二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

【イナズマイレブン】〜試練の戦い〜アンケートやってます☆
日時: 2011/07/03 20:08
名前: しずく ◆snOmi.Vpfo (ID: PODBTIS5)
参照: http://ncode.syosetu.com/n2574t/

お知らせ(new!)——キャラの掛け合いにしてみた
蓮「今年の夏はどこに行く?」

綱「そりゃ沖縄だろ。熱いし、暑いし、サイコーだぜ!」

蓮「……お粗末様」

コメント返しが滞っている件について>>361

>>446懲りずに七夕アンケート。ご協力願います^^
↑url。小説家になろうというサイト様に投稿しました。こっちの方が纏めやすいので;;よければ感想や評価のレビューをお願いします^^って、つながっていませんでしたね><今度は通じているので大丈夫です。

●過去の話を随意整理中。初見の方や見直したい! と言う方はヒンメル様のサイト(URLは↑)へどうぞ!

●ふぁーすと
初めまして^^ イナイレに脳内を侵略されつつあるしずくと申します。お好きに呼んでください^^
コメントや小説の宣伝はいつでも大歓迎です^^むしろ宣伝してくだされば直行します。

友達の影響でイナズマイレブンにハマり始めたので、オリキャラとイナイレキャラ達の友情を、勝手気ままに執筆します。そのせいでサッカーより、友情話が多いと思いますv
イナズマイレブンの友情には、興奮したりしたので、上手く表現できたらいいです><
誤字脱字天国なので気づいたら、指摘してくださると嬉しいです。

イナイレしらねぇって方でも、わかるように書いていきたいと思うので、知らない方、暇だからクリックしてやったぜと言う方も是非読んでくださいね!

どうでもいいですが、筆者は涼野・風丸・吹雪好き。染岡さんや南雲も好きですよ—!


以下の方はしっぷうダッシュでお戻りを!

○目が目がぁぁあああな残念な文はオレの好みじゃない

○インチキキャラもいい加減にしろ!

○荒らし!悪口!最高!

☆イナズマイレブンとは?☆
レベルファイブ様原作の、サッカーゲーム。アニメも水曜日7時から放映中。
雷門中学校を中心とし、サッカーで様々な相手と戦うゲーム。サッカーなのに、人が炎を吐いたり、動物を出したり……とにかくそんな「超次元」が売り物。今挙げたものは「必殺技」と呼ばれ、ドリブル(相手陣内へ進む)、ブロック技(相手の攻撃を防ぐ)、オフェンス技(ゴールを狙うのに使う攻撃技)、ゴールキーパーが使用するキャッチ技(ボールを取るのに使う技)に分類される。ポケ●ンを知っている方は、わかりやすいかもしれません^^;サッカーの知識がなくても、楽しめる!。ストーリーもいい、神ゲーです!
ただいま3、世界への挑戦!の発売が決定し、発売した。携帯サイトでも絶好調!

では、小説go! オリキャラ集は>>2へ移動。

本編

第一部
一章
「それがその始まりだった……」>>2,>>7,>>9,>>12,>>15,>>19,>>22,>>24

二章
「狂う。全ては予め決められていたように……」>>26,>>27,>>31,>>35,>>38,>>39,>>40

三章
「その光は輝く太陽か。イカロスの翼を焼く灼熱か」>>43,>>46,>>50,>>51,>>55,>>56,>>62,>>70,>>71,>>80,>>81,>>85->>87,>>93,>>112,>>118,>>122,>>123,>>130,>>131,>>134,>>136->>137,>>139,>>140,>>147->>148,>>158,>>162,>>165,>>169,>>171

四章「その出会いは、幸せか。それとも不幸せか」
>>177,>>183,>>184,>>185,>>189,>>194,>>196,>>197,>>209,>>210,>>213,>>214,>>217,>>309,
,>>313,>>314,>>316,>>319,>>320

五章「あの人はわたしの思いを正しく知らない」
>>336,>>339,>>346,>>354,>>356,>>357,>>360,>>370,>>372,>>373,>>376,>>377,>>383,>>411,>>418,>>420-
外(またの名を駄文集合体)
ガゼバン(?)>>77
くりあ様リク(アイリス×風丸)>>200
アンケート返し>>204

