二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- ポケモンバトルM・EVO【サン・ムーン編突入!】
- 日時: 2016/12/23 03:17
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)
『読者の皆様へ』
どうも、初めましての方は初めまして、タクです。今回のこの小説は、所謂対戦実況小説といったところでしょうか。
現在、他の小説の進みがなかなか良い感じになっているため、この小説の連載を決意しました。
タイトルはM(メガ)・EVO(エヴォ)、その名の通りメガシンカをテーマにした作品になると思います。また、第六世代で追加要素のあったポケモンに視点を当てていきたい所です。
また、今回のサン・ムーン発売に合わせて、第七世代を舞台にした対戦も描いていく予定です。
そして、この小説は種族値、努力値、個体値とった3値やHABCDSVなどの記号や、略称なんかが出てくる、所謂「廃人仕様」となっております。
一応、初心者の方にも配慮したような表現を極力心がけたいですが、あらかじめこういったことを知っている前提で読んでほしいと思います。
また、この作品と舞台は違いますが世界観を共有している、モノクロさん著『BOHパ対戦記録譚』があります。そちらの方も、よろしければご覧下さい。
ちなみに、作者のフレンドコードも載せておきます。XYにおけるフレンドサファリのタイプはノーマルで、ヒメグマ、ドゴーム、ラッキーが出ます。
フレコ:2809−9638−8089
※注意※
・本作品はバトルビデオを元にして作られたノンフィクションと一部フィクションです。
・そして、ストーリー中心です。小説という以上、当然ではありますが。
・ポケモンの擬人化あります。つーか、それらのポケモン中心です。
・分かりづらいかもしれない設定多々。
・選出画面があったり無かったり。
・イラストは後々用意するかもしれませんが、クオリティは期待しない方が良いです。
・メタ発言? んなもん日常茶飯事。
・にわか発言&下手糞プレイ? んなもん日常茶飯事。
・対戦相手の名前は改変して使用します。
・対戦相手への誹謗中傷はおやめください、メガボーマンダのスカイスキン捨て身タックルとシャンデラの眼鏡大文字が襲い掛かります。
・BGM置いてるけど、ポケモンじゃないかもしれない。
また、作者は対戦・交換などは大歓迎です。フレコは自分の雑談スレ『タクのノベルス・ポケモン図書館』に置いています。バトルビデオをこの小説に使わせていただくかもしれません。
以上のことを守ってうちのポケモン達の活躍を生暖かい目で見守ってやってください。
目次
第一部:エリア開放編
プロローグ
>>01
パート1:謎の敵・静炎邸
>>02 >>03 >>04 >>05 >>06 >>07 >>10 >>11
パート2:遮断された箱庭・氷海水域
>>12 >>13 >>14 >>15 >>16 >>17 >>18 >>19 >>20
パート3:湖の決闘・中部緑域
>>21 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28 >>32
パート4:忍の街・群雲街域
>>33 >>34 >>35 >>36 >>37 >>38 >>39 >>40 >>43 >>44 >>45 >>46 >>47
パート5:この風が泣いている・天獄峡域
>>48 >>51 >>52 >>53 >>54 >>55 >>56 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62 >>63
パート6:雷電霹靂・雷電械域
>>75 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80 >>81 >>82 >>83 >>88 >>89 >>90 >>91 >>92
パート7:暴龍警報・頂龍山域
#1:絶望の淵へ
>>103 >>104 >>105 >>106
#2:反撃の狼煙
>>107 >>110 >>111 >>112 >>113 >>114 >>115
#3:龍の守護者
>>116 >>117 >>118 >>119 >>120
#4:最後の守護級
>>121 >>126 >>127 >>129 >>131 >>134 >>135 >>136
パート8:仲間達が待つ場所へ
>>137
第二部:新世代編
パート1:セントラル・フィールドへ
>>138 >>139 >>142 >>143 >>144 >>145 >>146 >>147 >>148 >>149 >>150 >>151 >>152 >>153 >>154
パート2:留学生は突然に……
登場携帯獣紹介
>>70
用語解説
>>71
番外編:始末屋の日常と非日常
パート1:前々前作でラスボス役やっててもキツい奴はキツいので以下略
>>95 >>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>102
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- 本日の後語り6 ( No.92 )
- 日時: 2015/03/30 14:54
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
ハーイ! 今回の後語り担当のリモーションコンピューターRT/CPU301番型、モーターが務めマース!
