二次創作小説(新・総合)

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繋がる世界と未来の物語【Ep.04-2完結】
日時: 2025/10/03 21:52
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 2EqZqt1K)

 ―――これは、"全てを元に戻す"物語。
 それが例え、紡いできた絆が離れる結果となったとしても……。


 どうもです、灯焔です。
 新シリーズ発足です。大変お待たせいたしました。プロットの詳細を決めている間に相当時間がかかってしまいました。
 サクヤ達がどういう運命を辿るのか。この終末の物語を、どうぞ最後までよろしくお願いいたします。
 この作品は版権作品同士の『クロスオーバー』を前提としております。
 また、オリジナルキャラクターも登場します。
 苦手な方はブラウザバックをお願いいたします。


※物語を読む前に必ず目を通してください※
【注意事項】 >>1
【取り扱いジャンル】 >>2


<目次>

Ep.00【舞い戻れ、新たな異世界】 完結
>>3-7 >>11 >>12-17

Ep.01-1【繋がりの王国】 完結
>>21-25 >>28-33 >>36-37

Ep.01-2【宇宙からの来訪者】 完結
>>39 >>40-48 >>49-53

Ep.02-1【強者どもの邂逅】 完結
>>55-56 >>57-59 >>60-63 >>66-67

Ep.02-2【黒と白と翡翠の車掌】 完結
>>70-73 >>74-76 >>77-78 >>79-81
>>82-85 >>86-89

Ep.03-1【ドルピックタウンにて最高のバカンスを!】 完結
>>112-113 >>114-119 >>122-126 >>127-130

Ep.03-2 【音の街と秘密の音楽祭】 完結
>>137-138 >>139-144 >>145-148

ep.04-1 【天下五剣が集うとき】 完結
>>166 >>167-171 >>172-176

Ep.04-2【新世界の砂漠の華】 完結
>>178 >>179-180 >>181-185 >>186-188


※サブエピソード※
Ep.01
【新たな世の初日の出】 >>38
【商人の魂百まで】 >>54

Ep.02
【夢の邪神の幸せなお店】 >>68
【襲来!エール団】 >>69
【線路はつづくよどこまでも】 >>90
【記憶はたゆたい 時をいざなう】 >>109-111

Ep.03
【合流!若きポケモン博士】 >>131
【六つの色が揃う時】 >>132
【狭間の世界での出来事】 >>133-134
【翡翠の地からの贈り物】 >>135-136
【繋がりの温泉街】 >>151

Ep.04
【月と超高校級の来訪】 >>177


※エクストラエピソード※
Ep.02-ex【再度開催!メイドインワリオカップ】 完結
>>91-95 >>96-101 >>102-104 >>107-108

Ep.03-ex【とある本丸の審神者会議】 完結
>>152-154 >>155-160 >>161-163


<コメント返信>
>>8-10 >>18-20 >>26-27 >>34-35
>>64-65
>>105-106
>>120-121
>>149-150
>>164-165


最終更新日 2025/10/03

以上、よろしくお願いいたします。

Re: 繋がる世界と未来の物語【Ep.03-ex完結】 ( No.164 )
日時: 2022/11/20 23:46
名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: t7y4Iwob)

どうも、柊です!
この度は審神者会合に参加させていただきありがとうございました!
遅ばせながらコメントをしに参りましたm(_ _)m

【Ep.03-s5】
ラルゴさんと以前から縁のあったご夫婦、ツムグさんとハツネさんですか。お二人もかなり苦労していらっしゃったんですね…。それを助けたのがラルゴさんだったと。ラルゴさんらしいですね!
二人が城下町で温泉旅館を開くなら、もっと人が来てくれそうです。
…で、ラルゴさん当時のままですか? 姿形が…? …若いとかそんなレベルじゃないな??? 
化粧が上手いとか、健康や美容に気を遣っているだけではないとするなら一体…? 何気に謎が多いですね、ラルゴさん…。
仮に人外だったとしても、悪い人ではないですし、魅力的な人ですから無問題ですかね←

【Ep.03-ex】
夏の日差しの中、浸かる温泉もいいですよね←
そんなことはさておき、この日は神域に人が集まっていたんですね。静かですけどめっちゃ賑やか。
そんな中、前田くんと信濃くんが廊下を走っている…ですと? あの二人が…? オービュロンの学校の先生みたいな注意に少しほっこりです。
それにしても何があったのでしょうかと思っていたらキツネのようなポケモン…? 二人も見たことない…? キツネ…。
ポケモンじゃない、ってことはやっぱりかこんのすけ。しかも時の政府のか…。そりゃみんないい印象あるわけがない。さらに鬼丸がかなり怒ってる。仕方ないですね!←

