二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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ポケモンバトルM・EVO【サン・ムーン編突入!】
日時: 2016/12/23 03:17
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)

『読者の皆様へ』

どうも、初めましての方は初めまして、タクです。今回のこの小説は、所謂対戦実況小説といったところでしょうか。
現在、他の小説の進みがなかなか良い感じになっているため、この小説の連載を決意しました。
タイトルはM(メガ)・EVO(エヴォ)、その名の通りメガシンカをテーマにした作品になると思います。また、第六世代で追加要素のあったポケモンに視点を当てていきたい所です。
また、今回のサン・ムーン発売に合わせて、第七世代を舞台にした対戦も描いていく予定です。

そして、この小説は種族値、努力値、個体値とった3値やHABCDSVなどの記号や、略称なんかが出てくる、所謂「廃人仕様」となっております。
一応、初心者の方にも配慮したような表現を極力心がけたいですが、あらかじめこういったことを知っている前提で読んでほしいと思います。

また、この作品と舞台は違いますが世界観を共有している、モノクロさん著『BOHパ対戦記録譚』があります。そちらの方も、よろしければご覧下さい。


ちなみに、作者のフレンドコードも載せておきます。XYにおけるフレンドサファリのタイプはノーマルで、ヒメグマ、ドゴーム、ラッキーが出ます。

フレコ:2809−9638−8089


※注意※
・本作品はバトルビデオを元にして作られたノンフィクションと一部フィクションです。
・そして、ストーリー中心です。小説という以上、当然ではありますが。
・ポケモンの擬人化あります。つーか、それらのポケモン中心です。
・分かりづらいかもしれない設定多々。
・選出画面があったり無かったり。
・イラストは後々用意するかもしれませんが、クオリティは期待しない方が良いです。
・メタ発言? んなもん日常茶飯事。
・にわか発言&下手糞プレイ? んなもん日常茶飯事。
・対戦相手の名前は改変して使用します。
・対戦相手への誹謗中傷はおやめください、メガボーマンダのスカイスキン捨て身タックルとシャンデラの眼鏡大文字が襲い掛かります。
・BGM置いてるけど、ポケモンじゃないかもしれない。



 また、作者は対戦・交換などは大歓迎です。フレコは自分の雑談スレ『タクのノベルス・ポケモン図書館』に置いています。バトルビデオをこの小説に使わせていただくかもしれません。

以上のことを守ってうちのポケモン達の活躍を生暖かい目で見守ってやってください。


目次

第一部:エリア開放編


プロローグ
>>01

パート1:謎の敵・静炎邸
>>02 >>03 >>04 >>05 >>06 >>07 >>10 >>11

パート2:遮断された箱庭・氷海水域
>>12 >>13 >>14 >>15 >>16 >>17 >>18 >>19 >>20

パート3:湖の決闘・中部緑域
>>21 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28 >>32

パート4:忍の街・群雲街域
>>33 >>34 >>35 >>36 >>37 >>38 >>39 >>40 >>43 >>44 >>45 >>46 >>47

パート5:この風が泣いている・天獄峡域
>>48 >>51 >>52 >>53 >>54 >>55 >>56 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62 >>63

パート6:雷電霹靂・雷電械域
>>75 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80 >>81 >>82 >>83 >>88 >>89 >>90 >>91 >>92

パート7:暴龍警報・頂龍山域

#1:絶望の淵へ
>>103 >>104 >>105 >>106
#2:反撃の狼煙
>>107 >>110 >>111 >>112 >>113 >>114 >>115
#3:龍の守護者
>>116 >>117 >>118 >>119 >>120
#4:最後の守護級
>>121 >>126 >>127 >>129 >>131 >>134 >>135 >>136


パート8:仲間達が待つ場所へ
>>137


第二部:新世代編

パート1:セントラル・フィールドへ
>>138 >>139 >>142 >>143 >>144 >>145 >>146 >>147 >>148 >>149 >>150 >>151 >>152 >>153 >>154

パート2:留学生は突然に……


登場携帯獣紹介
>>70

用語解説
>>71


番外編:始末屋の日常と非日常

パート1:前々前作でラスボス役やっててもキツい奴はキツいので以下略
>>95 >>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>102

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32



番外編:パート1 ( No.97 )
日時: 2015/04/01 14:25
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
参照: https://www.youtube.com/watch?v=vnURox0Qtw0

【盗賊団・ブルーローズが勝負を仕掛けてきた!】

【行け、マリルリ!】


「よし、それじゃあ勝負を始めようか。先発はボクが行くよ」

 ルルがぴょんっ、と跳ねていく。そして、ナノマシンが体から剥がれていき、ポケモンとしての本来の姿を現した。
 うさぎポケモン・マリルリ。これがルルの本来の姿なのだ。


