二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- ポケモンバトルM・EVO【サン・ムーン編突入!】
- 日時: 2016/12/23 03:17
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)
『読者の皆様へ』
どうも、初めましての方は初めまして、タクです。今回のこの小説は、所謂対戦実況小説といったところでしょうか。
現在、他の小説の進みがなかなか良い感じになっているため、この小説の連載を決意しました。
タイトルはM(メガ)・EVO(エヴォ)、その名の通りメガシンカをテーマにした作品になると思います。また、第六世代で追加要素のあったポケモンに視点を当てていきたい所です。
また、今回のサン・ムーン発売に合わせて、第七世代を舞台にした対戦も描いていく予定です。
そして、この小説は種族値、努力値、個体値とった3値やHABCDSVなどの記号や、略称なんかが出てくる、所謂「廃人仕様」となっております。
一応、初心者の方にも配慮したような表現を極力心がけたいですが、あらかじめこういったことを知っている前提で読んでほしいと思います。
また、この作品と舞台は違いますが世界観を共有している、モノクロさん著『BOHパ対戦記録譚』があります。そちらの方も、よろしければご覧下さい。
ちなみに、作者のフレンドコードも載せておきます。XYにおけるフレンドサファリのタイプはノーマルで、ヒメグマ、ドゴーム、ラッキーが出ます。
フレコ:2809−9638−8089
※注意※
・本作品はバトルビデオを元にして作られたノンフィクションと一部フィクションです。
・そして、ストーリー中心です。小説という以上、当然ではありますが。
・ポケモンの擬人化あります。つーか、それらのポケモン中心です。
・分かりづらいかもしれない設定多々。
・選出画面があったり無かったり。
・イラストは後々用意するかもしれませんが、クオリティは期待しない方が良いです。
・メタ発言? んなもん日常茶飯事。
・にわか発言&下手糞プレイ? んなもん日常茶飯事。
・対戦相手の名前は改変して使用します。
・対戦相手への誹謗中傷はおやめください、メガボーマンダのスカイスキン捨て身タックルとシャンデラの眼鏡大文字が襲い掛かります。
・BGM置いてるけど、ポケモンじゃないかもしれない。
また、作者は対戦・交換などは大歓迎です。フレコは自分の雑談スレ『タクのノベルス・ポケモン図書館』に置いています。バトルビデオをこの小説に使わせていただくかもしれません。
以上のことを守ってうちのポケモン達の活躍を生暖かい目で見守ってやってください。
目次
第一部:エリア開放編
プロローグ
>>01
パート1:謎の敵・静炎邸
>>02 >>03 >>04 >>05 >>06 >>07 >>10 >>11
パート2:遮断された箱庭・氷海水域
>>12 >>13 >>14 >>15 >>16 >>17 >>18 >>19 >>20
パート3:湖の決闘・中部緑域
>>21 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28 >>32
パート4:忍の街・群雲街域
>>33 >>34 >>35 >>36 >>37 >>38 >>39 >>40 >>43 >>44 >>45 >>46 >>47
パート5:この風が泣いている・天獄峡域
>>48 >>51 >>52 >>53 >>54 >>55 >>56 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62 >>63
パート6:雷電霹靂・雷電械域
>>75 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80 >>81 >>82 >>83 >>88 >>89 >>90 >>91 >>92
パート7:暴龍警報・頂龍山域
#1:絶望の淵へ
>>103 >>104 >>105 >>106
#2:反撃の狼煙
>>107 >>110 >>111 >>112 >>113 >>114 >>115
#3:龍の守護者
>>116 >>117 >>118 >>119 >>120
#4:最後の守護級
>>121 >>126 >>127 >>129 >>131 >>134 >>135 >>136