オービュロンボール…←

数珠丸のおかげでとりあえず鬼丸も止まってくれましたが、何度も来てたんですかこんのすけ…。ずっと平行線だったんですね話し合い…無理もないけど…。それにしてもなぜここの存在がバレてしまったのか…。
時の政府さん??? 身勝手が過ぎますぞ??? 許されるなら一回どついてる←
こんのすけは表向きの理由だけ聞かされてるっぽいですかね? はい、時の政府さんギルティでーす!←
審神者会合に参加させる…まあそれが妥協点ですよね。もしこのまま戻れ戻らないのやり取りしてたら時の政府何してくるか分かりませんし…。
でも神域から出られないサクヤさんの代わりにオービュロンが参加ですね。信濃くんとの契約もありますから問題はなさそうです! こんのすけが急に様子変わったと思ったらそういうことですか時の政府さん右の頬殴られたら左の頬差し出しなさい異論は認めない← サクヤさんもかなり怒ってる、あまり怒らない人が怒ると怖いですね…。
>>>キバナなら突き放してた<<<
クダリも今まであったことがあったことですし無理もないですよねぇ…。

ネズさんとノボリも同行OKで安心しております←
神隠し…世界によってはできたりできなかったり。こちらでは一応できると言えばできますね。それはそれとして鬼丸と大典太のやりとりが微笑ましい← 数珠丸、ナイスアドバイス←
こんのすけを通してじんわり見える時の政府の闇の深さと近未来←

会場は和風な旅館のような建物ですか。…想像だけでも良さげな建物←
受付も済ませ、いざ、ですね。大典太は緊張しているようで。無理もないですが…。邪険にする人がいたらちょっと本丸裏お呼び出しですね←
すでにいた審神者や刀剣男士もいたのですね。恐竜の審神者…インパクト凄い、絶対。
まあ確かに、天下五剣が、それも三日月以外がいるとなるとつい見てしまいそうですね…。例え自本丸にいたとしても←
変な輩がいないとは限りませんからね、早め早めが大事です。
聞き覚えのある声…石丸くんとシロナさんですか! 大典太たちも三日月とも再会できて何よりです! そして三人と共にむっちゃんや長曽祢さん共々、登場させていただきありがとうございます(土下座)
シロナさんが参加した理由はヒカリの行方を探すためでしたか。…有名なトレーナーばかりが行方不明になりますね。ヒカリ…一体どこに行ってしまったのでしょうか、嫌な予感がひしひしとしております。
にしてもやっぱり三日月も言われてましたか時の政府ギルティ。
声をかけてきた職員さん、暁さん。元審神者なんですね、だから明石も一緒なのか…。確かに同位体が行方不明と聞けば心も痛くなりますね…そうでない人間ですらそうだから←
暁さんは時の政府の中ではまともな部類なのか、それともブラックなのは一部なのか…いずれにせよおいそれと信用はできないですよね、特に大典太たちは。ですが会いに行くことに。堂々巡りもそうですが、ここまで真摯にされたら大典太は、ね← 甘味は美味しいから仕方ないんだよ、ね!!←
場所が変わると一気に近未来ですね…。んん、何やらロリータな女性…? …おっとこちらのジェシカさん、本丸裏にお呼び出しコースな気配がしますねぇ← きな臭いものもある模様で。ネズさんも何やら信用ならないと。分かる。
いやジェシカさんこっわ!! そしておっと何やら恐ろしい気がするぞ!?
制御室にいた上層部。うーん、良い感じはしませんね!! 仕方ないね!!←
しかも最初から『返してもらえる前提』で話を進めてるあたり、ね!! ギルティ!!
職員??? 何口走っているか分かっていますかギルティ。やだ、時の政府相手だと今のところ暁さん以外にはギルティが口癖になりそうですギルティ。
ネズさんナイス、石丸くんナイス、ノボリナイス、シロナさんもみんなナイスです!!
なーんか引っ掛かる物言いですが、この際とりあえず猶予もらえただけよしとしましょう、え? 顕現解こうとしてた? やっぱり時の政府ギルティ。…にしても、『人間風情が』ってのも気になりますね。一体…。

戻ったら何やら揉め事がー…ジェシカさんやっぱやらかしたか←
入手困難とかにターゲット絞ってたかあ…。

長 曽 祢 さ ん に も 声 か け た ? ? ?