韓国組と年を越そう!(蓮がファイドラ所属設定)>>221,>>222

無題(ふぁいん様りく)
>>231,>>235,>>241,>>242,>>244,>>247,>>248,>>252,>>256,>>257,>>263,>>265,>>269,>>270,>>271,>>272

to elf from elf(入れ替わりバレンタイン。蓮←韓国3TOP)
>>274->>287,>>288,>>293,>>297->>298

蓮の誕生日編
イナズマジャパン>>386

ファイアードラゴン
>>388,>>392,>>394,>>395,>>399,>>401,>>404->>407

呟き
>>408

オリキャラ募集は一時停止です;;

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92



Re: イナズマイレブン〜試練の戦い〜☆番外編更新中 ( No.265 )
日時: 2011/02/16 17:36
名前: しずく ◆snOmi.Vpfo (ID: Ua50T30Q)

 それから数十分後の住宅街には、

「おれがいちばんのりだぜ!」
「まってよー! はるやー!」
「ふたりとも、まて!」

 ぎゃあぎゃあと嬌声を上げながら先陣を走る子供三名と、

「こら! 走るな! まて!」

 その子供たちより、だいぶ離れた場所で、命令形を連呼しながら、必死に子供たちを追いかける、サッカーボールを抱えた中学生がいた。

 公園を出た直後、幼い涼野がおなかがすいた、と蓮のジャージの裾を掴み、空腹を訴えてきた。
 蓮を見上げる幼い涼野の青緑の瞳は、子供らしいあどけないもので、蓮の父性(?)本能をくすぐるものだった。それにつられた蓮は、顔を綻ばせながら、つい、いいよなんて首肯してしまったのだ。

「はらへった。なんかくわせろ」

 幼い涼野が嬉しそうに少し微笑む横で、幼い南雲が偉そうな口調で要求する。幼い南雲に年上を敬う気持ちはあまりないらしい。蓮は“年上”として、幼い南雲の額に自分の額をくっつけ、少し目つきを厳しくしながら、叱るように言う。

「年上に命令するな」
「おれはたいやきがいいぜ! なあ、たろうおにいちゃん、たいやきたべようぜ!」

 幼い南雲はするりと蓮の額から自分の額を離し、叱られてもけろりとしている。そして、聞いてもいないのに自分が食べたいものを元気に提案した。えぇ…・・・と蓮は嫌そうな声を出した。が、その横で幼い涼野は、幼い蓮に近づくと、

「たいやきか。うまそうだな」
「ぼく、たいやきだいすき!」

 蓮が不平そうな顔をする下で、勝手に話を進め、二人で盛り上がり始めた。
 ここでたいやきはなしと言えば、またさっきのように幼い自分が空涙(そらなみだ)を流すに違いない。さっきの大人たちのナイフで刺すような鋭い視線は、もう浴びたくない。    
 独りでにため息を漏らしながら、蓮はジャージのポケットから財布を出す。黒い皮で出来た財布である。お札が入る前ポケットを指で広げるが、札はない。すぐ下にあるポケットのような小銭入れを開き、財布をひっくりかえす。掌に乗ったのは、日光を反射して輝く500円玉が一枚のみ。掌に乗った500円玉を力強く握ると、拳を振るわせる。蓮は悔しそうな表情で、

(くっそぉ)

 心内で悪態をついた。
 それというのも、昨日蓮が知っている南雲と涼野とちょっとした賭けを思い出したせいである。
 内容はじゃんけんをし、負けたものが二人にジュースとお菓子をおごると言うよくある趣旨のもの。そして、蓮は見事に二人に敗北し、少ない小遣いが炎のように燃やされ、氷のように溶かされたわけである。蓮は二日続けて、南雲と涼野におごらされる羽目となったのだ。

 息せき切りながら走っていた蓮も、とうとう息が苦しくなり、ふらふらと近くの電柱にもたれかかる。
ちなみにやんちゃ坊主たちは、住居をそのまま店舗として利用しているたい焼き屋の前で、既に品定めに入っている。自分たちの背より高い場所に置かれた、たいやきを、小さい身体を一生懸命伸ばしながら、食い入るように見つめている。

