二次創作小説(新・総合)
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入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 繋がる世界と未来の物語
- 日時: 2025/09/30 22:00
- 名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 2EqZqt1K)
―――これは、"全てを元に戻す"物語。
それが例え、紡いできた絆が離れる結果となったとしても……。
どうもです、灯焔です。
新シリーズ発足です。大変お待たせいたしました。プロットの詳細を決めている間に相当時間がかかってしまいました。
サクヤ達がどういう運命を辿るのか。この終末の物語を、どうぞ最後までよろしくお願いいたします。
この作品は版権作品同士の『クロスオーバー』を前提としております。
また、オリジナルキャラクターも登場します。
苦手な方はブラウザバックをお願いいたします。
※物語を読む前に必ず目を通してください※
【注意事項】 >>1
【取り扱いジャンル】 >>2
<目次>
Ep.00【舞い戻れ、新たな異世界】 完結
>>3-7 >>11 >>12-17
Ep.01-1【繋がりの王国】 完結
>>21-25 >>28-33 >>36-37
Ep.01-2【宇宙からの来訪者】 完結
>>39 >>40-48 >>49-53
Ep.02-1【強者どもの邂逅】 完結
>>55-56 >>57-59 >>60-63 >>66-67
Ep.02-2【黒と白と翡翠の車掌】 完結
>>70-73 >>74-76 >>77-78 >>79-81
>>82-85 >>86-89
Ep.03-1【ドルピックタウンにて最高のバカンスを!】 完結
>>112-113 >>114-119 >>122-126 >>127-130
Ep.03-2 【音の街と秘密の音楽祭】 完結
>>137-138 >>139-144 >>145-148
ep.04-1 【天下五剣が集うとき】 完結
>>166 >>167-171 >>172-176
Ep.04-2【新世界の砂漠の華】
>>178 >>179-180 >>181-185
※サブエピソード※
Ep.01
【新たな世の初日の出】 >>38
【商人の魂百まで】 >>54
Ep.02
【夢の邪神の幸せなお店】 >>68
【襲来!エール団】 >>69
【線路はつづくよどこまでも】 >>90
【記憶はたゆたい 時をいざなう】 >>109-111
Ep.03
【合流!若きポケモン博士】 >>131
【六つの色が揃う時】 >>132
【狭間の世界での出来事】 >>133-134
【翡翠の地からの贈り物】 >>135-136
【繋がりの温泉街】 >>151
Ep.04
【月と超高校級の来訪】 >>177
※エクストラエピソード※
Ep.02-ex【再度開催!メイドインワリオカップ】 完結
>>91-95 >>96-101 >>102-104 >>107-108
Ep.03-ex【とある本丸の審神者会議】 完結
>>152-154 >>155-160 >>161-163
<コメント返信>
>>8-10 >>18-20 >>26-27 >>34-35
>>64-65
>>105-106
>>120-121
>>149-150
>>164-165
最終更新日 2025/09/30
以上、よろしくお願いいたします。
- Ep.04-1【天下五剣が集うとき】 ( No.176 )
- 日時: 2025/09/15 22:15
- 名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 2EqZqt1K)
童子切とひとしきり話した後、一同は解散することになった。神域から外に出る彼らを見送り、残った一同も各々やるべきことをやるのだった。
そんなことをしているうちに夜も更け、明日に備えて皆は寝静まっていた。そんな中、布団からもぞもぞと出てきて部屋へとやってくる影が一振。童子切だった。
今に至るまで彼を取り巻く状況は目まぐるしく変わっていったが、そのどれもを覚えていない。考え込んで、考え込んで、眠れず目を覚ましてしまっていたのだった。
他人を起こさぬよう静かにその場を去り、縁側へと座る童子切。彼を優しく月が照らしている。吹き抜ける風が心地よい。童子切は月を見上げながら、そんなことを考えていた。
――しばらくそのまま静かに過ごしていると、彼の背後にぬっと影のようにあらわれる人物がいた。その影はのそり、と童子切の傍に現れ"……隣、いいか?"と呟いた。月明かりがその人物を照らす。正体は、大典太だった。