あっちょっと本丸裏よろしいですかねジェシカさん大丈夫心配することなどありませんよ私が一方的に話し合い(物理)するだけなんで!!←
あれれー? 今剣と厚の様子がおかしいぞー? なんか入れ替わってる感じありますね???
暁さんが止めに行くとジェシカさんが…やっぱ怖いよこの人!!
やっぱりアンラか!! そんな気はしてたけど怖いわ!!←
暴走した審神者さんがめっちゃ心配です…! ジェシカさん? いや心配してないです←

大典太が審神者たちの呪いを治癒するため戦線離脱ですね…無理もありません。ビビりながら私、そして頼りになりまくるむっちゃん、長曽祢さんも協力ですね! 私はともかく本当二振りの頼り甲斐しゅごい(語彙力) 大典太の優しい気遣いプライスレス←
ジェシカのワガママっぷりに真顔になってしまう← 人生なんて思い通りにいかないことの方が多いんですがね…。そして予想はしてましたがやっぱり厚と今剣もそういうことでしたか…。ちょっと差し違えてでもデコピンかましてきます!!(ショボい)←
シロナさんカッコいい(天仰ぎ)← さすがシンオウ地方のチャンピオンです←
全員お人好しということで一つ←
ジェシカちょっとお口にチャックしていてもらえませんかね、って今度は二人の魂に目を付けた…!! ちょっと差し違えてでもデコピン二発は入れますね!!←
そりゃそんな一方的で無茶すぎる要求、通るはずありませんよね。当たり前です。ノボリ、ナイスです!
ヒンッ…二振りの状況に心が痛くなる…。もう大丈夫だからね…!! 大典太、もう一仕事お願いしゃっす!!← やっぱり精神が入れ替わっていたんですね…! 助かってよかったです! あとは鬼丸たちが勝ってくれるのを祈るばかりです。
暁さんが囮をすることになりましたが、明石の気持ちも分かります。どっちの気持ちも分かるぅ…! 暁さんカッコいいですね…!
鬼丸と数珠丸ー!! 解呪成功ですね! 審神者さんも頑張った!!
ジェシカには逃げられましたが…今この場で解決できそうにはないですし、とりあえず全員が無事であることを喜びましょう!
時の政府絡みのこともなんとかなりそうでホッとしております。暁さんにも感謝です…!
今剣と厚は検査で異常がなければリレイン王国に来られるんですね! きっと二振りも気に入ってくれるだろうから、検査も無事に済みますように…!
審神者さんも無事で何よりですがやっぱジェシカさん本丸裏お願いできますか差し違えてでもデコピン三連入れてやる←

ネズさんはだいぶ囲まれたようですね…お疲れ様です。そんなネズさんとは正反対にタチフサグマは暴れ足りない様子。そこにノボリとシャンデラ…シャンデラも不完全燃焼、と言ったところでしょうか? ジェシカを取り逃してしまったこともあるのでしょうが…←
ネズさん…本当に一体何があれば、首を絞められるなんて怖いことを抵抗しないでいられるんですか…。首絞められると本当に苦しいし痛いですし、普通抵抗しても不思議ではないですよね…? ってああ…スパイクタウンを守るために、ですか…? うう、しんどすぎる…。
でも少しでも周りに弱音を吐いてもいいと思えるようになっているならきっと進歩ですよね。
そしてバトルできることになってテンションが暴走するノボリ←

シロナさんも入ってバトルしてたら多分会場跡形もないのでは、と思ってしまいました← 百歩譲っても半壊行きそう←
ノボリのテンションがマックス← でも怒られてしょんぼりしてるのがかわいいです、「ましぃ」が好き←
全員で穏やかに別れて、とんでもないことはありましたが会合も終了、ですね。

ジェシカやマイケルのようなしもべがまだいると思うと、手放しで楽しかった、なんて言えない状況ですよね…。
神域を出て短刀二振りに捕まっちゃう鬼丸に微笑ましく思い、短刀に甘い大典太も微笑ましいです←
キバナさんだけ肉抜き← でも死守はされた模様← つい笑いました←
それにしてもカレーの種類が151ってすごいですよね〜。数字は初代ポケモンの数なんでしょうけれど、それでもです。マリィちゃんかわいい。みんなの食事風景にふふふと微笑ましくなっております。ほほえま。
…最後の二人の会話、本当にサクヤさんを助けられればいいのにと私も思います。

長文&乱文失礼しました!
変なところありましたら本当にごめんなさい!
それでは!