『ポケモンDETA
ルル:マリルリ
性格:冷静沈着ではあるものの、どこか冷めている。また、危なくなったら仲間を捨てて死んだフリをするなど、かなりセコい一面も持っており、実利主義・合理主義でもある。相方のドーラとはXYからの同期で、共に始末屋をやっているが、度々彼の守銭奴ぶりに呆れているが、どっちもどっち。
性能:マリルリというポケモンから既にお察しであろうが、可愛らしい外見からは判断できない程の怪力で強引に相手を吹き飛ばす、攻撃の鬼。また、腹太鼓+アクアジェットは今作からの新要素で、無振りガブリアスを乱数1発。色々おかしい。元から耐久も高かったため、かなり凶悪。故に、第二世代の破壊力SSの称号を持つ。
火力:S 速度:D 耐久:A 自覚:B スタミナ:B 破壊力:SS』


「よーし、やっちまえ筋肉雑巾! お前ならやれる! きっとできる! どんな奴が来ようが、絶対粉砕できる!」
「お前を粉砕してやろーか、無能サザン」

 冷ややかな声で返したルルは、ため息をついた。

「ま、いーや。とりあえず、吹っ飛ばすよ!!」


【ブルーローズはミカルゲを繰り出した!】


 おんみょ〜ん、という鳴き声と共に現れたのは、ミカルゲだった。
 ヤミラミの所為で存在意義が危ぶまれている霊悪複合ポケモンである。
 ぶっちゃけ不意打ちしたり鬼火したりしてくるイメージしかない。

「基本は物理受けだよね? どうしよう、耐えられたら」
「いやいやいやいや、耐えられる訳がねぇだろお前のじゃれつくなんか」

 過去、何度もルルのじゃれつくを食らっているドーラは真っ青な顔で言った。
 ここは、後続に負担を掛ける意味でもじゃれついておきたいところである。

「うーん、此処は一回ドーラにじゃれついて威力を試してからにしようかな」
「死ぬ!! 俺死ぬから!!」
「むー、分かったよ」

 と言った彼女は、そのまま地面を蹴り一直線にミカルゲ目掛けて-------------飛び掛った。
 無邪気な笑顔だが、オーラは邪気たっぷりのそれだった。

「最後にお前を殺すと言ったが----------あれは嘘だ。エイプリルフールだけに」
「う、うわあああああああああああああああ!!」

 助けを請うように後ろを振り返るミカルゲだが、リーダーの女は「盾になれ」とカンペを出している。
 ああ、非情なり。


【ルルのじゃれつく!!】

【効果は抜群だ!!】

【ミカルゲは倒れた!!】


 どさぁ、とそのままミカルゲは目を回して撃沈。特性:力持ちでA種族値実質150、そこから放たれるタイプ一致弱点を耐えられるわけがないのである。

「へっ、流石だぜ。たいしたこと無かったな!」

 ドーラはその様子を見て、半分冷や汗たらたらものだったが、安心したようだった。
 しかし、無傷というわけにはいかなかったようだ。

「……痛ッ」

 小さな悲鳴をルルが上げたのが見えた。


【ゴツゴツメットでルルはダメージを受けた!】

『ルル残りHP:160/192』

 
「ゴツメ……か」

 しかし、痛がっている暇はない。
 と思っていた矢先、メタンが声を出した。

「ぴこーん、めたんはやくそうをてわたした」
「いや、いらないよ!!」
「へんじがない、ただのしかばねのようだ」
「勝手に殺すなああああ!!」


【ブルーローズはエーフィを繰り出した!!】


 そんなアホなやり取りをやっている間に、相手が次に繰り出したのは、高い素早さと特攻を誇るエーフィだ。
 相手はエスパータイプ。ならば、とルルは片方の手に力をためる。

「じゃれつくは外す危険性が高い! これで相手の持ち物ごと叩き落してやる!」
「おっしゃー! やれ、ルル!」

 しかし、相手も負けてばかりではいられないと察したのだろうか。
 早速、攻撃を仕掛けてきたのだった。
 草が脚に絡みつき、ルルを転ばせる。


【エーフィの草結び! 効果は抜群だ!】

『ルル残りHP:66/192』


「痛い……よくもやったなあああ!!」


 ダッ、と再びルルは地面をけり、今度は一度回転してそのままエーフィの身体を思い切り叩く。


【ルルの叩き落とす! 効果は抜群だ!】

【エーフィは気合の襷で持ちこたえた!】

 A150からの不一致抜群。耐えられる訳も無く。
 襷で耐えたものの、ルルの猛攻はそれさえも無視する。


「落ちろぉぉぉぉぉぉ!!」


【ルルのアクアジェット!!】

【エーフィは倒れた!!】


 先制技のアクアジェットで撃墜する。
 これで一気に2タテ。勝ったと思われた。

「ふんっ、どいつもこいつも意気地だわ。あたしが直々に出向かないといけないようね----------」

 リーダーの女が現れる。そして、微笑した。


「掛かってきなさい、格の違いを思い知らせてやるわ!!」

番外編:パート1 ( No.98 )
日時: 2015/04/02 12:08
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)

