【三次元】運命の人が男と女とは限らない【ナマモノ注意!!】

作者/ 枝豆豆腐

〝等身大のラブソング〟-2-   視点 西島


「それでどうするの?」
「やっぱり、直球勝負でしょ?」
「えぇ………それで失敗してるんだけど………」
「何回ぐらい失敗してる?」
「10回くらいかな」

以上あるかもしれないけど………。
素直に答えると、しゅうたはこれはヤバイかも……と呟いた。

「なんで!?」
「だって、何回も告白を失敗してるんだよ?
もしも実ちゃんがにしじのこと好きだったとしても
そこまで逃げてると実ちゃんにだって………辛いものはあると思う」

しゅうたはビシッと言うと、本番だからと言い残し
舞台へと行ってしまった。
結局アドバイスだけしかしてくれなかった………。。。
確かに人に頼ってばかりじゃいけないと自分でも薄々分かっている。

でも一人で好きな人に立ち向かう勇気がなかった。

だけど早く伝えなきゃ、実が僕のこと嫌いになるかもしれない

「………にしじ?」

実の声にビクッとなる。
振り向けばそこには愛らしい姿の相方が居た。

「………………実。どうしたの?」
「………いや、別になんでもない」

そう言うと実は僕と距離を置くように座った。
あぁ………もどかしい!!
こんなにもギスギスした感じだったっけ?

カチッカチッ
時計の針が刻む音だけが響く。

………そういえば、僕が実を好きになったのはいつ頃だろう?
あれは確か去年の夏だった気がする。
晴れた日で一日中暑い日だった。吉本の本社でネタ作ってたっけ
いつもだったら気にならなかったけど、あの時は何故か
肌が物凄く露出している実を見て胸がキュンと鳴った。
コイツ………こんなに可愛い奴なんだって思ったりもした

外を見ながらアイスを食べてる実に

『おい、橘』

なんて声をかけたら

『んっ?』

だるそうな声でクルっと振り向いたときは
もう心臓がはち切れそうなっていた。
昔と比べて僕は橘と呼んでいたのを実と呼ぶくらい
溺愛するようになったのに。。。

たった二文字の言葉を伝えられないのだ

顔もスタイルも凄くタイプだし
実の笑顔は自由だった。そんな実に夢中だった

抑えきれない気持ちが増す
もう我慢できない。

勇気を出して一か八か
飾らない気持ちを持って今




実に伝えたいことがあるんだ。






「…………みっ実!!」
「…………………………なに?」










「ぼっ僕は……………実っことが……………好きです!!!!!!!!!!!」











大きい声で言ってやった。
お陰で顔は真っ赤になっているに違いない。
すると、実が近くにやってきた。そして冷静な顔で言ったのだ。

「お前は俺のことを好きになれない」

意味が分からなかった。

「………ちょっとなんでそうなるの!!!!」
「……………だってお前しゅうたと仲いいじゃん」
「……えっ?」
「俺に何回も告白してくれるけど失敗するしさ
しかもしゅうたと仲いいし、俺のことなんて好きじゃないんでしょ?
お前は昔からそうだ、俺とコンビ組んだのだって
自分を惹きたてる為なんだろ?最初は冷たかったくせに
今更何を言ってnいたっ!!!」

僕は実の両方のほっぺをビンタした。

「………もーーーーーーー!!!!
なんでそういうこと言うのーーーーーーー!!!!!!!」

実に抱きついた。

「……にしじ………………?」
「…………いっ意を……決してっ……こくっはく………したのにっ…
…………どうして、………そ………ういう……こと………言うの(泣)」

えーんえーん泣きながら言った。
自分でも驚くほど泣いた。これだからヘタレだと言われるんだ。
でも、流石にここまで言われると傷つく……。

「…………ごめん。」
「………結局、実が考えていることと
僕が考えていることは違うんだね…………………」

「………………頭の中なんてさ、同じだと思うよ」

へっ?

頭に何個か?マークが浮かぶ。
抱きしめていた実の顔をじっと見る。

「………普段の自分なんて全部消えて浮かれて舞い上がってることが
多分、お前より多いかもしれない。でも
すぐに期待とかはしないように努力していた。だってにしじが
俺みたいな人間を好きになるなんて思ってもみなかったから…………」

実は僕と同じ考えをしていた。二人して互いのことを気にして
本当に………馬鹿だよなぁ……!!

「俺はずっと触れて欲しいなって思ってた………」
「………僕はずっと実に触れたいと思ってた」

なーんだ。そうかそうか
実も僕にベタ惚れだったのかぁ。

「ごめんね、ずっと告白失敗して…………」

謝ると実は笑顔でこう言った。

「お前すげーな。逃げ出さないで告白出来たじゃん、かっこいいよ」

ずきゅん。

「…………ちょ……実さん……僕もう我慢出来ない……」
「へっ?」
「…………………Hしていいっすか?」

ヘタレながらも勇気を出して言ったぞ!!

「………や、やな時は嫌だって言うから………っ
…それ以外は………もうお前の……好き勝手にすればいい……」

甘ったるい声で何を言ってるんだこの人は………!!


「………実そんな……不用意なこと言っちゃダメだよ………」



歯止めがきかなくなるでしょう!!!!




                        end