パート8:仲間達が待つ場所へ
>>137
第二部:新世代編
パート1:セントラル・フィールドへ
>>138 >>139 >>142 >>143 >>144 >>145 >>146 >>147 >>148 >>149 >>150 >>151 >>152 >>153 >>154
パート2:留学生は突然に……
登場携帯獣紹介
>>70
用語解説
>>71
番外編:始末屋の日常と非日常
パート1:前々前作でラスボス役やっててもキツい奴はキツいので以下略
>>95 >>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>102
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32
- パート2:遮断された箱庭(6) ( No.17 )
- 日時: 2015/02/22 19:41
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
- 参照: https://www.youtube.com/watch?v=4IcWVIKI7Yo
***
【水域の番人が勝負を仕掛けてきた!】
【行け! マンムー!】
「対戦開始だ。とりま、先発はこいつにしたのは良いが、誰が来るかね」
「何考えてるのか分からないけど、万が一メガフーディンがエナボとシャドボとめざパ氷持ってたら最悪3タテあるわよ」
「何、お前がいればとりあえずは」
「あたしが襷じゃなくてラムの実持ってんのはいつものことでしょ」
ボマーは押し黙った。
そして、思いっきり作り笑顔をすると、叫んだ。
「ムゥちゃーん! 俺らじゃそいつは無理だ、3タテしちゃってくれぇぇぇ!」
「無理言うな、バカマンダっ!!」
「無理ではない、無茶だ。そして、無理ではなく無茶ならば出来る。無理は無理だが、無茶は出来る」
「出来るか、バカマンダっ!!」
はぁ、と白い息を漏らす。
「この人たち、本当に強いのかな……?」
残念、ボマーは頭が弱い。
そして、相手もまたポケモンを繰り出した。
【黒い影はサワムラーを繰り出した!】
……。
意気込んで居た中での不利対面である。
「……不利対面だ、戻れ」
「猫騙しで襷が潰れるのも美味しくないわ」
そう、ムゥの今回の型はオーソドックスな襷ステロ型。
だが、相手が格闘タイプだと話が別だ。
「サワムラーはマンムーより速い。倒される可能性が高いぜ」
「だからと言って、襷だった場合、エッジなんかで不意の弱点を突かれる可能性大だわ。あんたじゃなくて、此処はあたしの出番ね!」
ボマーを押しのけて、ムゥと交代するフレイ。
そして、申し訳なさそうに言った。
「さっきは悪かったわ。貴方が昔の自分に重なって見えた気がしたのよ」
そう言ってフレイは出て行く。
【戻れ、マンムー! 行け、シャンデラ!】
フレイは相手の姿を見据える。
そして、サワムラーが飛び掛ってきたが、その攻撃は彼女の身体をすり抜けてしまう。
【サワムラーの猫騙し! シャンデラには効果が無いようだ】
さて、だ。このパーティよくよく考えてみれば、岩の一貫がパない。
此処で岩技が飛んできたら、とんだ痛手である。
相手が準速以上だった場合は危険だ。
だが、そんなことは彼女には関係ない。
全て焼き尽くすのみだ。
『ポケモンDETA
フレイ:シャンデラ♀
HP:135/135
性格:しっかり物のお姉さんタイプ。トラウマには弱いところがあるものの、それに立ち向かっていく勇気も併せ持つ。また、正義感が強く、曲がったことを許さない。
性能:ゴーストタイプの中では、ギルガルドに次いで特攻が高い。しかし、彼女は技の最高威力が高いため、瞬間火力はギルガルドのブレードフォルムをも上回る。また、体力以外は高水準で、速度は中速。不一致弱点ならば耐え切り、逆に返り討ちにすることもあるため、通称・特攻お化けと呼ばれる。また、エルフーンやクレッフィ、ナットレイ、クレセリア、メガクチートなどもコイツ1体で対処可能。身代わりとラムの実のコンボで害悪や不意打ってくる鈍足ポケモン、電磁波を撃ってくる耐久ポケモンを機能停止どころか、轟沈させるほど。
火力:S 速度:B 耐久:B 自覚:A スタミナ:B 破壊力:SS』