Re: 繋がる世界と未来の物語【Ep.03-ex完結】 ( No.165 )
日時: 2025/09/04 20:18
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 2EqZqt1K)

どうもです、年単位でお久しぶりになります灯焔です。
年単位で更新ができていなかった原因として、ネタが満足に書けずしどろもどろしていたらこんな時期にまでなってしまいました。当作品を待ってくださっていた方はごめんなさい。
最近の事情でやっと書きたいネタが下りてきて、投稿できるまで執筆が終わりましたので連載を再開させていただきます。
またマイペース投稿になりますが、どうぞよろしくお願いいたします。


>>柊 様

どうもです、コメントありがとうございます。
いえいえ、こちらこそ当作品へのご参加を了承していただいて本当にありがとうございました。
こちらも書いていてとても楽しい一作品となりました。

【Ep.03-s5】
温泉旅館を建てたいとリレイン王国にやってきた夫婦、ツムグとハツネ。ちなみに、『ネオンシティ』というのは某ミート○アというゲームからネタを取っております。
鬼丸さんが気になったとおり、ラルゴ町長は姿形が『まったく』変わっておりません。一体どういうことなんでしょうね。
ただの人間ではないのかも……?


【Ep.03-ex】
突如現れたこんのすけにしかめっ面の一同。まぁ、(特に天下五剣は)時の政府に碌な目にあってません。
身勝手すぎる時の政府と、帰りたくない天下五剣一同。そりゃ話が平行線になります。
話し合いの結果、審神者会合に参加することで事なきを得ましたが、外に出られないサクヤの代わりにオービュロンが向かうことになりました。
ネズ、ノボリも同行をOKし、光世さんのほっぺも犠牲になりました。数珠丸さんのアドバイスは基本役に立つものばかりですが、彼は真顔でボケるタイプの刀剣なのでたまにそういうことをしてきます。

準備をして、いざ審神者会合にレッツゴー。
本丸には本当にいろんな審神者がいます。恐竜の審神者もいますし、どこかで聞いた話だと虎のぬいぐるみが審神者の本丸もあるのだとか? う、うらやましい。
そして、石丸クン、三日月さん、シロナと会いました。シロナは行方不明になったヒカリの手掛かりを追って審神者会合に参加したのでした。見つかるといいのですが。
時の政府所属という"暁"という男と、その近侍である明石さんと出会います。信用できない彼らでしたが、話し合いの結果上層部と話をすることになりました。
その中で出会った"ジェシカ"という女性。どこか甘ったるい雰囲気を醸し出している地雷系の女性です。嫌な予感がひしひしとしますが、まずは上層部との話が大事です。
そして、上層部と話をしますが話は平行線を辿る……。『返してもらえる前提』で話を進めているからですね。彼らには帰る気なんてさらさらありません。
言い合いの結果、何とか猶予はもらえました。即顕現解除、即回収とならなくて本当に良かったです。

大広間に戻ってみると、ジェシカと審神者の男性が言い争いになっていました。
どうやら入手困難な刀に声をかけていたようで……。柊様の長曽祢さんにも声をかけていたようです。ギルティ。
暁が止めに入りましたが、それでは止まらず喧嘩していた審神者を暴走させてしまいました。
悪魔と化した審神者の攻撃により、戦場になってしまった大広間。光世さんは邪気を解呪するために戦線離脱し、攻撃を喰らってしまった人たちの治療に入りました。
いまつるくん、厚くんも精神が入れ替わるという酷い目に……。
シロナがなんとか光世さんのところに二振を連れていき、呪詛を解呪しました。
悪魔の方も、暁と明石さん、鬼丸さん、数珠丸さんの連係プレイにより、解呪に成功し審神者をもとに戻すことができました。
助けられた二振の刀剣は検査で異常がなければ、リレイン王国に来ることができます。いつになるかはわかりませんが、来られるのが楽しみですね!

ネズは大典太のフォローにより、屋上へと一足先に避難していました。
不完全燃焼のタチフサグマと、やってきたノボリ&シャンデラ。シャンデラも同じようなものでした。
そして、ネズの異常な自己犠牲精神があらわに……。過去の負い目があるとはいえ、異常です。他人に弱音を話せるようになっただけ進歩だと言えましょう。
1vs1のバトルも終了し、いろんなことはありましたが会合も終了となりました。

しもべはおそらくまだまだいるかと思われます。光世さんたちが真に平和に過ごせるのはいつになるのでしょうか。
そして、みんなでカレーを食べて大変な1日は終了しました。
サクヤを助ける方法……何か、見つかればいいんですが。見つかるのでしょうか?




