

 しっかりとした声音で言った。二人とも身体の後ろに回された手で、服をしっかりと握っていた。
 初めの顔の変化は何だったのだろう、と心内疑いながらも、二人がそう言うのだから間違いないだろう、と考え、蓮は追求しなかった。

「なにかあった?」

 南雲と涼野が暗い顔で俯いていることに気がついた蓮は、心配そうな声で話しかける。

 すると涼野は自虐めいた笑みを浮かべて顔を上げた。手すりに寄りかかり、景色を見ながら息と共に言葉を吐き出す。

「以前、キミに私はとあるサッカーチームに所属していると言っただろう」

「ああ。地域のって言ってたっけ」

 蓮は涼野の脇で軽くてすりに身体を預け、涼野の横顔を窺う。だいぶ涼野の表情が見分けられるようになってきた蓮は、涼野が難しい顔をしていることに気づいた。
 
「そこでは、どう表現すればいいのかわからないが……いわゆる、ランク付けのようなものがあるのだ」

 涼野は真っ直ぐに景色を見据えながら、前髪を書き上げながら、説明しづらそうに言った。

「やるきを出すためだとしても、あまり僕は感心しないな」

「オレたちの監督の意向だ。仕方ねえだろ」

 南雲が諦める様に呟き、蓮の横で手すりに背中を預け、そのままそっくりかえる。てすりを超えてオチやしないかと蓮は心配になったものの、南雲はすぐに体勢を戻し、手すりに寄りかかる。

「それで、二人とも一番になれなかった?」

 南雲と涼野は同時に目を見開き、涼野はふんっと鼻を鳴らす。

「ふん。キミは恐ろしいほど鋭いな」

「風介と前に少しパス練習したからわかるさ。風介はとてもサッカーが上手いし、なにより自分のプレーに自信を持っていた」

 北海道でのパス練習、あれで涼野の性格を蓮は少し悟っていた。
 
力強いパス。そして自分の力量を見定めるかのように輝いていた青緑の瞳。それらは、涼野の自信に満ち溢れた態度の表れだった。自信があるからあれ程強いパスが出せ、パス練習にも応じてくれたのだろう。自分のプレーに自信を持ち、フィールドで力強く輝く。蓮があこがれるプレイヤーの理想図そのままだった。

自分なら見慣れない人間に弱みを見せるのがいやで、どうしても知らない人間とのパス練習は渋ってしまう。ただ涼野なら弱みを見せても大丈夫と言う、自分勝手な自信でパス練習を頼んだのだった。

「落ち込むなんて、認められなかったとしか思えないんだ」
「少しのパス練習でそこまで見抜かれるとは」

 再度自分をあざ笑うような笑みを見せると、涼野は景色に目をやりながら、

「ああ。そうだな。監督に認められずに2位どまりだ。所詮(しょせん)その程度の実力と言うことか」

 自分を笑うように言った。横にいる南雲に目をやると、悔しそうに地面の板を睨んでいる。蓮は二人の悔しそうな顔を眺め、その“監督”に強い憤りを覚えた。
 景色に視線を向けると、怒った声で監督を非難する。

「そんなことない。風介や晴矢を認めないなんて、おかしい監督だ」
「オレもか」

 自分が含まれていることに驚いたのか、南雲が目を瞬かせる。
 蓮はニコリと明るい笑みで南雲と涼野に交互に笑いかけ、言い切った。

「晴矢も風介もすごいプレイヤーだ。僕が言うんだから間違いないよ!」
「……ははっ! そういうことは、この南雲晴矢さまのプレーを見てから言うんだな」

 南雲が楽しそうに笑い、涼野はくすぐったいような顔で小さく笑っていた。が、すぐに沈痛な面持ちに逆戻りし、重々しく口を開いた。

「それで……ひとつ問題があるのだ」
「え?」

 蓮が強い調子で聞き返し、涼野はしまったという顔をして蓮から目線をそらした。
 蓮の横にいる南雲も、何やら視線で涼野に非難するようなとげとげしい視線を投げかけている。   
 
 聞いてはいけないことを聞いたような気がして、蓮は話題を変えようと頭をひねって、

「そういえば八橋食べた?」

「私たちが一番になるには、“大切なもの”を壊す必要がある」

「お、おい! 風介!」

 涼野は抗議する南雲を無視して話を続けた。


〜つづく〜


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