【盗賊団ブルーローズのリーダー、ミミロップが現れた!】


 女の正体はミミロップだった。あれ、おかしいな、どっかで見たことがあるような、同じシナリオ。

「ふーむ、ここでミミロップ……猫だまし+恩返しは耐えられないか」

 確実にメガシンカするだろう。その証拠に、ミミロップの胸当てにはメガストーンが嵌め込まれていた。
 幾らさっき、オボンを食べて回復したとはいえ、これはきつい。


『ルル残りHP:オボンによって114/192』

 
「ふふふ……随分とまあうちの部下に好き勝手してくれたわね、小僧。観念なさい。あたしの火力に怯えるが良いわ」

 仕方があるまい。ここは、アクジェ連打が安定ではあるが、そうはさせてくれないのがメガミミロップの恐ろしいところだ。
 彼女のミミロップナイトと団員の持つキーストーンが反応した。


「覚悟なさい! 同じウサギでもここまで違うのよ!!」


【ブルーローズのキーストーンと、ミミロップのミミロップナイトが反応した------------!!】

【ミミロップはメガミミロップにメガシンカした!!】


 仮面の女・ミミロップは予想通りメガシンカした。
 バニーガールを思わせるような容姿、破れタイツを思わせるセクシーな太股、野生の闘争本能が本格的に覚醒したらしい。
 
「うふふふ、皆見てるぅ? 私のカラダ……」
「姉貴ィ、セクシーですゼィ!!」
「姉貴ィ、最高にラブリーですよォ!!」

 周りの部下も囃し立てる。
 しかし、一方のドーラは深刻に事態を見て----------


「おっほ、やっぱメガミミロップ可愛いじゃん。貧乳こそ至高なんですコノヤロー」

 
 ------いるわけが無かった。
 完全に、その容姿にデレデレしてしまっている。悲しいかな男子のサガよ。
 そして、ルルがそれを見て気分を良くしているわけも無く。


【ルルのじゃれ付く!!】

【ドーラは倒れた!!】


「どぉらぁぁぁ? 何であっちの方ばっかり見てるのさぁぁぁ?」
「ゲホッ、妬いてるのか、珍しい」
「妬いてなんかなぁぁぁい!!」

 思いっきり怒鳴り散らすと、ルルは再びメガミミロップの方を向く。
 しかし。
 目の前で、パンッ、と手が叩かれ--------思わず怯んでしまう。
 そこに、鉄拳が叩き込まれた。


【メガミミロップの猫騙し!】
『ルル残りHP:68/192』

【ルルは怯んで動けない!】


 流石に此処までか。
 A135の火力はやはり伊達ではない。このパーティにはメガミミロップの一貫が強いように思えるが、メガミミロップの最大の特徴は殆どのポケモンに等倍以上が取れること。
 よって、受け出しは出来ない。

「くそっ、此処で削らないと-----------!!」


【ルルのアクアジェット!!】
『メガミミロップ残りHP:70%』


「ふふふ、メガシンカで耐久もあがっているのよ!! その程度じゃ私を落とすなんて無理よ!!」

 嘲笑うメガミミロップ。そして、渾身の拳を目の前のルルに---------放つ。


【メガミミロップの恩返し!!】

【ルルは倒れた!!】


 ルルはここで倒れた。
 しかし、敵2体を片付けてくれたのは、大収穫である。
 
「後は俺が暴れるだけだ!! 竜星郡ブチ当ててやるぜ!!」

 ドーラが進み出る。
 そして、ナノマシン粒子が剥がれ、携帯獣としての姿・サザンドラとなって顕現した。 


『ポケモンDETA
ドーラ:サザンドラ
性格:頭のキレる司令塔。粗雑ではあるが、常識人。どっかの空飛びバカとは違うんです。万年金欠のため、金には貪欲な守銭奴。そのため、あらゆる手段で金を稼ごうとする。一度、闇金紛いのこともやって捕まりかけたこともある。スケベで貧乳派。やっぱお前ら似た者同士だよ。
性能:高い耐久と火力を持ち合わせているものの、素早さは微妙。そこは、持ち物でカバーしておきたいところである。とにかく、持ち物と相方次第で評価の変わるポケモンで、タイプで有利な相手には滅法強い弱いものいじめ担当。
火力:A 速度:B 耐久:B 自覚:C スタミナ:C 金への執着:SS』


「へっ、今回の俺は襷型! あんな奴流星群1発で沈めてやるぜ!!」

 余裕の笑みを浮かべるドーラ。
 しかし、音速で迫るミミロップが跳躍し、膝による手痛い一撃を浴びせてくる。


【メガミミロップの飛び膝蹴り!! 効果は抜群だ!!】

【ドーラは気合の襷で持ちこたえた!】
『ドーラ残りHP:1/168』


「そして、これがっ、俺様の最強必殺技ぁぁぁぁぁぁ!!」

 一撃を耐えたドーラは全てをお返しだと言わんばかりに、大技を放つ。
 そして、流星群を呼び寄せ、一気に降りかからせた------------!!


