二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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ポケモンバトルM・EVO【サン・ムーン編突入!】
日時: 2016/12/23 03:17
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)

『読者の皆様へ』

どうも、初めましての方は初めまして、タクです。今回のこの小説は、所謂対戦実況小説といったところでしょうか。
現在、他の小説の進みがなかなか良い感じになっているため、この小説の連載を決意しました。
タイトルはM(メガ)・EVO(エヴォ)、その名の通りメガシンカをテーマにした作品になると思います。また、第六世代で追加要素のあったポケモンに視点を当てていきたい所です。
また、今回のサン・ムーン発売に合わせて、第七世代を舞台にした対戦も描いていく予定です。

そして、この小説は種族値、努力値、個体値とった3値やHABCDSVなどの記号や、略称なんかが出てくる、所謂「廃人仕様」となっております。
一応、初心者の方にも配慮したような表現を極力心がけたいですが、あらかじめこういったことを知っている前提で読んでほしいと思います。

また、この作品と舞台は違いますが世界観を共有している、モノクロさん著『BOHパ対戦記録譚』があります。そちらの方も、よろしければご覧下さい。


ちなみに、作者のフレンドコードも載せておきます。XYにおけるフレンドサファリのタイプはノーマルで、ヒメグマ、ドゴーム、ラッキーが出ます。

フレコ:2809−9638−8089


※注意※
・本作品はバトルビデオを元にして作られたノンフィクションと一部フィクションです。
・そして、ストーリー中心です。小説という以上、当然ではありますが。
・ポケモンの擬人化あります。つーか、それらのポケモン中心です。
・分かりづらいかもしれない設定多々。
・選出画面があったり無かったり。
・イラストは後々用意するかもしれませんが、クオリティは期待しない方が良いです。
・メタ発言? んなもん日常茶飯事。
・にわか発言&下手糞プレイ? んなもん日常茶飯事。
・対戦相手の名前は改変して使用します。
・対戦相手への誹謗中傷はおやめください、メガボーマンダのスカイスキン捨て身タックルとシャンデラの眼鏡大文字が襲い掛かります。
・BGM置いてるけど、ポケモンじゃないかもしれない。



 また、作者は対戦・交換などは大歓迎です。フレコは自分の雑談スレ『タクのノベルス・ポケモン図書館』に置いています。バトルビデオをこの小説に使わせていただくかもしれません。

以上のことを守ってうちのポケモン達の活躍を生暖かい目で見守ってやってください。


目次

第一部:エリア開放編


プロローグ
>>01

パート1:謎の敵・静炎邸
>>02 >>03 >>04 >>05 >>06 >>07 >>10 >>11

パート2:遮断された箱庭・氷海水域
>>12 >>13 >>14 >>15 >>16 >>17 >>18 >>19 >>20

パート3:湖の決闘・中部緑域
>>21 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28 >>32

パート4:忍の街・群雲街域
>>33 >>34 >>35 >>36 >>37 >>38 >>39 >>40 >>43 >>44 >>45 >>46 >>47

パート5:この風が泣いている・天獄峡域
>>48 >>51 >>52 >>53 >>54 >>55 >>56 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62 >>63

パート6:雷電霹靂・雷電械域
>>75 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80 >>81 >>82 >>83 >>88 >>89 >>90 >>91 >>92

パート7:暴龍警報・頂龍山域

#1:絶望の淵へ
>>103 >>104 >>105 >>106
#2:反撃の狼煙
>>107 >>110 >>111 >>112 >>113 >>114 >>115
#3:龍の守護者
>>116 >>117 >>118 >>119 >>120
#4:最後の守護級
>>121 >>126 >>127 >>129 >>131 >>134 >>135 >>136


パート8:仲間達が待つ場所へ
>>137


第二部:新世代編

パート1:セントラル・フィールドへ
>>138 >>139 >>142 >>143 >>144 >>145 >>146 >>147 >>148 >>149 >>150 >>151 >>152 >>153 >>154

パート2:留学生は突然に……


登場携帯獣紹介
>>70

用語解説
>>71


番外編:始末屋の日常と非日常

パート1:前々前作でラスボス役やっててもキツい奴はキツいので以下略
>>95 >>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>102

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32



パート4:忍の街(5) ( No.37 )
日時: 2015/03/21 13:16
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)