彼も夜中に目を覚ましてしまい、寝ているはずの童子切が布団にいないため心配して部屋にやってきたのだという。
童子切が隣に座ることを了承すると、彼は小さく礼を言ったのち空いている縁側に腰掛けるのだった。
「……不安だとは思うが、ここにはお人好しな連中がたんまりいるんでな……。あまり、心配しなくてもいい」
ふと、大典太はそんなことを言う。童子切を心配してのものだった。彼も、記憶を失ってここに保護された以上心配していないはずがなかったのだ。
しかし、雰囲気から後ろ向きな刀だと勝手に思っていた男からそんなことが口から飛び出るとは露にも思っておらず、童子切は目を丸くして驚いていた。
「……どうした」
「おまえは……もう少し陰気な刀だと勝手に思っていた」
「…………。どうせ俺は他人と碌に話も出来ない陰気な刀だよ」
童子切にまで"陰気だ"と言われ、思わずいつもの自虐を行ってしまう大典太。もう癖のようなものであった。童子切はその言葉に懐かしさを覚えるも、その懐かしさが具体的に何かを思い出すことはなかった。
しかし、今の大典太は陰気な刀ではない。自分が保護されてから観察していたが、サクヤの近侍として刀達の中心に立ち、主命をしっかりと果たしていた。控えめではあるが、陰気などではなかった。
童子切が自分の気持ちを正直に伝えると、大典太は驚いたのち安心したように目尻を下げたのだった。
「わたしには記憶がない。だが、魂が共鳴しているのは分かる。ここにいる天下五剣は、きっと昔から何らかの繋がりを持ち、つるんでいたのだろう」
「……そうだな。記憶を失っているあんたには、思い出さなくてもいいことだが」
「だから、大典太があの青龍と出会って、変わったことは記憶が無くても分かる」
「……俺が変わったんじゃない。俺の周りの奴らが、俺を変えてくれただけだよ」
自分も、記憶が戻ったら変われるだろうか。ふと、童子切がそんなことを漏らす。右も左も全く分からない今の彼の状態では、周りにあるもの全てが不安要素になるのは当然のことだった。
そんな彼の背中を優しくさすりながら大典太は呟く。"今は無理に変わる必要は無い。変わるきっかけは、時間が解決してくれる時もある"と。
童子切は大典太の優しさに、少しだけ心が暖かくなるのを感じたのだった。
そのまま静かに月を見ながら話を続けていると、再び二振の後ろにぬっと現れる影が見えた。
思わず後ろを振り向いてみると、そこにいたのは酒瓶を持った鬼丸の姿だった。どうやら、彼も大典太と同じように目を覚ましてしまい、二振が布団の中にいなかったために気になって出てきたのだという。
しかし、大典太とは違いご丁寧に酒瓶とお猪口まで持ってきている。大典太はジト目で彼を見やりつつ、何をしに来たんだと冷静に問いかけた。
「……何しに来たんだ」
「何でもいいだろう。おまえ達が布団の中にいないから酒を持ってきただけだ。妖物斬りとして、おまえ達には共通意識がないわけではないからな」
「その逸話が、わたしにはわからないが。それでもいいのか」
「それでもいい。おれの我儘に付き合え」
そう言い、鬼丸は大典太の隣にでんと座った。流石本霊が御物だというべきなのか、大胆ながらもその動きには気品があるのだと童子切には感じられた。
持ってきた酒をお猪口に入れ、ちびちびと飲み始める。そんな彼の様子を見て、大典太は不貞腐れたようにこう言った。
「……おい、俺の分は」
「自分でやれ」
「……ケチ」
軽口を言い合いながらも、鬼丸が持ってきたお猪口を二口借り、自分の分と童子切の分の酒をお猪口に注ぎ、童子切に渡す。そのまま、彼はぐいっと一気に飲み干した。童子切もそれに倣い、酒を少しずつ口にし始めたのだった。この静かな夜に似合いそうな、甘めの味わいの酒だった。
"高い酒だ"。大典太の向こうからストレートな物言いが聞こえてくる。そんなのお構いなしに二杯目を注ごうとしていた大典太は、"別にいいだろ。皆で飲む為に持ってきたんだろう"と、鬼丸から酒瓶を奪い取りお猪口に酒を注ぎ入れたのだった。
記憶を無くした刀剣と、元々喋るのが得意ではない刀剣。彼らが集まったとて、話が進むわけではない。悪態をついた後に、会話が続くことはなかった。
そのまま無言で酒を飲み続けていると、ふと鬼丸が大典太に疑問に思っていることを問いかけた。先程、戦闘中で起きた会話の続きのようだった。
「大典太。おれ達は一体何なんだ」
「…………」
「答えられない、ことなのか? わたしも気になっている」
童子切もその話は気になっているようだった。記憶はなくとも、本能で自分にあったことを知りたがっていた。
二振に両側から聞かれては無言を貫くわけにもいかない。大典太は諦めたように他言無用だと強く言ったのち、以前サクヤに言われたこと――自分達がクトゥルフに鍛刀された刀剣だということを話した。