彼女の火力は恐ろしい。等倍でも一撃で持っていくことはざら、さらにウォッシュロトムでもエナジーボールの一撃で葬り去るなど、水タイプにも強い。つまり、彼女は自分よりも足の遅くてタイプの有利なポケモンに押し負けることは殆ど無いのだ。
そして、さっきはHD特化というマイナーな例で紹介したが、H振りだけならばシャドボで確定2発。確定1発には流石に出来ないが。
「だけど、エッジはよく外れることがあるし、行けるわ!」
「大丈夫かー? 出オチは無いよな?」
「あたしに限ってそれはないわ。今まで、何体のクレセリアとかメガクチートとかを葬ってきたと思ってるのよ。大文字の命中率は驚きのほぼ100%」
「確かにお前が大文字を外したことは殆どねぇな」
だから、目の前のサワムラーも大文字の一撃の下に沈めることが出来るはずだ。
「焼き切れろやぁぁぁぁーっ!!」
ぼうっ、と大文字の炎が真直線に飛んでいく。
幾つもの命を燃やし尽くしてきた炎が飛んでいく。
そして、その炎は-------------
【サワムラーには当たらなかった!】
ものの見事に避けられた。
「ってオイ!!」
「……80%をいっつも引いていたってことは、今此処で20%を引きまくってもおかしくないってことでしょうか?」
「残念だが、確率論とはそういうものだな」
「って、馬鹿の癖に数学語るな、バカマンダ!!」
とはいえ、その発言は八つ当たりである。
ミスはミスなのだから、仕方があるまい。
「しっかしな、相手は何をしてくるんだ?」
「エッジで串刺しになる予感しかしないんだけど!?」
サワムラーがバネのような足で地面を思いっきり蹴った。
そして、その足が炎に包まれる。
【サワムラーのブレイズキック!】
【効果はいまひとつのようだ】
『フレイ:残りHP112/135』
伸びきった足がフレイに襲い掛かったが、耐久が高い上にいまひとつの攻撃では、フレイは痛くもかゆくも無い。
「……何考えてるんでしょうか、このサワムラー?」
「俺ハ、フーディン様ノ命令ニ従ウノミ……」
「おーい、相手タイプ相性覚えてねぇぞ!! ワンチャンあるぞ、これ!」
本当にそうだろうか。
数学の公式をまともに覚えられないボマーに誰も言われたくもないとは思う。
「さーてと。この体力ならまだ戦えるわ」
しかし、どうも相手の動きが不気味だ。
「燃え尽きなさぁぁぁい!!」
【フレイの大文字!】
再び、業火が大の字を描いて飛んで行った。
そして-----------サワムラーは業火に包まれて火達磨になった。
「サワムラーのH種族値はたったの50-----------」
「1体目、撃破よ」
だが、とボマーは続けた。
「--------特防は110もあったはずだ」
『サワムラー残りHP:5%』
サワムラーはそこに立っていた。
そして、赤いカードがフレイに叩きつけられる。
【サワムラーはレッドカードをフレイに叩き付けた!!】
- パート2:遮断された箱庭(7) ( No.18 )
- 日時: 2015/02/24 04:31
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
「きゃあっ!?」
悲鳴を上げたフレイはそのまま強制的に退場させられる。
「はい、君。イエローカード2枚でレッドカード、退場だからな」
「ボケんな、バカマンダァァァ!!」
「……まあ、成る程だ。相手はこれを狙ってたのか。でもこのコンボ、ムゥが出てこなかったら失--------」
【ムゥは強制的に戦闘に引きずり出された!】
「……うん、分かってた」
「超携帯獣級のフラグ建築士ね」
これである。もう、フラグ立てそうな奴は全員黙っておいた方が良いのではないだろうか。
無理矢理引きずり出されたからか、ムゥは少し涙目になっていた。
「……うう……」
『ポケモンDETA
ムゥ:マンムー♀
HP181/181
性格:気弱な性格で控えめ。泣き虫ですぐに泣いてしまうが、本心では強くなりたいと思っている。そのため、ここぞという時に勇気を出す。つまり、芯は強く通っているのだ。
性能:ドラゴンキラーにして、飛行複合電気タイプを安全に処理できる数少ないポケモン。また、特性・厚い脂肪によって炎と氷には抜群を取られず、痛い目を見たトレーナーも多いだろう。襷を持つだけで、ほぼ100%何かの仕事はしてくれるので、役割遂行力はかなり高い。……さて、擬人化体は小柄な少女といったもので、ぱっと見は厚い脂肪要素など何処にも無いように見えるが……。
火力:A 速度:B 耐久:B 自覚:B 遂行力:SS』