【ドーラの流星群!!】


「落ちろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


 破壊力抜群のそれは、並大抵のポケモンでは耐え切れないだろう。メガミミロップも例外ではない。
 ただし。命中すればの話であるが。


【しかし、メガミミロップには当たらなかった!】


 その場が凍りついた。
 そして、ルルが鬼のような表情で睨んでいるのが分かった。
 ドーラは振り向き、そして再びミミロップの方に向き直った。
 が、ルルの激しい怒鳴り声が響く。

「赤字で宣言してやろーか!! お前は無能であると!!」
「すまなかったぁぁぁぁ!!」


【ミミロップの恩返し!!】

【ドーラは倒れた!!】


 返しの恩返しが炸裂。
 当然、1しかHPがないドーラは撃沈した。素直に電磁波を撃っていれば、まだ良かったかもしれない。

「どーするんだよ! 後はメタンしかいないんだよ!?」
「くそっ、仕方ねぇ。大丈夫なのか、コレ!!」

 肝心のメタンはいまいち使えるか分からない状態だ。この試合、負けたかもしれない。
 と、2人が心配していたそのときだった。


「マスターのIDを認証しました。メタン、起動完了」


 メタンが進み出る。
 2人は沈黙した。そして、突っ込んだ。

「今、起動したんかいいいい!?」
「おやおや、これはドーラさんとルルさんじゃないですか。この優秀なスパコン執事・メタンがいない間、大丈夫でしたか? というかボマーさんは?」
「誰がてめーを執事にした、つーかあの脳筋龍の名前を出すんじゃねぇ」
「まあ、状況は大体把握しました。何故ならスパコンですから私!!」
「うぜぇ、うぜぇよコイツ!!」

 メタンは「はいはい分かりましたよ」と言った後、メガミミロップに向き直った。

「ほう、メガミミロップですか。良いでしょう、第三世代最強の力を見せてやらなければならないようです」
「はんっ、あんたは私のスパコンになるのよ、全部データをリセットしてね!」
「すみませんね。それは消されては困るんですよ。私のメモリーには、仲間との思い出が90%を占めているので!!」


【ドーラ達はメタンを繰り出した!!】


「行けるか、メタン!」
「ええ、勿論! 目の前の敵を確実に排除します!」

 やる気満々に答えた彼の腕にはメガストーン・メタグロスナイトが付いていた。
 当然、この状況に打ち勝つには、メガシンカを選択するしかない。


【タクのメガバングルと、メタンのメタグロスナイトが反応した!!】

【メタンはメガメタグロスにメガシンカした!!】


「パァァァァァフェクトォォォォ!! この私のビューティフルなボディの前には、誰もが平伏すしかないのです!!」


『ポケモンDETA
メタン:メタグロス
性格:人格データ、言語プログラムをインストールしているため、人格を持つ。しかし、うざいことこの上無い上に、ナルシスト。自分を「最強スパコン執事」と自称しているが、執事らしいことをやった覚えが無い。
性能:しかし、驚異的な威力を誇る一致技はメガシンカしなくとも強いが、メガシンカ後に更なる破壊力を得る。特性:硬い爪の適用技はメタグロスの技の殆どのためだ。また、防御面も決して薄くはない。そして、メガシンカによって起動面も補強され、まさに完全な鋼の殺戮機械と化した。
火力:S 耐久:B(S) 速度:C(A) スタミナ:B 完璧さ:?』


 光沢を放ち、巨大な腕を掲げ、金色に輝くXの文字を煌びやかに、鋼の王は君臨する。

「舐めるなぁぁぁぁ!!」

 メガミミロップが再び飛び膝蹴りで攻撃してくるも。


【メガミミロップの飛び膝蹴り!】
『メタン残りHP:77/165』

 
 余裕で耐えてみせる。この程度は問題ではないのだ。
 そして、完全なる鋼の王は、


「照準確認、食らいなさい、私のパーフェクトな一撃を!!」


 脳から発せられる思念のエネルギーを頭の装甲にため、そして解き放った。


【メタンの思念の頭突き! 効果は抜群だ!】

【相手のメガミミロップは倒れた!】

【盗賊団・ブルーローズとの勝負に勝った!】 

番外編:パート1 ( No.99 )
日時: 2015/04/02 16:57
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)

「おい、今のうちに逃げるぞ!!」

 叫ぶドーラ。何とか盗賊団を打ち倒し、メタンと共にその場を後にする。
 あぐ、とうめき声を上げるミミロップ達だが、すぐさま騒ぎを聞きつけた警備係のポケモンが駆けつけて、お縄にされたのだった。
 その隙に逃げる2人と1機。

「ひゃっはー、やったぜ! これで俺達の仕事も楽になるというものよ!」
「完全に悪役なんだけどなぁ……」
「悪タイプに何言ってんだ、ルル。つーわけだ、じゃーなミミロップのおねーちゃん! 胸の詰め物はバレッバレだったぜ!」
「な、何ぃぃぃ!!」

 次の瞬間、取り押さえられているミミロップの女の胸元から、丸い何かが転げたのが見えた。
 ドーラの見立てどおりだったらしい。

「覚えておきなさいよ、このクソサザンドラァァァァァァァァァァァ!!」
「俺何にもやってねーけどな。つーか貧乳はステータスだしな、あっはっはっはっはっは!!」
「さっさと逃げるとしましょう」
  
