【三次元】運命の人が男と女とは限らない【ナマモノ注意!!】

作者/ 枝豆豆腐

〝今から君に告白します。……終わらない恋になれ〟-1- 視点 根建


「おはよう、根建」

後ろから大好きな人の声が聞こえる。

「おっおはよう、大介くん」

緊張した上擦った声で、尚且つ名前で言ってしまった。
失敗しちゃったと心の中で思っていると
文田はニコッと笑顔で

「なんだよ急に。気持ち悪いな、太一くんは(笑)」

そう言ってくれた。
俺は黙って聞かないフリをしてしまった。
………何してんだろ俺、やっとこっち向いて笑ってくれたのに

文田はなかなか笑わない。
昔からの馴染みだけどアイツの笑顔をまともに見たことがなくて
だって、見惚れてしまうからだ。
アイツの笑顔は俺の気持ちをドキドキさせて
顔を真っ赤にさせて
決して抱いてはいけない感情を弄ぶ。

最近の文田はよく笑うようになった。
何故かは知らない、でも俺はその幸せを日々感じて生きている。
…でも間違ってはいけない。

たとえ俺がホモで文田のことが大好きだとしても

文田は………ホモではない俺について来てくれた訳で、

やっと心を開いてくれた文田に
こんなことがバレて
開きかけたドアを完全に閉ざしてしまうのは……………。

不意に文田を見てみると
他の芸人と盛り上がって話していた。
少しだけヤキモチ焼いている自分が馬鹿馬鹿しくなって
想いが届かない現状にヘコんだりする。。。

お前が褒めてくれたこの髪型
ずっと続けているのに、なんで気付いてくれないかな?

ずっと前から文田のことが好きでした。

未だに伝えていない精一杯の想いを全て伝えたい
でもね、傷つきたくないし
嫌われたくもないし
何より文田に失望されるのが世界で一番苦しいんだよ。

「そろそろ本番だな」
「…そうだね」

一言で会話を終わらせてしまった。

「どした?やけに深刻な顔してますけど」
「別になんでもない………」
「…………分かった!!お前恋してんだろ?」

ドキッと体が揺れた。

「ちっ違うよ」
「そのリアクションは嘘ついてる証拠だ」
「……………………」
「どういう女の子なのよ、その子は?」

文田は無邪気に質問してくる
………目の前に居るんですけど、アナタのことなんですけど。

「………黒髪でショートカットで眼鏡かけてる」
「へぇー」
「身長は俺と同じくらいで、スレンダーなんだよ」
「いいじゃん。可愛い系というより綺麗系か?」
「そうだね」
「クールビューティーかぁ………めっちゃいいじゃんか!」

全部アナタのことなんですけど、文田くん。。。

コイツは笑顔で
恋を応援しているようで
その姿に俺は頼もしいなと思ってまた好きになった。

「で、告白できなくて悩んでんだろ?」
「………うん」
「なるほどねぇ………」

ねぇ、文田。
お前は俺のこと好きでいてくれているのだろうか?
この恋は叶ってくれると文田は信じてくれますか?

もしこの恋の願いが叶ってくれたなら

俺はお前と恋人同士になれるのになぁ………

「…………文田は、告白されるとしたらどう告白されたい?」
「俺だったら………直球ストレートの告白を受けたいな。
ほら、俺自身捻くれてるからさ、そういうのに憧れるんだよなぁ」

誰もいなくなった楽屋。
たった二人きりの俺と文田
この空間に飲み込まれそうになっていく。

今、俺が直球ストレートの告白をしたら
お前はどういう顔をしますか?

それぐらい俺は、長年胸に想いを隠してきた。
絶対に願わないと分かっていても
ただ何かの文田っていう存在だけがあったから想いを捨てれずに

今に至っている。

「………何考えてんの?」
「へっ?」
「お前馬鹿なんだから何も考えんなよ。
馬鹿が考えたって何も変わらずにごちゃごちゃするだけさ」

文田は、俺の胸にトンっと握り締めた手で叩いた。

「ストレートで勝負しやがれ(笑)」

おっそろそろ本番だと
文田は椅子から立ち上がった、その文田の腕を掴んだ。

「ん?」
「…………………文田」
「なーに?」

もうどーにでもなってしまえ。

何も伝えずに後悔するより

当たって砕けて後悔したほうが   何倍もマシだ。


だって俺は、馬鹿だから。


「俺ね、ずっと前から文田のことが大好きでした」

恥らいませず
真剣な顔で伝えた。

「俺と一生の恋人になってください」

すると文田は、少しだけきょとんとした顔を見せた。
そしてくくっと笑うと、急に抱きしめられた。

「ちょ…………文田?……」
「恋愛は瞬きのような瞬間だけど、あまりにも多くの時間を欲する」
「へっ?」
「…………もう少し早く言ってくれよ、この馬鹿が」
「だって文田は………」
「お前に笑顔を向け始めたのは、OKっていう合図だ」

有り得ない
こんなこと絶対にある訳ないのに

「………いいのかよっ……こんなホモな俺で………」
「いいの、いいの、」
「…………こっ……こんなバッカなっ……俺で……いいのかよぉぉぉ」

なのに
こんなにも
文田の胸の中は暖かくて、居心地がいい。

頭をなでなでしている文田の手にも温もりを感じて

俺は泣いてしまった。

「何泣いてんだよ、可愛いなあ」
「ううっ………ぐすっ……」

文田はハァと幸せそうな溜め息を吐いた。

「まだ収録まで時間あるな………」
「………じゃあ、俺のこと、慰めてよ、」

ハァハァと息を荒くしながら俺は言った(号泣してたせいで)

「………どんなに優れた頭脳も、お前の前では無力か(笑)」
「えっ………あっ……」

文田が俺の首に噛み付いた。

「何?こんなことで感じちゃうの?」
「ちょ………まって………んっ………ああだめだってぇ……」

あちこちを触られるだけで、甘い声が漏れてしまう。

「可愛いねぇ、太一くん」
「…………ふみたぁ」
「なーに?」
「……………おねがいだからぁ……鍵閉めてぇ……」

ガチャという音をスタートに
俺らは恋人になる行為を始める。


そんな二人


「…………っつはあっ」
「そんなに大きい声だしたら、バレちゃうよ?」
「……つーか………文田は……いつから俺のこと好き……なの?」
「んー………一ヶ月前くらい(本当は学生時代からだけど)」
「今なんか言った……んやあっ!………ふみたぁ……もっと優しく…」
「あっ悪い悪い(笑)」