「クトゥルフに鍛刀された刀剣、ね。おれ達の霊力が異常に強いのもそれが原因か」
「……あぁ、そうだよ。もし悪神の側がクトゥルフの力を狙っているとなれば、俺達を我が物にしようとしている理屈は分かるな」
それと、と大典太は思い出したようにネズとチューンストリートに行った帰りに見た幻覚の話も彼らにするのだった。あの、自分達を助けてくれた老人。その正体が、クトゥルフなのではないか、と。
その話を聞いた鬼丸は信じられないような表情をしており、童子切は話が分からず首を傾げていた。
「あの老人がクトゥルフ本人かもしれない、だと?」
「……あぁ。確証は得られんが、確かにそう言っていた」
「何故おれ達を鍛刀しておきながら、おれ達を捨てて逃げるようなことをして――挙句の果てに、助けるような真似をしたんだろうな。おれにはさっぱりわからん」
「その、クトゥルフというのも……本当に善意だけでわたし達を鍛刀したのだろうか」
話せば話すほど疑問は増えていった。本当に彼らに話してよかったのだろうか。大典太は少しの後悔に苛まれた。そんな彼を、鬼丸は気にするなとでもいうようにじっと見つめてきた。
確かに話せとせがんできたのは彼らである。疑問が増えたとはいえ、やったことは返ってこない。大典太はそう考えを切り替え、また酒を口に含むのだった。
「おまえが黙っていた理由は分かった。納得はしていないがな」
「……黙っていたことは悪かった」
大典太がしゅんとなって呟くと、彼は満足そうにフン、と鼻を鳴らしたのだった。
「とにかく、だ。今回分かったことは、あの悪神もクトゥルフとやらもおれ達を狙っているということだ。五振揃った今、あいつらが何を仕掛けてきてもおかしくはないな」
「……あぁ。そうだな。俺達も気を引き締めんとな」
「だが、わたし達に出来ることも限られている。わたしは……この世界を守るため、出来ることをやろうと思う」
「……今はそれでいいと、俺も思うよ」
アンラも、クトゥルフも。何故自分達を狙っているのかが分からない。しかし、今自分達に出来ることは限られている。であれば、出来ることを少しずつやっていこうと、彼らの中で結論がついた。
その後、月を見ながら三振は眠くなるまで話し込んだのだった。
Ep.04-1 【天下五剣が集うとき】 END.
to be continued…
- Ep.04s-1 【月と超高校級の来訪】 ( No.177 )
- 日時: 2025/09/18 21:53
- 名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 2EqZqt1K)
童子切の奪還から5日が経過した。彼も少しずつ議事堂の仕事に慣れてきて、簡単な仕事や荷物運びなど自分に出来ることを積極的にこなしていっていた。この調子であれば、記憶を取り戻すのもそう遠くない話だろうと一同は思っていた。
そんな最中の出来事であった。仕事が一息つき、ラルゴと大典太、鬼丸、童子切、前田が穏やかに会話を繰り広げているところに、足音が2つ聞こえてくるのが分かった。
その方向に目を向けてみると、やってきていたのは石丸と三日月だった。石丸はこちらが自分達に気付いたのに気付くと、深々と一礼し、三日月はひらりと手を振った。
「こんにちは!いや、あんなことがあった手前僕も心配していたのだよ。元気そうで何よりだな!」
「石丸殿!それに三日月殿も!お元気そうで何よりです」
「そして、君が噂の童子切さんだな!僕は"石丸清多夏"、座右の銘は"質実剛健"だ!どうかよろしく頼む!」
「どうも」
石丸は童子切を見つけ、丁寧に自己紹介をする。童子切もそれに合わせ頭を下げ、お互いに握手をした。
三日月が刀剣破壊寸前まで傷付いたという連絡を受けた際、いてもたってもいられず委員長にあるまじき落ち着きのなさを見せていた、とは苗木の弁である。
三日月は彼らの様子を見てのほほんと笑っていた。
自己紹介を済ませた後、ラルゴは何をしに来たのかと石丸に問うた。彼が通っている希望ヶ峰学園からの連絡はなにもない。ということはつまり、彼は個人的な用事でここに来たのだということが分かる。
尋ねられた石丸は、ラルゴに改めて向き直り自分がここに来た目的を口にしたのだった。
「実はだな!希望ヶ峰学園がつい先程長期休暇に入ったのだ。それを三日月くんに話したら、三日月くんが"リレイン王国に行きたい"と言い出してな。
僕もいい機会だと思い、この国に赴いたというわけなのだよ!」
「きぼうがみね、がくえん」
「……そうか、童子切はまだ知らなかったな。この終末の世界には、"学園都市"という学校が沢山集まった都市が存在している。こいつが通っている学園が、その中の1つである"希望ヶ峰学園"だ」