とゆーわけで、今回のバトルデスは実にファンタスティックな流れだったと思うネ!
本来なら、マニューラはワタシで相手するつもりだったけど、ボマーがタフだったおかげで、何とかなりましたデース!
でもでも、氷タイプが重すぎネ、このパーティ。水タイプとの複合が出てきたら、かなりハードな戦いになること必至ネ。
最近はラプラスもフリーズドライを新しくゲットしたから、ワタシでも相手できるか分からないデース。
後は、マニューラとワタシの対面は、ボルチェン安定だったと反省していマース……感情がバクハツしたら、いっつもこうなっちゃうネ……。
それじゃあ、型紹介に移るネ!
まずは、ムゥからデース! 健気で一生懸命で、同じ第四世代出身として、誇りに思っていマース! 氷タイプも、味方につくととっても頼もしいネ! そんなムゥのスタイルは、これデース!
ムゥ:マンムー♀:やんちゃ:AC236 S36
持ち物:命の珠
技:地震、氷柱針、氷の礫、フリーズドライ
ワーオ、XYで新しくゲットしたフリーズドライが、ここでも早速出てきてるネ! 調整は、テンプレステロラグをフリーズドライで一撃で落とせるようにしているらしいデース!
今までのスタイルとウェポンは余り変わらないけど、氷柱針の枠は別のものに変えても良いかもネ!
そして、ガルド、ボルト、ドラゴンタイプ全部に対して強いのは、セールポイントネ!
ただし、襷で補ってた耐久がロストしているので、そこだけ注意デース。
次は、マイ・ダーリン、ボマーのスタイルデース!
BOHでも活躍した、特殊スタイルらしいケド、火力が落ちただけで小回り十分らしいネ!
ボマー:ボーマンダ♂:臆病:CS252、残りH
持ち物:ボーマンダナイト
技:ハイパーボイス、流星群、大文字、身代わり
捨て身タックルの威力もそうだけど、ハイパーボイスもベリーベリーベリーストロング! 流石ワタシのダーリンというだけはあるネ!
ああ、もう、早く結婚したいデース!
さらに、キノガッサなんかにも身代わりで強く出られるのは良いと思いマース!
両刀種族値だから、本当に何でもできるのはうらやましいネ!
しゅっ、とした戦闘機のようなフォルム、赤い羽根、グラディエイターのような眼差し! ああああ、もう、無理デース! 理性を抑えるので精一杯デース!
ラストはワタシネ!
モーター:ウォッシュロトム:--:図太い:HB252、S4
持ち物:オボンの実
技:ハイドロポンプ、10万ボルト、ボルトチェンジ、鬼火
HBのテンプレ構成デスが、マスターはこの調整を気に入ってマース! 振らなくても火力には自信がありマスしー? スイクンなんかの特攻(C90)と一緒にされたくはないデース!
そしてそして、このフォルムの弱点はグラス(草)のみデス。でも、草結びじゃワタシのボディに傷を付けるのは無理ネ!
10万ボルトの枠は次回までにイカサマになっていると思うから、楽しみにしててネー!
とゆーわけで、今回はこれくらいでフィニッシュするネ! マイ・ダーリン……次はどんな活躍をするのか今から楽しみデース!
それじゃあ、シーユーネクストタイム! 次回また会いまショー!
