【三次元】運命の人が男と女とは限らない【ナマモノ注意!!】
作者/ 枝豆豆腐

〝弱気の俺は今日…………〟-1- 視点 設楽
最近は絶好調である。
一週間前、俺は有吉に告白をした。
そしたら見事に成功。恋人同士としてのスタートもきったしね(笑)
よく有吉は世間的に性格が悪いと言われている。
でも、俺からしたら全然性格は悪くないと思うのだ。
ただ極端に人見知りなだけで友達が出来ないだけだし、そして
俺が有吉にベタ惚れしてるせいで、盲目になっているというのも
一理ある(笑)
悪いところも、全部可愛く見えてしょうがない。
そんな有吉は俺のことを大好きだったこともありの告白成功だったり。
つまり………結論を言うと
相思相愛ということだ。
なのに………有吉の態度は昔と変わらず。
「有吉~~~~~」
「なんですか」
「手繋ごう」
「嫌です。みっともない」
「冷てぇなぁ、彼氏なのによぉ」
「とりあえず……歩きながら俺にかまうのやめて下さい」
歩きながら、俺は有吉の背後に回ると
ぎゅっと抱きしめてやった。
そして一言
「好きだ、好きだよ有吉」
本気の甘い声で言ってやった。
すると、有吉は驚いた顔をしている。
可愛いなぁなんて思ったときには、頭を殴られた………(痛)
「……邪魔だ!!」
「ごめん、ごめん。」
くるっとそっぽを向いたと思えば
後ろから見ても分かるぐらい、顔を真っ赤にして
もう耳まで真っ赤にしちゃってさぁ
ほんと 人見知りというーか 恥ずかしがり屋だな。
「照れるなよ」
「うるせぇ!!照れてるにきまってるでしょ」
「おぉ、認めちゃうのね」
「うっ…………あんたが居ると待ちが辛いですよ」
「あぁそう?俺は楽しいけど」
わざと、有吉にくっつく。
離れろと言いながら歩く有吉。いじめるのって楽しいなぁ
このまま時が過ぎればいいのにぃなんて考えながら
じゃれていると、前から一人誰か来る。関係ないと無視していたら
グーで顔を殴られた。吹っ飛ぶ俺、キレイに有吉から剥がれた。
また床に倒れ、殴られた頬を触る。
いってぇ……ど真ん中じゃなくてよかったわ
目の前を向けば
有吉が笑顔で俺を殴った張本人と話している。
「久しぶりです。土田さん!!」
「おう、有吉」
………土田さんだとぉぉぉぉぉぉ!!!!!
「そういえば、俺の番組のゲストでしたね」
「覚えててくれたの?」
「はい。当たり前じゃないですか」
「超嬉しいよ。ありがとうな」
すると、土田さんは有吉を抱きしめた。
俺は唖然としていることしか出来なかった。うん、そりゃそう
「ちょ……何してるんですか……!!」
「いいだろ。たまには」
「恥ずかしいですって………」
有吉を抱きしめながら、土田さんは無表情で
俺に向けて中指を立てていたのだ。
その時俺は気付く あぁそうか………敵が居たんだと。
「ちょっと、痛いじゃないですか」
「………………なにこれ?」
ぶちっ。
何かがキレた音がする。ここ最近キレたことがなかったから
物凄い大きな音でした。なにこれだとぉぉぉ!!と叫びたくなったが
一応先輩なのでここは抑えた。
「設楽さんは僕と一緒の番組にレギュラーなんっす」
「へぇー………有吉をよろしくな、設楽?」
「…………………………」
ウソくさい笑顔で土田さんは言う
俺は不機嫌な顔になりつつ、無言の抵抗をしていた。
ピシャーッ。空気が一気に張り詰める
雷も落ちてきそうで、お互いの背後には黒いオーラが踊り
火花も散っている感じである。
ただ何気に鈍感な有吉は 何も感じていない。
「………あ、そうだ。ちょっと有吉は楽屋に戻っててくれない?」
「えっ?」
「設楽に大事な話があるんだ、二人っきりで」
あぁ、そうっすか。と有吉が納得すると
少し疑問を浮かべながら、有吉は自分の楽屋に帰っていった。
するとだんだんと土田さんの顔が不機嫌(いつもの)顔に戻っていく
「…………有吉とはどこまでの関係?」
遠くなっていく有吉の背中を見ながら、土田さんは言った。
「まだ友達ですよ、友達」
「………ふーん。ってことは有吉の片思いか」
土田さんは俺がついた嘘に気付いていない。
意外と疑ったりしないんだ。
もう有吉と俺は一夜を共にした恋人同士なのに
「なら、顔を殴ったことを謝る」
「いいえ。俺は有吉好きっすよ。でも俺の顔を殴ったことは謝って」
呆気に取られた様な表情を浮かべる土田さん
でも、すぐに普通に戻ってしまう。つまんないのーー!
「そうか………だとしたら、お前に告ぐ」
なんだろう?
暢気に考えてた過去が懐かしい。
「………設楽。お前はアイツを幸せにすることは出来ない」
「…………………はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
テレビ局が激震するような雄叫びをした。
だけど土田さんはポーカーフェイス。
どうやったらそんな顔が出来るのか不思議でしょーがない
憧れてしまうよ。逆にね
「理由もなしにそんなこと言わないで下さい………!!」
「あるよ。無限に」
「だって有吉も俺のこと好きなんでしょ?」
「俺はお前以外の独身者だったら別になんとも思わない」
「え?」
「………俺は有吉のためを思って、お前と有吉の交際を許さない」
あぁ、知ってたんですか?
とぼけた様に尋ねれば、土田さんはあるお話をし始めた。
「……………あれは一昨日で、竜兵会があった時だ」
※視点 つっちー
特に何もなく、変わった日でもない。
収録が終わったあと俺は竜さんに飲みに誘われたから
いつもの焼肉屋に集まっていた。いつものメンバーの顔ぶれに
少しだけ久しぶりだなぁと思いつつ、有吉の隣に座った。
人見知りでプライベートはあまり話さない有吉でも
ここでは元気に明るく、楽しんでいる。
そんな有吉を見て俺は………少しだけ可愛い奴だと思ってしまう。
だから有吉がうるさくても 別に嫌ではない。
嫌だったら隣になんて座る訳ねぇじゃん。
煙草を咥えながら、のんびりと有吉を見てみる。
今日も柄にもなく騒いでいた。でも無理はしてないみたい
あれ?
なーんか有吉から他人の香水の匂いがするなぁ
そう思ってなんとなーく、ほんの少しだけ服の隙間から
チラッと鎖骨が見えたと思ったら
そこには紅いキスマークの痕
俺の頭の回転は一時故障した。

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