「学び舎、ということか」
どうやら、ここに来たのは石丸ではなく三日月の希望だったらしい。彼が単純に"リレイン王国の甘味が食べたい"などとのたまっているのであれば、単身赴いてハスノの店にでも世話になればいい話である。
しかし、今回はそうではないと彼らは見抜いていた。何故石丸をも巻き込んでこの国に来たかったのかと三日月に尋ねると、彼は静かに頷いてこう答えたのだった。
「童子切が記憶を失っているとはいえ、天下五剣が折角揃ったというもの。今後のことも考え、休みに入った主と共にこの街でしばらく過ごしてみようかと考えたまでだ」
「この国には遊びに来たのではない。僕自身としては、"課外学習"としてリレイン王国の文化や歴史、成り立ちなんかを学びに来たという訳だ」
「……あんた、休みの時まで勉強のことを考えているんだな」
「学生に休みはあれど学びに休みはないからな!はっはっは!」
三日月は童子切がサクヤの刀になったことといい、数珠丸も頻繁にここに訪れていることといい、近々自分もそちらに行かねばならないと薄々感じていたらしい。
また、石丸もリレイン王国の文化や歴史を学びたいと施策していたことがわかり、利害が一致し共にリレイン王国までやって来たのだった。
三日月、石丸双方の言葉を聞き、大典太は考える素振りを見せて石丸にこう呟いた。
「……だったら、町長の手伝いを積極的にしてみたらどうだ。あの場にいると、色々と学ぶことも多いんでな……」
「あら!それはこっちとしては大助かりだけど……本当にいいのかしら?」
「勿論です!ラルゴ町長の元で、色々学ばせていただきたいと思っています!」
大典太の提案に石丸も頷き、ラルゴも彼が張り切っている元気を貰いなんだか話している時よりも溌溂としていた。早速石丸の部屋を手配しなくては、とラルゴは意気揚々にその場を後にし、町長室へ向かって行った。
そんな中、三日月もこれからのことを一同に話す。どうやら、石丸と同部屋で休むことはしないらしい。
「ということで、俺はしばらく神域で世話になるぞ。よろしく頼む」
「おい、聞いていないぞ」
「今喋ったからな」
「……あんたなぁ」
鬼丸と大典太のツッコミもものともせず、三日月はこれから神域でしばらく過ごすと言ってのけた。童子切は無言で三日月のことをじっと見やり、前田は嬉しそうに"これからは三日月殿とも一緒なのですね!"とはしゃいでいる。
そんな二振と共に神域まで移動し始めてしまったマイペースな三日月をよそに、取り残された1人と二振は苦笑いをすることしかできなかった。
「すまない。三日月くんは普段はとても頼りになるが、たまに突拍子もないことをしでかすからな」
「……ある意味、主があんたでよかったと俺は思っているよ」
るんるんといった雰囲気を見送りながら、鬼丸は盛大にため息を吐いた。
それと同時に、石丸はラルゴに話をつけねばならない事情を思い出した。これ以上彼を待たせてはいけない、と二振に深く一礼をし、町長室の方まで歩いて行ったのだった。
「……また、賑やかになりそうだな」
「喧しいのは御免だ」
そんな彼の背中を見守りながら、くすりと笑う大典太。鬼丸は何が面白いんだ、と静かに首を横に振ったのだった。
Ep.04s-1 【月と超高校級の来訪】 END.
- Ep.04-2【新世界の砂漠の華】 ( No.178 )
- 日時: 2025/09/22 21:50
- 名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 2EqZqt1K)
――ここは、東の大陸にあるとある砂漠。その中に荒れ果てたショッピングモールが点在しており、地下で夜な夜な怪しい実験を行っているという噂が東の大陸の人々の中で蔓延っていた。
今日もまた1人、実験の犠牲となる一般人が襲われた。その実験を率いている老人は、部下に辛辣な言葉を吐く。腰を曲げ、杖をつき、いかにも不健康そうな老人であった。
「おい、実験台の用意はできておるのか!」
ヒィ、という悲鳴と共に部下は実験台として連れてきた1人の男性を連れてくる。リュックをしょっていることから、彼は旅人なのだということが分かる。旅人は縄で縛られており、身動きが取れなかった。そのまま部下が男性を引きずり老人の目の前まで連れてくる。
旅人は恐怖のあまり自我を失っており、"助けてくれえ" "帰してくれえ"とのたうち回っていた。老人はその旅人の必死の訴えが鬱陶しかったらしく、自らの持っている杖で男性の胸元を強くついた。その衝撃で男性はえづき、咳込む。その様子を見て、老人はあくどい笑みを浮かべた。
「や、やめてくれぇ!俺が何をしたってんだ!」
「うるさい!このワシの実験に参加させてやっているのだから有難く思え!」