 暖かいコメントありがとうございます。今後とも当作品をよろしくお願いいたします。

Ep.04-1【天下五剣が集うとき】 ( No.166 )
日時: 2025/09/05 21:50
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 2EqZqt1K)

 審神者会合から1ヵ月が経過した。本格的な夏も終わりの兆しを見せ、夏の残り香がリレイン王国を駆け抜けている。
 議事堂の中にある神域ではすやすやと寝息を立てる一同がいた。現在は夜も更け、月が神域を優しく照らしている。
 そんな中、サクヤは縁側で1人月を見ていた。一度床には着いたのだが中々眠れず、気分を落ち着かせようと縁側までやってきたのであった。



「(童子切さんは今、いったいどこで何をしているのでしょうか)」



 月を見ていた彼女は、ふとそんなことを思い臥せっていた。
 クトゥルフによって鍛刀された天下五剣の残り一振、"童子切安綱"。かつてコネクトワールドが存在していた際に、鬼丸と共に悪神に奪取された刀剣の一振である。
 鬼丸国綱はサクヤ、そして友である大典太達の奮闘の末取り戻すことが出来たが、童子切に関しては未だに敵の手中に堕ちている。
 鬼丸は、かつて悪神の手に堕ち、大典太と死闘を繰り広げた過去がある。その行く末を知っているサクヤは、童子切にも同じ轍は踏ませたくはなかった。


 どうすれば、彼を見つけられるのだろう。そもそも、彼は何処にいるのだろう。
 同じ考えがぐるぐると彼女の脳内を支配する。どうすれば、どうすれば。


 そんなことを考える彼女の元に、一人の人影が姿を現した。大典太だった。



「……主」
「およ、光世さん。こんな夜更けにどうされたのですか?」
「……眠れなくてな。あんたもなのか?」



 大典太はそう言いながら、サクヤの隣に静かに座る。どうやら、酒を飲んでも眠りにつくことが出来ず、目が覚めたら人影が見えたのでついやって来てしまったらしい。
 彼女の表情を覗き見た大典太は、サクヤに何か考え事をしているのかと問う。サクヤは困ったように少し表情を崩しながら、童子切のことを話すことにしたのだった。



「童子切さんのことを、考えていました」
「……童子切、か」



 大典太も月を見ながら、サクヤの言ったことに耳を傾ける。
 結局、童子切は終末の世界になる前の世界――"コネクトワールド"の時代でも、結局見つからなかった。しかし、コネクトワールドでは鬼丸しか顕現ができておらず、童子切に関しては誰も知らない状態だった。
 恐らくあの悪神は童子切を持っているだろうと大典太は考えていた。誰も行方を知らない以上、そう考えるのが一番自然だった。



「……大方、あの悪神の元にいそうだがな」
「であれば、鬼丸さんと同じように邪気を注がれているはずです。救えるのであれば、早く手を打たねば手遅れになってしまいます」



 そう言葉を紡いだ彼女の目には焦りが生まれていた。童子切のことを考えた以上、救えるのであれば早く救いたい。
 しかし、どこにいるのか分からない以上何も手を打つことはできない。悲しそうに目を伏せる彼女に、大典太は優しく彼女の頭を撫でた。



「……急がねばならないが、焦りすぎるのも禁物だ。童子切の手がかりも、これから探していこう」
「そうですね……」



 大典太の言葉によりいくらか冷静さを取り戻したサクヤだったが、一度浮かんだものが簡単に頭から消えるわけではない。
 童子切のことも考えねばならないが、目に見えているものを片付けることも大事。そう考えを切り替えた。



「……風も吹いてきた。これ以上起きていると明日に響く。そろそろ寝よう、主」
「はい。ありがとうございます、光世さん」
「……近侍だからな」



 照れ隠しなのだろうか。礼を言われた大典太の耳元はほんのりと赤くなっていた。
 そのまま寝ている仲間を起こさないよう、静かに床へと戻った1人と一振は、眠りにつくのだった。


















































 ――わたしを……わたしを、けしてくれ……



 なんなのだろう。この声は。
 
 どこかで聞き覚えがあるような。



 ――わたしのこころが、すべてこわれてしまうまえに……



 目の前の黒い影に、何者なのかを問いかける。
 しかし、返ってくるのは沈黙。そして、黒い影はこう言い放ったのだった。



 ――わからない……。じぶんが、なにものなのかも、もう……



 その言葉と共に、まどろみが襲う。黒い影が、消えていく。
 そうして、夢の中へと吸い込まれていったのだった。

Ep.04-1【天下五剣が集うとき】 ( No.167 )
日時: 2025/09/06 21:59
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 2EqZqt1K)