 
 ***


「しっかしよー、大変だったぜ」
「あんた何もしてないだろ」

 ドーラは酒場でメタンの装甲を磨きながら、ため息をついたのだった。

「賞金は手に入らなかったが、何とかなったって訳だ。メタンさえ居れば、仕事も何とかなるってもんよ!」
「ええ、この完全完璧パーフェクトォォォな敏腕凄腕スパコン執事・メタンが居れば、どんな仕事も簡単に終わらせることができますできるのです、そうなんです」
「少々うぜーけどな」

 ま、何であれ、だ、とドーラは立ち上がり、店を出る。ルルもそれに続く。
 経緯こそ本来想定したものとは違ったとはいえ。
 賞金こそ手に入らなかったとはいえ。
 驚異的計算能力を誇るスパコンを手にすることが出来たのだ。
 それだけで十分というもの。
 
「さーてと、何か仕事の依頼は来てないかね」

 と、ドーラがタブレットを操作し、そこに映し出された画面を見た。

「……あー、何かやべーことになってるわ」

 ドーラは2人に呼びかける。

「行くぞ」
「え、ちょっと待てよ!」
「どうしたんですか。ドーラさん」
「早速仕事だ。着いて来い、おめーら!」


 ***


 依頼は地下に潜んでいたギャングの抗争鎮圧だった。2つの中堅組織、魔入羅団と罵車亜茂団が乱闘を起こしているとのことだ。
 ギャングといっても、スーツに身を包んだマフィアなどのそれと全く変わらない本格っぷり。
 しかも数が多く、どうもこのままではこちらが返り討ちにされるだけだ。

「というか、こういう任務のとき、何でドーラはいっつも殲滅するって考えに辿り着くのかな」
「うるせー、こんな騒ぎを起こすような連中は両成敗しろっつーのが裏社会の掟だ」
「しかし、どうするんですか? まずはこの高性能スパコン執事の私が----------」
「いや、結構」

 現在、廃工場の一室で、既に戦闘体になったギャングポケモン達が、今にも技を撃ち合いそうな雰囲気になっている。
 乱闘というには静かだが、前の部屋で共倒れになっているギャング共を見ているので、それほど驚きはしなかった。
 一触即発。そんな言葉が似合いそうな空気。
 そこにドーラは-----------戦闘体になり、笑顔で踏み込んだ。

「すいませーん、出前に来ましたー」

 は? とギャング全員はこちらを向く。
 直後、技の狙いが全てドーラを向いた。しかし。


「流星群全員分特盛ですねー? あっついので、ふーふーしてから食らいやがれやオルァァァァァァァァァ!!」


 その瞬間、天井を突き破って大量の流星群が降りかかった。
 当然ながら、ドーラが呼び寄せたものだ。自分に視線、意識を集中させ、上から降りかかる流星群に気づかせない、一瞬の隙を作る。これが彼の作戦だった。
 流星群の命中率は90%。故に、避けられる可能性は十分にある。しかし、今の作戦を用いたことにより、命中率はほぼ100%に。
 C種族値125、タイプ一致威力130×1.5。
 それがギャング達に襲い掛かる。
 あべしっ、ひでぶっ、たわらばっ!! と言葉にならない悲鳴を上げて、あちこちで爆発が起きている上に、技の撃ち合いが即座に起こり、ギャング共が共倒れになる阿鼻叫喚の様を見て、ドーラは1人はははは、と笑い声を上げていたのだった。

「いやー。愉快愉快」
「外道にも程があんだろ、あんた」
「流星群は当たったときが爽快なんだよなー」

 さ、帰るか、とドーラが踵を返したそのときだった。

「お、おのれぇぇぇ、よくもやったな……!!」

 まずい。さっきのギャングの生き残りだ。しかも、両団のボス格らしい。
 マニューラと、バシャーモだ。
 それを見て、なおも余裕を見せるドーラ。
 
「へっへーん、魔入羅団と罵車亜茂団の諸君、これに懲りて喧嘩はやめろという上からのお達しだ、抵抗するなら返り討ちにするがな!」
「ああ、そうだ……喧嘩はやめるとするよ」
「2人掛りでてめーらを殺るけどな!」

 あ、やべ、とドーラは呟く。

「良いんじゃない? 丁度バシャーモでイライラしていたところだし、本編にもマニューラ出たばっかりだし」
「あんだとコルァ!! このサザンドラ、俺に因縁つけんのかコルァ!!」
「いや、それは別のバシャーモでだな……アハハ」
「あんだとゴルァ!! おいサザンドラ、本編って何のことだゴルァ!!」
「いや、本編ってマジで何のことだよオイィ!?」