- ボックス・ポケモン図鑑(7)ガメリオ ( No.93 )
- 日時: 2015/03/30 19:54
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
ガメリオ(DN:ガメリオ)
由来:星のカービィに出てくる、カメレオンがモチーフの中ボス・ガメレオアームとロックマンXのイレギュラー、スティング・カメリーオを合わせた。
容姿:ひょろひょろとした外見に、腕をぶらり、と常に力なくぶら下げている。頭にはカメレオンの目を模したゴーグル付きヘルメットを付けており、不気味。常に薄笑いを浮かべている。また、服装は迷彩柄の忍び装束というものである。手には、鉄製の爪が装備されており、この状態でも十分に戦闘ができるようにしてある。
また、擬人化体のみの特権で、あらゆる姿に変装できる。
性格:飄々としていて掴みどころのない策略家。ボマーサイドのブレイン担当は自他共に認めている。というか、リーダーがアレだし。
また、時には非情に仲間を戦略上切り捨てるときもあり、良くも悪くも冷徹な司令塔である。甘さや敵への慈悲が彼には無いのは、忍者ゆえか。
性別:♂
設定年齢:16
備考:元々、凶暴化したポケモンを駆逐するために育てられた、隠密機動携帯獣の1体。そのため、影の携帯獣についても認知していた。
何故べらんめぇ口調で喋るのかは不明。
ボマーのことは、旦那と呼び慕っている。
また、相手の視角に干渉する技術を多数持ち合わせており、いずれも雷電械域にオーダーしたもの。特に、光学迷彩を使いこなす様は、どこぞのガッチャマンに負けない科学忍者と言えよう。
秘密:日常生活でもついつい、天井に張り付くなど忍者の癖が抜けないのが悩み。
バトルスタイル:一発耐えて反撃する耐久アタッカー。特に、特殊攻撃には滅法強い。それだけでなく、特性:変幻自在で全ての技をメインウェポンとして撃ちだすことができるのが強み。要するに、脚が遅い代わりに耐久に重きを置いたゲッコウガであるが、ゲッコウガとの最大の違いは先制技が充実していることと、アタッカーだけでなく耐久型もこなせることだろう。
特性:変色、変幻自在(夢)
メインウェポン:影撃ち、岩雪崩、不意打ち、けたぐり
補助技:不明
メガシンカ:無
弱点:高火力の物理アタッカーには、敵わない。防御力はそこまで高くはないので、相手にしない方が良い。また、変幻自在は非常に癖の強い特性のため、用心しないと相手に変身した後の弱点を突かれて思わぬ大打撃を食らうことも。また、状態異常には耐性が全くないので、後続でそれらを使う敵には対応していきたい。
また、火力は余り高くないので、物理受けに遭遇したら素直に引きたいところ。
- ボックス・ポケモン図鑑(8)モーター ( No.94 )
- 日時: 2015/03/30 20:43
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
モーター(DN:ロトム)
由来:ロトムとモーター、なんだかわかるでしょ、は有名な台詞。要するにロトムの名前のモチーフをそのまま流用。
容姿:アホ毛が跳ねた黄色い髪に、電撃が迸ったような紋様のブレザーが目を引く。目の色は青く、パッと見は外国人に見えても仕方がない。また、Ω(オーム)を意識したと思われる顔の黒いラインが特徴的。
性格:裏表がなく、電気の如き一直線な乙女。それだけに尽きる。明るく、人懐っこいが、兎角自分をゴミ捨て場で拾った(擬人化体もなかったコンピューター時代)ボマーに対しては素直かつ隠すことなく好意をぶつける。
ただし、怒らせたらゴーストポケモンらしくかなり怖く、容赦なく敵を屠る様はゴースト故か。恐ろしいのは、その殆どがボマー関連で、ボマーに傷をつけようものなら、即・彼女が飛んできて電撃鬼火ドロポンリフストオバヒ(以下略)を放ってくることだろう。デレデレを通り越してヤンデレの道に片足突っ込んでいる。
