【三次元】運命の人が男と女とは限らない【ナマモノ注意!!】

作者/ 枝豆豆腐

〝弱気の俺は今日…………〟-4-  視点 設楽


部屋に閉じ込められて、何分経った?

まだ人の気配がしない。早く救出に来てくれ
………有吉に来てほしいなぁ~~~~~!!
でもさぁ、最後に土田さんが言ったことは嘘なのかな?

いや………まさかな。。。

だって有吉だって俺のこと好きなんだよ!!
それでウザいって愚痴るのおかしくないか?
あれは土田さんのハッタリだ。俺のことを弱気にさせるためのね
…………だけど。有吉さぁ

付き合い始めても態度は冷たいままだし
名前で呼ぶのとかやめろって言うし、不機嫌だし。
時々思うのだ。アイツは本当に俺のこと好きなのかって………。

ほら、あれみたいなものだ。

付き合うまでは好きだったけど
告白して、付き合い始めたら………そいつの本性を知って
マリッジブルーみたいな。

…………そうかぁ。

有吉、俺のこと嫌いなのかぁ

特に何もないけど。嫌われてたんだ
すげぇショックだよ。この感じだと土田さんが救出しにくるな。
体育座りをしながら、ブルーになっていると

ガチャと鍵が開く音が部屋に響く。

どーせ土田さんかぁと思っていたら

ドアが開いて

そこには今まで追い求めていた 女神の姿が。

「……はぁ……はぁ………設楽さん」
「…………有吉?」

来る訳がないと思っていたのに

「なに呆然としてるんすか。ほら行きましょう」

座っている俺に有吉が手を差し伸べる。
その手を掴み、立ち上がった。

「………来ないと思ってた」

感動で今でも涙が出そうだ。。。。

「………来るに決まってるでしょ。馬鹿じゃんか………………



ボソっ



………好きなんだからさぁ///」



ちゃんと聞かないと分からない呟きで有吉は言った。
そして、すぐにそっぽを向くと

「俺は仕事のことを考えて出した結論ですから。期待すんな」

憎まれ口100%で言った。でも物凄く嬉しかった
有吉がこうやって俺に接するのは………キャラじゃないのもあるけど
恥ずかしいとかそういうのもあるが

一番は俺のことを愛してるからだとね。初めて知った

「有吉。後ろから抱きしめて泣いてもいい?」
「ダメです。みっともない」
「お願い………もう…………涙が……」

すると、小声でいいですよと聞こえた。

「…………有吉~~~(泣)」
「勘違いしないで下さい。お前の泣き顔が汚いからだ」

………とか言って、顔を真っ赤にしてたのは言うまでもない



数日後。
また仕事で土田さんに会った。

「先日はよくもあんなことを………」
「いいじゃん。有吉が来たんだからさ」

結局結果オーライじゃん。なんて涼しい顔で言いやがって

「でも、土田さんなら嫌でも渡さないと思ってましたよwwww」
「………なんか。有吉が凄く大きく見えてな」

へぇーなんて相槌を打ちつつ、土田さんの顔は
いつもと違って儚げな顔をしていた。遠くを見据えているような

「………で、結局土田さんは有吉のこと好きなんですか?」

そう質問すると、いきなり顔をカーッと赤くして
言葉を詰まらせたと思えばすぐに反論してきたけど
いつものポーカーフェイスは台無しになっていた。面白い意味で(笑)

「違うっ………俺は有吉の笑顔がただ好きなだけで……」
「土田さん、それって有吉のこと大好きでしょ?」

違う!!!と否定する土田さんに俺はこう言った。

「知ってます、土田さん?
人の幸せを願うのと人を好きになるのって紙一重なんですよ」

………決まった。と思った瞬間



また顔を殴られた




                         end