しかし、早速サワムラーの足がムゥに襲い掛かる。
【サワムラーのブレイズキック!! 効果は抜群だ!!】
『ムゥ残りHP:130/181』
はぁ、はぁ、と息を切らしていた彼女だがすぐに攻撃に転じた。
「とりあえずは……地震ですね」
【ムゥの地震!】
【サワムラーは倒れた!】
『サワムラー残りHP:0%』
大地を大きく揺らし、サワムラーの足を取る。
案の定、上を取られることはなく、そのまま倒してしまった。
サワムラーはそのまま身体がぐにゃり、と曲がって消えてしまった。
「やっりぃ!」
「まだよ。次がグロスだと、余り美味しく無いわね」
もし、グロスが耐久に振っている場合、地震を耐えられて、コメットパンチ→バレットパンチという第五世代の悪夢が起きる可能性もある。
というか、メガシンカ型の可能性も捨てきれないのだ。
『謎の黒い影はゴローニャを繰り出した!』
……杞憂であった。現れたのは、鋼の塊ではなく岩の塊であった。
「ゴローニャぁ? 何で、そんな奴を繰り出してきたんだ?」
「取りあえず、行けるんじゃないの?」
ゴローニャの特性・頑丈(HPが満タンならば一撃は耐える)地震を二回ぶち当てれば勝てるはずだ。同じ抜群でも氷柱針だと、少々運が絡むので不安である。
ゴローニャは防御が固い。半端な攻撃では倒せない。
「と、とりあえず……!」
【ムゥの地震! 効果は抜群だ!】
再び地面を踏み鳴らし、ゴローニャの足を掬う。
地面にすっ転んだゴローニャは-------------
『ゴローニャ残りHP:10%』
「……頑丈に届いていねえ」
「エッジって急所に当たりやすいのよね、万が一マンムーの耐久でも急所行ったらやばいんじゃ……襷も潰れてるし、大損害を負うわよ」
ムゥも少し震えていた。
彼女とて、怖さを押してこの戦いに臨んでいる。
「嫌だ……急所は----------!」
「ヘヘヘ……ブッ刺シテヤルヨ……!」
【ゴローニャのストーンエッジ!!】
ゴローニャの影が歪んだ顔で、岩の刃を地中から召還した。
そして、それを一気にムゥへ突き刺す。
しかし。
『ムゥ残りHP:31』
「でも……! そんなに易々と急所に当てはしない……!」
「ギッ、バカナ……!」
にやり、とボマーは笑った。
「マンムーはよぉ、H110、B80。下手したらガブリアスとどっこいどっこいの耐久してんだ。一致等倍の大技如きで死ぬ程ヤワじゃないわな」
「何よ、あの子……」
---------下手したら、あの頃どころか、今のあたしよりも-----------!
「よしっ! ゴローニャには不意打ちがある可能性もある!(レートでなければ) 礫で確実に決めるんだ!」
「……分かりました」
空中に氷の粒が集まっていく。
そして、それが一瞬で------------
【ムゥの氷の礫! 効果は抜群だ!】
敵のゴローニャの身体を貫いた。
【ゴローニャは倒れた!】
『ゴローニャ残りHP:0%』
岩の身体は崩れて、跡形も無くなる。
「やれば出来るじゃねえか!!」
「……まだです……あいつが……!」
チッ、と舌打ちが聞こえた。
「ったくよぉぉぉぉ〜? どいつもこいつもどうしてこう弱い奴ばっかなんだぁぁぁぁん?」
フーディン……正確に言えば、影の本体だ。
「てめぇらはやっぱ、この俺様が直々にぶっ潰さなきゃいけねぇみてーだなぁぁぁぁん!?」
口調が変わった。
ようやく、影としての本性を見せたか。口汚い言葉で罵りながら、憎悪の念を一切隠さずに溢れ出させてくる。
【黒い影はフーディンを繰り出した!】
スプーンを持った、一見非力そうなポケモン。
しかし、その精神から発せられる超能力の威力は伊達じゃない。
「……でも、もう私は逃げたくない」
氷の礫を選択するムゥ。防御が低いフーディンならばそこそこダメージは入るはずだ。
しかし。
「フハハハハ……てめぇの力、貰うぜ……!!」
【黒い影の怨念が瘴気を生み出す------------!!】
邪悪な黒い煙がフーディンの身体を包み込んだ。
「---------メガシンカ、完了ォォォーッ!! 死ネ、下等ナゴミドモガァァァァーッ!!」
宙を舞う幾つものスプーン。
額の赤い宝石。
座禅をしたまま宙に浮いている。
【メガフーディンの特性:トレース発動! フーディンは厚い脂肪を得た!】
【ムゥの氷の礫!】
『メガフーディン残りHP:90%』
まずい。メガシンカで若干防御種族値が上がったのに加え、特性:厚い脂肪で氷タイプの技は半減。
全く削れていない。
