【三次元】運命の人が男と女とは限らない【ナマモノ注意!!】
作者/ 枝豆豆腐

〝認めたくないですが、あなたが好きです〟-1- 視点有吉
最近考えていることがある。
仕事のこともそうだし、将来のこともそうだし
何より一番考えていること、いや悩んでいることがある。
それは
自分らしくなさすぎて 物凄く言いたくない。
好きな人ができた。
ただそれだけなんだけど、こうも悩んでいる。
だってその好きな人は男たがら。
「有吉~~~~!!」
よくその人は俺みたいな奴をかまってくる。
大概の人は人見知り+人間嫌いで不機嫌なフリをしている俺に
近づく人なんていない。先輩でも同期でも、もちろん後輩でも。
だけどコイツは一緒に仕事になると
収録が始まるまでずーーーーっと俺をかまってくる
最初は鬱陶しいと思っていたが
今はなんとも思わなくなった。慣れたんだ、この俺でも
「なんですか」
「相変わらず無愛想な顔してんな。また眉間に皺寄せて」
するとコイツは指で俺の眉間をぎゅーと伸ばした。
痛い痛い!!!と叫ぶと、ふふっとコイツは笑った。子供っぽい笑顔で。
俺は人の笑顔が嫌いだ。
嘘っぽいし、品がないように見えるから
だけどコイツの笑顔は大好きだったりする。理由は特になし。
強いて言えば………俺の大好きなその笑顔の持ち主が
「あれ?今、俺の笑顔に見惚れてた?」
「設楽さんはとことん自分の分析が出来てないですね」
…………設楽さんってだけだ。
「厳しいなぁ。そんなんじゃ彼女できないだろ?」
「こう見えても昔はいました。別れましたけどね」
歴代の彼女たちから言われたフラれ言葉は
『有吉くんは、私が居なくても大丈夫だよ。』だ
原因は分かっている。自覚もしているつもり。
俺はベタベタするのが好きじゃないし
生まれ持っての毒舌のせいで好きだともあまり口に
出して言わない。
でも。そんな自分勝手の俺でも
ちゃんと相手のことを想っていたし
克服しょうとしても、ワザとらしいと言われてしまう
だからなのか
先輩芸人に可愛がられる太鼓持ち芸人が
少しだけ羨ましいし憧れる。
その素直な演技はどこから!?と内面では驚いている
だから俺は先輩たちに誘われない。
可愛がられない。
なのに この人は しつこく俺をかまう。
常々変わっているなぁって感じている。

小説大会受賞作品
スポンサード リンク