『野郎、ぶっ殺してやぁぁぁぁる!!』

 今にも襲い掛からん雰囲気の2体。

「だから言ったんですよ、このパァァァフェクトゥゥゥなスパコン執事の私に任せていれば良かったものを」
「おめーのそれはいっつもうぜぇんだよ!」

 とか言っている間に、ギャングボスは使えそうな部下を引っ張り出して行く。

「何か、これしか居なかったが、どうする」
「仕方が無い! どいつでも良い、戦力になりそうな奴はこっちに入れろ!」

 画して。対戦小説史上初の1パート二戦目……というより、ドーラ達始末屋とギャングの対決が火蓋を切ったのだった。

番外編:パート1 ( No.100 )
日時: 2015/04/02 21:35
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
参照: https://www.youtube.com/watch?v=P6BxPxPLiUc

【ギャングコンビが勝負を仕掛けて来た!】

【行け、サザンドラ!】


 先発はドーラだ。今回の型はスカーフ。相手が何だろうが、先制で技を叩き込みにいけるが、どうだろうか。
 一応、トンボ返りも持っているので、苦手な相手からも逃げられる。

「さあ、何でもこいやぁぁぁ」
「何が来ても知らないよ、ボクは」


【ギャングコンビはメレシーを繰り出した!】


 現れたのは、岩/フェアリータイプのメレシーだ。 
 早速、後ろでは言い争いが始まっていた。

「オイ、バシャーモ! どっからこんな奴連れてきた!」
「埋まってた」
「埋まってたぁ!?」
「がくがくぶるぶる」
「おいメッチャ震えてんぞ、コイツ、大丈夫なのか!?」
「知らん」

 どうやら、即席戦力だったらしい。しかし、フェアリータイプは流石にまずい。こちらから有効打は無きに等しいからだ。
 だが、サブウェポン次第では有効打が無いわけではない。
 
「ポケモン界にはこんな川柳がある。
妖精は 地震で殲滅 ガブリアス
妖精は 捨身で殲滅 ボーマンダ
では、サザンドラの場合はどうするか。答えは---------」


【ドーラのとんぼ返り!】
『メレシー残りHP:99%(カスダメ)』


「妖精は グロス(ガルド)に任せた サザンドラ」
「って、人任せじゃねえか!!」
「うるへー!! 600族だからって何でもできると思うなよ!!」

 逃げ際にそう叫んで戻って行くドーラ。
 一方のメレシーの行動であるが、


【メレシーのステルスロック!】

【尖った岩が浮遊し始めた!】


 やはり、これであった。起点作り→爆発出オチが基本であろう。

「おい、テメェよくやった。次は爆発しろよ、いいな!!」

 それもしっかり分かっているのであろう、メレシーに命令するバシャーモ。
 しかし、メレシーは先ほどからガクガクブルブルと震えてばかりである。
 こいつ戦う気あるのであろうか。

「おい、こいつ本当に大丈夫なんだろうな!?」
「知るか!! 俺に聞かれても困る!!」


【ドーラ達はメタンを繰り出した!】


 さて、メタンを繰り出したものの、まずドーラ達からして一番怖いのは、バシャーモへの交換である。
 アイアンヘッドを起点にされでもしたら、本当にまずい。
 というか、このときは本当にバシャーモへの交換が怖かったのである。

「では、私アイアンヘッドで敵を一撃粉-----------」
「ちょい待ち。相手はひょっとしたらバシャーモに交代してくる可能性も無きにあらずだ。どーせ向こうからこっちに有効打は無いんだし、大丈夫だろ」
「いやいやいや、でもこのパーフェクトな私が----------」
「良いんだよ、とっとと思念の頭突きしてこいやぁぁぁぁぁ!!」

 此処まで脅迫的に迫られたら仕方があるまい。
 ここでドーラはミスをしたことに気づく。
 そもそも、メタンではなくルルを出せば良かったのではないか、と。 
 しかし、相手のパーティは自分の天敵だらけ。
 頭が少しパニくっていたのであろう。
 その結果。


【メタンの思念の頭突き!!】


「……ドーラ、居座ってるけど」
「俺は何も知らん」

 口笛を吹きながら知らん振りをするドーラ。


『メレシー残りHP:20%』


「うお、でも相当削れたぜ」
「いや、メタンの一致等倍技を耐え切るんだから、やっぱこいつの耐久は異常だよ。火力はからっきしだけど」
「メタバ覚えてたら間違いなく厨ポケになってたな」

 もっとも、メガガルーラのグロパンの栄養になる未来が見えてはいるが。
 さて、ここで問題は相手のメレシーの行動である。
 どうせ、リスクが少なそうだから放った交代読みの一撃(相手の後続には高速アタッカーのバシャーモ、マニューラがいるため、トリル展開は無いと踏んだ)。
 何が来ても問題は無いと思う。


【メレシーのステルスロック!】


 全員は沈黙した。


【しかし、上手く決まらなかった!】


 そしてそのまま、俯いた。メレシーはがくがくぶるぶると震えたままだ。
 余りの恐怖に押しミスをしたか。流石のギャングも可哀想に思えて

「あ、うん、お前もう帰って良いよ」
「がくがくぶるぶる」

 がくがくと震えていたメレシーはそのまま頷くと、逃げていったのだった。
 ちなみに、実際の試合ではこの後、メタンのバレパンで沈んでいる。これは演出ということでご了承願いたい。
 さて、これで相手のポケモンは残り2体。
 よくよく考えてみれば、非常にまずい展開であることは間違いない。
 何故ならば、恐らく次に相手が出してくるのは------------