【フーディンのサイコショック!】
「消エ失セロォォォーッ!!」
念じ球が実体化し、ムゥに襲い掛かった。
浮かび上がったそれは、めがけて一直線----------
「そ、そんな----------」
爆発。
ムゥはそのまま地面に倒れた。
『ムゥ:残りHP0%』
「ザマァナイナァァァ、C175ノ攻撃ガ並ノポケモンニ耐エラレル訳ガナイダロウガァァ!!」
己の能力を誇示するかのように高らかに笑うフーディン。
すぐさま、倒れたムゥにボマーとフレイが駆け寄った。
「大丈夫!?」
「……フレイさんが教えてくれたんです。フレイさんが一喝してくれたおかげで、もう一回立ち向かおうって思えたんです。だから、気にしないで」
「馬鹿よ……あたしは馬鹿よ……勝手に早とちりして、怒鳴り散らして、挙句の果てには----------何やってんのよ……」
「フレイ!!」
ボマーが吼えた。その声に、フレイは頷く。
「……行ってくる」
【ポケモントレーナーのタクはシャンデラを繰り出した!】
フレイはじっ、と相手を見据えた。
そして、言う。
「あんた、C175が何だとか言ってたけど。それじゃあ、吹っ飛ばしてみなさいよ。削れたあたしを」
「何ダトォ? テメェ、俺ヲオチョクッテルノカァ? 言ワレナクテモ、一瞬デ吹キ飛バシテヤルヨ!!」
メガボーマンダがいるパーティへ、グロスの代わりにわざわざ出て行ったのだ。
めざパ氷かマジカルシャインは持っているだろう。
ボマーで相手をすれば、確実に死ぬ。
此処でフレイが耐えるかどうかは、ボマーには疑問だった。
「耐えるのか、これ……!」
【フーディンのサイコショック!!】
無数の念じ玉が実体化した。そして、フレイの方に向かっていく。
そして、全て----------爆発した。
煙が舞って見えなくなる。
「ヤッタ……後続ノマンダハ余裕デ殺セル……! 勝ッタ、勝ッタゾ……!」
ぐしゃり
一瞬、フーディンは自分の身体に何が起こったのか、分からなかった。
しかし、見えた。
抉れた自分の身体の断面が-------------!!
煙が晴れ、そこにはフレイの姿があった。
「……言ったでしょ。BD90。防御性能はガブリさんにも引けを取らないわよ」
そして、Cは圧巻の145。
この火力から、一致弱点を食らって倒れないポケモンは居ない。
フーディンの身体は、既にフレイのシャドーボールで抉れていたのである。
【フレイのシャドーボール! 効果は抜群だ!】
【フーディンは倒れた!】
「ソンナ……モット……強イポケモンニ……生マレテイレバ------------!!」
影の形は、一気にゆがみ、消滅した。
『フレイ残りHP:25』
「あんたは悲観し過ぎたのよ。自分の境遇を。……もっと強いポケモンに生まれたかった、か」
--------馬鹿ね、自分で弱いって思ってるから弱いのよ。
フレイは消えていく影を見て、ふぅと吐き出すように言った。
「そんな願いは今ので焼き尽くしてやったけど」
【水域の番人との勝負に勝った!】
- パート2:遮断された箱庭(8) ( No.19 )
- 日時: 2015/02/23 19:01
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
***
「さっきは……ごめんね?」
フレイはムゥに向き直って、謝る。
「あたし、カッとなっちゃうといっつもこうだから……」
「許しません」
へ? とボマーとフレイの顔が引きつった。
余りにも意外すぎる返答だったからだ。
「……許してあげてもいいんですけど……」
「付け上がるんじゃないわよ、こいつ……!」
「まあ待て、フレイ」
再び、怒りが心頭に達そうとしているフレイをガブリは止めた。
「……あたしに勇気を教えてください」
「え?」
「それが条件です」
少し、恥ずかしそうに彼女は言った。
「勇気……か」
「フレイさんの姿を見て思ったんです。あたしもああなりたいなって」
そうだ、とボマーは割って入った。
「じゃあ、こうしよう。ムゥ、お前今後もこの脅威を俺らと一緒に立ち向かってくれねえか?」
「ちょっと、ボマー!」
「そしたら、俺らといる時間も必然的に増える。お前が思ってる勇気云々だとかは、その中で学べるだろーしな」
うう、と言いくるめられたのがフレイは悔しいようだった。
「仕方ないわねっ! 良いわ、貴方も今日からこのパーティの一員よ?」
「はいっ、よろしくお願いします」
