【三次元】運命の人が男と女とは限らない【ナマモノ注意!!】
作者/ 枝豆豆腐

〝貴方の恋人になりたいのです〟-1- 視点 有吉
昨日送ったメールの返事はやはり
夜が明けた今も来ないままだ
今日は珍しく仕事を休んだ。
マネージャーも驚いていたが
すぐにいいですよと了解してくれた。
部屋で携帯を握り締めながら
ずっとメールの返信を待っている。でも来ない
カーテンの隙間から太陽の日差しが入る
電気がつけていないからそこだけ明るくて、なんか儚い。
「あぁ、送らなければよかったな」
だんだんと悔いだけが募ります。
閉じてある携帯を開いて
送信ボックスに入ってる自分の送ったメールの内容を見てみる。
<突然ですみません。。。
伝えたいことがありました。
実は貴方のことが
ずっと前から大好きなんです!!
もしこのメールを読んだなら返信下さい
お願いします。>
………なんて自分らしくない文章なんだと
改めて感じてしまう。
でも自分の気持ちを伝えるのにこれしか浮かばなかった。
想像もしていなかった。まさか自分があんな人を好きになるなんて
同業者で俺よりもドSで既婚者で………かっこいい奴。
最初の頃は気まぐれだと強制的に考えていた。
これ以上自分の影を深くしたくなかったし
心をボロッボロにしたくもなかった。
だけど 自分の思考に逆らって
自分の意思で告白メールを送った。。。
「……………設楽さん、どうして返信してくんねーの?」
寝ているのかな?
仕事中なのかな?
それとも、無視しているのかな?
不安でしょうがない。
でも何もすることが出来なくて
設楽さんのことをもっとちゃんと知りたいけれど
今よりもっと仲良くなりたいけど
深入りしたら嫌がられそうで、だって嫌だって言ってたから
そう思うとなかなか聞けなくて。
今のままで満足はしいてる。
設楽さんと楽しく話せればいいと
なのに………時々心がぽかっと丸く穴が開いているんだ
孤独。
人見知りの俺はいつも戦っている
でもそろそろ白旗を揚げようと思っていた
設楽さんの恋人になりたい。
その一心な気持ちだけがメールを打ち込み
今に至っている。
「昔なんのバイトしてました?」
「彼女とか何人いました?」
聞きたいことはたくさんあるわ。
夏はあなたと落ち合って
一緒に花火を見たいです。
空にキレイに散っていく花火が大好きです。
厚かましい願いではありますが、貴方の恋人になりたいのです。
《視点 設楽》
降り続いていた雨も上がって
雲間に抜ける青空が見えた。
「おっ、虹だ。」

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