【ギャングコンビの片割れ・バシャーモが現れた!】


「おのれが……さっきはよくも侮辱してくれたな!!」
「いや、誤解!」
「死ね、俺の紅蓮の炎の下に!」


 さて、まずいことになった。この3人組、バシャーモが激重なのである。
 にも拘らず。

「ここはメタンを交代させないと、だな!」
「そうだね! ボクが行くよ!」

 
【ドーラ達はメタンを引っ込めた!】

【行け、ルル!】

『ルル残りHP:ステルスロックで168/192』

 飛び出したルルを襲ったのは、バシャーモの炎の拳。
 それが彼女を捉えた。


【バシャーモの炎のパンチ! 効果はいまひとつのようだ】
『ルル残りHP:130/192』


 さて、ここでの選択は激重のバシャーモを葬ること。
 アクアジェット連打が安定である。
 ただし。アクアジェットをここで選択できていれば、の話であったが。

「……あ、やべ」

 さあっ、と彼女の顔から血潮が引いた。
 

「……押しミスして、腹太鼓……選んじゃった」

番外編:パート1 ( No.101 )
日時: 2015/04/25 09:15
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)

「ちょ、ちょ、ちょ、今何て言ったァ!?」
「ご、ごめんなさい〜!!」

 さて、次の瞬間だった。

「はっ、大バカヤロー共が。見せてやるよ、俺様のメガシンカをな!!」

 バシャーモは、自分の拳に付けられた自らのメガストーンを見せ付けた。圧倒的な戦力差を見せ付けてやらんとばかりに。


【キーストーンとバシャーモのバシャーモナイトが反応した!】

【バシャーモはメガバシャーモにメガシンカした!】

 
 咆哮を上げるメガバシャーモ。
 そして、目の前の敵にキッ、と眼光を向けた。


【バシャーモの雷パンチ!! 効果は抜群だ!!】

『ルル残りHP:28/192』

【オボンの実で回復した!】

『ルル残りHP:76/192』
 
 アクアジェット二発ならば十分倒せていた見込みはある。
 が、しかし。これは完全にミスであった。押しミスであった。プレミ以下のそれであった。
 まずい。このパーティでバシャーモを倒せるのは、ルルしかいないというのに。


【ルルの腹太鼓! しかし、上手く決まらなかった!】

【バシャーモの加速発動! 素早さが一段階あがった!】


「あ、あはは、押しミスだ……!」
「ふざけんなあああ、何やってんだテメェはぁぁぁ!!」

 瞳孔をカッと開いて、完全に怒った様子で怒鳴るドーラ。
 対して、ルルも眉を吊り上げて反論する。完全にお前が悪いだろ。

「う、うるさい! ドーラだって、流星群外したりすること毎度毎度あるじゃないか!」

 しかし、これについては仕方がない。なぜならこのサザンドラ、流星群を外しすぎてレートパからクビにされたこともあるのである。
 誰にってそりゃ、タクに決まっています。

「てめーのミスの方がよっぽど致命的だわ、どうするんだぁぁぁ!!」
「ドーラにだけは言われたくない!!」

 あんたらのミス両方共致命的だから。

「何だと、この脳筋雑巾女ァ!!」
「何だと、この無能600族!!」
「喧嘩はやめてください!! 仕方がない、此処はパーフェクトゥなこの私が出れば問題な----------」
「てめぇは黙ってろ!!」
「うざいんだよ、ド無能スパコン!!」

 
【メタンは倒れた!!】


「そんなぁ……一度くらい、良いじゃあ無いですかぁ」
「何言ってんだコイツ」

 メガシンカしたままの姿で部屋の隅で腐ってしまっている。鋼の王の異名もへったくれもあったもんじゃない。


「オイ、好い加減にしろよ、クソガキ共……!!」


 バシャーモがキレた。
 仲間割れを繰り返す彼らに辟易しているのであろうか。

「おい、こんな茶番見せる為に戦ってんのかゴミ共……殺すぞ、終わらせてやる!!」

 地面を蹴り、拳に電撃を溜めているのが見えた。
 まずい。確実に殺す気である。
 ここでのこちらの勝ち筋だが----------

「アクアジェットを急所にブチ当てろ! それしかねぇ!」
「分かってるよ!」

 現在、バシャーモは加速で一段階Sがあがっている。しとめるならば、ここしかない。
 ルルは、バシャーモよりも更に速く、早く、加速し、激流を身に纏い、突撃する。


【ルルのアクアジェット!! 効果は抜群だ!!】
『バシャーモ残りHP:30%』


 しかし、都合の良い所で急所には当たるわけもなく。
 完全に負け濃厚の雰囲気になってしまった。
 
「はっ、馬鹿な始末屋共だ!!」


【バシャーモの雷パンチ!! 効果は抜群だ!!】

【ルルは倒れた!】


 電撃を込めた拳がルルの身体を捉えた。
 そのまま、ボロボロに焼け焦げ、動かなくなる。
 そのままバシャーモに耳を掴まれると、ナノマシンが集まっていきルルが擬人化体に戻っていったのが分かった。