 ***

「ダメだわ……流石に個人ピンポイントの生体反応は負えない」

 レーダー機を改造していたフレイだったが、結局壊してしまう始末。ああ、これではボマーを見つけるのはいよいよ難しくなってしまった。
 と、そのときだった。

「あ」

 店の中から、誰かが素早く出て行くのが分かった。
 しかも、見覚えのある人物だった。

「ちょっと待って! あんた確か、あたしとレートパで-------------」


 ***

「そうだ、ムゥ! 敵が飛行タイプならば、お前の氷柱針で何とかなるはずだ!」
「は、はいですっ!」

 彼女も巨大な原型の姿と成り、天井に幾つもの氷柱を冷気で作り出す。
 氷柱の針が一気に敵へ襲い掛かる------------
 

 グサグサグサグサグサッ!!


【5回当たった!】


「殺りましたっ!」
「ああ、俺を?」

 げふっ、と吐血したボマー。背中には氷柱針5本、しっかりと突き刺さっていた。効果は抜群だ。ボマーは倒れた。

「え、ええええ!! すいません、つい癖でドラゴンに攻撃してしまいました〜!」

 非常時用(対戦のとき使うのは禁止)の元気の塊を飲み込んで、辛うじて生き返ったボマーは息をつく。
 まずいことになった。扉は硬く閉ざされて逃げることもままならない。おまけにムゥは間違ってボマーに攻----------

「いや、それは違うと思うぜ。奴が不意打ちで天井に現れた氷柱を素早く俺の位置まで滑らせたんだと思う。野郎のスピードはかなり速い。速いし、奴は強敵だ。ひょっとしたら、あいつが影かもしれない……なんて思ってるだろ」

 と言おうとした地の分を遮る勢いでボマーは言った。

「え!? 違うんですか!?」
「まず、影の連中ならこんな回りくどい真似はしねぇよ」
「で、ですけど」
「そしてもう1つ。野郎が速いっ、て思ってるかもしれないが、そりゃ間違いだ。まず、最初の岩雪崩は俺達が此処で起きる前から準備していたこと、次に俺が捨て身タックルをした後に恐らく撃ったのは”燕返し”か。つまり、対戦における行動順の法則を踏めば、奴は俺らより速度は遅い」

 考えてみればそうだ。敵は全て、ボマーが行動した後に攻撃を仕掛けている。

「んでもってホウエン地方やカロス地方には、これら全ての技を使えるポケモンがいる------------そうだろ、カクレオン」

 
 ----------へっへっへ、ようやく分かりやしたか。及第点ですぜ、ボマーさん。ちょいとあんたらを試したのさ。バカと呼ばれる割には頭が良いじゃねーですか。
 べらんめぇ口調の声が響いてくる。
 部屋には3人、いや3匹しか居ない。だから、音が跳ね返って余計不気味に聞こえる。

「脳筋だのバカだの言われるが、生憎戦闘面の知識はそれなりに付けているつもりだ。特に、俺の出身・カロス地方の図鑑に登録されているポケモンのことは、XYの頃から全て学習済みだぜ」

 ----------それこそ、わざわざ団子売りに化けて、団子にキノガッサのキノコの胞子を混ぜて眠らせた甲斐があるというものでさァ。
 キノガッサのキノコの胞子をわざわざ眠り薬に使うとは、真に恐ろしいカクレオンである。

「えっ? あの団子売り、お前だったの?」
「ボマーさん、それは大体察せると思います」

 ----------今の流れで分からないとか、やっぱあんたバカだろ。

「だけど、最初てめぇの居場所が全く分からなかったのだけが謎だった。普通のカクレオンならば、変色で周りに擬態しても腹の赤いラインだけが浮き上がっちまう、という弱点があるにもかかわらず、だ」

 ----------でも、それもさっきのバトルの中で分かったはずでさァ。

「ああ。てめぇの特性は変色じゃねえ。隠れ特性の”変幻自在”。同じ特性を持ってる奴が昔レートパにいたからしっかり覚えてるぜ。そして、変幻自在ならば、変色なんかより、より精度の高い擬態ができる。」

 ----------ご名答!! ならば、あっしにその力、見せてみやがれ、ボマーさん。幻覚の忍者であるカクレオンの術を敗れるものならば!
 再び、岩が雪崩れてくる。
 しかし。

