【三次元】運命の人が男と女とは限らない【ナマモノ注意!!】

作者/ 枝豆豆腐

〝自信家でドSな彼がいるんだが、彼は本当は頑張り屋かもしれない〟-2-    視点 小林


「熱っっっっっっっ!!」
「お前なにしてんだよ(笑)」
「なに笑ってんだよ!!!!」

マジでキレると、そんなに怒らなくても(笑)とまた笑われた。

………この人は自分が何を言ってるのか分からないのか?
俺にお姫様役やらないかとオファーしてんだぞ?
この時点でおかしいだろ!!
……えっ?なんでそんな普通の顔でいられるの?
当たり前だろと、今にも言いそうな顔してんの?

「……………なんで俺?」
「気分で」

何言っちゃってるの?
そういうのって演出家とかが決めることなんじゃないの?
設楽のそのテキトーな気分で決めていいことなの!?

「そもそも、だってもう決まってるんじゃないの?」
「他の役とかは決まってんだけど、お姫様だけ決まってないらしい」
「なんで?」
「なんか、俺と雰囲気が会う人じゃないとダメだって」
「ほぉ。悪戦苦闘してる訳だ」
「そうそう。で、なかなか決まらないから。俺がね…………」

『だったらもう男でいいんじゃないですか?
俺の知り合いのラーメンズの小林賢太郎でいいんじゃないっすか?』

「………って俺が言ったの。そしたらみんなが賛成してくれて」
「へぇ設楽、ナイスアイディアじゃん………って言うわけないだろ!!」
「なんだようるせぇな」

なんでコイツは俺に相談なしで推薦して、尚且つ採用されてんの!?
しかも採用した演出家とスタッフの皆さん………バカでしょ!!
自分でこういうこと言いたくないけど、俺女装とか似合わない顔だよ!!
身長もデカいしさぁ……………。。。

「………俺ぶっちゃけ。女装とかしたことないし、背デカいし。
とてもじゃないけど女性にみえないよ」

けど、設楽のお姫様になるのは嫌ではない。
なーんて思ってたりする。
すると設楽はいつもとは違う真剣な顔でこっちを見た。
急に両肩を掴まれる、そして設楽が顔を近づけてきている。
ドキドキが鳴り響き続けもう顔は真っ赤。目が泳いでいることが分かる

…………キスされる?

じぃーと設楽が俺の顔を見ると、両肩を離して、
ソファに戻っていった。

「………なんだよ?」
「いや、別に。肌がツヤツヤだから太ったのかな~~~って」
「なっ!!!!…………」

マジか!!!!
確かに最近、食べすぎたかぁと考えることはあったけけど
もう外側に出てきていることは知らなかった。。。

「なんでそういうことを………(怒)」
「嘘だよ、嘘(笑)。まぁとりあえずさぁ…………お前肌キレイだし、
目とかも二重でパッチリしてるし、女ぐらい白いし。
背なんかヒール履いてる設定にすれば問題はないっしょ」

うっ…………なんか説得されそうだ。
どうして設楽は、こうも正論じゃないことを正論で言えるのだろうか?

「それに、お前…………女より可愛いから、イケるよ」

いつものズルい笑顔で言われたら、断れないことを
設楽は知っていたのかもしれない。
案の定俺はその笑顔にやられてしまい、とうとう

「………………いいよ。今回だけだからな」

あっさりとOKしてしまった。

少しだけ不安。正直言うとスゲー不安。
そんな空気を読み取ったのか、設楽が溜め息を吐いた。

「大丈夫。俺も小林のことサポートするから」
「えっ?いいのか…………なら、安心だ」
「ああそう。なに?頼ってくれてんの?」
「………頼ってるよ。本物の王子様みたいな設楽に」

なんとなーく甘えてみたつもり。
こう見えても今実は、苦手を克服しょうとしてみた。
やはり苦手だけど好きに変わりはなかったから。

「…………お前、彼氏とかいないの?」
「………………………………はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「いや、だって小林俺にはそういうんじゃないじゃん?
いきなりそういうこと言われると…………えっ?もしかしてお前
………俺のこと好きなの??」
「………………好きじゃないわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

あーーーー!!恥ずかしい!!!!
こうなるんなら言わなきゃよかったよ!!!
俺やっぱ設楽苦手ぇ、俺コイツ苦手ぇ!!!!!

「なんだよ…………俺は結構お前のこと好k「言わないでぇぇぇぇ!!」

何故ここで告白しょうとしてんの?
ありえないから!!
思わず平手ビンタをしてしまった。した瞬間反省しました。
いたっ!!と言いながら倒れる設楽、起き上がった頃には俺の手形の跡が
ちゃんとついていた。

「いてーよ」
「………………ごめん」
「ちょ、マジ、あれだわ………」
「どうすればいい?」

分からなくなって聞いてみた、するときょとんとした顔をする設楽。
質問されると思ってもみなかったんだろう。

「…………じゃあ、俺を惚れさせてみて」
「へっ?」
「それだけでーす。それでは俺は自宅に帰ります」

設楽はソファから立ち上がると、上着を着て荷物を持った。
怒らせてしまったのだろうか?
嫌われてしまったのだろうか?
やばい。悲しくなってきた…………もう、俺……。。。

部屋のドアを開けて、部屋を出る前に設楽はこちらを向いた。

「まぁ、もう俺は小林に惚れてるけど♪」

そう言い残して、部屋を出て行った。

そのままボケーっとしたあと、なんか恥ずかしくなって
ベッドにダイブした。そしてうつ伏せのまま枕に顔をうめて
女の子みたいに唸っていた。


嗚呼 やはり 苦手な人である。










次の日、舞台の稽古に行った。