「ほーう、お前女だったのか。確かに、坊主にしちゃあ可愛らしい面してんじゃねーの。だが、変だな。となると……」

 卑しい笑みを浮かべるバシャーモは彼女の胸にあてがうように手を滑らせると、気づいたように呟いた。

「なーるほどねぇ。コルセットで胸を抑えていたか。大方、女の始末屋は舐められることが多いからな……男装していたってところか」
「おい、バシャーモ! こいつら殺った後、その女だけ生かしておこうぜ! 後で好き放題できるしよォ」
「仕方がねーな。和解も兼ねてってことで、良いだろ」

 ギャハハハハハ、と笑い声を上げる2体。
 完全に勝ち誇っていた。勝ちを確信している表情だった。

 


「おい、そいつを離せよ」




 だが、彼はまだ勝利を諦めてはいなかった。

「何勝った気になってんだよ、腐れギャング共」
「ああん? 何抜かしてんだァ? てめーは俺様に負けるんだよ。サザンドラがバシャーモに勝てる訳がねぇだろうがァァァ!!」
「それが、慢心だ」

 瞳孔を開いた彼は、目の前の敵を食らう勢いで睨み付けた。
 そして、進み出た。


【3人組のリーダー、ドーラが飛び出した!】


「勝てる訳がねぇって分かってても……そいつは金じゃ買えねぇ、俺の仲間だ」
「頭がイカれたか? 自分の女が見も知らずの野郎に連れてかれるんだからなぁぁぁぁん」
 
 バシャーモは、ルルの首根っこを離すと、地面を蹴った。
 空中にいるドーラ目掛け、地面を蹴った勢いのまま、下から上に膝を突き込む。
 普段こそ上から下に膝を叩き込む。しかし、今回に限っては話が別だ。
 空中に浮かぶ敵を狙い打つならば、下から上に勢いをつけた方が威力は格段に上がる。
 バシャーモはそれをしっかり熟知していた。だから確信していた。
 「殺せる」と。
 悪/ドラゴン複合のドーラにとっては即死級のダメージを与えることに等しい。
 

「死ねぇぇぇぇぇぇ!!」


【バシャーモの飛び膝蹴り!!】


 天井も突き破る勢いで跳ね上がったバシャーモは、そのままドーラの巨体を目掛けて膝を突き上げる。
 しかし。
 バシャーモは失念していた。
 まず、この状態で標的を外せば、天井にそのまま激突するということ。
 そして、もう1つ。
 ドーラの”根性”を甘く見ていたことだった。


「うおおおおお!!」


 直前でドーラは力一杯に羽を羽ばたかせた。
 根性、火事場の馬鹿力。人間にある感情の爆発から起こるパワーの増加。
 それは、ポケモンにも当てはまる。
 そして、バシャーモの膝の射程圏内を外れたのだ。
 要約すれば、つまりバシャーモの飛び膝蹴りを避けたことになる。
 びりっ、と自分の皮が破けたことに気づいた。
 掠ったのだ。
 だが、そんなことは問題ない。完全に敵の身体は天井を目掛けて跳び上がっている。

「ぐえええええ!!」

 硬いコンクリートの天井を貫き、さらに上に向かおうとするも鉄骨が喉にブチ当たり、バシャーモは悲鳴を上げた。
 そして、そのまま動かなくなり、床へ落下した。
 

【しかし、ドーラには当たらなかった!】


「皮肉なモンだ。自分の必殺技で自ら倒れることになろうなんてな」

 
【バシャーモは反動でダメージを受けた!】

【バシャーモは倒れた!】


 何であれ、だ。強引にバシャーモを突破することに成功する。
 そして、残るはマニューラのみだった。


【ギャングコンビの片割れのマニューラが現れた!】


「テ、テメェ!! ちっ、串刺しにしてやらぁぁぁぁぁ!!」
「消えろ、俺を誰だと思っている」

 しかし、ドーラの目の前に立った以上、彼はもう敵ですらなかった。
 目の前の単純な障害物に過ぎなかったのだ。

「6つの目に睨まれたが最期------------せめて命が尽きねぇことを祈りやがれ!!」
「ヒ、ヒィィィィ!!」

 今回のドーラの持ち物はスカーフ。マニューラ程度は問題なく抜かせるのだ。


【ドーラの流星群!】


「消え失せろ、雑魚がぁぁぁぁぁぁ!!」


 凶暴龍の叫びと共に、大量の流星群が降り注いだ。
 そして----------マニューラとバシャーモを完全に消し飛ばしたのだった。


【マニューラは倒れた!】

【ギャングコンビに勝利した!】


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