【三次元】運命の人が男と女とは限らない【ナマモノ注意!!】
作者/ 枝豆豆腐

〝認めたくないですが、あなたが好きです〟-2- 視点有吉
いつからか俺は
設楽さんに常日頃愛されたいと思っている。
嫉妬もされたいし、なんなら束縛もしてほしい(こう見えてもM)
もう俺以外見えないでほしい。他の蜜を吸いにいかないで
純愛でもいい
二番目の愛人みたいな、不倫関係でもいい
俺だけに釘付けになって。縛って、殴って、傷つけて、
設楽さんだったら その全てが特別な証になる。
………そんな覚悟があっても
どーにも愛そうと出来ない。告白が出来ない。
元々人間嫌いだし、あんまり人に愛されてこなかった俺が
人のことを愛せる訳がないけど、愛されたい。
矛盾の中を繰り返し彷徨って
見つけた答えは
怖い。傷つきたくない。
なのに素っ気無い態度をとって、いずれにしよ無くなってしまう。
しかも今回は特殊な感じだ。失敗は絶対に許されない
男だし、同業者だし、設楽さんだし。
長年の付き合いだから分かることは一通りある。
まず設楽さんはそういうことを知ると多分、避けるようになる。
そして挨拶しても本気の笑顔で接してくれなくなる。
そこから、無視や軽蔑。
もしかしたら噂を撒き散らすかもしれない。
でも正直のところ、そこら辺はどーでもいい。
一番は
有吉ってそーいう奴なんだぁと思われること。。。。
勘違いすんなって言われることがどれだけ恐怖か…………。
「――――有吉!!」
「………はい、うわっ!!!!なんすか!!!!」
突然目の前に猫がどーんと現れた。
一体どこから連れてきたんだよ…………!!
「驚いてやんの」
「どこから持ってきたんですか?」
「知らない。なんか足元に違和感あるなと思ったら居たんだ」
「それってダメでしょ。なんし………て……」
文句を言ってやろうと思ったら、設楽さんは笑顔で猫と戯れていた。
両手で抱っこしながら、たかいたかーいと言っている。
ぶにゃーと猫が鳴いた。するとよしよしと言いながら撫でている。
「可愛いなぁお前は、なんか他の猫と違って人間味があるな」
「…………なんだそれ。
つーか、38のおっさんが猫可愛がっても可愛くないですよ」
実際のところ嘘をついた。物凄く可愛いです。
ギャップが凄い、ギャップが。
「しょーがねぇじゃん。猫大好きなんだもん」
「俺は猫嫌いっす。感情ないし、懐いてるのか分からないし、
自分勝手だし、犬の方が素直で可愛いですよ」
まるで自分の生まれ変わりをみてるみたいで、嫌すぎる。
「そりゃ犬と比べたら、捻くれてるから分からないよ。
でも猫はどんな犬よりも絶対に飼い主のことを想ってくれてんだよ。
………………言わばツンデレみたいな。
たまに甘えてくれるとこもね、可愛いじゃん」
………これって褒められてるのかな?
なんか自分に置き換えて話を聞いてしまったみたいだ。
犬=太鼓持ち芸人
猫=俺
ぶわっと顔が熱くなる。
なにこれ………なんなんだこれ………!!
「そそそっそうですか?」
「うん。しかも猫ってさぁ……………………――――」
「有吉みたいで、可愛いじゃん。だから好きなんだよ」
えっ?
一気に顔が真っ赤になる。
今この人はなんて言ったんだ?
猫は有吉に似てるから可愛くて、大好きなんだって……………?
…………えぇ!!!!!!!!!!!!!!
まさかの告白か!?
「どうしたの?顔真っ赤だけど」
「いいいいや、べべっ別に、何でもないですっっっっ」
退席しょうとした。が、設楽さんに腕を引っ張られ強制的に座る。
「ふーん。有吉って照れるとこうなるんだ」
「…………トイレに行かせてください!!」
「ダメだよ。その顔は俺だけが見る特権なの」
何を言ってるんだこの変人は!!!!!
「からかってるなら、ホントに止めて下さい!!!!!!!!」
「えっ?からかってないよ、マジなんだけど」
設楽さんの真面目な声でクールダウンした。
するとスタッフの方々が来て、猫を見つけると安堵の表情を浮かべて
近寄ってきた。
どうやらスタジオから逃げて別のスタジオの俺らがいるたまり場に
来てしまったらしい。
猫を受け取ったスタッフは
ありがとうございましたとお礼を言いながら、出て行った。
本題はここからである。
「…………設楽さん」
「…………なに?」
「今のって、告白ですか………?」
そう聞くと設楽さんは少しだけ顔を赤らめながら
手で顔を隠した。
「……………………恥ずかしい!!!!!!!」
「へっ?」
「こんなんなら、ストレートに告白すればよかった!!!!!!」
「…………どういう意味ですか?」
「いやね、俺さぁずっとお前のこと大好きで
告白するタイミングを窺ってたんだけどなかなか勇気でなくて」
だからずっと俺をしつこくかまってたのか。
「丁度その時、猫が居たからこれを使ってさりげなく告白しょうと
思ったのに…………伝わってないし……!!」
あぁそうか、設楽さんも俺みたいに考えていたのか。
「俺のこと好きなんですか?」
「好き。大好き。嫉妬したいし、束縛もしたい。
もう俺以外振り向かないでほしい。他の蜜を吸いにいかせない」
俺と同じく想ってくれていた。それだけで嬉しい。
だけど
一つだけ違うのは。
「有吉を大切に、純愛に、愛してあげるから」
初めて言われたな。こんな殺し文句。
「………俺は設楽さんのこと………………大嫌いです。」
そう言って頬にちゅと軽くキスをしてやる。
設楽さんはニヤニヤと笑っていた。
まもなく収録本番でーす
「ねぇ、設楽さん」
「ん?」
「この収録終わったら、散歩デートしませんか?」
「え!?だって有吉寒がりじゃん。夜中なんてもっと寒いよ」
「いいですよ。寒くても帰ったら貴方にあっためてもらうから」
…………バタン!!
設楽さん!?大丈夫ですか!!
鼻血でてるし、直で頭打ったし、おまけにかなり熱が出てます!!
一旦収録中断でーーーす!!!!
『認めたくないですが、あなたが好きです』
何気に純粋なんですね(笑)
end

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