「言っただろ。てめぇの弱点は鈍足なことだ。技を素早く連続で繰り出すことは、出来ねぇんだよ!!」

 それが落下する前にだ。
 ボマーが足を踏み鳴らした。
 地面が揺れ、「ぐはぁぁぁ!!」と悲鳴が聞こえて、カクレオンが倒れたのが分かった。 
 その後、岩が大量に降りかかるが--------------ボマーは立っていた。
 
「お前は俺達を相手にしていた時点で威嚇を食らっていたのさ。元々攻撃面が半端なのに、威嚇込みの岩雪崩で俺が落ちる訳ねぇだろうが。これで遊びは終いだ、幻覚の忍者」


 ***


 部屋の明かりが付く。
 倒れていたカクレオンは起き上がり、元の原型の姿に戻る。
 それは、カメレオンの目のようなゴーグルを目に付けた男だった。胴は細く、長く、痩せこけていた。

「いやー、お見事でしたぜィ。あんたのような方が居れば、”あいつ”を倒すこともできまさァ」
「影の携帯獣の事か?」
「ええ。まず、昨日のことですが-----------あんたとレートパを組んでいたゲッコウガのクナイさん」
「クナイ? クナイがどうかしたのか」

 クナイはBOHの前。ボマーとレートパで組んでいたポケモンの1人だ。此処、群雲街域が出身だと言っていた。

「---------残念ながら、影の携帯獣の調査中。既に完全体になっちまっていた守護級にやられちまいやした」
「何だと!?」
「そのポケモンの放った”雷”に撃たれちまってですね。しばらく戦闘不能ですわ。立って歩けるようにはなったんですが----------」

「おい、ガメリオ」

 ふと、別の声が聞こえた。
 見れば、そこには蒼い忍装束に身を包んだ男が居た。

「--------クナイさん」
「クナイ! 大丈夫なのか!?」

 ボマーが声をかける。
 彼がさっき話の中に出てきたクナイだった。しかし、杖で身体を支えており、かなり弱っているようには見える。

「すまなかった、ボマー。仕事仲間が迷惑をかけたな」
「いや、暴れられたし、謝罪は結構だ」
「しかし、俺はこの通り背中をやられて杖なしでは動けないのだ。悪いが、守護級を討伐してくれないか」
「ああ、分かった。言われるまでもなく、だ! 俺らはそのために此処に来たんだからな」
「なんか、良い感じに纏まったんですけど、此処ってそもそもどこなんですか」
「教えてやる。まず、守護級とカラクリが巣食っているのは-----------この屋敷の最上階なのだ」

 えっ、とボマーとムゥは思わず天井を見た。何もあるわけがないが。
 
「我々が修行場にしているこの屋敷に、1つの光が降ってきた。それが守護級とカラクリだったのだ。扉で出てこられないように封じているのがせめてもの救いだが、他の領域では下級が大量発生しているところもあるという。早くせねば」
「よし、それならばとっととぶっ飛ばすまでだぜ!」
「で、でも、フレイさんが……」

 「ああ、彼女か?」とクナイは開いた扉の方に手招きした。

「レートパだった好だ。道で迷っていたので連れてきた」
「え、マジか」

 そういえば、フレイも当時レートパで一緒だったのだ。
 連れてきてもらって、ありがた-----------

「ボマァァァァ、ムゥゥゥゥ!!」

 あ、やばい奴だ。とボマーは理解した。すっごく怒っている。
 
「どこ行ってたのよぉぉぉ!!」
「悪かった、悪かったって!!」
「自業自得なのです……」
「ムゥちゃんにもしっかりお仕置きしないとね〜♪」
「ごめんなさいなのです〜!!」

 まあ、何であれだ。これで全員揃った。
 ガメレオ、と呼ばれていたカクレオンが言い出す。

「ま、何であれ丸く収まって何とやら、でさァ」
「準備運動にもなったしな。そろそろ行くか」
「ちょい、待ち。あっしも行きまさァ」

 ガメリオがボマーの方に歩み寄る。

「申し送れやしたが、あっしの名はガメリオ。あんたらの仲間に入らせて貰いまさァ」

 どうも、拒否権はこちらには無いらしい。敬語で喋っているが、我は強い方らしい。
 すっ、と握手のつもりか手を差し伸べてくる。

「ああ、こっちからもよろしく頼むぜ!!」

 ガシッ、とボマーもその手を強く、握り締めたのだった。

パート4:忍の街(6) ( No.38 )
日時: 2015/03/01 14:56
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)