ただし、恋敵のフレイに対してはボマーと同じくらいの付き合いの仲だからか、基本は好意的に接している。
性別:--(メンタルデータは♀基準)
設定年齢:18(ということになっている)
備考:かつては人格を持たないコンピューターだったが、次第に携帯獣・ロトムとして発現、さらにメンタルに加えて擬人化体も手に入れた。
5つの家電キューブを持っており、これで自由自在に5つのフォルムへチェンジ可能。
秘密:特に無し。コンピューターは嘘をつかない。
バトルスタイル:優秀な物理受け。ゴースト特有のいやらしい補助技の多さも特徴。特性:浮遊で地面技も通用しない上に、ウォッシュロトムに至っては草しか弱点が無いため、防御面では敵無し。
また、攻撃面もそれなりに優秀であり、特攻に殆ど努力値を裂いていないにも関わらず、なかなか。
特性:浮遊
メインウェポン:ボルトチェンジ、10万ボルト、ハイドロポンプ(ウォッシュ)、オーバーヒート(ヒート)、リーフストーム(カット)、エアスラッシュ(スピン)、シャドーボール(ノーマル)、祟り目(ノーマル)
サブウェポン:シャドーボール(ノーマル以外)、祟り目(ノーマル以外)、イカサマ
補助技:鬼火、痛み分け、電磁波
メガシンカ:無
弱点:各フォルムの弱点を突かれてしまうのが一番痛い。ウォッシュロトムは草結びでは対策にはならないが、本当の草タイプには手も足も出ない、などである。また、ドリュウズやオノノクス、メガギャラドスなどの型破り地震を食らったら目も当てられない。
- 番外編:パート1 ( No.95 )
- 日時: 2015/04/01 08:11
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
「どーするんだ、オイィ!! こないだもまた、良いとこをあのバシャーモに取られちまったぞ!!」
インターネットの中心にある仮想空間、セントラル・フィールド。此処は、その中でも都市圏の郊外に当たる酒場だった。
真っ黒いコートに、マフラーを巻いた黒髪の男は目の前にいる帽子を深く被った同年代と思われる青髪に怒鳴った。
「仕方がないよ、ボクだってまさか、またあいつが出向くとは思わなかったんだ。しかも、複数の仲間を連れてさ」
「くそっ、ドラゴンポケモンの討伐なら俺らの十八番だったんだが……」
「ああ、しかもジュカイン、ユキメノコ、ラグラージ、サーナイト、ドラゴンを殺す気マンマンの面子だったよ」
「お前には言われたくないとは思うわ」
彼らの仕事は、所謂始末屋、退治屋と言われるものである。
セントラル・フィールドは度々、野生のポケモンが対戦用ポケモンのデータを吸収して凶暴化し、暴れることがあるので彼らが度々退治に出向いているのである。
それだけではなく、裏社会の荒事を一挙に引き受けることも多い、危険な仕事である。
この間も荒野でドラゴンポケモンが暴れているという情報を掴み、早速討伐に向かったのだが----------流石に数が多かった。ミニリュウ、オノンド、リザードなどの下級龍共に阻まれてキツかったので、仕方なく準備に何日か費やすことにしたのである。
仲間を雇い、3日後に洞窟に向かおうとしたところ。
洞窟からバシャーモ、ジュカイン、ラグラージ、サーナイト、ユキメノコの5体が出て行ったのが見えた。
まさかと思って中に入ってみたが、奥には既に屍となり、データの塵となって消えかけているカイリュー、リザードン、オノノクスの姿があった。
この洞窟のボスだったのだろうが、恐らく先のメンバーにやられたのであろう。
先を越されたのだ。完全に。
「だから言ったろうに!! 何で着替えにあんな時間がかかるんだ!!」
「う、うるさい! ボクだって一応----------」
「あいあい、うるせぇうるせぇ、言い訳は聞いてねぇんだよ。つーかよ、マスターの奴はボックスに戻るんじゃねーぞコノヤローとも言ってるし! このままじゃ、明日のおまんまは食パンの耳だけになっちまう。それだけは避けねば! くそっ、ボックスじゃ、あの脳筋トカゲがエースだの何だのとちやほやされてるんだろーなぁぁぁ、妬ましいなぁぁぁ」