深く頭を下げるムゥ。
恥ずかしそうに頭を掻くフレイ。
その光景を見ながら1人、ボマーは笑っていたのだった。
「……そーいや、俺今回出番無かったな……」
***
さて、問題はこのロックであるが----------
「でええええい!!」
出番が無いのを憂いたボマーが、スカイスキン捨て身タックルによって、一瞬で破壊してしまった。
恐らく、これによってロックは解除されたはず(希望的観測)
「んじゃ、帰るか。用も終わったしな」
「そうね」
はぁー、とムゥは疲れたような溜息をつく。
「少し、安心したら暑くなっちゃいました」
「そーいや、このエリアだけ冷気が流れて来ていねーしな」
「……ちょっと、脱ぎますね」
「え、ちょ、おま」
分厚いファーコートを着ていた彼女はそれを脱ぎ捨てる。ボマーとフレイの戸惑いも無視して。
彼女が下に着ていたのは、黒いシャツだった。
しかし、問題はそこではない。
つい、ボマーもフレイも彼女の胸に目が行ってしまったのである。
「それじゃあ、行きましょうか」
しかし、ボマーとフレイは真っ先にその感想を小声で述べた。
「……でっけぇ」
「……特性:厚い脂肪ってそういうことだったのね……って、どこ見てるのよあんたは!!」
「てめーも人のこと言えねぇだろうが!!」
何も分かっていないのか、頭にクエスチョンマークを浮かべている彼女だが、はっきり言って胸がチャモ並みに大きいのである。
しかも、あれより小柄だから余計際立って見えた。
成る程、脂肪は全て胸部装甲に行っていたのか。納得-----------
「できるかぁぁぁ!! あたしは!? あたしは!?」
「ちょっと待て、俺に言われても……」
「負けた!! 色んな意味で負けた!!」
「そうだな、まな板」
「死ねっ!! このバカマンダ!!」
フレイを一先ず押さえ、ボマーはムゥに問うた。
「それじゃあよ、ムゥ。静炎邸にしばらく居させて貰えば良い」
「こいつぅぅぅ!! 誰が、誰がまな板よぉぉぉ!! つーか、何で勝手に決めてんのよ!! あそこはゴースト限定よぉぉぉ!!」
「……あ、はい。分かりました」
「それじゃあ、行くか。あそこも住民がいっぱい入院した所為で寂しくなってるからな---------」
と、言ったところでボマーはある事に気付いた。
「待てよ……アクア達はどうなった?」
「……そういえば、攻略し次第向こうから連絡入れるって話だったわね」
「そうだな。ちょっと心配だが……とりあえず、外行くか」
***
多くのポケモンが、やってきたラッキーの手当てを受けていた。ユキキングも例外ではない。
「成る程、お前さんたちがやってくれたか」
大きな白い髭を蓄えた巨漢の老人、ユキキングは貫禄たっぷりに言った。
ボマーは茶化すように「親父、ちったぁ休めよ? あんたは頑張りすぎるんだからよ」と返すが、
「何、こんな傷はすぐに治るさ」
と豪快に笑い飛ばされた。
「おじちゃんっ!」
ムゥが駆け寄ってくる。
「お前も戦ってくれたんだな」
「ごめんなさい、おじちゃん。おじちゃんが戦ってるときに何も出来なくて……」
「何、良いさ。お前はその後勇敢に戦ってくれたんだから」
彼はボマー達に向き直ると、言った。
「頼む。もう、お前さん達しか望みはないのだ」
「へへんっ、任せな! 超弩級エースの俺様がどんな奴でも一発で沈めてやるぜ!」
「そして---------ムゥ」
ユキキングはムゥの頭をくしゃりと撫でる。
「勇気とは何かを教えて貰いなさい。この戦いを通して」
「……はい!」
ボマーは一件落着と言わんばかりに空を仰いだ。
しかしまぁ、やはりというべきか----------
「……コートを脱いだ途端に……なぁ」
そして、持っていたタブレットでアクア達に連絡を入れようとする。
しかし。
「圏外?」
「え?」
「何か、繋がらねぇ」
嫌な予感がする。根拠がある訳ではないが-----------
***
----------来タカ。
何度歩いても繰り返される同じ光景。
チャモとアクアは好い加減、歩き疲れていた。
「どうなっているんでしょうか……」
「うーん、ちょっとこれって……道に迷ったっぽい?」
「迷いましたね。ですが、レーダーの反応は間違っていないはずです」
次の瞬間だった。
「きゃあああ!?」
チャモの悲鳴が後ろで聞こえ、アクアはすかさず振り向く。
そこには、何本もの触手に絡められた彼女の姿が-----------!!
-----------消シテクレル……!!