 あの不思議な夢を見た日から翌日。議事堂にあるエントランスでは、町長であるラルゴの指示で今日もせかせかと働く刀剣男士達の姿があった。
 大典太もラルゴの負担を少しでも減らすため、自分にもできる仕事を探しに刀剣男士達に近付く。
 そんな中、コツコツとエントランスに革靴の音が聞こえてきたのだった。



「やぁMr.オオデンタ。調子はいかがかな?」
「……運命の神か」
「あら~お久しぶりね、アシッド社長♪」
「Mr.ラルゴも久しいな。皆元気そうで何よりだよ」



 靴音の正体はアシッドだった。彼は再度『ネクスト・コーポレーション』を立上げ、敏腕社長として日々世界を回っていたはずだ。リレイン王国を取り戻す際に世話になったが、今度はどんな用事なのだろう。
 口調は軽快だが、表情はどこか切り詰めたような印象を感じる。それを不思議に思った大典太が何用かと尋ねると、彼は刀剣男士達の方を向き直ってこう口を開いた。



「サクヤはいるかね? 彼女の元へ案内を頼みたいのだが」
「主に用か。何があった。緊急の出来事なのか」
「まぁ、そういうことだ。何せ……"童子切安綱"の居場所が分かったのだからな」
「な……!」
「童子切殿の……」



 童子切の居場所が分かった。その言葉を聞き、刀剣男士達は各々驚きの表情を見せる。
 童子切は結局コネクトワールドの中でも見つかること無く、この終末の世界でも悪神、アンラ・マンユに邪気を注がれているはずだった。そんな彼が『見つかった』のだ。驚かない方がおかしいだろう。
 言葉を失う刀剣男士達に、アシッドは切羽詰まった表情でこう続ける。



「かつてのMr.オニマルと同じような状況であれば一刻を争う。サクヤに早く連携をしようと思ってね。急いでここまでやって来たんだよ」
「……そう、なのか。分かった、あんたを主の元に案内しよう。だが……」



 そう言いかけて、大典太は考える。このまま自分達だけでことを進めていってしまってもいいのだろうか。
 天下五剣の最後の一振が見つかったのだから、同胞には声をかけておくべきではないのだろうか。幸い、求めている彼の主である石丸も、苗木の勧めでスマートフォンを1台持っていたはずだ。彼を通じて話をすれば、三日月をここに呼ぶことは可能であるだろう。
 そう思い、サクヤのスマートフォンを鬼丸、数珠丸に見せ大典太は頼んだ。



「……鬼丸でも数珠丸でもいい。三日月を呼んできてくれないか。童子切が見つかった以上、あいつ抜きで話を進めない方がいいと思うんでな……」
「分かりました。すぐに連絡をいたしましょう」
「俺か~?俺ならばここにいるぞ~?」



 随分と間の抜けた声にその方向を向くと、へらへらと笑顔でこちらに手を振る三日月と、何故か大包平もいた。
 連絡も無しにこの場所にいることにも驚きだが、何故ここまでやって来たのだろう。
 その理由を問うと、三日月はへらりと再び笑い問いに答えたのだった。



「何やら不穏な気配がしてな。じじいの勘だよ」
「何を言う。貴様は童子切の気配を感じて議事堂に来た俺についてきただけだろうが!」
「……大包平の方だったのか。あんた達、主はどうしたんだ?」
「主か? 主は『きまつてすと』とやらで忙しそうだったのでなぁ。最近やることもなく、自由に行動してもいいと許可を貰っていたのだ」
「俺も同じようなものだ。主の兵器開発が忙しくて、俺も手伝うといったのだが大事な用らしくてな!」
「(……三日月はともかく、大包平の方は確実にあの2人に襲い掛かるためだな……)」



 どうやら三日月も大包平も主である石丸、ごくそつくんが忙しく手持無沙汰だったらしい。どちらもしばらく自由行動が許されているとのことだったので、二振も連れてサクヤの元へと向かうことにした。
 折角手伝いに来たのに無駄になってしまい申し訳ないとラルゴに頭を下げると、彼女は大典太達の用事を汲み、そっちに行ってきて、と寧ろ背中を押されてしまったのだった。
 改めて一礼し、サクヤの居場所である神域へと足を進める。そんな中、数珠丸が不思議そうに大典太に尋ねた。



「そういえば、ネズ殿はどうされたのですか? いつもならばエントランスで作曲をしていたはずですが」
「……フェス用の作曲に忙しいと最近席を外しているな。今日も朝早くから出かけていったぞ」
「そうなのですか」