「非常に見苦しいんだけどなぁ……」
金だ!! と彼は叫び、続けた。
「金だよ!! 俺達退治屋の仕事は何もポケモン退治だけじゃねぇ。どうにかしてでも、金を稼がねぇと、いつかはあのバシャーモに仕事を全部取られちまう!!」
「大げさな……半分事実ではあるけど」
金が無ければ、酒場でドラクエよろしく仲間を雇うこともできない。即ち、2人だけで任務をこなさなければならない、そして成功率は落ちる、結果明日の飯はパンの耳という悪循環に陥るのだ。
金欠の問題は何としてでも解決せねばならないのである。
「……そうだね。何としてでもこの状況は打開しないと」
「おっし、んじゃあ景気付けにもう1杯飲むか!!」
そう叫ぶと、残り少ない財布の金を確認しながら、男はバーテンに叫んだ。
「カルピスソーダもう1杯!」
「……でもいまいち格好付かないんだよな……」
彼らは、まだ未成年なのである。いまいち、ここで酒の名前を叫べないのは格好が付かないだろう。
未成年飲酒・ダメ、ゼッタイ。
「でも、アテはあるのかい? ドーラ」
青髪帽子は、黒い服の男の名を呼びながら、疑わしげに言った。
「勿論だ、ルル。稼いで稼いで、金欠を打破するんだ!!」
彼は金のためならば、法律すれすれのことでもやってのける亡者だ。
少々ルルと呼ばれた少年は不安になったのだった。
「それに、もしかしたら新しい仲間が手に入るかもしれねぇし」
意味深気に呟いたドーラは、ルルには知らない何かを知っているようだった。
「どういうことだよ」
「これを見ろ」
そのチラシは、地下闘技場のものだった。そして、優勝者には多額の賞金-----------そして、優勝賞品も別に用意されているようだった。
「マスターからちーっと前から頼まれててな。隠密機動にも協力して貰った結果、こいつの在り処が此処だと分かったのさ」
隠密機動とは、ゲッコウガなどの忍者系ポケモンの組織であり、マスターのポケモンの中でもトリッキーな動きを得意とするものが多い。
「こいつって……何なんだよ。サザンドラナイトでも見つけたのか」
「ちげーよ!!」
***
「男性お二方ですか」
入り口の男はそう言った。
あ、いや、とドーラは何か言いたげだったが、そのまま奥に通されてしまった。
「あー、お前のこと言わなくて大丈夫だったか?」
「いーよ。別に。舐められるよりマシだしさ」
此処は地下闘技場だった。違法賭博によって、毎日何億もの金が動き回る。
あるものは狂喜し、あるものは絶望の底に落とされる。
そして、それを決めるのは------------闘技場でデスマッチを演じるポケモン達だった。
今回は2対2。どちらかのチームが両方倒れるまで勝負は続く。普段の対戦とは違い、完全な肉弾戦だ。
「というか、こんなのに出て大丈夫なのか? 嫌な予感しかしないけど」
「おっ、怖いのかねルル君」
「今、この場で君にじゃれついても良いんだよ?」
さぁっ、とドーラの顔が青くなる。
「わ、わ、わ、悪かった」
「分かればよろしい」
威圧感に押され、ドーラは謝る以外の選択肢を見出せなかった。種族的な問題である。もしくはタイプ相性か。
ドラゴンタイプのドーラに、フェアリータイプのルルは一方的に不利なのだ。
それはさておき、今回の目的は2つ。
まずは、優勝賞金の獲得。
そして、優勝賞品の獲得。
前者は勿論のことだが、むしろドーラからすれば後者も重要だった。自分のマスターが探しているもので、自分としても手に入れておきたいものだからだ。
司会が赤い幕を取って見せたのは、青い鋼の塊。鉄の脚のようなものが伸びていて生物のような何かに見えるが、動く気配は見当たらない。
「間違いねぇ。あいつを俺らの仲間に引き込めば、戦力増強に一躍買ってくれるはずだ。あんなもん、マスターに渡せるかってーの」
「ちょっと待って、何だアレ」