「この部屋でさァ!」

 階段を駆け上ると、巨大な重い石の扉があった。

「連中が降りて来られないように、この扉を術で封鎖していたんでさァ」
「じゃあ、これを開けた途端に下級が襲い掛かってくるってことも」
「無きにあらずでさァ」

 いや、無きにあらずというか、それはかなりまずい状況では無いだろうか。

「とにかく、拙者が術を解く。お主らは原型に戻っていろ」

 クナイが進み出るが、ボマーが止めようとした。
 
「だけど、それじゃあお前が一番危ないぜ」
「何、扉の隙間に隠れれば良い話」

 と言い、クナイが扉の前でブツブツと唱え始めたので、慌てて一行は原型の姿に戻る。
 
「--------破ッ!!」

 叫んだ瞬間だった。扉が唸りを上げて開く。その瞬間、飛び退いたクナイが扉の影に隠れて「今だ、気をつけろッ!!」と叫ぶ。
 案の定、叫びを上げて下級の影の携帯獣が現れる。
 ヘルガー、ジュペッタ、カイロス、アブソル。
 敵は全部で4体。しかし、まだ完全体にはなれていないのか、姿が不完全だ。

「メガシンカパワーヲ、ヨコセェェェエェェェエエ!!」

 叫んだそれらが一斉に襲い掛かってくる。
 しかし。

「大文字ッ!!」
「氷柱針!!」
「捨て身タックル!!」
「岩雪崩!!」

 それぞれの技を食らって、敢え無く消滅。
 難なくこの場を切り抜ける事ができた。

「よっしゃぁ、楽勝だぜ!」

 叫び、部屋に躍り出るボマー。
 此処もも先ほどと同様、武道場のような部屋だった。しかし、奥に瘴気ができているのが目に見えて分かる。

「ありゃ、何なんだ……?」
「多分、あれが守護級なんだろうけど……」

 ケケケケケケ、と声がする。
 とても邪悪な気配だ。

「いなく……なりなさい……!!」

 瘴気が裂け牙が生える。そこから男が現れた。黒いローブに身を包んだ男だった。
 ボマー達は身構える。

「さもなくば……痛い目を見ることになりますよ……ケケケケケケケ!!」

 ゴキゴキ、と首を鳴らす音も聞こえた。
 周りの不気味な雰囲気と合わさって、ボマー達は目の前の敵に恐怖すら感じる。
 しかし。

「痛い目を見るのはおめぇの方だぜ、携帯獣の皮を被った化け物が」

 進み出て啖呵を切ったのはガメリオだった。

「俺の仲間を傷つけやがったその罰、身をもって思い知れ」
「余り怒り任せに行動しないほうが良いですよ……ケカカカカ」

 影は言った。

「誰だって死ぬのは嫌でしょう? もっと、自分の命を惜しんだ方が良い……!!」

 男はまるで自分の力を見せ付けるかのように、瘴気を纏わせる。
 そして、本来の姿が露になった。
 シャドーポケモン、ゲンガーだ。
 挑発するように声を発するゲンガー。「逃げるなら、今のうちですよ」と。
 しかし。
 そうだな、とボマーが言って進み出た。

「だが、惜しむときは今じゃねぇ。この程度で命を惜しむ程、てめぇは怖くねぇーってこと、そうだろ。ガメリオ」
「……そうでさァ、ボマーさん。俺らはこんな奴にビビってる暇なんて、ねぇーってことだゼィ」
「ボマーの言うとおりだわ。ビビってたら何も始まらないもの」
「私達は今の全力を持って、敵に挑む。それだけなのですっ!」

 チッ、と目の前の影から舌打ちが聞こえた。

「ならば仕方がありません……全力で貴方方を排除するとしましょう」

 仕方なさ、といった表情はその顔にはない。長い舌をべろーん、と出して嬲り殺しにしてやろう、といった狂気の殺意が滲み出ている。

「私は、全てのゴーストの恨みから生まれたのです」

 何? とボマーは怪訝そうに聞き返した。

「ぼっちだった私のプレイヤー達は周りに交換進化をする相手が居らず、結局我々はいつまで経ってもゴーストのまま……憎い、交換進化だなんてシステムを付けた世の中が憎い!」
「ソフト複数用意してGTS使えば良いのに、何言ってんだコイツ」
「しっ、ボマー。それは言っちゃいけないお約束!」