なおもわめく男性に再び杖を突き、男性を傷つける。一方的な暴力が続き、ついに男性は目から光をなくし、動かなくなった。やりすぎたか、と老人は焦り、部下に男性が生きているかどうかの確認を押し付けた。部下は震えながらも男性の肩を叩く。男性の震えた反応があったため、まだかろうじて息はあるのだろうということが分かった。
それを老人に伝えると、彼は満足そうに懐から注射のようなものを取り出した。針の先端が男性に向けられるも、男性は杖で殴られた代償が強く反応がない。
それをよしとしたのか、老人は動かない男性の首元にその注射を打った。
『う……うぐぉ……ウォオォオォオォオォ!!!!!』
「ひっ……!!」
突如、何の反応も示していなかった男性が突然苦しみだし、黒い靄のようなもので覆われる。そのまま靄は男性の全身を包み、覆ってしまった。
次に現れたのは、獣のような姿の魔物だった。魔物はそのまま縛られていた縄を引きちぎり、所構わず暴走を始める。
「ふぉっふぉっふぉ。アンラ様からいただいた刀剣の邪気は実に素晴らしい!しかし、まだ意識のコントロールが出来ておらんようだ。研究を更に進めなければな」
『グォオォオォオォオォァアァアァ!!!!!』
「こ、このままだと殺される!ひ、ひーーーっ!!!」
魔物と化した男性を見て、満足そうに笑う老人。それとは対照的に、我先にと部下は魔物から遠ざかり、逃げて行った。逃げられなかった部下が魔物に襲われ倒れるも、老人は気にするそぶりも見せなかった。
しばらく魔物が暴れている間に、その場に残っているのは老人だけになっていた。自分に向けられた攻撃をひょいとかわし、老人は苛ついたような表情でこう呟いた。
「ええい役に立たん奴らめ!まぁよい。またあの学術都市から報酬と脅しを使って連れてくればいいだけのこと。それよりも、じゃ!あの邪気をもっと強める方法を探さんとのぉ。ふぉっふぉっふぉ!」
老人はそのまま扉の向こうへと姿を消し、そこに残ったのは魔物だけとなっていた。魔物は再び周りを攻撃しながら、どこか遠くに走って行ってしまったのだった。
そして、老人が研究に使用している部屋。机の上に本と共に並べられたカプセルの1つ。その中に、邪気を纏った短刀が入れられていた。短刀は、カプセルの中から邪気をまき散らしていたのだった……。
- Ep.04-2【新世界の砂漠の華】 ( No.179 )
- 日時: 2025/09/23 21:59
- 名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 2EqZqt1K)
議事堂にも、秋の香りが舞い降りてきた。城下町の木々は色めき、過ごしやすい季節がやってくる。心地よい風が吹き抜ける中で、今日も議事堂ではせかせかと働くラルゴの姿があった。
彼を取り囲むように小狐丸が何か手伝いはないかと話しており、それを見ている影が2つあった。今剣と厚だった。彼らは以前審神者会合の時にジェシカに邪気により精神汚染を施されており、つい先日まで時の政府による検査を受けていたのである。結果、異常がないと判断され、無事リレイン王国へやってくることができたのであった。
リレイン王国にやってきた彼らはまず大典太達にお礼と挨拶をしようと町人に彼らがどこにいるか聞いた結果、この議事堂にいると聞きつけ二振一緒にやってきたというわけである。
ラルゴと小狐丸に"少し待っていればすぐ来てくれる"と言われ、大人しくエントランスにある椅子に座って待っていると、目的の人物が右の通路を通ってやってくるのがわかった。
彼らは二振に気付いたのち、驚いたように顔を見合わせ二振の元へ近づく。二振も嬉しそうに彼らの元へ駆け寄ったのだった。
「……あんた達、来ていたのか」
「はい。このまちのひとにきいたけっか、ここにおおでんたさんたちがいるときいたのでやってきました!」
「改めて、オレ達を助けてくれてありがとな!」
「礼を言われるようなことは何もしていない。が、無事に助かってよかったな」
二振――今剣と厚は改めて大典太達に礼を言う。彼らが誰なのかと童子切に問われたため、前田が彼らの紹介を簡単に行った。
向かって左側にいる天狗のような少年の名は"今剣"。南北朝時代から室町時代に成立した軍記物語"義経記"に登場する伝説の短刀に宿る付喪神である。
反対に、右側にいる前田、信濃と同じような服を着た黒い髪の少年の名は"厚藤四郎"。短刀の中では鎧通しに分類される短刀であり、彼もまた藤四郎兄弟の一振である。
前田の紹介と共に、彼らも童子切を見て自己紹介を行った。童子切もそれに合わせ自分の名を告げる。その名を聞いて、二振は首を傾げたのち何かを理解したように大典太に進言した。
「ぼくたちがいなかったあいだにいろいろとあったみたいですね?」