「鋼鉄の肉体を持つ、第三世代最強のポケモン、スーパーコンピューターMX/CPU201番型、通称:メタグロスのメタンだ」
「アレって確か、マスターも愛用していた奴だよね。何でこんなところにあるのさ」
おもくそ見覚えのあるそれに、疑念の目を向ける。
ドーラはその質疑に早速答えたのだった。
「盗まれてたんだ。悪い奴に」
「盗まれてた!?」
「隠密機動が、それの行方を追っていたんだがな、結果、此処に行き着いたってところだ。元々しばらく起動させなかったマスターもマスターだけどな。知らないうちに進入してきたウイルスプログラムにやられて持ってかれた」
メタンの行方は当初、全く分からなかったがようやく此処に行き着いたのである。オークションを転々としていたらしい。
だから、ドーラが此処のチラシを手に入れたのは偶然ではなく、実は隠密機動の面子から持ってきてもらったからである。
「ま、何であれ優勝するのは俺達だ-------------」
- 番外編:パート1 ( No.96 )
- 日時: 2015/04/01 12:55
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
***
「で、ふざけんじゃねえええええ!! 何で、一回戦敗退になるんだよ、今の流れでよォ!!」
全身ずたずた、杖を付きながらドーラはルルに怒鳴った。ようやくさっき、気が付いたところである。
ルルはほぼ無傷だったが。
しかし、完敗ボロ負けでした。あれだけ格好良い前フリをしておきながら。
実を言うと、どっかの空飛びバカとは違い、ドーラはそこまで強くないのである。いや、違う。正確に言えばあの空飛びバカが強すぎるのであるが。
それでも、まさか此処まで滅多打ちにされるとは思わなかった。
「完全に相手が悪かったね。ローブシンとメガフシギバナとか」
「おめーは俺がやられた瞬間から、ずっと死んだフリしてただろうがぁぁぁ!!」
このとき、ドーラは自分がサイコキネシスを覚えないことを恨んでいたのだった。
または、自分が飛行タイプで暴風覚えていれば楽勝だった、と思っていた。
「完全にここでタイトル回収するなんてね。前々前作(BW)でラスボス張ってても、キツい奴はキツいとはこのこと」
「お前がブシンを倒せば、ワンチャンあっただろーが!!」
「ボクがじゃれつく外しちゃったの忘れたぁ?」
「ああ、忘れてねぇとも!! 赤字で宣言しようか、汝は無能であると!!」
「なっ、んなこと言ったら君だって人のこと言えないだろ!! 流星群外しまくってマスターからクビにされた癖に!」
激しい罵り合いの始まりである。
ドーラの種族はサザンドラ。ルルの種族はマリルリ。
タイプ相性的にも最悪な2人が、何故コンビを組んでいるのか読者の諸君は謎であろう。
「ぐはぁぁぁ」
ああ、今決着した。ルルのじゃれつくが物の見事に炸裂。
効果は抜群だ(4倍)
「まさか、二度もタイトル回収するなんて……ゲブホァ」
「で、結局優勝したのは、あのローブシンとフシギバナだったからね」
「どうしよう。隠密機動が取り返しに行くのか」
「いや、幾らあいつらでもな……」
犯罪まがいのことも行う隠密機動は、本来ならば取り返しにいくのだろうが、どの道今はゲッコウガのクナイがやられ、カクレオンのガメリオが離れているので無理であろう。
ということは、ボックスの外にいる彼らが知る由も無かった訳であるが。
「ちっくしょー、こんなことならゲーフリに押しかけてサイキネを習得してくるんだった----------」
とボヤく。
「折角起動キーはこっちが持ってるのによ!」
ルルは沈黙した。
そして、言った。
「……ぶっちゃけ、その起動キーで命令して、こっちに来るようにすれば良かったんじゃ……」
「電波が届かん。無理---------」
「ぎゃああああ!!」
突如、悲鳴が上がる。
今、会場の入り口付近に居たドーラ達は、思わず振り返った。
「何事……?」