- 本日の後語り2 ( No.20 )
- 日時: 2015/02/23 20:05
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
どーも、今回の後語り担当のフレイよ。全く、何でボマーの奴あたしに押し付けるのよ……。
ま、良いわ。とりえあず今回の対戦は、少々ひやひやしたところはあったわね。もし、フーディンがシャドーボールを持っていたら、あたしはやられていたわ。
それに、あのレッカコンボも使い方次第じゃかなりやばかったかもね。相手の謎行動に助けられたところはあるし。ま、あのフーディンじゃあね。前回のマンダより、一段階上の存在・上級種って奴かしら。でも、あたしからしたら、こいつの方が下級種なのよね……。
それと、何だかんだでプレミは無かったから良かったわ。
さて、ボマーは前回と型が全く同じだから省くわ。というわけで、ムゥちゃんから。
ムゥ:マンムー♀:陽気:厚い脂肪:AS252 H4
持ち物:気合の襷
技:氷柱針、氷の礫、地震、ステルスロック
マンムーが刺さっていない環境は、ガブやマンダが消滅でもしない限りは有り得ない。それだけ、高い役割遂行能力を持っているの。何より、先制技と連続技という襷・頑丈キラーを2つも持っているから、使いやすいことこの上ないってマスターは言っていたわ。それに、今まで苦手だったボルトロスも化身だろうが霊獣だろうが、問答無用で潰せるようになったしね。サンダーも同じだわ。
特性の厚い脂肪が生きる場面も多いわね。……しかし擬人化体のどこに、その要素があるのかって思ってたけど、まさかあんなに大きいとは……。
次はあたしよ。
フレイ:シャンデラ♀:控えめ:すり抜け:CS252 D4
持ち物:ラムの実
技:大文字、シャドーボール、エナジーボール、身代わり
マスターはシャンデラの種族値を見て驚いたのが、特攻と耐久って言っていたけどビンゴよ。無振りでもBD90の種族値のおかげで、不一致ならば弱点の攻撃を耐える確立は高いわ。そして、この型は害悪対策型なんだけど、ラム身代わりが生きる場面も対戦ではしょっちゅうよ。運ゲームにはさせないんだから!
極めつけは高い特攻ね。等倍でも一撃で持っていくことはざらだし、異常な硬さのクレセリアもシャドボで最悪でも乱数2発にはできるわ。そして特性・すり抜けで、流行のナットレイや、悪戯心がきついエルフーンも楽勝ね! 第六世代から追加された要素だし、シャンデラを使うときは生かして欲しいわね。大文字と火炎放射は好みで。マスターはそいつの自覚次第って言ってたけどね。
さて、今のパーティだけどゲッコウガやマニューラがきつすぎるわ。耐久がないから、ムゥちゃんでごり押せるのがせめてもの救いかしら。ともかく、3匹で今後も戦うのは無謀、次のエリアで新しい仲間を入れないと。
それじゃあね。また次回もよろしく。ばいばーい。
- パート3:湖の決闘(1) ( No.21 )
- 日時: 2015/05/05 15:37
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
「----------チャモさんっ!!」
「きゃああああ!!」
まずい。このままでは、この小説の対象年齢が上がってしまう。
しかし、アクアはこの光景になんとなーく覚えがあった。
「……待てよ、こいつ見覚えが」
触手の伸びている根元を見た。
不自然に動く背丈の高い草むら。何かが隠れているのが見え見えである。
そして、そこに容赦なくアクアは拳を打ち込んだ。
【アクアの冷凍パンチ!! 効果は抜群だ!!】
「ぎゃす!!」
触手がチャモの身体から離れる。そして、アクアは手応えのした”何か”をこちらに引っ張り、ようやくその姿を白昼に晒した。
「レイドさん……また、あんたですか」
レイドとアクアが呼んだ、いわつぼポケモン・ユレイドル。原型の姿はうみゆりのような生命体、といった感じでそこはかとなく不気味だ。
そんでもって、このレイドはBOHでアクア達とともに戦ったメンバーの1人である。
「い、いや、悪かったってー、でも挨拶代わり、にね?」
「挨拶代わりじゃねーんですよ、ファッキン触手野郎。あんたの身体から生えてるモン全部もぐぞコラ」
原型から、擬人化体に戻ったレイド。その姿はマフラーを巻いた14歳程の子供、といったものだった。しかし、そのマフラー、うねうねと動いているのがかなり気味が悪い。
「ううう……れーくん、やめてよ本当……」
身体を擦り、恐る恐るレイドに近づくチャモ。心なしか、涙目になっていた。
「だってさぁー、ユレイドルといえば触手プレ」
【アクアの馬鹿力!! 効果は抜群だ!!】
言おうとした顔面に、アクアの拳が再びめり込んだ。