「オレ達が助かってからずいぶん時間が経ってるんだ。色々あってもおかしくないだろ!」
「……間違ってはいない。童子切もあんた達と一緒で、つい最近まで悪神の邪気に襲われていた被害者だ」
「なるほどー。ぼくたちといっしょだったというわけですね!」
「そう、なのかもしれない」
「で、だ。おまえ達はこれからこの国でどうするつもりなんだ」
童子切の境遇に納得した二振に、鬼丸は"これからどうするつもりなんだ"と彼らに問いかける。鬼丸には、彼らがただ礼を言いに来たのではないと見抜いていたのだ。そんな彼らは彼の問いかけに対し、お互いに顔を見合わせたのち"町長の手伝いをしていこうかと思っている"と言ったのだった。これもラルゴからの提案だったらしく、国に来たはいいがどうするか迷っていた際に小狐丸に声をかけられ、事情を聞いたラルゴに"自分の手伝いをしてほしい"と言われたというのだ。彼のフットワークの軽さにも驚いた彼らだったが、手を差し伸べられたのであれば握らないわけにはいかない、と二つ返事で了承したという。
その話を聞いた三振は各々反応を見せていた。
「オレ達が手伝うって返したら、町長さんすっごく喜んでくれてたんだぜ!」
「……そうか。町長も助かるだろう。万年"人手不足"と言っていたからな」
「お人好し共め……」
二振の境遇も決まったということで、穏やかに会話を繰り広げる一同。そんな彼らの元に、ぽよぽよと歩いてくる2つの影を見つけた。
思わずその方向を見てみると、そこに現れたのはカービィとバンダナワドルディだった。普段はワープスターにて色々な場所に冒険に出かけている彼らがどうしてこんなところに現れたのだろうか。
珍しい客人だなと思い、思わず声をかける。すると、彼は元気いっぱいに挨拶をしてきたのだった。
「あ~!大包平さんのお友達がいるって本当だったんだね~!こんにちは!」
「こんにちは!お元気そうで何よりですよ!」
「……あぁ。こんにちは。――で、俺達に何か用なのか」
大包平の名前を聞き、鬼丸はむっとした表情になった。そういえば、彼はごくそつくん繋がりで面白いものが大好きだという困った趣味嗜好をもっていたということを過去に聞いたことがある。そんな彼らのストッパーを務めているのが大包平で、彼のおかげで最近の彼らの活動はなりを潜めているのだという。
何か用なのか、と声をかけると、カービィはニマっと笑ったのちに"これから一緒に冒険に出かけよう"と誘ってきた。突然の冒険の誘いに、思わず言葉を失う一同。そんな彼らにカービィは不思議そうに首を傾げていた。
「冒険、ですか?」
「うん!ボク達、これから"砂漠の華"を探しに行くんだ!"砂漠の華"はね、砂漠にしか咲かない幻の花と噂されてるんだ~!ボク、その噂がすっごく気になってて、ずっとバンワドと一緒に行きたいって思ってたんだよね!で、咲いてる場所が最近やっと判明してさ!
どうせならキミ達とも一緒に冒険したいなって思ってここまで来たんだよ!」
「へぇ。"さばくのはな"ですか!おもしろいはなですね!」
「砂漠にしか咲かない花って珍しいよな。気になるぜ!」
どうやら、カービィは"砂漠の華"という花を見る誘いをしにバンダナワドルディと共にここまでやってきたのだという。突然の申し出に短刀達はその"砂漠の華"が気になっているようで、わくわくした気持ちがあふれ出ているのがわかった。
ならば、太刀である自分達はどうすればいいのか。今日のラルゴの手伝いは小狐丸や石丸、三日月だけで十分だということはラルゴから聞いている。今日であれば彼らの冒険に付き合うことは可能だった。
しかし、それを問うてみると鬼丸は首を横に振った。流石目的以外の出来事に首を突っ込みたがらない刀である。
「おまえ達だけで行ってくればいい。おれは興味がない」
「……あんたなぁ。だが、短刀達は行きたがっているぞ」
「ならおまえがついていけばいいだろう。最も、あいつらだけでも大丈夫な気もするがな」
「"砂漠の華"……。僕はどんなものか気になるので行ってみたいです!今剣と厚も一緒に行きませんか?」
「もちろん!ひさしぶりのおでかけです。わくわくしますね~!」
「幻の花、絶対に見つけ出してやるぜ!見つけたら、記念に他の兄弟にも教えてやらねぇとな!」
「とはいっても、この国に他には信濃と博多しかまだいないんですけどね……」
「わたしも、世界がどのようなものになっているか気になる。同行を申し出たい」
どうやら、カービィの誘いに鬼丸以外には乗り気のようだった。大典太は短刀達が心配なこともあるが、行きたいと言っている童子切が気がかりなのもあった。記憶を失っている以上、フラフラと一振でどこかに行かせるわけにはまだ、いかなかったのである。