「ぼく、何食べたいのかな?」

 エプロンを着たお姉さんが優しく話しかけ、三人は声をそろえて、

「あんこあじをください!」
「ぼ、僕も……」

 息を整えながら、蓮も片手を挙げて遠慮がちに頼んだ。

「おいしい!」
「そうだな、れん」

たいやきを頭からかじった幼い蓮が歓声をあげ、左横にいる幼い涼野が微笑を浮かべた。 たいやきを購入後、蓮たちは、蓮が幼い涼野とであった公園に戻り、ベンチに座ってたいやきを食べていた。
幼い蓮と幼い涼野は、頭からゆっくりと食べるが、幼い南雲はわざわざ尻尾から食べている。かなりの勢いでばくついており、たいやきは、もう頭くらいしか残っていない。

(晴矢だけ尻尾派か。そういや、今も尻尾から食べてたな)

 そんな何気ない違いを見ながら、蓮は成長した南雲を思い出した。前に三人でたいやきを食べたとき、南雲だけ尻尾から食べていた。涼野が、南雲だけ違うのを言いことにからかってい、南雲はこんなことを言っていた。

『頭の方があんこがつまってるだろ? 俺はお前らと違って、最後までじっくり味わいたいんだよ』

挑発的な南雲の声が脳裏に蘇り、蓮は同い年の二人に無性に会いたくなった。自然と袋を握り締る手に力が入り、袋が乾いた音を立てた。たいやきは、少し冷めかかっていて、袋の上から持っていても、熱くはない。

「たろうおにいちゃん、くわないならおれがたべるぞ?」

 蓮が全く食べないことにめざとく気づいた幼い南雲が、蓮の手からたいやきを取ろうとする。蓮はたいやきを守るように身体を丸め、横目でじろりと幼い南雲を睨みつける。

「今から食べるところだ」

 少し怒りながら、口を大きく開けると、蓮は南雲の真似をして尻尾から噛む。さっくと口の中で衣が砕け、欠片が少しジャージの上に零れる。同時にほろ苦いあんこの味が舌の上に広がった。横目で幼い涼野と蓮を見ると、二人とも口の周りがあんこのつぶだらけになていた。

「ところで晴矢くんは尻尾から食べるんだね?」

 半分ほど食べたところで、蓮は退屈そうに足を揺らしていた幼い南雲に話しかける。幼い南雲は足を揺らすのを止め、蓮に顔を向ける。

「だって、さいごまでうまいほうがいいだろ?」

 幼い南雲は、今の南雲と変わらない、明るい笑顔を見せてくれた。それを見た蓮は懐旧の思いとともに、目金を激しく求める気持ちも湧き上がってきた。
 ——いつになったら、帰れるのかな。言の葉にならない程の小さな声量で、蓮はそっと公園の空気の中に思いを吐き出した。

〜つづく〜
ただ、たい焼き食う話でしたwww長かった妄想短編も次回で終わりますwww

私は頭から食べる派ですね、たいやき。電車で数駅行った場所に、おいしいたいやき屋さんがあり、たま〜に食べます。蓮たちのようにあんこがすきかと問われれば、否。私の好みはクリーム味なりwあんこも好きですが、断然クリーム派ですwあまっぽさの加減がちょうどいい!
って、サッカー小説でなんでたいやきの話になるんだろう^^;サッカーボールの扱いもぞんざいにww

次々回は時期ずれバレンタイン短編♪なぜかホ・チナン(ファイアードラゴンの控えGK)が出てきますが、相当キャラ作っていますw後どこまで削れるか、画面と勝負してます……

Re: イナズマイレブン〜試練の戦い〜☆番外編更新中 ( No.266 )
日時: 2011/02/16 17:19
名前: しずく ◆snOmi.Vpfo (ID: Ua50T30Q)
参照: 小説をクリックしてくださるみなさんはマジてるみんだ〜!