 ちなみに、作者は交換相手は一応いる。リアルにも。周りにポケモンやってる人がいるのって良いよね。交換進化は面倒だけど。

「全部聞こえていますよぉぉぉぉぉ!!」
 
 おっとこれはまずい。全部聞かれていたようだった。
 一気に5体のポケモンが現れる。
 リザードン、フシギバナ、カメックス、フーディン、ピカチュウ。
 今回は紛れもない初代統一パーティだ。

「では、貴方達に悪夢のパーティを見せてやることにしましょう……!!」

 今度こそ、来る。
 危ない気配を存分に浴びながら、ボマー達は臨戦態勢に入ったのだった。

パート4:忍の街(7) ( No.39 )
日時: 2015/03/01 16:15
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)

 選出画面に移行。今回の敵もこちらのルールで戦ってくれるらしい。

「毎度思うが、何でこっちの土俵で戦うんだろうな」
「やっぱり、あたし達に対等の条件で勝ちたいんじゃないの。今までの連中も、自分を認めてほしい、という思いが根幹にあったわけだし」
「それより、選出画面を見てみましょう」


 ゲンガー
 リザードン
 フシギバナ
 カメックス
 フーディン
 ピカチュウ


 また、フーディンである。まさか、前回に引き続き、2度も選出画面でお目に掛かる時が来るとは思わなかった。
 いや、あまりにも良い試合が録れないので、やっとのことで録れたこの試合をボツにするわけにはいかなかったのである。
 いや、そうではなくってだ。問題は別にある。

「ゲンガー、リザ、バナ、カメ、昨日のアレ。どれがメガ枠だ?」
「多分、ゲンガーがメガ石持ちなんでしょうけど」
「いや、じゃあ他の面子は何の型だ!?」

 全員は押し黙る。
 確かに、昨日のアレ以外。特にカントー御三家からメガストーンを取り上げたら、何をしてくるのだろうか。
 いずれもメガシンカを得る前は中堅程度だったので、かなり不安だ。

「ま、何であれ俺が出るっきゃないようですゼィ、ボマーの旦那」
「誰が旦那だ」
「ガメリオは気に入った奴には旦那と付けて呼ぶ」
「クナイ、お前はバトルしねぇんだから引っ込んでろ」

 しかし、多くの技を所有するガメリオならば、フーディンやゲンガーとの打ち合いにも有利なのだ。

「あっしの今回の技は岩雪崩、影打ち、不意打ち、けたぐり。教え技がORASで復活してくれやしたから、特殊であればどんな相手とでも闘えまさァ」

 今回のガメリオの型はHAチョッキの特殊受け兼鈍足アタッカーだ。
 ちなみに、燕返しなんて最初からなかった。いや、確かに覚えるけども。

選出確定
ガメリオ:カクレオン♂

「後はあたしね。カントー御三家全員に等倍以上が取れるわ。問題はリザだけど、物理型で地震を搭載していたら、あたしは耐えられるか分からない」

 そこで、だ。

「前回出番の無かった俺様---------」
「ムゥちゃん、お願いねー」
「ええ!? でも私は刺さってないのです……」
「おいいいい!?」
「嘘よ嘘。あんたに決まってるじゃない。ムゥちゃん出したら、ゲンガーに挑発鬼火で止められるのが目に見えているわ。メガシンカすれば、初速から先手が取れる今回のあんたならゲンガーと最悪相打ちにできる」

 そう。今回のボマーは陽気AS最速型。安定した火力と持久力を向上させ、より戦いやすくしたスタイルだ。
 火力も低くなっているとはいえ、オーバーキル気味の火力だったのがヤバい火力に格下げになったのみ。(順にオーバーキル→ヤバい→強い→並→弱い)
 捨て身タックルではなく、恩返しを採用しているので、長い間戦い続けることもできる。

「その上、空元気をいつも通り採用しているから、ゲンガーが鬼火打ってくれたら尚良いわ」
「へっ、上等だぜ! 叩き潰しに行ってやらぁ!」
「う〜、フレイさん嘘つくなんて酷いです!」
「安心なさい、今度また新しいスタイルを一緒に考えてあげるから」


選出確定
ガメリオ:カクレオン
フレイ:シャンデラ
ボマー:ボーマンダ


「先発はあたしが行くわ。誰が相手でも戦える」
「電気玉ピカチュウが少し怖いですね」
「マスターも使って強いって言ってたからな。基本、マスターが強いって言ってたのは皆強い」
「でも、ムゥちゃんが見えてるし、大丈夫でしょ」
「仮に居ても、あっしの不意打ちでかなり削れるはずでさァ」
「アンコールがあったら厳しいわよ?」
「ねぇな。アンコールは遺伝技。んでもって、相手のピカを見てみろ」