 仕事で忙しい双子はともかく、常にエントランスに籠ることが多いネズの姿がない。不思議に思ったが、どうやらフェス用の音楽の作成に取り掛かっており最近朝早くから出かけているらしい。大方、作曲のヒントになりそうなものを探しに行っているのだろうと大典太は付け加えた。
 その説明に数珠丸はなるほど、と納得し、神域へと向かって進んでいくのだった。
















 神域のふすまを開けると、そこには前田とサクヤの姿があった。
 普段現れない客の数々に、1人と一振も驚きを隠せない。



「やぁサクヤ。調子はいかがかな?」
「アシッドさん!一体どうされたのですか。社長業は……」
「社長業とやら言っていられないことがあってね。……"童子切安綱"が見つかったんだ」
「え……?」
「なんですって?!」



 サクヤにも改めて"童子切安綱が見つかった"と話す。当然、驚かれた。
 昨日気にしていたことが今日進んだのである。しかも、行方不明になっていた最後の天下五剣が見つかったとの報告。サクヤは目をまん丸にして言葉を失うことしかできなかった。
 ――そんな彼女達をアシッドの一声が突き破る。"話がしたいから座ってもいいか"と。その言葉に沈黙を破った彼女はさっそくお茶を用意しようと立ち上がるが、前田に止められた。



「そういう末端的な仕事は僕達刀剣男士にお任せください!」
「わ、わかりました。では、前田くん。お茶を持ってきてください」
「はい、すぐにお持ちいたします!」



 そう言って、前田は厨の方まで姿を消す。
 その間に、サクヤは神域へとたどり着いた彼らに座ってもいいと許可を出したのだった。

Ep.04-1【天下五剣が集うとき】 ( No.168 )
日時: 2025/09/07 21:56
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 2EqZqt1K)

 前田がお茶を準備し、サクヤ達の元へ戻ってくる。
 暖かい煙がその場をまとう中、アシッドは早速本題に入ったのだった。



「さて、本題に入ろう。童子切安綱だが……現在、アンラの手元にはないようだ」
「なんだと?!あの悪神の元から逃げおおせたというのか」



 てっきり悪神の手元にあると思っていた一同はその言葉に驚いた。つまり、童子切が単身あの悪神の元から逃げているという事実に他ならないからだった。
 驚きのあまり大声を出す大包平に、アシッドはそうだなと小さく頷き話を続ける。



「アンラの元から逃げおおせた邪気を追っていたのだが……。どうやら、童子切は現在ここにいるようだ」



 そういい、アシッドは懐から世界地図を取り出す。広げたのち、彼は地図の北の方を指さした。
 そこは、雪に覆われた地帯が広がっている。その中に、ひときわ大きな屋敷が点在しているということが見て取れた。アシッドによると、童子切は現在そこに逃げおおせているらしい。
 現在自分達のいる場所からは随分距離がある。思わず三日月は"ほう"と息を詰まらせた。



「随分と遠いところに逃げたのだなぁ」
「少しでも悪神の元から遠くに逃げるため、でしょうね。ただ、それがどこまでの足掻きになるか……」



 三日月の言葉に数珠丸も続ける。
 そして、鬼丸も彼らの言葉に静かにうなずき、自分の見解を述べた。



「おれとは違って、童子切は邪気を祓われていない状態で逃げている。邪気が回りきって暴走するのも時間の問題だな」



 刀剣男士達の言葉を参考に、サクヤは考える。童子切を助けるべきか、否か。
 いのちを助けられるところまで来ているのであれば有無を言わさず助けるのが彼女のポリシーだが、今回は自分が助けに向かえない状態での救出。であれば、刀剣男士達に頼むしかないのだが……彼女の良心が、それを拒んでいた。
 童子切は鬼丸よりも多くの邪気をまとっている。それ故、戦闘沙汰になることも考えなければならない。


 考え込んでいる彼女に気付いたのか、大典太が優しく背中をさする。そして、こう呟いたのだった。



「……主。俺達を使ってくれ。皆、童子切を助けたいという気持ちは一緒のはずだ」



 大典太の声が聞こえたのか、皆各々静かにうなずいている。"童子切を助けたい"という気持ちは、この場にいる皆が思っているものだった。
 しかし、その為に彼らを失うわけにはいかないと小さく零す。そんな彼女に大包平が自信満々に言った。