それでも鬼丸は首を縦に振らなかった。目的外への介入を避けているのもそうだが、自分がついていったことが原因で何かトラブルが起きてしまうのを防ぐためでもあった。彼は、自分が"不幸な刀"だと言われているのを気にしていた。
そんな様子を見守っていたカービィだったが、ふと思い出したように大典太に進言する。それは、鬼丸の"行かない"という心を動かす理由ともなりえるものだった。
「いいのかなぁ?その"砂漠の華"がある場所の近くで刀剣を見かけたって噂を最近聞いたんだけど」
「なぜそれを早く言わない」
「だって!ボクはごくそつくんじゃないし、刀剣に興味はないからね~。そういうのはメタナイトの専門だよ!」
「か、カービィ……。メタナイトは刀じゃなくて剣を使うんだよ~!」
「……まるでおまえは三日月のようだな」
「……だが、これであんたが行く理由もできたな」
なんと、"砂漠の華"がある場所の近くで刀剣を見かけたのだという。その言葉に、鬼丸は刀剣が絡むのであれば自分の目的のため、行かざるをえなくなると考えたのである。相変わらずな鬼丸の様子に大典太は呆れつつも、この場にいる皆で行けることに喜びを感じていた。
既に短刀達は行く気満々のようで、"砂漠の華"がどんなものかお互いに予想を立てあっている。
「"さばくのはな"……。すなのおはななんでしょうかね?さわったらすぐにくずれてしまいそうです」
「砂漠に咲く植物ってのは聞いたことあるし、それと似たようなものなんじゃねぇか? 久しぶりに前田と行動できるし、連携していこうな!」
「はい!頑張って"砂漠の華"を見つけましょうね!」
彼らの和気藹々とした様子を見守りながら、大典太はバンダナワドルディに改めて刀剣の噂について聞いていた。何故カービィではないのかというと、既に彼は全員いくものだと考えを切り替えてワープスターの準備をしに行き、既にこの場にいなかったからである。
バンダナワドルディはその言葉に少し考えるそぶりを見せ、こう答えた。
「風の噂で聞いたくらいなんですけど……。"砂漠の華"がある場所の付近に、ショッピングモールがあるんです。その地下で夜な夜な実験が行われていて、その中で刀剣を見かけたらしいんですよ」
「……随分とざっくばらんだな。だが、刀剣を見た、か……。もし噂が本当なのであれば回収せねばならんな。刀剣に入り込んだ邪気が悪用されている可能性も無きにしも非ずだからな」
「ボクも刀剣探し、一緒に頑張りますね!」
バンダナワドルディはその噂も本当のことだと思っているらしく、自分も刀剣探しを頑張ると彼らに言ってのけた。大典太は以前彼の怪力を見ているため、頼もしい助っ人が現れたなと目じりを下げて思ったのだった。
そんな彼らの様子を見ていた童子切が、ぽつりとこう零す。
「刀剣探しも大事だとは思うが。あの小さいのは"砂漠の華"とやらを探さなくていいのか?」
「も、もちろん"砂漠の華"探しも頑張りますよ!カービィとの約束だもん!」
「餅は餅屋だ。覚えておけ、小さいの」
「……誰かバンダナワドルディと言ってやってくれよ」
そんなやり取りを続けている中、ワープスターの準備が終わったのかカービィがぽよぽよと音を立てて走ってきた。
"それじゃ早速出発しよう!"と意気込んだ彼の後ろを短刀達が追いかける。そんな彼らを後ろから三振と1体はゆっくり追いかけるのであった。
- Ep.04-2【新世界の砂漠の華】 ( No.180 )
- 日時: 2025/09/25 22:04
- 名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 2EqZqt1K)
「それで、どうやってその砂漠まで行くんだ?」
ふと、厚がそんなことを言った。てっきりワープスターで向かうと思っていた大典太は、カービィが何も準備していないことに驚く。それを聞いた当の本人は、"ちゃんと準備してあるよ!ついてきて"と、一同を街の郊外まで案内するのだった。
目的の場所まで移動すると、そこにあったのは初めて見る羽のついた船のような物体だった。その前に、カービィより少し大き目の生命体がこちらを見て手を振っている。大典太と鬼丸にはその人物が誰か見当がついているようで、彼の姿をはっきりと捉えた瞬間ため息をついた。
「……あんた」
「チョットチョット!出会い頭にため息ナンテ失礼シチャウナァ!折角ボクのローアに乗せて目的の場所マデ連れて行ってアゲヨウってノニサ!」
「カービィ殿。ワープスターでは向かわないのですか?」
「うん!こんな大人数ワープスターに乗せられないし。だったら、マホロアに頼んでローアに乗せてもらえばいいやって思ってさっき連絡してたんだよ!」
どうやら、カービィはこの目の前にいる卵のような生命体――"マホロア"に、協力を取り付けていたようである。最初は渋っていた彼だったが、カービィの伝家の宝刀"友達だよね?お願い!"という言葉に負けてしまい、ついつい承諾してしまったのだという。