 見ると、ピカチュウの尻尾の模様が違う。

「♀で尻尾の模様がハートマーク。ありゃ、お着替えピカチュウだ。何にも着ていないから、パッと見分からなかったぜ。つーか、居たとして俺の地震で倒せるだろ」
「じゃあ、出てくるならフルアタね。出てこないかもしれないけど」
「それより、気をつけないといけねーのはバナだ。眠り粉が怖すぎる」
「カメックスも広範囲眼鏡アタッカーとかありうりまさァ。俺の変幻自在で技をスカすしか……」

 しかし、もう選出は決めてしまったのだ。

「ぐだぐだ言ってねーで、これで行くぞ! 先発フレイ、後続に俺とガメリオ! これで決定だ!」
『了解!』


 選出確定
 フレイ:シャンデラ♀(先発)
 ガメリオ:カクレオン♂
 ボマー:ボーマンダ♂


 ***

パート4:忍の街(8) ( No.40 )
日時: 2015/03/01 17:39
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
参照: https://www.youtube.com/watch?v=yRSChkTtWSE

【街域の番人が勝負を仕掛けてきた!】

【行け! シャンデラ!】

 
「今回のあたしは、命の珠を持ったアタッカー型よ!」
「大文字の技スペを、珠込みでギルガルドも確1にできる火炎放射に変えただけだけだが、安定感はかなり高い」
「おー、怖いですねィ。俺でも耐えれるか、分かりませんゼィ」
「カクレオンを相手にしたら、影打ち連打で終わるわよ、流石に……」
「チョッキ持ってるから尚更だな」
 
 しかし、ムゥがフォローを入れるように言った。

「でもでも、いつも以上の火力を手にしたってことですね!」
「ええ。その分、今まで以上に状態異常に気をつけなきゃね」

 さて、相手の初手だが---------


【緑域の番人は、フシギバナを繰り出した!】

 
 誰が見ても分かる、対面有利だった。
 さて、ここは万が一耐えられてもいいように、身代わりを張って眠り粉等をスカすことが第一だ。
 しかし、フレイは黙り込んでしまう。

「……やっちゃった」
「は?」

 何のことか、さっぱり分からない。
 あ、あはは、と引きつった笑みを浮かべて、フレイは振り向いた。


「間違えて、エナジーボール選択しちゃった……」


 は?
 と全員の空気が凍りつく。

「なんというか、押しミスっていうか……手元が狂って……」

 あ、あははははー、と焦りの混じった笑みで返すが、全員がそれで納得するわけがなく。

「は? エ、エナボってフレイのお嬢、あんた……何やってるんですかィ!?」
「此処は身代わり安定のはず、ですよね……?」
「バカなのか? 死ぬのか? お化け提灯」
「うん、お化け提灯って言った奴だけ屋上に来なさい、羽焼いて突き落とすから」

 ボマーにだけ厳しい突っ込みを入れたフレイだが、問題はこれが庇いようのないミスということだ。

「で、でも、カメックスの交換読みで撃ったと思えば……」


【フレイのエナジーボール!】

『フシギバナ残りHP:90%ちょい(カスダメ)』

【フレイの命が削られた!】

『フレイ残りHP:122』


 ムゥのフォローがむしろ嫌味に聞こえてきたフレイだった。
 これは、言い訳のしようの無い事実である。
 フシギバナは交代せず、居座った。

「ハハハハハ、何ダソノダメージハ! 特攻オ化ケノ名前ハ飾リデスカー?」

 フシギバナが煽り、フレイの怒りは最高潮に。

「気にすんじゃねえよ、フレイのお嬢。押しミスなんて誰にでもあることでさァ」
「そうですっ! フレイさんが本気出せばあんな奴!」
「あっはっはっはっはー、その身代わりは飾りかよ、マジウケるぜ、ぎゃははははは」
「ううううううう!!」

 ボマーの煽りでフレイの顔が真っ赤になって、炎が轟! と燃え上がる。恥ずかしさと怒りに滾っている証拠だ。
 しかし、こればっかりは自己責任なのだ。仕方あるまい。
 え? 作者のミス? 知ったこっちゃないですね。