>>(●A●)
タメ大丈夫だよ^^
わかりやすいって言ってくれてすっごく嬉しい^^あ、実は(●A●) の小説影ながら読んでました(何故敬語ww)。今からコメントしてくるねb
よかったら、また来てね^^

Re: イナズマイレブン〜試練の戦い〜☆番外編更新中 ( No.267 )
日時: 2011/02/18 16:33
名前: ふぁいん (ID: Ua50T30Q)

へぇバーン様だけ尻尾派!私もです!バレンタイン短編、チナンが出てくるとのことで楽しみにしています!

Re: イナズマイレブン〜試練の戦い〜☆番外編更新中 ( No.268 )
日時: 2011/02/18 22:18
名前: ミティア(元転寝) ◆a5QxxPCyHs (ID: Ua50T30Q)

しばらく来ないうちに進みましたなぁwwwバレンタイン短編だと!?蓮君と韓国3TOPがいちゃいちゃすればいいと思い間s(((

Re: イナズマイレブン〜試練の戦い〜☆番外編更新中 ( No.269 )
日時: 2011/02/19 10:57
名前: しずく ◆snOmi.Vpfo (ID: Ua50T30Q)
参照: バレンタインも書くので長くなりますなう

 たいやきを食べ終り、手持ち無沙汰(てもちぶさた)となった蓮は、何気なく自分の足元に視線を落とした。そこには、サッカーボールが置いてある。サッカーボールを見た途端、蓮は何も考えずに立ち上がっていた。たいやきが入っていた紙袋をベンチに置くと、サッカーボールを持ち上げ、軽く放り投げた。頭で小さくボールを突き、ひざ上に落とすと、そのままリフティングを始める。なかなかきれいな姿勢で、軸がぶれていないリフティングだった。単調なリズムで。サッカーボールは軽やかな音を立てながら、流れるように宙に舞う。リフテイングに夢中になっている蓮は気づいていないが、蓮の後ろでは、幼い南雲たちが口をあんぐりと開けている。食い入るように、蓮のリフテイングを見つめていた。

「おっと」

 幼い南雲たちの視線に気づき、集中力をわずかに切らした瞬間。蓮は、ボールを蹴り損ねた。サッカーボールは蓮の膝から少し離れた地点に落下し、バウンドして転がり、止まった。すぐさま三人はベンチから降りると、ボールを拾っている蓮の足元に駆け寄った。幼い蓮は、尊敬の眼差しで蓮を見上げ、幼い南雲と涼野は、意外そうな顔で蓮を見る。

「たろうおにいちゃんサッカーじょうずだね!」
「おにいちゃんはすごい」
「おまえ、いがいとサッカーうまいんだな」

 幼い蓮と涼野は、素直に感嘆しているものの、幼い南雲は余計な一言が付加されていた。どうも上から見られているような言い方に不快感を覚える蓮であったが、相手が子供あることも考慮して、笑顔で答える。

「これでもサッカー部員だからね」
「じゃあこれからサッカーやろうぜっ!」
 
 幼い南雲が高らかに宣言し、4人は一斉に拳を宙に突き上げた。
 
 サッカーの技量はあきらかに蓮が一番優れていた。幼い三人はまだサッカーを始めたばかりらしく、リフティングもままならないし、シュートも、GKでもない蓮がとれる弱いものである。ついでに言うと、パスも蓮があっさりカットできるもの——とはいえ、蓮はパスカットは得意分野である上、10年近くやっていてカットできない方がおかしいのだが。蓮にボールをとられるたび、幼い三人は最初は悔しそうな声を上げ、地団太を踏んだ。しかし、次第にサッカーが楽しくなってきたのかひっきりなしに笑い声を上げるようになる。前に円堂がサッカーが好きな奴に悪い奴はいない、と言ったのを蓮は思い出した。確かに、サッカーに熱中する幼い三人はとても楽しそうで、蓮もまた心地よい高揚感(こうようかん)を感じていた。サッカーを通じて、幼い3人の内面を垣間見えた気もした。
蓮が幼い三人を抜くドリブルを披露したとき、公園にある人物が入ってきた。その人物を見るなり、蓮は駆け出し、一方的にまくし立てた。