「今なんつった、てめぇ。前に調子乗って、相手のメガクチートにまで纏わり付いた挙句、気合パンチで木っ端微塵になった悲劇を繰り返してやりましょうか、変態ユレイドル」
「大丈夫、僕は自己再生持ってるからー」
「その試合は結局あんたの所為で負けましたよね、覚えてねぇとは言わせませんよ、ファッキン触手野郎」
「いやいや、お前がメガクチートの身代わり壊さなかったのもあるだろー?」
「九割九分九厘、あんたの所為でしょうがぁぁぁぁ!!」
と怒鳴り、再びアクアは冷凍パンチを打ち込んだのだった。
***
「草タイプとはいえど、水辺が好きな貴方が何故此処に住んでるんですか」
「いや、さ」
話すと長くなるが、このレイドは元々ボマー達と一緒に、BOHメンバーを探しに行ったときに、あるエリアの岩場で発見した化石を復元した結果生まれたポケモン(という名の古代の負の遺産)である。
BOHが終わった後、レイドがどこに行ったのかは知らなかった。
「この中部緑地は、中央に湖があるんだー。その湖は水底から温帯水域に繋がってるから、塩分があるわけ。つまり、俺の好みってことよ。ま、家は湖の近くに借家を借りたけどなー」
---------本当は、可愛い草タイプの女の子目当てだけどね、うへへ。
というのは敢えて言わないことにしたレイドだった。
「で、それが何でこんな鬱蒼とした森の中にいたんですか」
「その湖にさー、昨日変なのが降ってきてよ。それ以来、誰もその湖に入れなくなっちまってな。バリアっぽいのが貼られてよー。残念だぜー、折角あそこは水浴びする女の子でいっぱ」
『アクアの冷凍腹パンチ!! 効果は抜群だ!!』
「おえ、ごふっ、げっふ」
「顔面殴るのは流石に気が引けてきたので、腹(そこ)で許してあげますよ」
「気が引けてきたぁー? だから腹パンー? おげえええ」
「というか、あんたのやってる事全部に対して僕はドン引きしてるんですがね。さあ、行きましょう、チャモさん。そもそも僕が来たのは、こんな奴をパーティに迎えに来たからじゃないんですよ」
アクアの頭に1つの影がよぎる。
信じられない程速く、そして強い。
ボマーと同様に、龍の魂を心に宿した男だった。
「草タイプは、僕が一番嫌いなタイプですが、その中で僕が唯一好きな種族、それがジュカインです。何故ならば、ジュカインという種族だけで2人も尊敬する人がいますから」
1人は、このサーバーのポケモンではありませんが、とアクアは続けた。
「しかし、もう1人はこのサーバーのポケモンで、しかも龍の魂を宿しています。それも、屈強でボマーさんに引けを取らない」
そう、アクアの本命は間違いなく彼だ。つまり、メガシンカの力を持つのだ。
彼を仲間にすれば、今後の戦いも有利に進めることが出来るだろう。故に、敵から狙われる可能性もあるのだが。
しかし、そんなアクアの淡い希望はすぐに壊された。
「あっ、そうそう俺もさっきので逃げてきたんだけどよー、ついでにこの辺妨害電波っぽいのが流れてて、この電子地図がバカになっちまって道に迷っちゃったんだー、参ったね」
ピシッ、とアクアの顔にひびが入った。
目的地に着けない理由は数秒で分かった。
レーダーがその妨害電波とやらでダメになってしまって当てにならないからだ。
「うあああ! 何で僕の考えは、いっつもかっつも挫かれるんだぁぁぁぁ!! 折角発明した、高性能レーダーがぁぁぁ、これじゃあ唯のガラクタじゃないかぁぁぁ!!」
「落ち着いて、あっくん!!」
「何で、何で、何でですかぁぁぁ!! 僕らはずっと、バカになったレーダーを頼りに歩いていたんですかぁぁぁ!!」
『アクアの冷凍パンチ!! 効果は抜群だ!!』
「えぶしっ! 俺は、悪くないのに……」
***
「おのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれ」
カタカタカタ、とノートパソコンを打ち鳴らし、レーダーを改造するアクア。このエリア全域の妨害電波に負けないものを作ろうとしてるのだ。
「れーくんは、そういえば何で逃げてきたんだっけ」
「そういや、それを言うのを忘れてたー。あの光が降って来た後、変な影が出現してだな、変な弾を撃ちだしたんだー。皆驚いて逃げ出しちまったよー」
「黒い影、ですか」
ふむ、とアクアは呟く。
やはり、昨日のボーマンダの影と、あの光は関連があると断定して良いのだろう。
「よし、出来ました。もう夕方の4時ですが、とっとと行くとしますか------------」
***
----------フフフ、コレデモ尚来ルツモリカ……面白イ、相手ニナロウ……!!
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