【フシギバナの眠り粉!】


「おいっ! バカやってる間に相手眠らせて来たぞ! 避けるんだ!」
「ちょっ、無理だって!」

 冷静になったが、時既に遅し。
 ふぁっさあ〜、と眠り粉が降りかかる。
 急な眠気が襲い掛かってきたフレイは、バッタリと地面に落ちて寝息を立て始めてしまう。
 
「けっ、ザマーみやがれ」
「ボマーさん! 何であんなこと言ったんですか!」
「うるせー、自業自得だろうが」

 けっ、と吐き捨てるように言ったボマーに、ムゥがボマーの耳元で他に聞こえないように囁いた。

「--------あ、分かりました、さっき私が”フレイさんのこと好きなんです?”って聞いたからですか、そうなんですか、いや、そうなんですよね?」

 ブチッ、とボマーの頭の中で何かがキレた。

「うるっせぇぇぇぇ!! 調子に乗ってんじゃねえぞぉぉぉぉ!!」
「ああう、ごめんなさいなのです」

 はぁ、はぁ、と怒鳴り散らしたボマーは、ガメリオに「どうかしたんですか」と聞かれたが「何でもねぇ」と答えた後、

「もう良い! フレイを引っ込めて、俺が出----------」
「待ってくだせェ、ボマーの旦那。此処は相手の出方を伺いましょう」
「あ?」
「相手もお嬢に有効打は無い、つまりこのまま突っ張る可能性は低い」
「って、ことは?」
「敵の二番手が出てから行動を考えまさァ。交代は、その後でも、問題は無いはずですゼィ」
「ちっ、しゃーねーな」

 とりあえずは、寝かせておく。後続にゲンガーがいない可能性だってあるのだ。
 しかし。


【番人はフシギバナを引っ込めた!】

【ゲンガーが現れた!】


「では、誰から消して差し上げましょう……」

 現れたのはゲンガーだ。
 此処で殴れば、相手に最低限の負担を掛けることができるからだろうか。
 どの道まずいことには変わりないが。


【フレイはぐうぐうと眠っている】


「-----------ううん、ボマー……ぐう」

 ボマーは今、フレイが自分の名前を呟いた気がした。舌打ちするとボマーは叫ぶ。

「フレイを引っ込めろ!」
「あっしが出ますゼィ」


【チーム・ボマーはフレイを引っ込めた!】


 寝ているフレイを半ば引きずるように、奥にやって、ガメリオが現れた。

「あっしに任せて下せェ」
「ガメリオさんのデータを表示させるですよ」


『ポケモンDETA
ガメリオ:カクレオン♂
性格:飄々としていて、掴みどころが無い少年だが、仲間に対する義理人情は人一倍強い。また、冷静な性格でこのチームの作戦参謀となること間違いないだろう。そして気に入った相手にはとことん懐く。
性能:非常に特防が高いが、HPが低いのが難点。しかし、H特化すれば特殊技はかなりの確立で耐える。更に、全てのウェポンがメインウェポン成り得るため、メガリザードンYに対しては、死に出しor対面の岩雪崩で勝てる程。また、サザンドラやラティオスなど、複合タイプの弱点を突くことで、あらゆる特殊アタッカーが仮想的になりえる。しかし、変幻自在はお世辞にも初心者向きの特性とは言いがたい。まずは、相手の繰り出してくる攻撃に対してタイプを変えるようにしないと、変えたタイプの弱点を突かれる危険性がある。ちなみに、擬人化体のみの特権だが、あらゆる姿に変装可能。
火力:B 速度:D 耐久:A 自覚:B 柔軟性:SS』


「なるほど。要するにゲッコウガとは違うタイプの変幻自在アタッカーってことか」
「高い耐久から相手に一矢報いるどころか、そのまま倒す……それが俺のスタイルだ。さあ、相手はどうくるかね」

 相手のゲンガーの周りから溢れ出る瘴気。そして放たれたのは---------

Re: ポケモンバトルM・EVO【ポケモン対戦小説】 ( No.41 )
日時: 2015/03/01 17:48
名前: Orfevre ◆ONTLfA/kg2 (ID: At2gp0lK)

こんばんは、変幻自在カクレオンがサファリにいるOrfevreです。

まあ、ないとは思いますが、そのカクレオンはわたしのサファリからですか?

ちょっと気になって聞いてみました。

対戦は、翌日の夜なら何とかできそうです。

それでは、また


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