【三次元】運命の人が男と女とは限らない【ナマモノ注意!!】
作者/ 枝豆豆腐

視点 綾部 -2-
一週間も経った。
でも、何も変わらずにいる。
「綾部~~~、お前俺の代わりにこの打ち上げ行ってくれ
お前こういうの得意なんだろ?太鼓持ちってやつ?」
「……………………………………。」
こんなの、ただの雑用の仕事だ…………。
「綾部。俺はお前のこと愛してるからさぁ~」
………違う。
「こんなの…………」
愛してるって言わない!!!!
畳でうつ伏せになって寝ている有吉さんを、
力を入れて仰向けにすると、上に乗っかって手首を掴んで固定した。
さすがの有吉さんも動けなくなる。
「おいっ………なにしてんだよ……!!」
「有吉さんは俺が年下だからってからかってるんですか?」
「………っ…………降りろよ、綾部」
「確かにまだ子供かもしれませんけど、本気なんですよ俺は」
「……………違うって」
「はぐらかさないで、ちゃんと俺と向き合って下さい」
ただもう一回伝えたかった。
「………………………俺は……俺は……
…芸歴の差とかでフラれるのが世界で一番不幸です!!!!」
貴方は嫌いだろう。
芸歴も年齢も浅い俺が大嫌いだろう。
でもそんなことで、フラれたくもないし
七番目というのを背負いたくも無い
「貴方の一番の愛人になりたいんです!!!!!!!!」
気付けば泣いていた。
こんなにもびっくりした有吉さんの顔を見たのは初めてだった。
有吉さんの顔に自分の涙が落ちる。
俺はそれを何気ない顔でペロッと舐めてみる。
そしてニッコリと笑った。
「………いい加減に降りろ!!!!!」
強力な力で背中を蹴られました(泣)
「いたたたたた………痛いじゃないですか……」
「うるせー、生意気な態度とりやがって……しかも一番の愛人って…」
「えっ?なにか?」
「なに?お前天然なの?………ここはお前、一番の恋人だろ?」
有吉さんは耳まで真っ赤にして応えた。
本当にこの人は可愛い先輩である。
だから、思わず後ろから抱きしめてしまった。
「おわっ………!!てめぇなにしてんだよ!!!!」
「あっすみません。ついつい」
「ついついってなぁテメェ………あっそうだ」
突然、有吉さんの携帯に電話が来た。
先ほどの打ち上げの話だろう。
「………はい、もしもし。マネージャー?
俺、今日の打ち上げパスするわ。ちょっと用事が出来てな……うん
…………サボりじゃねーよ。今から恋人とデートなんだよ、じゃーな」
乱暴に電話を切った。
嬉しすぎて十分な理由ですよ有吉さ~~~ん!!
「……………チューしていいですか?」
「何故そうなる。単細胞かお前」
「単細胞でもかまいませんせん。だからチューして下さい」
「…………………一つ言い忘れたことがある」
「なんですか?」
「実は………………愛人とかいないから」
「そんなこと、ずっと前から知ってまーす」
今更なことを言う有吉さんに
噛みつくようなキスをしてあげた。
「ちょ……あやっ…」
自らの舌を有吉さんの口の中に滑り込ませる。
「んん…」
有吉さんの息が荒くなる。と、
同時に顔を赤らめ、眉の間に皺を寄せる。
それでも俺はグイグイと舌を入れる。
「…っはあっ………」
有吉さんは観念したのか、
口を開けて俺の舌へと絡める。
「んん…っ…あっ…は…」
「ん…」
静かな楽屋に、いやらしい音が響き渡る。
この場に誰か着たらどーしよ?
でも、今はそんなことはどーでもいい。
「ん…」
舌と舌をつなぐ糸が光る。
二人して息が荒い。
「……はぁ…はぁ………」
「…………もう、一つ…ステージ上がってみます?」
「おう、やっちゃえやっちゃえ(笑)」
………………設楽さん!?
「!!………なにしてるんですか!!!!!!!」
「い゛っ…………有吉さん俺の舌噛んだ……!!」
「ごめん、綾部!!」
「騒がしい二人だな(笑)
俺はただもう少しで収録だから呼んだだけなのに」
「あんたノンストップでしょうが!!」
「俺ら関係ないでしょ!」
くくっと笑いながら
設楽さんは楽屋を出て行った。
「…ったく、ドSの鬼」
「あの人はホントもう…」
end

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