「目金くん! 今までどこ行ってたんだ!」
「す、すみません」

 目金は平謝りし、手に掴んでいた箱を見せる。それを見た瞬間、蓮が眉根を寄せる。
箱の中身は、ちょうどこの頃流行っていたあるアニメのキャラクターのフィギュアだった。金髪のツインテールにセーラー服のような服。赤いブーツ。非常に精巧な造りで、アニメからポンと飛び出てきたかのようだ。

「この美少女フィギュアを買いたかったんですよ〜」

 頬を染め、恍惚(こうこつ)の表情を浮かべる目金の声は上擦っていた。鼻からも、赤い水が垂れていた。蓮は珍しく蔑むような視線を目金に送っていたが、矢庭(やにわ)に笑顔を作る。ただし幼い南雲たちに見せた優しいものではなく、血管が浮かんでいるものだが。

「そのために僕を利用したわけか」

 顔は笑っていても、声のトーンは恐ろしく沈み、怒気を孕んでいた。殺気すら感じさせる、ひどく恐ろしい声だった。目金はひーっと半泣きになりながら震え上がり、怖い笑みを浮かべながら、間を詰めてくる蓮からじりじりと後ずさる。顔に汗がどんどん張り付く中、愛想笑いを浮かべ、蓮の興味を他へと移そうと話題を切り替える。

「と、ところで白鳥くん。あなたもサッカーが上手い男には会えましたか?」

 その言葉を聞いた途端、蓮の足が止まった。今思い出したような顔つきになり、自虐的な笑みを浮かべ、寂しげに首を振る。

「僕の勘違いだったみたい」

「さあ、帰りますか!」

 元の世界に帰りたい一心の蓮は、元気よく声を張り上げ、怯えて身をすくませる目金の肩を叩いた。なに怯えてんの? と目金をちゃかす辺り、自分が怯えさせたことを全く感じ取っていないらしい。蓮がくるりと三人に背を向けると、幼い蓮は、え〜っと非難の声を上げた。

「たろうおにいちゃん、もうかえっちゃうの?」
「れん、わたしたちもかえらないとねえさんにおこられるぞ」

 幼い蓮が残念そうな顔で聞いて、幼い涼野がなだめるように言った。『たろうおにいちゃん』と聞いて目金が噴出しかけるのを、蓮は横目で睨んで黙らせた。それから、幼い三人の前へと歩み寄り、同じ目線になるようしゃがむ。

「そう悲しい顔しないでよ」

 優しく微笑みながら、蓮は幼い三人の頭を順番に頭をさすった。最後に撫でられた幼い涼野が顔を上げ、まっすぐに蓮の瞳を見つめてきた。

「またあえるか?」
「Need not to know」

 反射的に蓮の唇が動き、英語を紡ぐ。その瞬間、蓮の脳裏に今日のワンシーンが鮮やかに再構築された。最後、自分を見た男は、黒髪のショートに黒曜石のような黒目。青と黄が鮮やかなジャージを着ていた——そう、求めていたのは今の己自身だった。そのことに気づいた瞬間、蓮はくすっと笑い、立ち上がった。そして周りを明るくする笑みを見せ、幼い3人に呼びかける。

「何年かすればまた会えるからさ!」

 英語がわからないのか幼い三人はポカンとした表情で立ち尽くしていた。別れることにぎゅっと胸を締め付けられるような寂しさを覚えたが、それを振り払うように蓮は、幼い3人に背を向けて大またで公園の出口に歩き出した。未来に、今の南雲と涼野の元へ帰るために。

「帰り方教えて」

 戸惑いながら並んで歩いてくる目金に、蓮は落ち着いた声音で問うた。すると目金は立ち止まり、眼鏡のつるを持ち上げ、

「白鳥くん、立ち止まって目を閉じて下さい」

 目金より数歩先、公園の出口がある車止めの前辺りで、蓮は言われたとおりに止まる。直後、世界が無音となった。風の音、人の話し声、全てが聞こえなくなった。目を開けようとしても、目に何かに押さえつけられたように開かなかった。ふわふわと無重力の宇宙に放り出されたように、身体が持ち上がっていく奇妙な感覚に襲われる。と、身体が持ち上がるような感覚が消え、不意に冷たい感触が頬に当たった。


〜つづく〜


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92



この掲示板は過去ログ化されています。