「青龍よ。いらぬ心配をしているようだが、俺達はそんなに軟ではないぞ!自らが動けぬというのであれば、俺達に背中を預け無事の帰還を祈っていろ!」
「おまえは言葉はまっすぐすぎるな。だが……おれも考えは同じだ。余計な心配はするな、主」



 その言葉に背中を押されたのか、サクヤは小さく息を整えた後、刀剣男士達に向き直る。
 そして、頭を下げて"童子切を助けに行ってほしい"と頼んだのだった。


 皆、考えることは同じ。その言葉を聞いた彼らもまた、再び各々頷くのだった。



「もとよりそのつもりです。童子切殿……必ず助け出しましょう」



 童子切を助けに行く。そう、皆の足がそろったところで改めて世界を地図を見る。
 童子切は現在北の大地にある巨大な屋敷にいるということが分かっている。ここから出発する場合、アクラルの"門"の力を借りるべきだとサクヤは判断した。
 彼の持つ"門"は、調整した場所であれば好きなところに一瞬で向かうことができる。それを使えば、短期間で童子切を助け出すことも苦ではないだろう。



「ところで、だ青龍。リレイン王国にいる刀剣男士を全員向かわせるつもりなのか」
「いえ、それは考えていません。万が一のこともありますし……。童子切さん奪還にはこの神域にいる刀剣男士の皆さんで行っていただきたいと考えております」
「……わかった。俺達だけで行ってくるよ」



 三日月、数珠丸、大典太、鬼丸、大包平、前田。以上の六振で童子切の奪還に行くことをサクヤは命じた。
 童子切に邪気が回りきっている可能性が高い以上、今まで邪気を解呪したことのある、事情を知っている者がいったほうがスムーズに童子切を助けられると判断してのことだった。
 本来ならばすぐにでも出発してほしいのだが、アクラルへの連絡も必要だ。話し合いの結果、出発は明日の早朝となった。



「皆さん。くれぐれも準備は怠らぬようにしてください。童子切さんにどれだけの邪気が注がれているかわかりませんから」
「無論だ。童子切を奪還し、誰も折れず帰還する。それが絶対条件だ」
「簡単に言ってくれるな大包平。だが……そうだな。俺も給料分は働くとするか」



 そういい、三日月と大包平がその場を立った。双方、明日への準備に向かうのだろう。
 そのまま神域から姿を消した二振を尻目に、数珠丸と鬼丸も立ち上がる。



「我々も、最善を尽くせるよう尽力いたしましょう。では、失礼します」
「おれもやることがある。ここで失礼するぞ、主」



 そう言葉を残し、二振も神域から姿を消した。
 続くように、大典太と前田も顔を見合わせて立ち上がった。



「僕も、自分にできることで皆さんの援護を行いたいと思います。……童子切さんを助けるために!」
「……あぁ。必ず、童子切を助けるぞ」



 前田とお互いに頷きあった大典太は、サクヤに一声かけ神域を後にした。
 まずは、ラルゴに明日用事で席を外すと話をしなければならない。そう前田に言い、彼のもとへ向かうことにした。
 そのままエントランスまで歩いていると、議事堂に戻ってきたネズとすれ違った。
 彼の表情の変化を悟ったのか、彼は大典太を呼び止め話しかけたのだった。



「どうしたんです、そんな神妙な顔をして」
「……別に神妙な顔はしていないが」
「してますよ。いつもより眉間にしわが寄っています。何か、重大なことをしでかそうとしてる顔だねあんた」
「……適わないな。実は――」



 問い詰められたネズに大典太はため息を零し、自分たちがこれからやろうとしていることをかいつまんで彼に説明をした。
 童子切を助けに行くこと。おそらく、大きな戦いに巻き込まれるであろうということ。――必ず、友を救って帰ってくると誓ったこと。
 話を聞いたネズは静かに頷き、大典太の肩をポンポンと叩いたのだった。彼なりの激励のつもりだった。



「……なるほどね。お友達を救いに行くんですね」
「……だから、しばらくは神域には主しかいないと思ったほうがいい。席を空ける、すまんな……」
「いいですよ別に。おれにできることはあんたの無事を祈ることだけです。無事に帰ってきてください」
「……あぁ。ありがとう」



 他愛ないネズの言葉だったが、今の大典太には大きな支えとなるような気がしていた。
 そのまま彼とは別れ、ラルゴにも話を通しに行く。大体の事情を呑んだ彼女は、ネズと同じように"無事に戻ってくるのよ!"と激励を送ったのだった。


 この場には、暖かい仲間に囲まれているな。大典太はそんなことを感じながら、前田と明日の準備に備えることにしたのだった。


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