つくづくカービィだけには甘い奴だ、とバンダナワドルディも呆れを通り越して真顔になることしかできなかった。
「デ。コレカラ"砂漠の華"ッテ奴を探しに行くんダロ? ボクは忙しいから花探しには一緒に行ってアゲラレナイケド、カービィのオネガイはトモダチとして聞かなくちゃネェ~。仕方ないカラローアで連れてってヤルヨォ!」
「相変わらず上から目線な人ですね……」
「カービィ以外には大体こんな感じなんです、この人。あんまり気にしちゃ駄目ですよ」
カービィに頼まれたという割にはあまりにも上から目線な彼の言動に、普段穏やかな口調を心掛けている前田も言葉が荒れる。そんな彼をバンダナワドルディが"これが彼の普通だから気にしないで"と宥めていた。
真顔で見つめられるのに耐えかねたのか、マホロアは"ツベコベ言わずに乗るんダヨォ!"と、ローアの入口を開けて中に入るように催促した。
素早く全員乗り込むと、ローアはそのまま空中に浮かび、目的地に向かって出発し始めたのだった。
「マホロア、念のために聞いておくけどどこかから隕石が落ちてきたりとかしないよね?」
「マッサカァ~!ハルバードじゃあるまいし、そんなツマンナイコトが原因でボクのローアが落ちたりシナイヨォ!」
「マホロアのローアじゃないけどね……」
ローアの中は見た目とは裏腹にかなり広く、大の大人が寝転んでもかなり余裕がある程のスペースがあった。かつてカービィ達と共に冒険していた頃の名残であるチャレンジステージやミニゲーム部屋、コピーお試し部屋も残っている。
現在ローアを運転しているこの部屋も、マホロアがかなりの魔改造をしたお陰である程度の人数が座って休むことが出来るようになっている。
"好きなトコで休んでて良いよォ"とマホロアが気だるそうに言ったので、その言葉に甘え一同も到着まではしばしの休憩を貰うことにしたのだった。
そんな中、今剣がローアの窓から見える景色に大はしゃぎしていた。普段飛び跳ねている印象の彼だが、そんなに空が気に入ったのだろうかとマホロアは運転をしながらじっと見つめていた。
「うわあ。ぼくたちいまそらをとんでいるんですね!すごいすごい!」
「今剣は普段から空を飛んでいそうなものですが……。でも、ここから見る景色も素晴らしいものですね!」
キラキラとした目でマホロアを見やる今剣の視線に、マホロアは耐えられなくなっていた。カービィのような純粋で光り輝く瞳が彼は大の苦手なのである。しかし、ローアを褒められたことは嬉しかったようで、"当然ダヨネェ"と彼に返しローアの素晴らしいところをぺちゃくちゃといらないことまで話していた。今剣はその話にも興味を示し、マホロアの話を楽しそうに聞いていたのであった。
そんな彼らの様子を見て、バンダナワドルディがまたジト目でマホロアを見やる。"お調子者だなぁ"と呆れていると、カービィはカラッとした笑顔で"そんなところもマホロアらしいよね!"と言ってのけたのだった。
ローアが浮かび上がってしばらく経った頃。現在、ローアは海の上を浮かんでいた。太陽に照り付けられて光り輝く海に短刀達が目を輝かせていると、ふと前田は思い出したようにカービィにこう問いかける。
「"砂漠の華"がある砂漠とは、随分と遠い場所にあるのですね」
「うん。だって東の大陸の端っこにあるんだもん!」
「えぇ?!東の大陸?!オレ達そんなところに今向かってんのか?!」
カービィがさらっと言ってのけたその事実に、短刀達はただ驚いていた。まさか、自分達が東の大陸に向かっているだなんて。しかし、大典太は懐から世界地図のポケット版を取り出し、静かに砂漠の場所を確認する。童子切もどこに向かっているのかを知りたがっていたため、大典太は砂漠方面の場所を指さしながら口を開いた。
「……まぁ、地図上では砂漠方面は東の大陸にしか存在しないからな……」
「そんな離れた場所にまで、刀剣が落ちてしまっている可能性があるのだな」
「あの悪神の元から一気に落ちたんだ。西の大陸だけにあるとは限らないのは当然だろ」
「噂程度だけど、見つかると良いね!キミ達が探している刀剣ってのを、さ」
自分達を抜いても、100振程度はあの蔵に仕舞ってあった。それが一気に地上へと降り注いだのだ。自分達が普段いる西の大陸だけではなく、東の大陸にもばらまかれている可能性は充分あると鬼丸は推測していた。
そんな中、カービィは深刻そうな表情を浮かべる彼らに、"刀剣が見つかると良いね"と元気づけたのだった。
彼らの会話を背景に、ローアは砂漠方面まで飛んで行ったのであった。
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