「さーな。だけど、裏社会のいざこざは俺らが解決する、そうだろルル」
「仕方がないな」
そう言って、彼らは急いで闘技場に戻って行ったのだった。
***
闘技場控え室401。鍵が掛かっていて、誰も入れなくなっているようだったが、逸早く駆けつけたドーラが扉を蹴飛ばし、中に押し入った。
「うっふ〜ん、ここを踏んで欲しいの? ん?」
「あ、あふん、そ、そこは----------」
さっきのローブシンの男が、喘ぎながら倒れていた。そして、その上で美脚をぐりぐりと捻じ込んでいるのは、グラマーで身長の高いモデルのような女だったが、顔には黒い覆面を付けていた。
そして、フシギバナと思われる男も、完全に口から泡を吹いて倒れていた。腹には風穴が開けられており、電子分解が既に起こっている。
明らかに二重の意味で、小さい子には見せてはいけない光景のそれである。
ぐしゃっ
「ぼげぇッ」
直後、女の脚がローブシンの男の頭蓋を貫通した。
いよいよ、R18Gのそれになってしまった。
「ふんっ、他愛も無い連中ね。このスーパーコンピューターMX201番型を手に入れるのはあたし達だって相場が決まっていたのよ」
「流石姉貴! 優勝者を襲撃して、確実にスパコンを手に入れようだなんてアタシは感激しましたぜ!」
「すごいぜ、姉貴! ひゅーひゅー!」
取り巻きの黒ずくめの2人が囃し立てる。
「さあ、速くずらかるわよ-----------と、そういう訳にも行かないようね」
目の前に立ち塞がる、2人。
「---------一級危険盗賊団・ブルーローズ」
目の前にいる彼女らの名を呟く。
「ここまでの外道とは知らなかったな」
ドーラとルルだ。
それに対し、相手の女は2人を呆れた目で見ると、さも面倒そうな口調で答えた。
「ふんっ、裏社会に道も何もあったもんじゃないわ」
「全治”一週間”。ナノマシン療法で回復できる範囲か」
電子分解を起こして動かないローブシンとフシギバナを一瞥し、ドーラはこれ以上の問答をやめた。
そして、あくタイプらしい笑みを浮かべると、叫んだ。
「どの道、そのメタンは俺らのモンだからな!」
ピッ、と指に嵌められたリングにあるスイッチを押す。
「メタン・起動!!」
ピピピピピ、と電子音と共にスーパーコンピューターの目に明かりが灯った。
折り込まれていた脚が現れ、自分を抱えていた敵2名を弾き飛ばすと、ドーラの元にやってくる。
「な、何で起動キーをあんた達が!!」
「元々こいつは俺らのところから盗まれた奴だからな。此処の賞品になってると知って、取り返しに来たのさ」
ちなみにこの起動キー、既に複製されていたようで、ローブシンの男の指にも嵌っていた。
しかし、既に支配権はこちらにある。
「ドーラ、こいつらやっつけておかないと面倒だよ」
「OK。早速やっちまうか!」
と、ドーラがコマンドを入力しようとしたそのときだった。
メタンが突如、声を発した。
いや、言語プログラムをインストールしていたのは知っているが、問題はその言葉だった。
「ぴこーん、ぼうけんのしょがきえました」
は? と全員は困惑した。何言っているんだこのスパコンは。
「あたらしく ぼうけんのしょをつくってください」
「何言ってるんだお前!!」
「そんな ひどい」
「何でファミコンネタ!? つーかこういう流れどっかの漫画で見たぞ!!」
「そんな ひどい」
「ドーラ……これ、無限ループだよ」
「どこのラダトームのお姫様だよ、畜生どうすんだオイ!!」
「あなたは しにました」
「勝手に殺すんじゃねぇぇぇぇぇ!!」
メキッ、と音がした。
見れば、女の足元の床が凹んでいる。
「下らない茶番は聞いていないんだよ!! とっととそれを寄越しな!」
「ちっ、仕方ねぇ! やるぞ、ルル! メタン!」
「ふっかつのじゅもんをにゅうりょくしてください」
「好い加減にしろぉぉぉぉ!!」
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